2020年12月19日(土)に第140回千葉授業づくり研究会「子どもたちのInstagram利用の現状と安全に関する取り組みについて」を開催しました。前回に引き続き,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、オンライン会議ツールZoomを用いての開催となりました。

近年、InstagramなどSNSを利用する子どもたちが増えています。今回の研究会では、Facebook Japan株式会社(以下、Facebook社)の栗原さあや様を講師にお招きし、子どもたちのInstagram等の利用状況や課題、それに対応するための企業の取り組みなどをお話いただきました。以下、ご講演の概要をご報告いたします。

  • Facebook社について

ファミリーアプリ(Facebook, Messenger, Instagram, WhatsApp, Workplace, Oculus )の利用者数は全世界で32億人を突破しており、グローバルにサービスを運営されています。多くの方が利用する中で、地域や文化に応じてどのように安心安全でわかりやすい環境を作っていくかということを日々考えているそうです。

会社のミッションとして「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」を掲げており、ファミリーアプリの開発は常にこのミッションに沿って行われています。

  • Instagramとは

今回のテーマであるInstagramというSNS、利用されている方も多いのではないでしょうか。研究会の参加者も、半数近くの方が普段から利用されているとのことでした。

Instagramのミッションは「大切な人や大好きなこととあなたを近づける」だそうです。「インスタ映え」に代表されるように、きれいな写真や動画を共有する場としてのイメージが強いかもしれません。しかし近年では、「週末はどこに行こうかな」といったような日常生活でのアクションを考えるときに活用される場として進化しています。また、女性向けのSNSというイメージもありますが、実際は男性の利用者が40%以上いるそうです。

日本では2010年にサービスを開始し、2019年には3300万アカウントの利用がありました。日本ではストーリーズ(24時間で消える投稿機能)が特に人気で、多くの方に利用されています。なお、InstagramはFacebookと違い、実名でないアカウントを複数持つことができるため、用途ごとにアカウントを使い分ける人もいるそうです。

  • Instagramの機能

続いて、機能についてご紹介いただきました。代表的な新機能は以下のとおりです。

・ARカメラエフェクト

カメラに映る自分の顔や背景にイラストなどを合成し、さまざまな表現ができる。

・リール

短尺動画(最大30秒)を作成・投稿できる。

・IGTV

長尺動画(1分以上、最大1時間)の動画を作成・投稿できる。

・Instagramライブ

リアルタイムで視聴者からの意見や質問を受け付け、双方向のコミュニケーションができる。コロナ禍で対面イベントができない中、世界的に利用が増えた。

・QRコード(日本限定機能)

アカウント情報をQRコードで紹介できる。

昨年から製品開発チームが日本にも設置されたことで、QRコード機能をはじめとする日本独自の機能が続々と開発されているそうです。アメリカ国外で開発チームが置かれるのは日本が初だそうで、その背景には、日本でのInstagram利用の仕方がユニークなため、製品づくりに生かしていきたいという狙いがあるそうです。

日本でのユニークな利用例としては、「ハッシュタグ検索」が挙げられます。これは、「#〇〇」といった形で、同じカテゴリの投稿を検索できる機能です。日本でのハッシュタグ検索回数はグローバル平均の5倍にのぼっているそうです。日本ではハッシュタグを文章として書くなど、表現方法のひとつとしても活用されているのが特徴です。

  • 安心安全に関する取り組み

安心安全に関する取り組みとしては、まずFacebook社のポリシーについてお話しいただきました。許されない投稿としては、脅迫、自傷行為や性的暴力、テロに関するものなどが挙げられます。これらを含めたルールは、Facebookでは「コミュニティ規定」として、Instagramでは「コミュニティガイドライン」として規定されています。ルールを考える際に重視する点が3点あり、多様性を重視するといった「①原則に基づく」こと、ルールは実際に「②運用可能」であること、利用者に「③説明可能」であることだそうです。

ルール違反の検出には大きく2つの仕組みがあります。ひとつは利用者からの報告、もうひとつはAIや機械学習といった技術を用いて検出することです。技術を用いた検出では、投稿がされた瞬間、他の人の目に触れる前に検出・削除する対応も行われているそうです。しかし、検出技術には得意なコンテンツと不得意なコンテンツがあります。具体的には、ヌードなどの画像検出は得意ですが、ヘイトスピーチやいじめなどの文化・文脈背景の理解が必要なものは、自動判断がしづらいそうです。不得意なコンテンツでは、人の目での判断で補いながら対応しているそうです。

  • 管理機能(ツール)について

FacebookやInstagramの管理機能は、利用者が自分で管理できることを重視して設計されており、自分の投稿を誰に対して公開するか、誰からの投稿を表示するかなどを細かく管理できるようになっています。

安全に関するツールのひとつとして、不適切な投稿の報告機能があります。利用者が不適切だと思う投稿を「報告」ボタンからFacebook社に報告でき、Facebook社での調査後、報告に対する回答が利用者の「サポート受信箱」に送られるという仕組みになっています。

他にもInstagramのツールとして、以下のものをご紹介いただきました。

・コメント設定

投稿ごとに、誰がコメントできるかの設定や、特定のコメントの削除、報告ができる。

・不適切なコメントの非表示

非表示機能をONにすると、いじめコメントや性的表現を含むコメントなどが自動で非表示になる。また、非表示にしたいキーワードを自分で設定すると、そのキーワードが含まれるコメントが非表示になる。

・タグ付け管理

自分をタグ付けできる人の設定や、タグ付けを承認制にできる。

・お気に入りのコメントの固定

気に入ったコメントを上位に表示させることで、コメント欄をポジティブな雰囲気にできる。

・オーディエンスの管理

アカウントのブロック、フォローを外す、ストーリーズの非表示といった設定ができる。

・制限機能

特定のアカウントを制限することで、その人からのコメントを非表示にできる。アカウントのブロックをすると、自分の投稿が相手に表示されなくなるので、ブロックしたと気づかれることもある。ブロックせずに制限することで、相手に気づかれにくい形で、相手の嫌なコメントを見ずに済む。場合によっては非表示のコメントを表示させ、さらに他の人も見られるようにすることもできる。グローバルには「restrict」という名前で実装されている。

・親しい友達リスト

リストを作成し、特定アカウントだけにストーリーズを表示させる。

・問題を抱えている方へのサポート

辛い気持ちを表す単語の検索時や、サポートの必要性を匿名で報告されると、「助けが必要ですか」といったポップアップが表示される。リンクを押すと、当事者に役立つヘルプラインなどの情報が表示される。

グローバルでこれまでに3500万以上のInstagramアカウントが制限機能を使用しているそうで、需要の高さが窺えます。

  • 普及啓発活動について

以下のように、Facebook社で取り組んでいる様々な普及啓発活動をご紹介いただきました。

・保護者のためのInstagramガイド

保護者向けに、子どもの利用方法について話し合うためのアドバイス冊子を作成。

Instagram ヘルプセンター(https://help.instagram.com)から閲覧・ダウンロードできる(ヘルプセンター >プライバシーと安全>保護者のためのヒント)

・安全な使い方を楽しく学ぼう!みんなのInstagramガイド

青少年向けに、4コマ漫画で身近にありえるストーリーを描き、場面ごとの安全な使い方を紹介する冊子を作成。(参考URL:https://about.fb.com/ja/news/2019/12/teensafetyguide/)

・サポートページ運営

「ヘルプセンター」(https://www.facebook.com/help)と「安全に利用するために」(https://www.facebook.com/safety)といったページを運営。

  • 外部と連携した取り組み

Facebook社のみでの取り組みだけでなく、外部と連携した普及啓発活動も行なっているそうです。例えば、以下のものがあります。

・インスタANZENカイギ

UUUM株式会社と連携し、若年層の支持を集めるクリエイターと共に、実際の悩みや体験談をもとにした啓発コンテンツを制作・発信。コンテンツのひとつとして、誰でもストーリーズから参加して機能を学べるインスタANZENカイギクイズを実施。

・メンタルヘルスに関する取り組み

NPO法人あなたのいばしょと共に、メンタルヘルスに関する「まとめ」を公開。また、Buzzfeed Japanと共に、Instagramライブ「こころの不調は誰にでもあることだから。いま知りたい心のケア101」を実施。

・プライバシーに関する取り組み

人気クリエイターと連携し、「#マンガで学ぶプライバシー」キャンペーンを実施。

・教育プログラム「みんなのデジタル教室」

アジア太平洋地域全体で運営されているプロジェクト。幅広い世代のデジタルリテラシー向上のために、国ごとに様々な活動をしている。2020年内に8カ国で200万人以上の受講が目標で、これを達成。

日本では今年度、弊会と共同で中高生向けコンテンツを制作し、オフライン・オンラインで2つの授業を実施。「デジタル・アイデンティティを考える」では、一般的なイメージの個人情報だけでなく、履歴やシェアの蓄積もデジタル・アイデンティティを構成していることを学ぶ。「偽ニュースの見分け方」では、偽ニュースが発信される動機や受け取る側の視点を考える内容。授業のエッセンスをInstagram上で体験できるコンテンツ「タグでたどる物語」も公開した。

日本での他の取り組みとして、シニア向けの冊子「大人のためのFacebookガイドブック」も制作しており、ここでは実名制の利点を生かした使い方や追悼アカウントの設定方法などを盛り込んでいる。

・パートナーシップ

一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構を他事業者と連携して設立。ソーシャルメディア上の課題の傾向や対策に関わるノウハウを共有し、調査研究や啓発活動の強化を目的に活動。

・VR教育実証プロジェクト

NPO法人CAMVASと連携し、Facebook社が開発するVRデバイスOculusを活用して災害疑似体験コンテンツを開発。中学校で実施した授業では、廊下で煙が充満する様子や、校庭が浸水する様子を生徒たちが疑似体験できた。

VRプロジェクトについては今回の主題とはテーマが異なりますが、テクノロジーによって生じるネガティブな側面の解決だけでなく、ポジティブな面での新しい教育機会の提供も行なっていることの例としてご紹介いただきました。

意見交換では、オンラインツールを使用して質問・意見を一覧化しながら、活発な交流が行われました。

 

ご講演を通じて、InstagramをはじめとしたSNS機能は日々進化しており、コミュニケーションの幅が大きく広がり続けていることを改めて感じました。その一方で、新しい配慮やトラブル対応が企業と利用者双方に求められているのだということがわかりました。また、安心安全のための機能の多様さや開発背景を知ったことで、こうした機能を使いこなすための普及啓発の大切さを痛感しました。教育現場でのリテラシー教育につながる、示唆に富む時間になりました。

ご講演いただいた栗原様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

文責・企業教育研究会 樋口健

2020年11月14日(土)に第139回千葉授業づくり研究会「未来の主権者に必要なコミュニケーション能力とは!?」を開催しました。前回に引き続き,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、オンライン会議ツールZoomを用いての開催となりました。

 

社会における変化や多様化に応じた政治を実現するためには、国民の様々な意見を政治や行政に届けることが重要です。しかし、日本では若い世代の選挙での投票率が低い状況が続いており、若者の政治離れが問題となっています。

学校教育では2016年に選挙年齢が18歳以上に引き下げられたこともあり、主権者教育の重要性が注目されてきました。若者の政治離れを解決するために、これからの主権者教育では投票を推奨するだけでなく、自分の意見を政治や行政に届ける方法について子どもたちと考えていくことが大切なのではないでしょうか。

今回の研究会ではマカイラ株式会社の藤井宏一郎様を講師にお招きし、アドボカシーやロビイングなどの政治に意見を届ける方法や、こうした活動に欠かせないコミュニケーション能力などについてお話いただきました。また、主権者教育に関心のある大学生・大学院生,教員のみなさんと未来の主権者を育てるための教育について議論しました。

 

こちらは、講演の録画です。

また、講演のスライド資料は、以下からダウンロードできます。

https://www.dropbox.com/s/cqt84ku4kk72c0j/

 

藤井様が代表取締役をつとめる「マカイラ株式会社」は,アドボカシーを中心としたパブリックアフェアーズのコンサルティング会社です。アドボカシーとは権利擁護,政策提言などと訳され,主にマイノリティや社会的弱者の立場に立った政治的表明やキャンペーン活動を意味します。パブリックアフェアーズとは社会性の高い問題について様々な立場の人に理解してもらうための戦略的コミュニケーションを意味します。「マカイラ株式会社」での仕事は,例えば,政治や社会問題に関して,実際に困っている人や問題提起をしようとしている人,法律の専門家や企業などが協力できる体制づくりをし,政策の実現まで持ち込むことを目的に様々な手法でキャンペーンを行うというものがあります。

 

政府に声を届ける方法として投票に限らず,様々な手法でキャンペーンがあるとのことですが,学校では政府に声を届ける方法をどのように児童生徒に教えていくべきなのでしょうか。現在の学習指導要領では司法参加,政治参加,公正な世論と経済活動への参加,請願権などがバランスよく書かれており,投票に偏った記述はありません。しかし,実際には模擬投票の実践が少なくないのが現状です。また,教科書においては「社会変革の手法」について散発的に記述されるにとどまり,体系だって教えることはできていません。すなわち,具体的にどのような行動から始めて問題解決に至ればよいのかが児童生徒には分からないのです。一方で,実際の社会では若手が中心となってベンチャー企業や社会起業家,NPOといった形で世の中を変えるケースが増えているそうです。こうした現状を踏まえると,児童生徒には今の政治システムをうまく利用する「新しいロビイング(アドボカシー)」や「パブリックアフェアーズ」という方法を学校教育の中でも取り上げていく必要があるのではないか,というお話がありました。

 

それでは,具体的に政治や社会問題に対して声をあげたいと思った時,どのような行動をすればよいのでしょうか。旧来のロビイングは陳情と言う形で政治や行政に働きかけることが主流でした。一方,新しいロビイングでは①マイノリティや弱者の声を拾い関係各所に働きかけていく草の根ロビー・市民アドボカシー,②新規事業を始めるにあたり必要な法整備や利害調整といったものを進めていくパブリックアフェアーズ/イノベーションアドボカシーのタイプがあり,二つを組み合わせたタイプも考えられます。いずれにしても,形式的に進めるだけでは大きなムーブメントは起きません。実質的に,努力を惜しまない行動と戦略的に物事を進めていく社会コミュニケーションスキルが必要だそうです。一人でも多くの味方を増やすために,誰にどのような方法でアプローチするのが良いのか,どのような情報を持っていけば良いのかを考え,広く社会を巻き込み,透明かつ公正に政策決定まで持ち込むことが求められます。

 

新しい市民ロビーの一般的な流れを5つに分けて紹介していただきました。

「①仲間づくり」では,アドボカシーの拠点となるNPO法人,場合によっては協議会や連絡会を立ち上げ,同じ問題意識を持った人々が集まれる団体を立ち上げます。自治体、企業、NPO、政府、財団など様々な立場の人を巻き込んで特定の社会問題を解決しようという「コレクティブ・インパクト」という考え方もあり,政策立案に関わる議員に対し,一個人の意見ではなく世論として認めてもらうためにも仲間づくりは重要な一歩です。

「②要望事項の整理」では,困っていることを解決するために,具体的に,どの法律・条例のどこを直して欲しいのか,どういう予算が必要か特定した政策提言書を作成します。味方となる行政職員や市議会議員と話して改善点のアイディアがもらったり,その問題を研究している大学の教授や研究室に協力を仰いだり,あるいは統計データやメディア記事の背景資料の準備をしたり,ということが提言書の作成と並行して行われます。

「③政策当局者への接触」では提言書を実際に国会議員や省庁の担当者に持っていきます。この段階は心理的なハードルが高いと思われがちですが,意外と話を聞いてくれるケースも多いそうです。どのような問題を解決するのかによって会うべき政策当局者は変わってきますが,政策提言書,背景資料,予定があれば今後のイベント案内を持参し,他に会っておくべき人の紹介の取り付けをお願いすると問題解決のための人脈も広がります。

「④世論への呼びかけ」では,ウェブサイト,ブログ,SNS,イベントといった特定の層へのアプローチと,新聞やマスメディアといった大衆向けのアプローチを進めていきます。広告をプロにお願いすることで,メディアが注目するようなコンテンツをつくり,世論が味方についてくれることもあります。政局を見守りながら,いつ誰に向けてどのような情報を出すのが効果的か考える必要があります。

「⑤政府内でのプロセス」は,政策立案に向けて動いてくれている議員を支援する段階です。反対派の議員への質疑応答のための資料提供や,味方になってくれる議員を増やすための呼びかけ,どこまでなら妥協するのかといった条件について仲間内での合意を得るなどやるべきことがいくつもあります。法案が通った後も,全国展開に向けてガイドライン制定まで丁寧に活動を進めていくことが求められます。

 

実際に「自殺対策推進法」「食品ロス推進法」「電話リレー法」といった法案の制定,学校における「ブラック校則」反対運動などが上記のような方法で実現されていきました。今の時代,社会変革キャンペーンに関わる方法はたくさんあることがわかります。我々は,国会,中央省庁,市議会議・市役所,国際機関などを対象に,ウェブ,メディアキャンペーン,署名サイト,クラウドファンディング,デモ行進といった様々な手法で,社会変革をもたらすことができるのです。そして社会変革をもたらす上で重要となるのが社会コミュニケーションスキルです。例えば,どうコアに動いてくれる仲間をつくるか,どう資金を集めるか,裏切りや駆け抜けにどう対応するか,どう味方を見極めるか,どう仲間内にしこりを残さず,誰に花を持たせるかなどが,社会コミュニケーションスキルの例です。これらのスキルはアドボカシーに参加する人のみならず,どのような組織に属していても必要なスキルであると言えます。

 

今回は,これからの主権者教育について,投票を推奨するだけでなく、自分の意見を政治や行政に届ける方法について子どもたちと考えていくための方法として,「新しいロビイング(アドボカシー)」があること,そして実際に問題解決を進めるにあたっては「社会コミュニケーションスキル」が求められるということをご講演いただきました。民主主義社会を生き抜く児童生徒に必要なスキルとは何か,質疑応答の時間にも大変充実した議論をすることができました。ご講演いただいた藤井様、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

文責・企業教育研究会 小牧瞳

2020年10月17日(土)に第138回千葉授業づくり研究会「インバウンド対応から学ぶ「変化をチャンスにつなげる力」」を開催しました。今回も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、オンライン会議ツールZoomを用いての開催となりました。

 

インバウンドの増加に伴い、社会には様々な変化が起きています。外国からの観光客が増加したことで、例えば地域の人の流れの変化や、街の様子や交通網などの変化、観光地の顧客ニーズの多様化などが起きています。観光業界では、こうした変化を受け止め、新しいニーズに応えているそうです。

近年の私たちの社会では、情報技術の発展などによってめまぐるしい変化が起きています。また、現在は新型コロナウイルスの影響による変化も様々なところで生じています。こうした社会では、変化に気づき、チャンスに変えていく力がますます大切になっています。

今回の研究会ではトリップアドバイザー株式会社の牧野友衛さまを講師にお招きし、近年の日本のインバウンドの現状や、観光業界におけるインバウンドへの対応、新型コロナウイルス感染症への対応などについてお話いただきました。以下、講演の内容を概略的に記録させていただきます。

 

牧野さまはTwitterやGoogleなどインターネット全般の企業でご活躍されていたこともあり、旅行業界とは別の立場で旅行やインバウンドというものを考え直していったそうです。

 

はじめに、トリップアドバイザーのご紹介およびインバウンドやコロナ対策についてご紹介いただきました。トリップアドバイザーは2000年にアメリカで設立された企業で、インターネットの初期段階から口コミを使用したプラットフォームを世界各国に提供しているとのことです。各地を特集している旅行者向け雑誌は、あくまでも編集者の手による評価になってしまいますが、トリップアドバイザーの口コミを見ると世界中の観光客が自身の基準で評価・写真投稿を行うことができるため、各国の言語の情報が集まっているそうです。また、マイナスの評価を隠そうとしている施設に対してはペナルティを課すなど、公平性が保たれるサイト運営をされているとのことでした。

 

インバウンドについて、元々の目的は少子高齢化による定住人口減少を埋めるべく交流人口を増やすことによって経済を回すことだったとのことです。日本への旅行者は年々と増加し、需要・消費額も伸びてきてはいるが、旅行業界としてはここからどのように伸ばしていくのかが課題であるとのことでした。インバウンドの旅行者を増加させるべく、必要な情報を出していく、ということが大切になってくるとのことでした。しかし、日本人が評価しているところと外国から来る人が評価している場所は異なり、各国で人気な地域が違うため、何が好きか・嫌いか、一辺倒に考えってしまうことはもったいないとのことです。ここで、牧野さまは日本の優れているところや改善の余地があるところについて、口コミを見て改めて考えてみたそうです。その中で各国の旅行者の傾向を見たところ、個人サイトや口コミサイトを見て旅行先を決定しているということがわかったそうです。このことから、旅行者が接触するすべてのメディアでの情報発信が大切であるため、今後はオンライン対応とブランドマネージメントが重要になってくるとのことでした。

 

続いて、新型コロナウイルス感染症に関する調査を基に、今後の対策や動きについてご説明いただきました。新型コロナウイルス感染症が収束次第、日本に行きたいと言ってくれている外国の方が多いそうですが、1年以上先になってしまうと答えている方が多数とのことでした。日本国内では国内旅行が増えていく一方で、アウトドアの旅行のニーズが高まってきているとのことでした。新型コロナウイルス感染症の影響により、旅行者数が昨年と同じ状況まで戻るためには2024年頃までかかる見込みではあるが、徐々に旅行者は日本へ戻ってくるだろう、とのことです。

今後、感染症対策も含めて、一辺倒な考え方ではなく柔軟に旅行者のニーズを考慮することが大切ということでした。このことは、変化をチャンスに変える上で大切だと考えられます。

 

牧野さまからご講演いただいた後、質疑応答を行いました。今回は、現職の先生や大学院生など様々なお立場の方にご参加いただいたこともあり、旅行に関するお話やサイトの運営についての質問などが飛び交いました。また、ご講演中のチャットも盛り上がり、参加者のみなさま同士も意見交換をすることができました。

 

その後のブレイクアウトセッションでは、以下のお題で議論を行い、様々な立場から考えるアイディアを共有しました。

①インバウンドを多くの人たちに自分ごととして考えてもらうために学校でできること

②これから異なる歴史や文化的背景を持つ人たちと違いを踏まえた上で、お互い理解しあうためのコミュニケーションが必要になります。そのような人たちを増やすためにできること

 

今回は、新型コロナウイルス 感染症の影響を大きく受けている旅行業界の今までとこれから、そしてインバウンド観光客に対するアプローチを中心にご講演いただきました。様々な立場を持つ方々と交流でき、今後のアイディアや学びのきっかけをいただけた貴重な機会でした。ご講演いただいた牧野さま、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

文責・企業教育研究会 郡司日奈乃

2020年7月25日(土)に第137回千葉授業づくり研究会「『寄付・社会的投資』とは?社会貢献教育について考えよう」を開催しました。今回も、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、オンライン会議ツールZoomを用いて開催いたしました。

 

学校教育において、社会の課題を自ら解決する力の育成がますます重要になっています。

 

寄付や社会的投資が広がっていくことで、社会課題を解決するための新しいチャレンジが促進されます。また、誰かの役に立つことが自分の幸せにつながる社会を実現できることが期待されます。寄付文化を学ぶことは、社会の課題を見直し、自分にできることを考える大きなきっかけになるはずです。

 

そこで、今回の研究会では日本ファンドレイジング協会事務局長の小川愛様を講師にお招きし、日本の寄付市場や社会貢献教育についてお話いただきました。また、ワークショップを通して寄付・社会的投資を題材に、社会課題を解決する力をどのように子どもたちに育むことができるのか議論を行いました。以下、講演とワークショップの内容を概略的に記録させていただきます。

 

はじめに、小川愛様よりご挨拶を頂き、NPO法人日本ファインドレイジング協会についてご紹介をしていただきだきました。日本ファンドレイジング協会では、現在ファンドレイザー(民間非営利団体の活動資金を調達する専門家)の育成・市場の形成・政策を変えることの三つを主として事業をされています。

 

次に、日本の寄付市場について説明をしていただきました。日本の寄付額と外国の寄付額を比較すると、アメリカはほぼ40倍、イギリスはほぼ2倍、韓国はほぼ同額という結果になっています。GDPに占める割合で換算しても日本の割合は少なく、日本の寄付市場は伸びしろがあるといえます。日本の寄付総額の内訳は、3つのカテゴリーに分かれ、その中でもふるさと納税が1/3を占めています。寄付を年齢別にみると、高年齢にいくにつれて寄付率があがってくことが分かりました。寄付の動機は、寄付する場所によって異なっており、寄付を募る側はどこの人たちから寄付が欲しいのか、寄付を募るためにはどのようなターゲット層にメッセージングを行うのか等の検討が必要となります。寄付とボランティア活動の関係をみた場合には、「共感性」がキーワードとなっているそうです。

 

財源は、組織や事業を成長させるために必要であり、ファンドレイジング戦略とは、事業・組織・財源の一体的発展戦略です。ファンドレイジングスクールでは、ケーススタディを豊富に行っています。ファンドレイザーには、ファンドレイジングの知識とスキル・ファンドレイジングの実行・実践力、マネジメント・コーディネーション力、対人・コミュニケーション力、誇りと倫理を守る姿勢、誠実さの5つの能力が必要とされます。

 

一般の企業の活動では、投資したお金はその企業への経済的リターンとしてフィードバックされますが、寄付金を活用した活動の場合は、寄付したお金は受益者にフィードバックされます。そのため、寄付していただいた方々にきちんと活動報告やお礼を伝え、寄付金が正しく活用されていることをフィードバックすることが大切だということでした。

 

 続いて、これからの寄付のかたちと社会的投資についてお話をしていただきました。レガシーギフト(遺贈寄付)というものがあり、これは亡くなる時に遺言として、社会課題を解決する団体に寄付をすることだそうです。日本の遺贈寄付の状況は、アメリカはイギリスと比べると、額は低いですが、現在は少しずつ増えてきています。人生最後の社会貢献ができ、自分の意思を世の中に残すことができるということが利点とのことです。

 

 また、現在の新型コロナ禍でも、いくつかの団体が連携し、クラウドファンディングで集めたお金で助成金プロジェクトを行っているそうです。クラウドファンディングの利点は、街頭募金よりも集金収集力が高いことです。ただ、共感がもたれず、うまくいかない例もあるそうです。世の中の人が活動の目的に共感できるようなプロジェクトを考えることや、活動を多くの人に知ってもらう工夫が必要とのことでした。

 

 現在、社会的投資(社会的インパクト投資、インパクト投資)が注目を浴びています。社会的投資では、経済的リターンと社会的リターンの両方が求められるとのことでした。

 

その後、教育プログラムの説明を受け、社会貢献教育の体験ワークショップを行いました。日本ファンドレイジング協会が学校に提供する教育プログラムとして、「寄付の教室」や「社会に貢献するワークショップ」があります。上記の取り組みでは、以下の三つを目標としているそうです。

 

①子どもたちの自己肯定感を高める

②子どもたちの多様な価値観を認める

③子どもたちが達成感を得られる

 

「寄付の教室」では、どの団体にいくら寄付するかという寄付の模擬体験ができます。「社会に貢献するワークショップ」は、社会に貢献することを個人の経験に根差して考えるワークショップです。新しいかたちの授業で、「Learning by Giving」が実施されています。子どもたちが30万円を実際に寄付することを通じて、NPOや社会の課題を解決することを学ぶ実践プログラムです。子どもたちに社会の課題を解決する力を育成することや、社会課題への理解を深めることへの効果がとてもあり、責任感も感じることができます。

 

 「寄付の教室」体験では、グループワークを通して、30万円を3つのNPO団体に対し、どの団体にいくら寄付するのか決定し発表を行いました。4つのグループに分かれ実施しましたが、どのグループも分配額が異なり、選んだ視点は費用対効果や当事者意識、切実感など様々なものがあり、意見交換が盛り上がりました。小川様からは、「人によって色々な視点の考え方がある。正解はなく、思いをもって行動することが大切」というお話をしていただきました。

 

休憩を挟み質疑応答を行いました。学校現場と寄付教育の関りや、新型コロナ禍のクラウドファンディングについてなど、多岐にわたる視点から様々な質問がありました。

その後には、以下二つの議題についてブレイクアウトセッションを行いました。

 

①将来、社会課題解決の担い手として積極的に参加する大人になってもらうとしたら、今の社会貢献教育にさらに何を加えたらいいと思いますか。

②社会貢献教育をより学校に浸透させるためにはどういった工夫があるといいかと思いますか。

 

社会貢献をもっと身近な教育として、取り入れること。利他的になっていくこと。子どもたちの内から湧いてくる問を、どう社会の課題に結び付けるかなどの意見が上がっていました。

 

今回は、「寄付」という、まだあまり学校現場に浸透していない話題ではありましたが、これからの社会問題を考えるにあたり非常に重要なものであることが分かりました。最後に小川様から、社会貢献教育はこれから発展していく余地があることと、以下3つの大切な点をお伝えいただきました。

 

①地域の問題に気が付いて、社会のために貢献していくような機会を子ども達に提供していくことが大切。

②寄付を身近に体験する場として学校が重要であり、学校へのアプローチの仕方に工夫をしていくことが大切。

③身近なことから自分にできること、社会に貢献して一員になれることを意識することが大切。

 

ご講演頂いた小川様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

文責・企業教育研究会  立川さくら

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う一斉休校が解除され、ソーシャルディスタンスを維持しつつ話し合い活動などの人と関わる学習活動をどのように行うか、企業の出張授業などの社会とつながった学びをどのように維持するか、といったwith コロナ時代の学校教育の進め方が議論されています。こうした課題を考える上で、休校期間中に行われたオンラインツールを用いた実践を振り返り、オンラインコミュニケーションを活用した学校教育について議論することが重要だと考えられます。

今回の研究会では、一斉休校の開始直後からMicrosoft社のグループウェア「Teams」を導入し、先駆的な実践を重ねている千葉大学教育学部附属小学校の先生方4名からご講演いただきました。以下講演の内容を概略的に記録させていただきます。

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ご講演いただいた先生方のご紹介

・小池翔太先生:校内のICT主任・総合準専科。一斉休校要請直後・試行導入期・本格導入期と段階に分けて、Teams導入までの学校現場のリアルをご講演いただきました。

・永末大輔先生:専門教科は体育。今回は6年生に向けた「身体を通した対話」を大切にした授業実践についてご講演いただきました。

・田﨑優一先生:専門教科は理科で、現在は専科教員。休校中であっても、教材を手にして事象をしっかり見て欲しいという想いから作成された非同期型・動画教材についてご講演いただきました。

・本村徹也先生:今回ご講演いただいた4名の中で唯一の学級担任。休校期間中の学級づくりの一環として、分散登校をチャンスと捉えた道徳の授業実践についてご講演いただきました。

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はじめに、小池先生からTeams導入の経緯についてお話いただきました。休校後であっても、グループウェアで教室の「当たり前」を再現したかったという想いから、以下の内容が組み込まれているTeamsを使用されたそうです。

・いつでもだれでもビデオ通話

・チャットの記録が残る

・ファイル投稿とそれに対するコメントができる

・(限度はあるが)カジュアルなコミュニケーションもしやすい

千葉大学はMicrosoft社と包括契約を結んでいるため、一人ひとりの教職員・学生にアカウントが発行されています。今回はこれを利用し、附属小学校一人ひとりの児童へのアカウント発行を大学側に申請し、休講要請翌日に児童約650名分のアカウントが発行完了・配付されるなど、刻一刻を争う状況だったとのことでした。試行導入期(3月)は、Teamsへの参加は任意制で、あくまでもメインは学校HPに掲載される課題がメイン。本格導入期(4月)は、学校からデバイスを貸し出すなどの対応の上、児童全員がTeamsへ参加しオンライン上での学級開きが行われたとのことでした。

また、附属小学校全体で取り組んでいた情報活用能力育成の授業実践の経験も、今回のTeams導入に一役買っているとご紹介いただきましたので、こちらでURLを共有させていただきます。

 

令和元年度情報教育推進校(IE-School)成果報告集(千葉大学教育学部附属小学校)

http://www.el.chiba-u.jp/IEschool

 

次に、永末先生から「身体を通した対話」を大切にした体育の授業実践についてお話いただきました。コロナ禍では運動不足が問題になっているが、本当に児童は運動をする機会を体育の授業に求めているか調べたところ、「友達との関わりがほしい・コミュニケーションがしたい」という調査結果を見つけたとのこと。コミュニケーションを取りたいだけでは体育である必要はないと考え、身体を使いながら他者とコミュニケーションを図ることを大切にした授業を組み立てられたそうです。永末先生の実践は、以下の4つのフェーズで行ったそうです。

①非同期型オンデマンド(一方通行型)

②同期型リアルタイム(双方向型)

③子どもたちが動きや運動を考え、創造する(双方向型を超えた相互作用的な対話型)

④分散登校を見据え、学校での学習と家庭でのオンライン学習をつなぐ(ハイブリッド型)

今回の実践を通して、ただ運動を提供することは求められておらず、いま学校で求められている体育とは運動と対話であることがわかったため、今後はオンライン上での対話のしやすさを武器にした、学校とオンラインを繋ぐハイブリット型授業が求められるとのことでした。

 

続いて、田﨑先生から「非同期型動画教材」についてお話いただきました。理科で扱う題材を自分ごとの課題にしてもらうべく、教材を手にして事象をしっかり観察できるような動画づくりを目指したとのことでした。また、普段気にも留めなかった周囲の自然に目が向くようになってもらえるように先生ご自身が動画を作成されたとのことでした。これによって学校など身近な場所で撮影することができ、身近なものとして事象を捉えられる・自分が飼っているかのように感じさせられる、とのことでした。実際には、Microsoft Streamを使用し、自然の変化・季節の移り変わりを子どもたちに届けようと動画を何本も編集されたそうで、非同期型動画教材のメリットは、自分の端末で動画を何度も確認できるため児童のペースで進められることや、意見を述べる時に手元に動画という情報があること、だそうです。今回の取り組みを踏まえ、これからの課題は、非同期型から同期型になった時、どのようにしてモノを用いた対話や意見交換をするか、どのようにして児童自身が事象から不思議を発見して自分ごとにできるようにするか、とのことでした。

 

最後に、本村先生から休校期間中の「学級づくり」と分散登校をチャンスに捉えた授業実践についてお話いただきました。休校期間中はオンライン上で朝の会とまとめの会を行い、児童の「友達と話したい」を叶える取り組みを行っていたそうですが、児童からは「もっと話したい」「足りない」という声があったとのことです。この時たまたまネット上で見つけた「オンラインもくもく会」を学級にも導入し、参加希望者でのゆるやかな繋がりを作っていったとのことでした。また、分散登校が始まってからは、子どもにいま必要な学習を考え、「わくわく」ではなく、まずは「ほっと」することを大事にされたとのことでした。その一つの取り組みとして、道徳×学活の4コマ構成で「お互いのよさを見つけ合おう」という単元を展開されたとのことでした。また、分散登校では半分の児童のみが教室にいるため、教室で行う授業・オンライン上での同期型・自宅での非同期型の3つの方法を取り、ハイブリッド型授業を実践されたとのことでした。今後は、これまでも大切にしてきた授業改善の視点やオンラインならではの「話しにくさ」の改善、個の見取りが課題になるとのことでした。

 

以上4名の先生方からお話いただいた後、質疑応答を行いました。今回は現職の先生から民間企業にお勤めの方まで多岐にわたって参加いただいたため、現場レベルの話からTeamsの機能に関する質問など、さまざまな質問が飛び交いました。

その後のブレイクアウトセッションでは、「オンラインツールをこれからの学校教育に生かすアイディア」というお題のもと、8部屋のブレイクアウトルームで議論が行われ、様々な立場から考えるアイディアを共有しました。

今回は、本会にしては珍しく学校の先生にご講演いただきました。「出来る事を出来るだけやった」休校中の支援として、いち早く取り組まれた千葉大学教育学部附属小学校の事例を通して、これからの教育について考えを巡らせていきました。また、様々な業種の方と交流でき、今後のwithコロナ時代に向けたアイディアや学びのきっかけを頂けた機会でした。ご講演いただいた4名の先生方、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

文責・企業教育研究会  郡司日奈乃

 

2020年5月16日に第135回千葉授業づくり研究会「見えないものを可視化する」を、今回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、オンライン会議ツールであるZoomを用いて開催いたしました。

 

「見えないものを可視化する」ということで、可視化することにおいて必要不可欠なコンピューター・シュミレーション技術について、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の池田様にお話いただきました。

池田様は環境カウンセラーの経歴をお持ちで、環境教育とコンピュータ・シミュレーションの関係に精通しており、現在では科学・工学分野の解析、シミュレーション技術で社会を取り巻く様々な課題解決へ取り組んでいらっしゃいます。以下講演の内容を概略的に記録させていただきます。

 

はじめに、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)や実際に行っている出前授業に関するご紹介を、CTC広報部 酒井様からいただきました。CTCはAI/IoTやクラウドサービス、SNSなどの分野で活躍している企業で、2015年に社会貢献活動として「未来実現IT教室」を、子ども向けのプログラミング教育として立ち上げました。その中で、現場の先生たちの「プログラミング教育ってどうやればいいのだろう?」という疑問に触れ、さらに現場のニーズに応えるために企業教育研究会と共同で「みんなでチャレンジ!ITエンジニア」という授業を2018年からはじめました。この授業では、プログラミングを教えることより、プログラミングの基礎である、論理的思考(プログラミング的思考)を養うことを大事にしたそうです。

 

次に、池田様から数値シミュレーションや環境教育などのお話をいただきました。数値シミュレーションとは、天気予報やCO2濃度分布、ウイルス飛散、設計(建築物や車の空気の流れや音など)などといった、私達の生活には欠かせないものに多く活用されており、目に見えないものを可視化するためになくてはならないものです。また、池田様は環境教育においてインタープリテーション(自然の解説)として、五感を使って感動を与えることや、体験を取り入れることを大事にしているそうです。環境教育においては、生物多様性と持続可能な開発目標について、「バイオミミクリー」を紹介しながら、今までたくさんの子どもたちに教えてきたそうです。バイオミミクリーとは「生物を模倣する」ことを意味し、例えば、ヨーグルトの蓋にヨーグルトがくっついていないのは、蓮の葉を模しており、蓮の葉には撥水性があり、そこからヒントを得て、ヨーグルトがくっつかない蓋が開発されたそうです。ほかにも500系の新幹線はカワセミの入水を模していたり、パンタグラフはフクロウの無音飛行を模していたりなど、とても興味深い内容でした。

これらの内容を踏まえ、数値シミュレーションと環境を組み合わせた教育プログラムの提案をいただきました。目的を満たすモデルを生き物からヒントを得て、プログラミング的思考で、試行錯誤して、見つけ出す力を養うことが目的だそうです。

 

休憩を挟んだ後の質疑応答では数値シミュレーションに関する質問が大多数を占めていました。数値シミュレーションの可能性や、初心者が扱うときのポイントについて、数値シミュレーションと子どもの学びへの繋がりなどの質問があり、それぞれ丁寧にお答えいただきました。中でも、バイオミミクリーを考えるにあたって、モノと生き物の関連性、例えば新幹線とカワセミはどのようにつながったのかなどを子どもたちに考えさせる必要があるが、そういった力をどのように考えさせるかという質問に対して、「なぜこの生き物は〇〇(速い、音がしないなど)なんだろう?」という視点を持ち、Whyを追求することが大切とおっしゃっており、まさに子どもたちに必要な力を養える教育コンテンツだと感じました。

 

最後に、グループに分かれてブレイクディスカッションを行いました。それぞれのグループに分かれて、今回の議題に関して様々なアイデアを考え、意見し合う場として、盛り上がりました。ここでも「どうすれば、学校の先生でも数値シミュレーションを授業に取り入れることができるのでしょうか?」という質問がありましたが、池田様いわく、簡単なソフトで計算をするとのことで、懸念が解消されたと思います。また、アート(黄金比)や感染拡大シミュレーション、暑い教室の効率よく冷やし方などといった様々な軸で授業が作れる可能性があり、日常とのつながりもあって、とても良い教育コンテンツだと思うといった意見が多くありました。

 

今回は、数値シミュレーションという、教育コンテンツとして可能性を秘めている内容でした。難しい内容ではありますが、子どもたちは自分自身でWhyを追求し、プログラミング的思考で試行錯誤して新たなモデルを開発し、もとよりいい結果を導き出すことで、今までにない感動を与えられるのではないかと感じました。

 

文責・企業教育研究会  堀内誠太

 

オンライン会議ツールであるZoomを用いて、各参加者のいる場所を繋いで実施しました。

2019年12月21日に第134回千葉授業づくり研究会「教育コンテンツ開発の秘訣とは!?」を開催しました。

 

学校の情報化やアクティブラーニングへの注目など、世の中のニーズが移り変わる中、制作されるコンテンツも変化していきます。今回は教育コンテンツを制作されているプロをお呼びし、対談形式で教育コンテンツについてご講演いただきました。

講師にはディレクションズ学習コンテンツ開発部プロデューサーの楢崎匡さま、すなばコーポレーション代表の門川良平さまの二名をお呼びしました。以下講演の内容を概略的に記録させていただきます。

 

はじめに、それぞれご自身の取り組みについてご紹介いただきました。

楢崎さまの所属するディレクションズ社は、子ども向けのコンテンツを多数制作する映像制作会社です。楢崎さまが在籍する学習コンテンツ開発部では、特に教育に特化したコンテンツを制作されており、Eテレの番組やベネッセコーポレーションの動画教材、教科書のデジタル教材の制作などを行っているそうです。

 

門川さまは、10年間勤めたベネッセコーポレーションを退職後に通信制大学で小学校教員免許を取得し、小学校の教員として2年間勤めた後、文響社を経て、個人会社のすなばコーポレーションの代表を務めていらっしゃいます。ベネッセでは進研ゼミ小学講座の教材開発に、文響社では、うんこ事業部うんこプロデューサーとして、大ヒットドリルシリーズ「うんこドリル」のキャラクターである「うんこ先生」を用いて、交通安全からSDGsまで、幅広い分野の教育コンテンツ作りに携わってこられました。現在は文響社から委託を受けている業務のほか、対戦型計算カードゲーム「ミーデン」を開発したり、「不登校からのキャリアデザイン」というイベントの主催をしたりと、オリジナルのSDGsワークショップを開発したりと多岐にわたる活躍をなさっているそうです。

 

パネルディスカッションでは、まずコンテンツ作りで大切にしていることをテーマにお話しいただきました。門川さまは、そのコンテンツが楽しいかどうかを大切にしているのだそうです。かたいものを飲み込みやすく柔らかくするのがコンテンツ化するということであると仰いました。授業の導入が上手くいくと、その後の授業展開も上手くいくという、自らの経験をもとに、コンテンツへの入り込みやすさが重要だと考えているそうです。それを踏まえて楢崎さまは、学びはそもそも楽しいものであり、コンテンツはその本質的価値に気付くための入り口に過ぎず、コンテンツ自体に付加価値を求めてはいけないのではないかと仰いました。コンテンツが楽しいことは重要だけれど、それをきっかけに学びの楽しさという本質的な価値に気付けるようにもしなければいけない、という言葉に参加者の多くが頷いていました。楽しい中でも、何を学ぶかが重要なのだと考えさせられるお話でした。

 

次に、どのようにコンテンツを作っているかをテーマにお話しいただきました。楢崎さまは、本質を突くコンテンツを作るには、まず制作者が十分学んでいる必要があると考えているそうです。勉強をして、どこが本質なのか、どこがポイントなのかをはっきり理解することが重要だと仰いました。一方、門川さまは思いついたことを形にして、それを世の中のニーズとすり合わせていくようにしているそうです。実際に作っていく中でまた新たに学んでいくことができ、それが意欲にもなっていると仰っていました。高くアンテナを張って、価値のありそうなものを逃さないことがコンテンツ作りのコツと仰っていました。自身の取り組みの中で紹介のあったカードゲーム「ミーデン」も、トランプのスピードのゲーム性と計算を組み合わせたらどうなるだろうと考えて出来たと仰っていました。身近にも多くのコンテンツ作りのヒントが隠されており、いかにそれに気付くことができるかがカギなのだと感じさせられました。

 

最後に、教育コンテンツを取り巻く課題をテーマにお話いただきました。楢崎さまは、コンテンツを作る側の視点として、制作したコンテンツがどのように運用されているかを見届けることができないことが悔やまれる点であると仰いました。コンテンツが制作者の意図と異なる解釈や運用をされてしまったり、使用感のフィードバックが取りにくかったりと、現場と制作者の分離が大きいのだそうです。教員の経験のある門川さまも、良い教材なのに使いにくいといったことを感じていたそうです。お二方とも、コンテンツ開発の中で、現場の声が反映されづらいことに課題を感じているそうで、使う人と作る人が一緒になってコンテンツを開発していきたい、現場の先生方を助けられるコンテンツを広く一般に使えるようにしていきたいと仰っていました。

 

質疑応答では、講演を聞いた感想をはじめ、コンテンツ作りの“黄金レシピ”のようなものはあるのか等、多くの質問が寄せられ、それぞれ丁寧にお答えいただきました。中には「教育コンテンツは所謂“意識低い系”の先生にはハードルが高いのではないか」という質問もありました。これに対して、教育コンテンツをわざわざ取り入れるより自分で授業をした方が楽と考える教員がまだ多いのではないかと分析したうえで、制作者はコンテンツに頼った方が楽だというアピールが必要かもしれない、“意識低い系”を相手取るよりも使ってくれる“意識高い系”の教員を増やすことの方が重要ではないかといったディスカッションが起こりました。皮肉ではありますが、教員の意識の高さに関係なく、子どもたちが学びの楽しさを感じられるというところは教育コンテンツの良さであると感じました。講義全体を通して、学ぶべき事柄が増えていく現代で、先生を助け、子どもたちが学びたいように学べる教育コンテンツはとても価値があると感じました。

 

文責・企業教育研究会  西村崇一郎

2019年11月16日に第133回千葉授業づくり研究会「PrivacyVisor開発物語〜プライバシー保護の先端技術の研究開発から社会実装へ」を開催しました。

今回は、国立情報学研究所より越前功教授をお招きしました。越前教授はカメラによる顔検出を防ぐメガネを自治体と共同開発されるなど、プライバシー保護に関する技術開発を精力的に行っていらっしゃいます。様々なプライバシー侵害が起こりうる現代のインターネット空間の実態と、越前教授が実践されてきた技術開発について、お話いただきました。当ブログでは、研究会での様子をレポートいたします。

ご講演では、はじめにインターネット空間でのプライバシー問題についてお話いただきました。近年、カメラ付き携帯端末が爆発的に普及したことで、個人が手軽に風景を撮影でき、SNSなどに投稿することが当たり前になりました。個人が撮影した画像は通りがかりの人の写り込みを含め、多くのプライバシー情報が含まれています。それをインターネットに上げることによって、悪意がなくとも他者のプライバシー情報を世界中に拡散してしまうことがあります。生体認証によるセキュリティ保護が普及する中、カメラとネットワークによって生体情報が拡散されてしまう恐れは深刻になりつつあるのだとおっしゃっていました。

続いて、PrivacyVisorというメガネ開発についてお話しいただきました。このメガネは、装着した状態で画像を撮られたとき、顔検出を防ぐ効果があります。

スマートフォンなどで写真を撮るとき、映った顔が四角形で囲まれるのを見たことがありませんか。それが顔検出されている状態です。顔検出は、画像の明るさの特徴を分析して、その特徴が顔のようであれば、顔だと判断するという仕組みなのだそうです。越前教授が分析した結果、目の周辺が暗いこと、鼻筋が明るいことが顔としての大事な特徴なのだとわかりました。従来のサングラスでは、この特徴は崩せず、顔検出されてしまいます。そこで、この特徴を崩すようなメガネを開発されました。

2012年、最初に開発したメガネは、目の周辺にLEDを配置して明るくするものだったそうです。見事、顔検出はできないようになりましたが、電源が必要なことから、日常での使用が難しいという課題がありました。そこで、材質を工夫して光を反射もしくは吸収させ、電源不要で顔検出を防止するメガネを開発されました。しかし、製品化にはデザインや普及の面で課題がありました。

そこで、建築家の方にデザインを依頼し、メガネ産業が盛んな福井県鯖江市に製造協力を募って、共同開発に至ったということでした。当時、鯖江市のメガネ製造企業で、3Dプリンターを利用した新しいメガネ開発に着手した企業があったそうです。その企業では機能性メガネのアイデアを必要としていました。そこで、越前教授の開発したメガネのアイデアを活用し、2014年に3Dプリンターモデルができあがりました。さらに、量産化モデルとして、チタンフレームを利用した製品を開発。鯖江市で運営されている地域密着型クラウドファンディングを活用して資金調達し、2016年に発売を実現させたのだそうです。

今回、研究会の参加者にはプラスチック製PrivacyVisorがプレゼントされ、休憩時間に多くの方がメガネの装着を体験していました。実際に、スマートフォンで顔検出ができなくなることが確かめられ、感嘆の声が上がっていました。

デザインは、日本の伝統的な文様を取り入れているそうです!

 

PrivacyVisorによって顔認証が阻害されました!

 

PrivacyVisorの社会実装に向けては、メディアでの発信、博物館や美術館での展示など、継続的な取り組みをされていらっしゃるそうです。そのひとつに、教育現場での活用実績をご紹介いただきました。PrivacyVisorを使用しながら、ネット社会における情報モラルを学ぶ授業をされたということでした。

続いて、指紋盗撮防止技術のご研究についてお話しいただきました。ピースをしている写真から指紋を分析し、複製をつくれる場合があるそうです。越前教授はその可能性を実験で明らかにし、それを防ぐためのご研究をされました。それが、指に装着可能な擬似指紋シールです。このシールを貼り付けると、指紋センサーでの指紋認証は可能ですが、写真に写った指からは指紋を判別できなくなります。機能性と利便性の両立を意識して開発されたそうです。

最後に、フェイクビデオを検知する研究開発についてご紹介いただきました。フェイクビデオとは、ある人物の見た目や声などの特徴を模倣することで、その人になりすまして情報を発信し、それを見た人々を騙そうとする動画のことで、近年問題視されています。この問題は、見た人が真偽を確かめられるような仕組みをつくることで対抗できるということでした。

実際に、合成によって作られた顔や、有名人の話し方を模倣して架空の話をさせる動画を見せていただきました。目視では、見た目や声が合成かどうか、ほとんど見分けがつきませんでした。しかし、これらの画像や動画に、越前教授が開発された検知システムを適用すると、瞬時に本物か偽物かが判定されます。研究では、システムを使えば高精度で真偽判定できることが証明されており、国内外のメディアで注目されているそうです。お話の中で、「これからの時代、『百聞は一見にしかず』は成り立たなくなる。」とおっしゃっていたのが忘れられません。

ご講演の後の質疑応答では、犯罪対策の最新事情や、個人でのインターネット利用時の注意点など、様々な質問がありました。中でも、教育現場でのプライバシー保護について、現職の先生方を交えての議論が巻き起こりました。生徒が写る画像の取り扱いや、成績などの個人情報の運用について、どんなリスクが潜んでいるか、どんな対応が適切かを考える機会になりました。また、印象的だったのは、写真や動画に関する注意点です。写真に映り込む人には事前に許可を取ること、インターネット上で共有するときは不要な写り込みをなくすこと、できるだけ不特定多数の人が見られる状態にしないことなどを学びました。生活に浸透している写真や動画というツールに対して、改めてプライバシー保護の意識をもって接することが必要だと感じました。

 

文責・企業教育研究会  樋口健

2019年10月26日に第132回千葉授業づくり研究会「クイズを通したコミュニケーション術とは!?」を開催しました。

今回は、クイズ作家の日髙大介さまをお招きし、クイズの作り手と解き手とのコミュニケーション術というテーマでご講演をいただきました。

日高さまは、最近話題の「クイズで学ぶ」というコンセプトのyoutubeチャンネル“quiz knock”などにもゲスト出演されていらっしゃいます。「クイズで学ぶ」というコンセプトは、日髙さまも昔から持っていたそうで、塾講師をしていた頃に、生徒に対し「クイズは勉強と一緒、勉強はクイズの一種」と子どもに教えていたそうです。クイズと教育を交え、授業にどのように生かしていくのかをクイズづくりの視点からお話ししていただきました。

現在、テレビでは「99人の壁」、「東大王」をはじめ、クイズ番組が毎日のように流れています。今日の日本はクイズブームと言われていますが、「30年前から同じことを言われる」「今も昔もクイズ番組の数は変わらない」と日髙さまは仰っていました。

クイズ番組を見る視聴者というのは、年齢や性別、住むところ、経験してきた事柄、学んできたことも違っています。クイズ番組の問題が全く分からないのでは見ている人はつまらない、そのため、知っているか知らないかの絶妙なラインを攻めながら問題を作っていくのだそうです。

知っているか知らないかというのは常に回答者に依存します。したがって、クイズ番組の問題作成は出演者を見てから行うそうです。視聴者は答えられない問題を出して間違える姿よりも、問題を解いている姿のほうが見ていて楽しいだろうとおっしゃっていました。そのためにも、問題は理解できるが答えにたどり着くのが難しい、というラインを探ることが大切なのだそうです。そのラインの一つの指標が義務教育だと考えられているそうで、これは、義務教育はすべての人に共通する体験であるためであると述べておりました。

問題がわからないと楽しくないため、わかりやすいクイズづくりの工夫も教えていただきました。

まず、回答者が誰なのかなど、環境によって問題のわかりやすさは変わります。そのため、問題の文章は回答者がわかるように出題しなくてはなりません。

たとえば、読み上げで問題を解く際に指示、支持といった同音異義語を用いるのは不親切です。「選挙で応援することを支持するといいますが」などの言葉を使いながら、わかりやすい問題づくりをするのだそうです。

また、問題が長くなると、結局何を答えればよいのかわからなくなってしまいます。そういったことを避けるために、「ある人物についてお答えください。」などの言葉で答えるべき内容を明確化することが大切なのだとおっしゃっていました。

クイズの問題を授業の発問に生かすというお話もありました。塾講師をしていた時から、クイズを用いながら子どものやる気を引き出す授業を心掛けていたそうで、当時の経験をもとにお話しいただきました。

塾の生徒は義務教育と違って勉強をするために自らやってきていますが、それでもやる気はたいてい30分で切れてしまいます。そのため、クイズのように見立てて発問をして、生徒の興味関心を引き出していたそうです。子どもがクイズ好きなのは今も昔も変わらないはずと、楽しい授業づくりの重要性を説いていただきました。

発問を作る際には上記でも挙がっていた「知っているか知らないかの絶妙なラインを攻め」ることと、「答えるべき内容を明確化すること」が重要だとおっしゃっていました。わからない問題を出されてわからないという経験をするよりも、わかるという成功体験をする方が楽しいし、勉強へのやる気も引き起こしやすいのではないかと考えているそうです。

わかる問題(クイズ)を解かせる、そのうえで大げさなフィードバックをする、といった工夫で、子どもが意欲的に授業に参加できる枠組みを作ることが重要なのだとおっしゃっていました。間違えることを恐れて問題に取り組めない子も多くいるはずだとした上で、間違えないような出題の仕方の工夫や、間違えたとしてもそのままにせず、いい間違えを褒めるなど、ヒーローにしてあげる工夫も必要なのではないかとおっしゃっていました。

質疑応答では、「授業内の発問ではクイズでいうところの解説が肝であるが、どのようにしたらわかりやすい解説ができるのか」、「クイズを間違える楽しさというのもあるが、授業に生かせないだろうか」など、多くの質問が飛び交いました。

講義全体を通して、クイズと発問、また番組づくりと授業づくりには類似点も多く、児童生徒を楽しませるヒントを得ることができました。多くの人を楽しませるコンテンツには授業づくりに生かせるものが多くあるのではないかと感じされられました。

文責・企業教育研究会  西村 崇一郎

2019年7月20日に第131回千葉授業づくり研究会「高校生が考える『ICT教育』のこれから」を開催しました。

今回は広尾学園中学校・高等学校を会場に、現場の職員である金子先生と小沼様、広尾学園高校2年生の髙橋様より、日頃からどのようにしてICTと向き合っているのかについてご講演いただきました。

 

研究会には、ICTに関して強い関心のある、教員や一般の方々、大学の教授や学生まで様々なバックグラウンドを持った多くの方々にお越しいただきました。

 

研究会の冒頭では、まず金子先生から広尾学園の今までの教育とこれからの教育についてのお話がありました。今までの教育は学校という枠組みの中を部活と勉強という要素が大部分を占めていましたが、これからの教育には、そこにプラスαの部分として、キャリアプログラムやICTを用いた活動、海外活動や、地域への貢献活動、企業と協力した活動、インターンシップなどが必要であると述べられていました。

具体的に学外での広尾学園の生徒の活動として、Unilever社と共同で行われたDoveブランドのプロモーション映像企画や、日本HP社の主催で行われた、「Mars Project」に大学と合同チームで優勝したお話、クリエイターの方とAIを用いて現代にモーツァルトを再現するプロジェクトに参加したことなどが挙げられ、高校生であっても発想力という面で様々な方面から求められており、そこにこれからの教育が見えてくるのではないかと述べていました。

また、学校内の活動では、学園祭の時に、ICTを用いた新たな表現として、映像と音楽と照明を組みわせたプログラミングなどを生徒たちが主体となって作り出し、教員が手を出せない領域まで、生徒の活動は広がっているということを述べていました。

 

次に高校生である髙橋様から、生徒目線のお話をいただきました。広尾学園には、ICTルームというものがあり、そこには3Dプリンターやレーザーカッター、iMac、Adobeのソフトなどがあり、そこで日々ものづくりや動画の編集、カメラ撮影、学内イベントの企画運営などを行っていると述べていました。また、ワークショップなども開いており、ミニチュアの車作りや、グライダー作成のワークショップなども開いており、髙橋様にとってICTルームは「『つくりたい』を叶えるコミュニティ」であると述べていました。

また、髙橋様がICTルームでの活動を通して学んだことして、4つのことを述べていました。1つ目は、「自分の中の比較優位を探す」です。これは、集団で役に立ちたい時に、自分の中で得意なことがなかったとしても、その中で比較的に得意なことを見つけ、それをやっていくことで、次第に得意になっていき、最終的には集団の役に立てるということです。2つ目は、「楽しいは共有するもの」です。ICTルームを使用するにあたって楽しいからこそ、活動しているのであることを忘れないことも大事ですが、それを押し付けずに自然に共有することができれば、より良い空間になっていくと感じたそうです。3つ目は、「教える側にとっての責任感」です。先輩の立場として、誰かに尋ねられた時、そこで答えを教えるのではなく、一緒に悩んでくれる人を求めているだということを学んだそうです。4つ目は、「信頼関係が、共創・試行錯誤を可能にする」というものです。ICTルームでは、他の場所よりも縦の責任が強く、それによって、シナジー効果が生まれているそうです。しかし、一方で新たな人間関係を構築し直すときに、多くの苦労が生まれるようで、どのような関係を作っていくのが良いのかを今も模索していると述べていました。

髙橋様にとってICTルームの存在は、教室以外で夢中になれるものであり、そこにICT環境の整備と先生方のサポートがあるおかげで、主体的に学べる場として、存在していると述べていました。

 

最後にICTルームの管理をされている小沼様から「教職員から見たICTルーム」についてお話がありました。広尾学園の生徒はChromebook、iPad、MacBookの三種類を用いており、それぞれ学校単位または個人で購入し、管理設定を導入して使用していると述べていました。問題が起こった時の対応として、今までは生徒、担任、担当教員、業者という流れであったものを、ICTルームを設置してから、その流れをまとめることができ、運営がスムーズになったそうです。ICTルームでは、業者任せにせず、生徒と先生であったり、生徒と生徒であったりが教え合う場面もあるそうで、より主体的な学びにつながると述べていました。また、破損したデバイスの状態から、生徒の抱える問題を発見することができるという副次効果も業者任せにしないことで得られたそうです。

質疑応答では、主に授業におけるICTについて、質問が飛び交いました。広尾学園では、ICTを使った特別な授業をしていないと述べていました。ICTはあくまでも授業を行う時に、生徒や先生が、自然に使っていくもので、特定のICTを使うための授業は行なっていないそうです。講義全体を通して、今後ICT教育という言葉は死語になっていくこと、ICTを使うことで問題が生じることもあるが、マイナス面ではなく、それ以上に大きなプラス面に目を向けていかないといけないということを感じました。

 

文責・企業教育研究会  石川 鉄平

 

 

2019年5月18日に第129回千葉授業づくり研究会「若者が主役になる学び、とは何か?」を開催しました。

今回は、JK(女子高生)が主役の市役所の課、ニートが主役の会社、変人が主役の研究奨励制度など、様々な実験的プロジェクトを仕掛けてきた若新雄純さまを講師としてお招きいたしました。

今回の研究会では、若い人が主役になれる学びとは何かということをテーマに若新さまよりお話をいただきました。学生から大人まで様々な専門性を持った多くの方々にお越しいただきました。

 

研究会の冒頭では、今後は答えがないという時代を受け入れ、そのことを前提として、あえて答えを見つけないという価値観が必要であることが述べられていました。様々な実験的なプロジェクトを手がけてきた若新さまがなぜ斬新なプロジェクトを考え出すことができたのか、きっかけは幼少期に感じた厳格な親と自分の感覚のズレだそうです。こうあるべきであるという価値観を教えられてきた若新さまは自分の持っている価値観とのズレを感じており、そんな思いが、慶應大学SFC研究所で研究を始めてラボを立ち上げ、「ゆるいコミュニケーション」をテーマに様々な実験的なプロジェクトを仕掛けるきっかけになったそうです。

若新さまのお話の中では、試行錯誤という言葉がキーワードの一つとして述べられていました。試行錯誤とは試みと失敗を繰り返しながら次第に見通しを立てて策や方法を見出していくことであると述べながら、現代の人は失敗を恐れていると若新さまは語ります。失敗することがいけないという価値観が試行錯誤の邪魔をしているが、今後は答えを導くのではなく「新しい〇〇」を試行錯誤することが必要となるということでした。わからないこと「?」を楽しんでいく中で発見が連鎖して何かが生まれる、この発見の連鎖が結果として成果につながると若新さまは述べていました。

 

具体的な事例としてニートが主役の株式会社や鯖江市のJK課などを設立する過程を挙げながら、新しい〇〇を試行錯誤するということは具体的にどういうことなのかお話いただきました。

 

質疑応答では新しい〇〇を試行錯誤するということをどのように教育に取り入れていくかが活発に議論されました。講義全体を通して、今後学校教育で若者が活躍できる学びをどのように取り入れていくのか試行錯誤していくことが必要なのではないかと感じました。

 

文責:企業教育研究会  貸熊 大揮

2019年度の「関西授業づくり研究会」の開催を予定している日程は下記のとおりです。

 

2019年 5月26日(日)
2019年 10月27日(日)
2020年 2月16日(日)

 

内容によっては日時を変更する場合がございますので、各回の詳細の案内をご確認ください。
詳細の案内は開催日時より1ヶ月〜2週間前に企業教育研究会・定例研究会ページにてご案内いたします。

2019年度の「千葉授業づくり研究会」の開催を予定している日程は下記のとおりです。

 

2019年 5月18日(土)
2019年 6月15日(土)
2019年 7月20日(土)
2019年 10月19日(土)
2019年 11月16日(土)
2019年 12月21日(土)

 

内容によっては日時を変更する場合がございますので、各回の詳細の案内をご確認ください。
詳細の案内は開催日時より1ヶ月〜2週間前に企業教育研究会・定例研究会ページにてご案内いたします。

12月15日(土)に第127回千葉授業づくり研究会「小麦粉から見る日本の食糧事情と食品安全」を開催しました。

 

今回は、日清製粉グループ本社CR室の南澤陽一さまを講師としてお招きいたしました。日清製粉グループは、小麦をこねてグルテンを取り出したり、石臼で小麦を挽いたりする体験型の授業を行なう活動を実施しています。

 

 

今回の研究会では、小麦を題材とした新しい授業づくりを目指す一歩として、南澤さまより日本の小麦利用に関する様々なお話をいただきました。

 

まずは、小麦粉のもとである、小麦についてのお話からレポートします。

現在、日本で使われる小麦のおよそ9割は海外から輸入したものです。小麦は世界の様々な国で生産されていますが、日本では主にアメリカ、カナダ、オーストラリアから小麦を輸入しています。例えば、タンパク質が高いパン用の小麦はカナダとアメリカから輸入していますが、アメリカからは、天ぷらやお菓子用の薄力粉として利用するタンパク質の低い小麦も輸入しているそうです。また、オーストラリアからはうどん用の小麦を輸入していますが、讃岐うどんのモチモチした歯ごたえと、つるっとしたのど越しはこの原料の特徴とのことです。様々な国から色々な品種の小麦を輸入している日本だからこそ、料理ごとに小麦を使い分けることができるそうです。

 

しかし、日本の食糧自給率は低く、今後小麦も含めて生産力を高めていく必要があります。その一環として、国内産小麦の新品種の育成も進められています。かつては日本の小麦はパンには適さないと言われていましたが、最近は北海道でパン用に適した小麦の開発に成功しているそうです。しかし、日本で育成された小麦の品種はまだ生産量が少なく、全国に行き渡るには至っていないとのことでした。

 

小麦は8000年以上前にメソポタミアで栽培化されたと言われており、その後世界中に広まって各地で多様な品種が作られていきました。日本では世界の様々な品種の小麦を輸入して使い分けている……と考えると歴史的な観点では大変興味深く思われます。その一方で、食料自給率の低さを解決するために、国内産小麦の生産量を増やすという課題があることも忘れてはいけないのですね。それでは、日本では小麦をどのように加工して小麦粉にしているのでしょうか。

 

日本では、まず外国から小麦を政府(農水省)が買い取ります。企業は政府から小麦を買い、工場で製粉して販売しているのです。外国から船で運搬された小麦は、企業のサイロに移されます。その後、小麦は工場に運ばれ、ミリング(小麦を砕く)、シフティング(砕いた小麦をふるいにかける)、ピュリファイング(白い小麦粉を取り出す)という段階を繰り返して製粉されます。

 

こうして私たちが家庭で使う白い小麦粉が出来上がるのです。最後に、消費者が安心して小麦粉を使用できるようになされている工夫についてお話をいただきました。

 

小麦粉の袋をよく見ると、「開封後は吸湿、虫害などを防ぐため、袋口のチャックをお閉めになり、お早めにお使いください。」や「小麦粉の使用にあたっては、必ず加熱調理してお召し上がりください」という注意表示や、食品素材と添加物を明確に区別した表記、アレルギー表示、原料原産地表示、遺伝子組換え表示などが書かれています。これらは、消費者の声や医学などの研究成果、消費者庁と企業のやりとりなどをふまえて表記されているそうです。また、輸入小麦の安全性の確保のために、小麦を乗せた船が原産地を発つ前にサンプルを飛行機で日本に送り、船が日本に着くまでの間に安全性の検査を終了するようにしているそうです。「企業は安全なものを作る。安心できるかどうかは、消費者の信頼次第」という言葉で、講義は締めくくられました。

 

以上の講義を受けて、新しい授業づくりに向けた討論を行ないました。研究会に参加されていた小学校の先生からは、総合的な学習の時間で小麦粉を作る授業を行なったという報告がありました。この先生は、小麦粉は世界の様々な国で利用されていることに着想?して、国際理解教育の一環として小麦粉づくりを行なったそうです。また、小麦を題材とした流通の授業の提案や、栽培化に伴う形質変化を題材とした理科の授業の提案など、様々な授業案が生まれました。

 

小麦は文明の黎明期から私たちのお腹を満たしてきた作物です。長い間人々の生活の中にあったからこそ、小麦は様々な切り口で教育に活かすことが出来る可能性を秘めていると感じました。

 

第126回千葉授業づくり研究会「SDGsカードゲームで持続可能な社会と世界とのつながりを考えよう!!」を開催しました。

 

11/17(土)に、第126回千葉授業づくり研究会「SDGsカードゲームで持続可能な社会と世界とのつながりを考えよう!!」を開催しました。今回は、株式会社チームイノベーションから、「2030SDGs」 カードゲーム公認ファシリテーターとして尾崎 麻紀様に来ていただきました。

近年、世界全体でSDGsに対する関心が高まっており、日本でも様々な取り組みがなされています。昨年には、国内外で人気を集めるタレントのピコ太郎さんが動画投稿サイトにてSDGsを紹介したことが話題になりました。

ここで、SDGsについてまずは整理しておきましょう。「SDGs(エスディージーズ)」とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年から2030年までの間に国際社会において達成されるべき17の目標と169のターゲット(具体目標)が定められています。

株式会社チームイノベーションは、「組織開発」、「ダイバーシティ推進」、「女性活躍推進」、「コーチング」に普段から取り組んでおり、組織のお悩み解決を専門にされているとのことです。「SDGsを組織の力に」ということを掲げ、SDGsとカードコーチングを掛け合わせたプログラムを独自に開発しているとのことで、今回はSDGsカードゲームを使ったワークを実際に私たちも体験させていただきました。

このブログでは、その様子をレポートいたします。

 

参加者は総勢18名。子供から大人まで様々な方々にお越しいただきました。なかには、3歳の子や受験生親子のご参加も。

以下のような流れで、全体のワークは進行していきました。

 

①司会からのご挨拶

②目的・ゴールの確認

③ワークを取り組むに当たってのマインドの確認

④写真カードを使って自己紹介

⑤SDGsの概要説明

⑥カードゲーム

⑦2030年までの自分のビジョンをつくる

⑧全体のまとめ

 

 

カードゲームでは、教室を一つの地球と捉え、プロジェクトカードを実行し、報酬をもらいながら各自に与えられたゴールの達成を目指していきました。流れは以下の通りです。

 

⑴ルールの確認

⑵10分間の行動タイム

⑶中間報告

⑷14分間の行動タイム

⑸最終発表

⑹カードゲームの振り返り、まとめ

地球の状況、自分の状況、周りの人の状況を気にしながら、時には交渉も必要となる、とても楽しいゲームとなっていました。なかには早々にゴールを達成してしまう人もいましたが、自分のゴールだけに満足してしまうと、他の人がゴールを達成するのが難しくなってしまいます。地球全体でSDGsの達成を目指すということがどういうことなのか体験することができました。

カードゲームでの振り返りを踏まえつつ、最後に2030年までに自分はどういうことをしていくかについて考え、全体のワークは終了しました。

 

 

振り返りの際には参加者から様々な意見があがり、「世界は全てつながっている、そして私もその起点の一つである!」といった声も上がりました。これから、学校教育のなかでどのようにSDGsに取り組むべきか、学校だけでなく個人でどのように関わっているべきかを考える重要な機会となりました。

 

文責:清水 浩貴(企業教育研究会)

10/20(土)に、第125回千葉授業づくり研究会「『プログラミングで学ぶ』をテーマとしたプログラミング教育」を開催しました。
今回は、新日鉄住金ソリューションズ株式会社より今野奈穂子様に来ていただきました。新日鉄住金ソリューションズ株式会社は、「プログラミングで学ぶ」をコンセプトに、小学生から大人まで学びを楽しむことができる ビジュアル・プログラミング・アプリケーションK3Tunnel(ケイサントンネル)を教育機関に無償提供し、プログラミング教育の推進活動を行なっています。
本ブログでは、その様子をレポートいたします。

近年、プログラミング教育に対する関心が高まっており、様々な教材がつくられています。
教材の多くは、『プログラミングを学ぶ』ことを目的としており、子どもたちが試行錯誤しながらプログラムを組むことが重視されています。
新日鉄住金ソリューションズ株式会社では「道具としてのプログラミング、特に数理的な分野への適用を重視したプログラミング学習ツールがあってもいいのではないか。 理科や社会、算数・数学をはじめ、さまざまな学習におけるより深い考察を促すツールとして利用できるサービスを提供できるのではないか」という思いよりK3Tunnel(ケイサントンネル)を開発されました。

今回は、そのK3Tunnelの中でも、実際に小学生を対象として授業実践が行われている2つの教材を体験しました。
①家電買い替え大作戦
②パン屋さんアドバイザー
参加者の中にはプログラミング未経験の方も多く、試行錯誤しながら真剣にプログラミングをする様子が見られました。
大人にとってもなかなか難しいもので、「ちょっと待って!」「今どこまで進んだ?」などの声が上がる場面も。
子どものほうが呑み込みが早いため、大人よりもできるスピードが速いそうです。

 

 

どちらの教材にも共通して大切にしていることは、
・プログラミング「で」教科を学ぶことができること。
・身近な問題を解決できる内容にすること。
・プログラミングそのもので困ることがないような手立てをすること。
・そのうえで、プログラミングの醍醐味も失わないこと。
・授業が入り口となり、その先の世界を垣間見ることができるようにすること。
とのことでした。

 

 

例えば、プログラミングをする際には、児童が手軽に”ヒント動画”やプログラムの”できあがり例”を確認できるため、マネをすれば誰でもプログラムを完成することができるような仕組みになっています。
プログラミングそのものについて考えるよりも、プログラミングを用いることでいかに問題解決ができるのかという点を実感できるようになっていることが分かりました。

非常に興味深い内容で、質疑応答の時間も活発な意見交換が行われました。
教科教育の中でプログラミング教育をどのように取り入れるか考える貴重な機会となりました。

 

 

文責:古川 孝太(企業教育研究会)

6/16(土)に、第123回千葉授業づくり研究会「企業が取り組む教育CSR活動の意義と課題」を開催しました。

今回はアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京にて、二部構成の研究会を行いました。

第1部では地方創生イノベーションスクール等において先進的なアクティブラーニングの取り組みを、第2部では先進的な教育貢献活動を行う企業様より具体的な取り組みとその背景にある思いをご講演いただきました。本ブログでは、その様子をレポートいたします。

 

 

休日にも関わらず、たくさんの皆様にお越しいただきました。企業、NPO、大学、学校等様々な立場の方にご参加いただき、有意義な時間となりました。

 

 

会場は「イノベーション・センター」、「ベンチャー」、「ラボ」、「スタジオ」の4つを結集させた「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」。最先端のテクノロジーが揃った会場で盛大に行いました。

 

 

第1部の講師は、福島大学理事・副学長の三浦浩喜様。「プロジェクト学習と企業連携」というテーマのもと、地方創生イノベーションスクール等において取り組まれている先進的なアクティブラーニングの事例や企業と連携した教育を行う際のメリットや課題をお話しいただきました。

 

 

第2部の講師は、先進的な教育貢献活動を行う3社様より具体的な取り組みとその背景にある思い、今後の展望を伺いました。

 

 

日本アイ・ビー・エム株式会社様

テーマ:「日本IBMが取り組む社会貢献活動〜東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞受賞の取り組み〜」

実施プログラム詳細参照先:https://ace-npo.org/wp/archives/project/ibm

 

日本モンサント株式会社様

テーマ:「農業を支えるバイオテクノロジーとSTEM教育」

実施プログラム詳細参照先:https://ace-npo.org/info/monsanto-stem/

 

アクセンチュア株式会社様

テーマ:「Skills to Succeed~ アクセンチュアが取り組む企業市民活動と次世代人材育成」

実施プログラム詳細参照先:https://ace-npo.org/wp/archives/project/accenture

 

 

当日のTwitterでの発言がまとめられていますので、是非御覧ください。

 

第123回千葉授業づくり研究会「企業が取り組む教育CSR活動の意義と課題」

#千葉授業づくり研究会

 

これまで多くの企業様と授業づくりを行ってきました。今後は各企業様とのつながりをつくり、横断型の出張授業やカリキュラムづくりに取り組むことの意義と可能性を見出した有意義な研究会となりました。

今後も引き続き研究会を実施してまいります。ぜひ多くの方のご参加お待ちしております。

 

 

文責:谷山(NPO法人企業教育研究会)

 

NPO法人企業教育研究会
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