2019年5月18日に第129回千葉授業づくり研究会「若者が主役になる学び、とは何か?」を開催しました。
今回は、JK(女子高生)が主役の市役所の課、ニートが主役の会社、変人が主役の研究奨励制度など、様々な実験的プロジェクトを仕掛けてきた若新雄純さまを講師としてお招きいたしました。
今回の研究会では、若い人が主役になれる学びとは何かということをテーマに若新さまよりお話をいただきました。学生から大人まで様々な専門性を持った多くの方々にお越しいただきました。
研究会の冒頭では、今後は答えがないという時代を受け入れ、そのことを前提として、あえて答えを見つけないという価値観が必要であることが述べられていました。様々な実験的なプロジェクトを手がけてきた若新さまがなぜ斬新なプロジェクトを考え出すことができたのか、きっかけは幼少期に感じた厳格な親と自分の感覚のズレだそうです。こうあるべきであるという価値観を教えられてきた若新さまは自分の持っている価値観とのズレを感じており、そんな思いが、慶應大学SFC研究所で研究を始めてラボを立ち上げ、「ゆるいコミュニケーション」をテーマに様々な実験的なプロジェクトを仕掛けるきっかけになったそうです。
若新さまのお話の中では、試行錯誤という言葉がキーワードの一つとして述べられていました。試行錯誤とは試みと失敗を繰り返しながら次第に見通しを立てて策や方法を見出していくことであると述べながら、現代の人は失敗を恐れていると若新さまは語ります。失敗することがいけないという価値観が試行錯誤の邪魔をしているが、今後は答えを導くのではなく「新しい〇〇」を試行錯誤することが必要となるということでした。わからないこと「?」を楽しんでいく中で発見が連鎖して何かが生まれる、この発見の連鎖が結果として成果につながると若新さまは述べていました。
具体的な事例としてニートが主役の株式会社や鯖江市のJK課などを設立する過程を挙げながら、新しい〇〇を試行錯誤するということは具体的にどういうことなのかお話いただきました。
質疑応答では新しい〇〇を試行錯誤するということをどのように教育に取り入れていくかが活発に議論されました。講義全体を通して、今後学校教育で若者が活躍できる学びをどのように取り入れていくのか試行錯誤していくことが必要なのではないかと感じました。
文責:企業教育研究会 貸熊 大揮