NPO法人企業教育研究会(ACE)は、20周年特別企画「日本の教育をアップデートする」を開催中です。7月15日に行われたSESSION 4 のテーマは「STEAM教育」でした。「STEAM教育のアップデート」について、学生たちは何を思ったのでしょうか? こちらの記事では、日頃からACEの活動を支えてくれている学生インターンによる「楽屋裏トーク」をお届けします。(聞き手:山田恵李/ACE職員)
※ SESSION 1 #起業家教育 編 はこちら。
※ SESSION 2 #主権者教育 編 はこちら。
※ SESSION 3 #いじめ 編 はこちら。
今日はオンラインでの開催です。よろしくお願いします。ケントさんとミクさんは、前回に引き続きご参加いただいています。アヤネさんは #起業家教育 編と #主権者教育 編にもご参加いただいています。ありがとうございます。
よろしくお願いします。全回参加の皆勤賞です。
ケントさんに続く参加率です。
SESSION3では司会を務めました。よろしくお願いします。
早速ですが、SESSION4のテーマは「STEAM教育」でした。イベント前はどのようなイメージがありましたか?
「STEAM教育」については、「S」がScience、「T」がTechnology、「E」がEngineering、「A」がArt、「M」がMathematicsを示していて、文理融合を目指す教育という認識でした。でも、具体的にどういうものかは浮かびにくいと思っていて…。
私も文理融合以外の部分についてはふわふわしたイメージがありました。
前段階としてあった「STEM教育」に、新たに加わった「A」のArtが何を意味していて、「STEM教育」とは何が変わり、どうあるべきなのだろうと感じていました。
実践レベルではイメージしにくかったようですが、当日のパネルディスカッションでは実践的な話がいくつか挙げられていましたね。参加してみて認識に変化はありましたか?
今回は「A」について、芸術というよりは、リベラルアーツとして議論がされていたと感じました。リベラルアーツが加わったことで、「STEM教育」での理系的な分野に留まらず、人文科学なども含めた領域横断的なものへと大きく変化した印象を受けました。
新しい教育として取り入れるというよりは、主要5教科と技術科や家庭科と組み合わせるなど、学校にある教育課程をいかに「STEAM教育」として捉え直すかなのかなあ。実はそこまで難しいことではないのかも。
アヤネさんとミクさんは教員を目指しているということですが、「STEAM教育」にどのように取り組みたいですか?
私は小学校の教員を目指しています。自分が「STEAM教育」をいきなりやるのは難しいけれど、社会科に算数科の要素を少し加えるといったように、教科横断的な実践例から学べばできるかもしれない。教壇に立ったら教科の繋がりを考えてやってみたいです。
私は高校の英語の教員を目指しています。実習のときに扱った英文のテーマが「塩の歴史」だったのですが、英文自体は難しくなくても、背景知識がないとわかりにくい文章だと思い、やりにくくて…。イベントに参加して、理科の先生とコラボするとよかったのかもと思いました。
「STEAM教育」はこれまでの教育と全く異なるものではなく、他教科と領域を超えてコラボレーションすることで実践できそうだと感じられたのですね。
「起業家教育」や「主権者教育」は、いわば起業家や主権者のような人を育てると理解しやすいけど…「STEAM教育」って何を目指しているんだろう…。
目指すものというよりは、「STEAM教育」は、Technologyを使って目の前の課題や変化の著しい社会の課題を解決することだと私は捉えているよ。
でも解決したいと心から思える課題じゃないと、やらされて仕方なく紙とペンのような既存のツールを使って解決しようとして、Technologyを扱う「STEAM教育」で解決しようとはならないんじゃないかなあ。
そうだね。だから、課題発見力がすごく大事になると思うよ。
「STEAM教育」には課題発見力も含まれるということ?
私は含むと考えているよ。動機づけという意味でも、課題を発見するところはすごく大事だと思うし、学習指導要領でも語られていたよね。でもこれまであまりできていなかったかもしれない。
では「STEAM教育」ではTechnologyが1つの鍵ということ?
そうだね。GIGA端末が普及したいまだからこそTechnologyを使って課題を解決できるようになったと思うよ。課題を解決しようとしたら「S」でも「T」でも何でも入ってくるんじゃないかな。
「STEAM教育」では自ら課題を発見し、それをTechnologyで解決しようとすることが大事なようですね。今回の議論を踏まえて「STEAM教育」に対して、いまどのような思いがあるでしょうか。
新しい時代のコンピテンシー的なものなのかなあ。課題に対して、理科っぽい課題も理科の文脈だけで解決はできなくて、TechnoligyやEngineeringといった多様な背景をうまく組み合わせて解決していく思考や訓練に「STEAM教育」の意義があるかも。
課題解決というと起業家教育のイメージが強かったけど、「STEAM教育」は課題解決をするために専門的な技術を生かすことができるようにする教育なのかなと思いました。
正直、難しい…。ただ、これまで扱ってきたテーマのどれについても、根本にある思いは同じなのかなと思いました。「起業家教育」や「主権者教育」を目指す手段として「STEAM教育」に取り組んでいくといいのかもしれないなあ。
「STEAM教育」とこれまで扱ってきたテーマとのつながりも見えてきました。回を重ねるごとに教育のアップデートに大事なキーワードが浮き彫りになってきました。今回も、ありがとうございました。
【全員】ありがとうございました〜!
To be continued……