12月15日(土)に第127回千葉授業づくり研究会「小麦粉から見る日本の食糧事情と食品安全」を開催しました。

 

今回は、日清製粉グループ本社CR室の南澤陽一さまを講師としてお招きいたしました。日清製粉グループは、小麦をこねてグルテンを取り出したり、石臼で小麦を挽いたりする体験型の授業を行なう活動を実施しています。

 

 

今回の研究会では、小麦を題材とした新しい授業づくりを目指す一歩として、南澤さまより日本の小麦利用に関する様々なお話をいただきました。

 

まずは、小麦粉のもとである、小麦についてのお話からレポートします。

現在、日本で使われる小麦のおよそ9割は海外から輸入したものです。小麦は世界の様々な国で生産されていますが、日本では主にアメリカ、カナダ、オーストラリアから小麦を輸入しています。例えば、タンパク質が高いパン用の小麦はカナダとアメリカから輸入していますが、アメリカからは、天ぷらやお菓子用の薄力粉として利用するタンパク質の低い小麦も輸入しているそうです。また、オーストラリアからはうどん用の小麦を輸入していますが、讃岐うどんのモチモチした歯ごたえと、つるっとしたのど越しはこの原料の特徴とのことです。様々な国から色々な品種の小麦を輸入している日本だからこそ、料理ごとに小麦を使い分けることができるそうです。

 

しかし、日本の食糧自給率は低く、今後小麦も含めて生産力を高めていく必要があります。その一環として、国内産小麦の新品種の育成も進められています。かつては日本の小麦はパンには適さないと言われていましたが、最近は北海道でパン用に適した小麦の開発に成功しているそうです。しかし、日本で育成された小麦の品種はまだ生産量が少なく、全国に行き渡るには至っていないとのことでした。

 

小麦は8000年以上前にメソポタミアで栽培化されたと言われており、その後世界中に広まって各地で多様な品種が作られていきました。日本では世界の様々な品種の小麦を輸入して使い分けている……と考えると歴史的な観点では大変興味深く思われます。その一方で、食料自給率の低さを解決するために、国内産小麦の生産量を増やすという課題があることも忘れてはいけないのですね。それでは、日本では小麦をどのように加工して小麦粉にしているのでしょうか。

 

日本では、まず外国から小麦を政府(農水省)が買い取ります。企業は政府から小麦を買い、工場で製粉して販売しているのです。外国から船で運搬された小麦は、企業のサイロに移されます。その後、小麦は工場に運ばれ、ミリング(小麦を砕く)、シフティング(砕いた小麦をふるいにかける)、ピュリファイング(白い小麦粉を取り出す)という段階を繰り返して製粉されます。

 

こうして私たちが家庭で使う白い小麦粉が出来上がるのです。最後に、消費者が安心して小麦粉を使用できるようになされている工夫についてお話をいただきました。

 

小麦粉の袋をよく見ると、「開封後は吸湿、虫害などを防ぐため、袋口のチャックをお閉めになり、お早めにお使いください。」や「小麦粉の使用にあたっては、必ず加熱調理してお召し上がりください」という注意表示や、食品素材と添加物を明確に区別した表記、アレルギー表示、原料原産地表示、遺伝子組換え表示などが書かれています。これらは、消費者の声や医学などの研究成果、消費者庁と企業のやりとりなどをふまえて表記されているそうです。また、輸入小麦の安全性の確保のために、小麦を乗せた船が原産地を発つ前にサンプルを飛行機で日本に送り、船が日本に着くまでの間に安全性の検査を終了するようにしているそうです。「企業は安全なものを作る。安心できるかどうかは、消費者の信頼次第」という言葉で、講義は締めくくられました。

 

以上の講義を受けて、新しい授業づくりに向けた討論を行ないました。研究会に参加されていた小学校の先生からは、総合的な学習の時間で小麦粉を作る授業を行なったという報告がありました。この先生は、小麦粉は世界の様々な国で利用されていることに着想?して、国際理解教育の一環として小麦粉づくりを行なったそうです。また、小麦を題材とした流通の授業の提案や、栽培化に伴う形質変化を題材とした理科の授業の提案など、様々な授業案が生まれました。

 

小麦は文明の黎明期から私たちのお腹を満たしてきた作物です。長い間人々の生活の中にあったからこそ、小麦は様々な切り口で教育に活かすことが出来る可能性を秘めていると感じました。

 

第126回千葉授業づくり研究会「SDGsカードゲームで持続可能な社会と世界とのつながりを考えよう!!」を開催しました。

 

11/17(土)に、第126回千葉授業づくり研究会「SDGsカードゲームで持続可能な社会と世界とのつながりを考えよう!!」を開催しました。今回は、株式会社チームイノベーションから、「2030SDGs」 カードゲーム公認ファシリテーターとして尾崎 麻紀様に来ていただきました。

近年、世界全体でSDGsに対する関心が高まっており、日本でも様々な取り組みがなされています。昨年には、国内外で人気を集めるタレントのピコ太郎さんが動画投稿サイトにてSDGsを紹介したことが話題になりました。

ここで、SDGsについてまずは整理しておきましょう。「SDGs(エスディージーズ)」とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年から2030年までの間に国際社会において達成されるべき17の目標と169のターゲット(具体目標)が定められています。

株式会社チームイノベーションは、「組織開発」、「ダイバーシティ推進」、「女性活躍推進」、「コーチング」に普段から取り組んでおり、組織のお悩み解決を専門にされているとのことです。「SDGsを組織の力に」ということを掲げ、SDGsとカードコーチングを掛け合わせたプログラムを独自に開発しているとのことで、今回はSDGsカードゲームを使ったワークを実際に私たちも体験させていただきました。

このブログでは、その様子をレポートいたします。

 

参加者は総勢18名。子供から大人まで様々な方々にお越しいただきました。なかには、3歳の子や受験生親子のご参加も。

以下のような流れで、全体のワークは進行していきました。

 

①司会からのご挨拶

②目的・ゴールの確認

③ワークを取り組むに当たってのマインドの確認

④写真カードを使って自己紹介

⑤SDGsの概要説明

⑥カードゲーム

⑦2030年までの自分のビジョンをつくる

⑧全体のまとめ

 

 

カードゲームでは、教室を一つの地球と捉え、プロジェクトカードを実行し、報酬をもらいながら各自に与えられたゴールの達成を目指していきました。流れは以下の通りです。

 

⑴ルールの確認

⑵10分間の行動タイム

⑶中間報告

⑷14分間の行動タイム

⑸最終発表

⑹カードゲームの振り返り、まとめ

地球の状況、自分の状況、周りの人の状況を気にしながら、時には交渉も必要となる、とても楽しいゲームとなっていました。なかには早々にゴールを達成してしまう人もいましたが、自分のゴールだけに満足してしまうと、他の人がゴールを達成するのが難しくなってしまいます。地球全体でSDGsの達成を目指すということがどういうことなのか体験することができました。

カードゲームでの振り返りを踏まえつつ、最後に2030年までに自分はどういうことをしていくかについて考え、全体のワークは終了しました。

 

 

振り返りの際には参加者から様々な意見があがり、「世界は全てつながっている、そして私もその起点の一つである!」といった声も上がりました。これから、学校教育のなかでどのようにSDGsに取り組むべきか、学校だけでなく個人でどのように関わっているべきかを考える重要な機会となりました。

 

文責:清水 浩貴(企業教育研究会)

10/20(土)に、第125回千葉授業づくり研究会「『プログラミングで学ぶ』をテーマとしたプログラミング教育」を開催しました。
今回は、新日鉄住金ソリューションズ株式会社より今野奈穂子様に来ていただきました。新日鉄住金ソリューションズ株式会社は、「プログラミングで学ぶ」をコンセプトに、小学生から大人まで学びを楽しむことができる ビジュアル・プログラミング・アプリケーションK3Tunnel(ケイサントンネル)を教育機関に無償提供し、プログラミング教育の推進活動を行なっています。
本ブログでは、その様子をレポートいたします。

近年、プログラミング教育に対する関心が高まっており、様々な教材がつくられています。
教材の多くは、『プログラミングを学ぶ』ことを目的としており、子どもたちが試行錯誤しながらプログラムを組むことが重視されています。
新日鉄住金ソリューションズ株式会社では「道具としてのプログラミング、特に数理的な分野への適用を重視したプログラミング学習ツールがあってもいいのではないか。 理科や社会、算数・数学をはじめ、さまざまな学習におけるより深い考察を促すツールとして利用できるサービスを提供できるのではないか」という思いよりK3Tunnel(ケイサントンネル)を開発されました。

今回は、そのK3Tunnelの中でも、実際に小学生を対象として授業実践が行われている2つの教材を体験しました。
①家電買い替え大作戦
②パン屋さんアドバイザー
参加者の中にはプログラミング未経験の方も多く、試行錯誤しながら真剣にプログラミングをする様子が見られました。
大人にとってもなかなか難しいもので、「ちょっと待って!」「今どこまで進んだ?」などの声が上がる場面も。
子どものほうが呑み込みが早いため、大人よりもできるスピードが速いそうです。

 

 

どちらの教材にも共通して大切にしていることは、
・プログラミング「で」教科を学ぶことができること。
・身近な問題を解決できる内容にすること。
・プログラミングそのもので困ることがないような手立てをすること。
・そのうえで、プログラミングの醍醐味も失わないこと。
・授業が入り口となり、その先の世界を垣間見ることができるようにすること。
とのことでした。

 

 

例えば、プログラミングをする際には、児童が手軽に”ヒント動画”やプログラムの”できあがり例”を確認できるため、マネをすれば誰でもプログラムを完成することができるような仕組みになっています。
プログラミングそのものについて考えるよりも、プログラミングを用いることでいかに問題解決ができるのかという点を実感できるようになっていることが分かりました。

非常に興味深い内容で、質疑応答の時間も活発な意見交換が行われました。
教科教育の中でプログラミング教育をどのように取り入れるか考える貴重な機会となりました。

 

 

文責:古川 孝太(企業教育研究会)

6/16(土)に、第123回千葉授業づくり研究会「企業が取り組む教育CSR活動の意義と課題」を開催しました。

今回はアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京にて、二部構成の研究会を行いました。

第1部では地方創生イノベーションスクール等において先進的なアクティブラーニングの取り組みを、第2部では先進的な教育貢献活動を行う企業様より具体的な取り組みとその背景にある思いをご講演いただきました。本ブログでは、その様子をレポートいたします。

 

 

休日にも関わらず、たくさんの皆様にお越しいただきました。企業、NPO、大学、学校等様々な立場の方にご参加いただき、有意義な時間となりました。

 

 

会場は「イノベーション・センター」、「ベンチャー」、「ラボ」、「スタジオ」の4つを結集させた「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」。最先端のテクノロジーが揃った会場で盛大に行いました。

 

 

第1部の講師は、福島大学理事・副学長の三浦浩喜様。「プロジェクト学習と企業連携」というテーマのもと、地方創生イノベーションスクール等において取り組まれている先進的なアクティブラーニングの事例や企業と連携した教育を行う際のメリットや課題をお話しいただきました。

 

 

第2部の講師は、先進的な教育貢献活動を行う3社様より具体的な取り組みとその背景にある思い、今後の展望を伺いました。

 

 

日本アイ・ビー・エム株式会社様

テーマ:「日本IBMが取り組む社会貢献活動〜東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞受賞の取り組み〜」

実施プログラム詳細参照先:https://ace-npo.org/wp/archives/project/ibm

 

日本モンサント株式会社様

テーマ:「農業を支えるバイオテクノロジーとSTEM教育」

実施プログラム詳細参照先:https://ace-npo.org/info/monsanto-stem/

 

アクセンチュア株式会社様

テーマ:「Skills to Succeed~ アクセンチュアが取り組む企業市民活動と次世代人材育成」

実施プログラム詳細参照先:https://ace-npo.org/wp/archives/project/accenture

 

 

当日のTwitterでの発言がまとめられていますので、是非御覧ください。

 

第123回千葉授業づくり研究会「企業が取り組む教育CSR活動の意義と課題」

#千葉授業づくり研究会

 

これまで多くの企業様と授業づくりを行ってきました。今後は各企業様とのつながりをつくり、横断型の出張授業やカリキュラムづくりに取り組むことの意義と可能性を見出した有意義な研究会となりました。

今後も引き続き研究会を実施してまいります。ぜひ多くの方のご参加お待ちしております。

 

 

文責:谷山(NPO法人企業教育研究会)

 

NPO法人企業教育研究会
NPO the Association of Corporation and Education ( ACE )
ADDRESS: 〒260-0044 千葉県千葉市中央区松波2-18-8 新葉ビル4F
TEL: 03-5829-6108 / FAX: 020-4663-5605
E-mail: info@ace-npo.org
© NPO the Association of Corporation and Education