2023年11月7日(火)、千葉県のある公立中学校2年の生徒の皆さんへ、「体感して考えよう!環境とエネルギー」の出張授業が実施されました。

 

本プログラムは、シナネンホールディングスが実施するプログラムです。授業プログラム作成時には企業教育研究会もアドバイザーとして参加させていただき、現在は事務局として募集窓口を担当しています。

 

今回は、シナネンホールディングスの社員の方々が進行する授業を取材してきましたので、その様子をお届けします!

「体感して考えよう!環境とエネルギー」の授業の内容・指導案はこちらをご覧くださいコチラ
※本年度の募集は終了いたしました。

 

「体感して考えよう!環境とエネルギー」の授業。

まずは、授業者のシナネンホールディングス広報チームの小栗さんより、シナネンホールディングスが扱うエネルギー(石油、太陽光発電、LPガスなど)や、エネルギーとは何か、地球温暖化とは何か、脱炭素化とは何かなど、エネルギーのイロハについて分かりやすく解説がありました。

 

光も熱もエネルギーの一種、エネルギーとは「ものを動かすもとになる力のこと」と紹介があり、小栗さんは生徒に皆さんに、「今日の給食は?ピラフ?それも、皆さんのエネルギーになっていますよね。」と話しかけ、和やかな雰囲気で授業がスタートしました。

 

シナネンホールディングス・小栗さん

 

生徒の皆さんがエネルギーに関わる概要を掴んだところで、地球温暖化対策のためには脱炭素化に向けた行動が必要と説明があり、「今すぐ自分ができること」について、考える時間を持ちました。

生徒の皆さんからは、「移動には自転車を使う」「買い物にはエコバックを使う」「節水節電」などの発表がありました。

 

小栗さんは生徒の皆さんの発表の一つ一つに対し、その行動によりなぜ二酸化炭素を削減できるのかについてフィードバックされ、買い物においては、なるべく地元ものを買うことで輸送に関わるエネルギーが削減できるなど、買い物の工夫でも二酸化炭素の削減につながることなどを解説しました。

 

 

次は、脱炭素化の有効手段である再生可能エネルギーについての紹介です。

再生可能エネルギーは地球資源の一部として自然界に常に存在するエネルギーのため、化石燃料の使用を減らすために有効と注目されていること、その各種の再生可能エネルギー(風力、地熱等)について、具体的なメリットデメリットを解説しました。

 

地球に優しいのであれば、全て「再生可能エネルギー」にしてしまえばよいと考えてしまうかもしれません。

しかし再生可能エネルギーは、安定性や費用面の問題もあり、いくら環境のために有効であっても、まだ現時点では再生可能エネルギーのみで電力を賄うことは困難であることが紹介されました。

 

そして、必要とされるエネルギーを賄うためには、各々のリスクや弱みを知りながら複数のエネルギーを組み合わせて使用することが大切だとして、「エネルギーミックス」という考え方があることを紹介しました。

授業前半では、エネルギーの概要、なぜ脱炭素化が必要なのか、脱炭素化の日本や外国の対策目標、再生可能エネルギーの可能性等、広くエネルギーに関わる問題について学ぶ時間になりました。

 


 

授業後半は、いよいよお楽しみのゲーム体験です。

 

「エネルギーミックスで攻略せよ!街づくりシミュレーション」と題し、生徒の皆さんは、電力需要を満たす(ゲーム上はポイントを稼ぐ)という視点で、街の生き残りをかけたゲームを体験します。

 

 

具体的には、グループ毎にどの割合でエネルギーを調達するか(エネルギーミックス)検討し、スタート時は決められた範囲内のポイント数になるようエネルギーを決定します。その後、春夏秋冬を想定した季節ごとの出来事について、「ハプニングカード」を、クラス全体に周知する方法で4回引きます。

 

「ハプニングカード」には、自然現象や社会情勢の変化がGOODカード、BADカードと両方含まれており、想定外の出来事や世の中の動きにより、選択したエネルギーのポイント数が増減する仕組み。各グループは、ハプニングにより増減したエネルギーポイントを、季節ごとに合計して勝敗を競います。

合計値が大きいグループが、より安定した電力需要に対応し得るエネルギーミックスを選択したグループとして勝ちになります。

 

 

この日は、「ほどよい風が吹き続け、風力発電はポイントアップ」、「雨の日が続き、太陽光発電はポイントダウン」」などのハプニングが起こり、カードが引かれるたび、各グループから悲鳴や歓声が上がるなど、大いに盛り上がっていました。

 

各グループ、自分たちが選択したエネルギーについてポイントが倍になったり、ゼロになったりする経験を通じて、エネルギーミックスのイメージを掴み、見通せない困難さなども体感しました。

 

最後は、どのエネルギーを選択するのが良いのかについては、立場によって変化することや、エネルギー選択のポイントには「安全性」「安定供給」「経済効率性」「環境適合」があり、自分たちの街に合うエネルギーを選択する重要性について学びました。

 

授業をご担当いただいた教諭より
お忙しい中、本校に来ていただきありがとうございました。職業学習発表会では、出張授業で学んだことを活用しながら発表することができました。再生可能エネルギーの利点だけでなく、弱点もあり、補っていきながら生活していくという考え方が子どもたちにとって1番印象に残ったフレーズだと思います。今後も環境保全に向けて自分たちは「何ができるか」を常に考えながら過ごしてもらいたいです。

シナネンホールディングスご担当 小栗さまより
エネルギーの話は少し難しく感じるかもしれませんが、私たちの生活には無くてはならないものです。様々なエネルギーを扱ってきた当社グループだからこそお伝えできるプログラムを考えました。生徒の皆さんに興味を持っていただけるよう、クイズやゲームを取り入れ、自ら参加し「体感」することで理解し、環境問題やエネルギー利用について将来にわたって考え続ける素地を作ることを目的としています。当社ではこれからも出張授業を通じて、次世代を担う人材の育成を支援してまいります。

中学生の皆さんにとって、地球温暖化や環境問題という言葉自体は耳にすることもあり、知識もある程度あると思います。しかしながら、環境に優しい活動を知るという学びだけでなく、環境に配慮した生活の実現には困難が伴うこと、なぜ環境問題が簡単に解決しないのかという一面を、この授業を通して少し感じていただけたのではないでしょうか。

 

本プログラムの詳細は、「体感して考えよう!環境とエネルギー」に掲載しています。

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