2024年10月24日(木)、我孫子市立久寺家中学校1年生のみなさんへ、千葉県魅力ある建設事業推進協議会(CCIちば)とNPO法人企業教育研究会(ACE)の連携による出張授業 「千葉県の建設業の仕事」の「建築現場で働く人たち」 を実施しました。

  

小学校高学年・中学校向けのキャリア教育プログラムとして、児童・生徒に一番身近な建物である「学校」が建築されるまでに様々な業種の人が関わっていることについて、クイズを交えて紹介するプログラムです。

この記事では、当日の授業の様子を紹介します。

◆出張授業「千葉県の建設業の仕事」の授業プログラムとは

2013年度から、ACEはCCIちばの事業として千葉県内の小学校・中学校を対象に出張授業を実施しています。建設業は職場見学・職場体験が難しい業種の一つですが、街や暮らしの安全を守り、地域に根差した世の中に欠かせない仕事です。

  

ACEのスタッフが授業を進行して、学校近隣の建設業の企業から参加する、様々な業種のゲスト講師が解説をする形で授業を行っています。この日は、上村建設工業株式会社の上村英生様と会田電業株式会社の浅見元男様が、ゲスト講師として参加しました。

出張授業「千葉県の建設業の仕事」の詳細はコチラ

学校を建設する「私の仕事は何でしょう?」

授業の最初は工事現場で定点撮影された連続写真を見るところからスタート。基礎ができあがればあっというまに建物が立っていきます。建物の建設には設計図があり、学校の校舎も図面のとおりに立っていることを確認。この現場では、1年前後の工期がかかる仕事だとわかっていきます。

  

そして生徒にはワークシートが配布されます。そこには5人の写真と「現場監督」「空調衛生工事」「とび職人」「電気工事」「造園工事」の5つの業種が書かれています。それぞれの人が使っている「道具」と、関わっている「場所」の映像をヒントに、組み合わせを考えるクイズが始まりました。

現場監督は工事の最初から最後までものづくりに関わる仕事

クイズの正解を発表しながら授業は進みます。「現場監督」は様々な業種の方と一緒に仕事をするため、スケジュール管理やコミュニケーションが重要だという解説がなされます。仕事の紹介がされたあとは、学校周辺で上村さんが実際に建築に携わった建物が紹介されました。

市内の小学校や中学校だけでなく、ホテルや公民館や消防署、そして一部の生徒たちが昔通っていたこども園が建築される過程が明らかになります。地域のために働くことができる、ものづくりに携わる仕事の魅力を語る上村様の話に聞き入る生徒たちのまなざしは真剣です。

◆見えないところに電気のケーブルが張り巡らされている!

クイズの答え合わせはさらに進み、今度は「電気工事」の仕事が紹介されます。建物が完成すると、床や壁、天井の裏に張り巡らされている電気ケーブルは見えなくなってしまいます。実はとても長いケーブルを切ったり、つないだりして安全に電気設備が使えるようにする大事な仕事です。

  

ここでもう一人のゲストの浅見さんが登場。学校以外にもスタジアムの電光掲示板など様々な電気設備の設置に関わっていることが紹介されます。

専門の道具を使ってケーブルの絶縁体を切って外す道具の紹介が行われたあと、実際に体験する挑戦者として出てきたのは先生。体育館が一気に盛り上がります。一日に何回も切って繋いでの作業をしますが、道具を使えば軽い力でできることがわかりました。理科の実験で豆電球をつけるときに使った細い銅線よりも、もっと太いケーブルが、私たちの暮らしを支えています。

ものを造り上げる仕事の可能性は無限大

5つの業種以外にも、様々な技術をもった人たちが自分の役割を果たして仕事を行っています。それぞれの仕事のやりがいについて語られた映像を視聴したあと、ゲストへの質問する時間を取りました。ワークシートに熱心にメモをとる生徒が多い時間となりました。

  

近年は、人工知能やロボットを使って行われる作業も増えてきていますが、建設現場でもテクノロジーの力で、より安全に、より正確に作業ができるように変化しています。

  

自分たちの地域や、全国各地に必要なものが建てられ、古くなった建物は修繕される、そこに関わる建設業。未来を担う小学生・中学生の将来の仕事について考えるきっかけになる授業です。


【生徒の感想より】

(アンケートより抜粋紹介)

‣自分の身の周りにも建設業は多くかかわっていて見えないところでも大きく支えて下さってる事が分かってすごいと思った。
‣「力を合わせて一つのものを作る。」と言っていてそれが強く心に残っています。
‣建設業は力仕事、男性の仕事というイメージがあったが女性が建設業で活躍している姿を見てかっこいいなと思えた。
‣自分が作った物が一般の方々に使われてるのを見て嬉しくなる快感を感じてみたい。
‣作った建物が残って沢山の人の役に立つのはすてきだと思いました。並木小学校を含めお世話になった場所が沢山の人に作られているのを知って驚きました。今度、近くを通ったら今回の授業を思い出します。


久寺家中学校 塚副 雄介 教諭より

生徒にとってなじみ深い建物が次々と紹介されて、建設業の仕事を身近に感じることができる時間でした。電気ケーブルの絶縁体を剥くのは驚くほど軽い力でできました。専門的な道具があることがわかって、よかったです。


「千葉県の建設業の仕事」の出張授業プログラムでは、今回ご紹介した「建設現場で働く人たち」に加え、「「川とくらしを守る仕事」も展開しています。

  

【写真:松田康太郎】

2024年11月5日(火)、香取市立小見川東小学校4年生・6年生のみなさんへ、千葉県魅力ある建設事業推進協議会(CCIちば)とNPO法人企業教育研究会(ACE)の連携による出張授業 「千葉県の建設業の仕事」の「川とくらしを守る仕事」 を実施しました。

  

4年生の社会科、5年生の理科の学習に関連した、川の護岸工事の現場や災害復旧活動など建設業の仕事や役割を紹介する授業プログラム。

この記事では、当日の授業の様子を紹介します。

◆出張授業「千葉県の建設業の仕事」の授業プログラムとは

2013年度から、ACEはCCIちばの事業として千葉県内の小学校・中学校を対象に出張授業を実施しています。建設業は職場見学・職場体験が難しい業種の一つですが、街や暮らしの安全を守り、地域に根差した世の中に欠かせない仕事です。

  

出張授業では、ACEのスタッフが進行して、学校近隣の建設業の企業から参加するゲスト講師が解説をする形で授業を行っています。この日は、千葉県建設業協会・香取支部の企業のみなさまが、ゲスト講師として参加しました。

出張授業「千葉県の建設業の仕事」の詳細はコチラ

◆江戸時代から千葉県は建設業をやっていた先人がいた!

現在の千葉県は江戸時代から利根川・印旛沼の度重なる氾濫に悩まされてきた歴史がありました。かつて、治水でなんとかしようとした人物が、千葉県一部の4年生の教科書にも登場します。

  

その名は「染谷源右衛門」さん。染谷源右衛門さんは、利根川の水が氾濫したときに、東京湾に流れるように新川・花見川を掘り進めようと構想していました。江戸時代当時はうまくいかなかったこの工事が、昭和の時代に大和田排水機場として完成し、今は印旛沼の周辺も農地や住宅ができ、安心して人々が住めるようになったことを復習します。

◆現代でも川岸を守る工事をしている人がいる!

そして現在も、新川をはじめ様々な河川で川岸を守る工事が行われています。その様子を、現場の映像や写真を使って紹介していきます。

  

川岸を保護する工事に使われている「鋼矢板」を教室の中に持ってきて長さや重さを体感することで、川の水の力が大きいことを学びます。ゲスト講師から「作業は安全第一なので、作業する人の安全を守るために鋼矢板が使われている」ということに感心する子どもたち。

次に、この川岸では護岸にコンクリートや鉄ではなく、石と金属のカゴで保護する「かごマット」が使われている理由を考えます。そこには、ただ川岸を保護するだけではない、川とともに生きていく私たちの暮らしに関わる、子どもたちの想像を超える理由がありました。ゲスト講師が解説をすると、子どもたちだけでなく、先生方をはじめとする大人からも驚きの声が上がります。

かごマットの模型を見てイメージを膨らませます

ものづくりをしながら地域に貢献する「建設業」

最後に、護岸工事以外にも道路工事や上下水道工事などの現場があることや、働く人のやりがい、そして建設業は男性も女性も働きやすい仕事になってきていることを紹介する映像を視聴しました。

  

そして、ゲスト講師からも学校の近辺で行っている工事の様子や、災害時の復旧活動、普段仕事で使っている道具などを紹介してもらい、仕事のやりがいや魅力が語られます。

  

この授業を受けることで、工事現場を見かけたらどんなことをやっているか、関心をもってほしい。そして、将来の仕事の選択肢の一つにしてほしい。この出張授業は、そんな願いから、10年以上少しずつ内容を変えながら行われています。


【児童の感想より】

(アンケートより抜粋紹介・一部漢字に変換)

‣建設業は僕たちの毎日を支えてることが分かった。
‣建設業は僕たちのために住みやすい環境を作ってくれているんだなと思いました。将来この仕事をやりたいと思いました。
‣崩れいていなくても、いずれ崩れそうな川辺の補強工事をしていることが一番心に残りました。そしていろいろな意味があって川の補強工事の素材を選んでることもすごい、と思いました。
‣人の命や自然を守る大切な仕事が建設業なんだとわかりました。


小見川東小学校 佐藤 ゆう子 先生より

4年生は、社会科香取市の地域につくした人々について学習しています。また、6年生は、キャリア教育で様々な職業について調べたり、体験したりして学習しています。

どちらの学年でもSDGsについて理科の学習で取り上げられており、たくさんの方の支えがあって今の暮らしが成り立っていることが体験を通して学ぶことができました。

児童の中には、建設業の仕事につきたいという女児がいます。身近な建設業の方に来校していただいたことや女性も働きやすい職場としても紹介していただいたので、自信をもって夢に向かって進めると思います。ありがとうございました。


授業の様子は、千葉テレビのニュースでも放映されました。ぜひご覧ください。

「千葉県の建設業の仕事」の出張授業プログラムでは、今回ご紹介した「「川とくらしを守る仕事」に加え、「建設現場で働く人たち」も展開しています。

【写真:松田康太郎】

東京都にある文教大学付属中学校・高等学校の進路指導をご担当している井口先生による実践のご紹介です。

本実践は「ひな社長の挑戦」の実施と、出張授業「ゆら社長のジレンマ※」を組み合わせたアレンジが特徴となっています。

中学3年生を対象に4クラスの担任教諭と井口先生が連携し、各クラスの担任教諭がそれぞれのクラスの生徒に向けて「ひな社長の挑戦」の授業を実施いただきました。
学習の進度に合わせて3つのミッションを6時間で実施し、最後に「ゆら社長のジレンマ」の出張授業で学習を締めくくっていただきました。

※出張授業「ゆら社長のジレンマ」についてはこちらをご参照ください。

  2023年度の実施スケジュール

<アレンジのポイント>

・年度末に新年度の導入に向け、実施する目的や時期を検討
・起業の「体験」ということを重視した無理のない進行
・教員ガイドをもとにクラス担任教諭へデータ格納場所などを事前に共有
・Googleスプレッドシートは使用せずExcelで作成
・「ゆら社長のジレンマ」を実施することで起業後の経営とつなげたまとめ


※下記よりクラス担任教諭間で共有したプリントをダウンロードいただけます。

「ゆら社長のジレンマ」授業の様子

「ひな社長の挑戦」を実施していたので、その25年後を舞台とした授業の設定にも慣れた様子で授業に参加していました。

<導入の動画を見ている様子> 
 <弊会講師による進行の様子>

6つの部署に分かれて議論する際には、ゲスト講師がサポートに入り経営判断に必要な情報の見方や意見を集約する際のアドバイスをしました。

<ゲスト講師が議論をサポート> 
 <各選択肢について議論>

企画をした井口陽子先生より

 中学2年生までの「総合的な学習・探究の時間」の取り組みに新たな視点を加える教材を探していた2023年3月初旬、東京新聞の「教室で起業を疑似体験」という記事を見つけたことが、「ひな社長の挑戦」と「ゆら社長のジレンマ」を企画したきっかけでした。企業教育研究会のホームページより教材をダウンロードし、年間計画の中でどの時期に実施するのが良いか考えをまとめた上で進路指導部で案を出し、学年の状況を見ながら夏休みに入る前の学年会で大まかな計画を示しました。

 職業人講演会などを間にはさみながら、修学旅行後の11月から1月の間に「ひな社長の挑戦」に各クラス6時間取り組み、2月に「ゆら社長のジレンマ」の出前授業を2時間受けました。私は学年の副担任を務めていたので、実際の授業を展開するクラス担任へ授業ごとの進め方を伝え、資料の印刷や準備を行いました。実施するにあたって重視したことは、ひな社長の世界観・ストーリーを理解してタスクに取り組むこと、全てのタスクをガイダンス通り終わらせることよりもタスクを通して起業を体験することを優先したことでした。

「ひな社長の挑戦」での活動があったからこそ「ゆら社長のジレンマ」で部署ごとの話し合いができたように思います。中学生にとって「ゆら社長のジレンマ」のテーマとなった「ワークライフバランス」は身近な言葉ではなかったようですが、議論していく中で実感を伴った理解につながったように思います。生徒たちの反応の中でも「心身ともに健康で働くことがとても大切だ」という感想が印象的でした。
 計8時間の活動の中で、生徒たちは起業を体験し、働くことは様々な人々とのつながりで成立していることに気づけたのではないでしょうか。

「ひな社長の挑戦」を実施し
「ゆら社長のジレンマ」を参観した先生方より

「ゆら社長のジレンマ」の出張授業では、生徒たちが部署(グループ)に分かれて責任感を持ち、活発に取り組む姿が見られました。一見難しそうな資料にも真剣に向き合い、各部署内外での話し合いが活発に行われ、それぞれの意見を尊重しながら討論が進められました。意思決定の場面では、各部署が意見をまとめ、メリットとデメリットを整理するなど、本格的なビジネス体験をした様子が伺えました。中学生でも自分の知識や発想を活かせる内容であり、学びの幅が広がったと感じられる一方で、コンサルティングの本質的な一部を取り扱った内容であることから、偏った理解を防ぐ工夫が必要な場合があると感じました。全体を通して生徒たちが主体的に取り組める貴重な学びの場となりました。

NPO法人企業教育研究会(以下、ACE)は、IBMとパートナーシップを結び、大学生を対象とした無料の学習プラットフォーム「IBM SkillsBuild」を大学教育の中で活用するサポートを行っています。

  

2024年10月から11月にかけて、千葉大学の全学副専攻プログラム「環境サステナビリティ実践学」の必修科目として「企業における環境サステナビリティ」が開講されました。

  

持続可能な社会の実現に向けて、特に、環境・サステナビリティの観点から、企業等がどのような取組を行っているか、それが組織経営にどのように関わっているのか、業界にどのような影響があるのか、企業経営者や企業に所属する社会人をゲスト講師として招き、千葉大学教員とのディスカッション等を通じて実践的な学びを深める講座になっています。

  

千葉大学「環境サステナビリティ実践学」

  

この講義の中のオンデマンド型メディア教材として、IBM SkillsBuildのサステナビリティに関する学習コース「保全を超えたサステナビリティーへ」を活用していただきました。持続可能な社会のために、「保全」だけでなくより広い視野に立って、データ分析などの情報技術を活用することの重要性が学べる点が講座のテーマと合致しているということで、受講生に学習していただきました。

履修登録した学生が500名を超える中で、ACEはIBM SkillsBuildの一括ユーザー登録や、学習結果の情報提供をサポートさせていただきました。

  


  

【 千葉大学大学院国際学術研究院  片桐大輔 教授より 】

  

環境・サスティナビリティを考える場合、ともすると、環境サスティナビリティとは「環境保全」の側面だけが強調されがちさかもしれません。しかし、「企業における“サスティナビリティ”」を考えますと、実際に企業が取り組んでいる活動は多種多様ですので、ゲスト講師の生の声をお聞きし、具体的な事例から学ぶことに大きな意味がありました。

  

一方で、どの企業や団体の環境サステナビリティ活動も、理化学、工学、医学、社会科学や、データサイエンスの活用など、横断的に知識や技術を活用しつつ、それぞれの得意な分野を活かしながら行われている点は共通しています。

その視点をストーリーに沿って学べるWeb教材として「保全を超えたサステナビリティーへ」はぴったり当てはまる内容でした。学習の最後にはそれまでのコンテンツで学んできた内容を理解していないと解けない確認テストもあり、大学の講義のオンデマンド教材として、ぜひ活用したいと考えました。

  

IBM SkillsBuildの中には、他にも魅力的なプログラムがあります。今後も学習目的と合致すれば、他の講義でも教材として採用して、学生の学びを豊かにしたいと思います。

  


  

IBM SkillsBuildでは無料で最新のIT技術を学べるだけでなく、コース修了後に取得できるデジタルバッジを通じてその成果を証明でき、将来のキャリアにとって非常に有益です。この取り組みにご興味のある全国の大学教育関係者のみなさまは、まずは以下のお問い合わせ先にご連絡ください。

  

本件に関するお問い合わせは以下までお願いいたします。

NPO法人企業教育研究会 IBM SkillsBuild事務局 MAIL:info@ace-npo.org

2024年12月19日(木)、小平市立小平第十四小学校5年生のみなさんへ、株式会社ブリヂストン(ブリヂストン)とNPO法人企業教育研究会(ACE)、そしてNPO早稲田環境教育推進機構の連携による出張授業 「ブリヂストン環境ものづくり教室」 を実施しました。

講義、実験、ボードゲームを通して、環境とものづくりのバランスについて考えるこちらの授業プログラム。

この記事では、当日の授業の様子を紹介します。

◆「ブリヂストン環境ものづくり教室」の授業プログラムとは

「ブリヂストン環境ものづくり教室」は、ブリヂストンの環境への取り組みについて知り、ゴムの性質について実験をしたり、ボードゲームで工場経営の疑似体験をしたりしながら、環境とものづくりのバランスについて学ぶプログラムです。

授業では、進行担当講師と、授業実施校近隣工場のブリヂストン社員が学校に伺い、工場の環境への取り組みなどを紹介します。

  

学校の授業においては、総合的な学習の時間(環境分野、キャリア分野)、社会「わたしたちの生活と工業生産」(5年)の発展学習、社会「わたしたちの生活と環境」(5年)の発展学習として、授業2コマ(45分×2)で活用いただける内容になっています。

「ブリヂストン環境ものづくり教室」の詳細はコチラ

◆環境問題とブリヂストンの取り組みについて

寒い日でしたが、元気いっぱい体育館に集まってくれた5年生のみなさん。

まず、ブリヂストンという会社について講師より説明を。

  

子どもたちは、まず、ブリヂストンは世界約130もの拠点を持つグローバル企業であることや、タイヤだけではなく、自転車や建物の免振ゴムなど、製造している製品について説明を聞きました。

  

また、小学校近隣の小平工場では飛行機のタイヤを扱っており、タイヤは新品のタイヤ製造だけではなく、リトレッドタイヤという溝が減ってしまったタイヤの接地している面のゴムを貼りかえるリサイクルタイヤも作っていること。また、同敷地内の技術センターでは雨や雪に強いタイヤの溝や、耐久性について研究していることなどが紹介されました。

ゴムの性質実験 ~跳ねるゴムボールと跳ねにくいゴムボール~

次は、ゴムの性質に対するミニ実験。

講師は、ピカピカしたゴムボール(ぴかっとボール)とくすんだ表面のゴムボール(くすっとボール)を見せ、「この2つのボールは、それぞれタイヤに適している性質を持っています。それぞれどういうところがタイヤに適しているのか、よく見てください。」と声掛けし、2つのボールを転がしました。

  

すると、ぴかっとボールは体育館の隅までスピードを保ったまま転がり、くすっとボールはかなり手前で転がりが止まりました。
  

この結果に対し、どういうところがタイヤに適しているかを子どもたちに考えてもらうと、

「ぴかっとボールは進みやすい」、「くすっとボールは冬用タイヤによさそう」などの意見が出てきます。

  

講師は、ブリヂストンでは安全のためにしっかりと止まるだけではなく、少ない燃料でも長く走ることができるタイヤを作っていることを紹介し、それは環境へ配慮するためだと説明しました。

そして、「なぜブリヂズトンは環境に配慮したタイヤを作るのでしょうか?」と疑問を投げかけ、環境問題が自分たちの生活にどう影響しているのか考えることを促します。

  

子どもたちは、「地球温暖化が進むと、今まで作っていた作物が取れなくなるかもしれない」など、環境に配慮しなければ日常が維持できない可能性について気づきました。

   

環境へ配慮する大切さを認識した子どもたち。

さらに講師より、「みんなも速く走りたいとき、靴が重いと大変だよね!」と、タイヤを軽量化するとはなぜ環境へよい影響があるのか、リトレッドタイヤは新品を作るのに比べ石油使用料が68%も削減できるという環境負荷の具体的軽減効果、もっと先を見据えたゴムの木に代わる植物の研究など、ブリヂズトンが環境に配慮して日々企業活動を行っていることを説明しました。

子どもたちはワークシートも活用しながら、これらについてしっかりと学びました。

◆工場長ゲーム活動 ~環境配慮とものづくりの関係を疑似体験~

1時間目に、環境に配慮することの大切さを学んだ子どもたち。2時間目はいよいよお楽しみのゲーム時間です‼

  

このボードゲームは、止まったマス目の指示に従いながら、お金を得たり払ったりしつつ、手元のお金と環境に優しいことをすると増えるエコポイント(EP)の増減を体験します。そのゲーム中で直面する出来事を通し、ものづくりは環境に影響があることや、環境へ配慮するには費用がかかることを疑似体験。ゲーム活動を通し、環境とものづくりのバランスについて考えます。

ゲームでは、子どもそれぞれが工場長という設定で、利益を最大にするのか、環境に配慮しエコポイントをたくさん得ることに重きを置くのか、意識的に、もしくは無意識に選択しながらコマを進めます。また、ゲームの中では『投資』『決算』という全員が立ち止まるポイントがあり、『投資』のマス目では手持ちのお金で設備投資等を、『決算』のマス目ではお金とエコポイント(EP)の精算をします。

決算マスでは、投資マスで得たカードに書かれているお金やエコポイント
(+の場合も-の場合もある)を受け取ります。

ゲーム中、班の中から「もっと投資しておけばよかった!」「エコを意識しすぎてもだめだ…」など、ゲームを通して気づきを得る子どももおり、どの班も学びながら楽しんでゲームを進めています。

  

終盤は体育館全体が熱気を帯び盛り上がっていく雰囲気が‼ 子どもたちから、「一番の人からお金をぶんどるマスがあって盛り上がった‼」、「無限にループできるすごろくになっているから何周もしたい!」などの声も聞こえました。

授業まとめ

2度の『投資』『決算』を経てすごろくを一周した子どもたち。

最後に、自分の手元に残ったお金の額とエコポイント(EP)から、自分の工場経営がどういう傾向にあるかを確認します。

  

講師より、手元のお金を守ってばかりだとお金やポイントがあまり増えないこと、最終的に得た金額とエコポイントの関係により、利益重視の傾向か環境重視の傾向か、それともバランスが取れていたのかなどの考え方について説明を受けました。

子どもたちは、改めてゲームの中での自分の判断が、どういう傾向にあったのか振り返る機会になりました。

  

最後に講師より、授業中盤でも説明のあったブリヂズトンは3つの環境宣言「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」を重要と考えて「ものづくり」をしていること。生活すべてを環境に優しくすることはなかなか難しいものの、できることから取り組み、自分なりのバランスを考えること。そして、社会全体でもそれぞれ『なにができるか』を考えることが大切だとまとめました。


【児童の感想より】

(アンケートより抜粋紹介・一部漢字に変換)

‣授業をして(ブリヂストンが)どのようなことをしているのかが分かった。
‣2つのゴムボールの転がり方がそれぞれ違い、面白かったです。
‣ゲームや実験などがあり、とても分かりやすかったです。ぼくも環境のことをよく考えて生活しようと思いました。
‣リトレットタイヤはまた再生するということに驚きました。
‣工場長ゲームが難しかったけど、工場長になった気分で楽しかった。
‣工場長ゲームは、利益や自然に優しいなどをバランスよくできるようにした。


ブリヂストンご担当者 小平さまより

このブリヂストンの「環境ものづくり教室」は環境問題について自分たちの身近なところ、企業の視点、ゲームを通じたビジネスの視点と多面的な要素を盛り込んだ内容となっています。生徒の皆さんが日々環境問題に直面していることを実感していただくとともに、企業も環境問題を考慮しながら、皆さんの生活にあるモノやサービスを提供しています。生徒の皆さんにとって今回の授業内容が改めて環境問題について考えるきっかけになったらうれしいです。


今回ご紹介した「環境ものづくり教室」に加え、ブリヂストンさまとは、グローバル化が進む社会で相手のことを考えてコミュニケーションを取ることの大切さを考える授業プログラム「ブリヂストングローバルコミュニケーション教室~世界につながる伝える力~」も展開しています。

【写真:松田康太郎】

企業教育研究会(ACE)は、アウモ株式会社(以下、アウモ)と協力して、2024年10月から12月にかけ、渋谷区立中幡小学校6年生の探究学習を支援しました。

  

渋谷区は令和6年度から文部科学省の「授業時数特例校制度」を活用し、午後の授業時間を「探究『シブヤ未来科』」として全区立小・中学校で展開。この時間を活用して、教科を横断する総合的な学習や特別活動を推進しています。

  

その学習の1つ「テーマ探究」にて、中幡小学校6年生の子どもたちは、『魅力ある街づくり~NAKAHATOWN~』をテーマに、前期から自分たちが暮らす地域についての調査をし、その良さと課題を見つけてきました。

アウモとACEは、後期10月から学習支援を開始し、先月12月23日に開催された発表会まで、子どもたちに寄り添い支援を行いました。

  

この記事では、アウモとACEの支援内容や、探究活動中の子どもたちの様子をお届けします‼

子どもたちと初対面!

~記事作成を課題解決の1つとして紹介しました~

アウモの社員とACEメンバーが子どもたちに初めて対面したのは10月24日(木)です。

アウモからは代表取締役社長の生方さん、社員の幸田さんの2名、ACEからは元校長の職員古谷と学生スタッフ4名の支援体制にてスタートしました。

  

子どもたちが進める探究活動は、ただ調べるだけではありません。自分たちが暮らす地域の課題解決へ向け活動を行います。

この日は、「課題解決の手段に子どもたちが記事作成を選ぶとしたら?」との想定で、アウモ社員から子どもたちへ、記事作成のレクチャーをしました。

  

まずはアウモの会社紹介。

おでかけ・観光・グルメ・ホテルのメディア「aumo」をインターネット上で展開し、たくさんの記事を扱うアウモですが、その中で子どもたちは、検索で上位に表示される記事を書くことは、検索した人も、記事で紹介されたお店も、さらにその周辺のエリアも恩恵を受けることを知りました。

  

そして、子どもたちは自分たちが今まで調べてきた地域の現状や課題について報告します。

子どもたちは、ごみの放置や交通ルールが守られないことによる住環境の悪化、交流の機会が少ないこと、イメージが悪い検索候補が表示されるなどの課題があると発表しました。

これに対し、幸田さんからは子どもたちが多くの課題を感じている公園についてむしろ魅力を発信することや、ごみ問題に対しては自分がごみを拾いその輪を広げていくことも、課題解決に繋がることなどをアドバイスしました。

  

またこの日は、子どもたちへのインタビューをもとに、地域の魅力を紹介する記事作成の実演も行いました。

実演では、子どもたちに地域の魅力をインタビューし、PREP法(結論→理由→事例→結論の順に構成する方法)によって簡易的に記事を作成。その実演の中で、子どもたちは、記事に必要な画像は無許可で掲載できないことも教わりました。

自分たちが話した内容が記事になる過程に、子どもたちから歓声が‼

  

後日、子どもたちは記事作成も含めたいくつかの案から、自分たちに適した課題解決方法を選択します。

課題解決に記事作成を選ぶ子どもたちは何班出てくるのかな?

記事の書き方をレクチャーするアウモ・幸田さん

取材へ同行しました!

~支援中間報告その1~

班ごとに掲げた課題について、「どうすれば解決できるか」を考えてきた子どもたち。

検討の上、記事作成を課題解決の目標にしたのは13班でした。

  

記事を書くことにした班の子どもたちへ向け、アウモの持つ記事作成の技術を活かしつつ、アウモとACEにて引き続き支援をしていきます。

  

子どもたちが記事の準備を進めていたところ、アウモよりインタビューへ行き、それをもとに記事を作成するのが良いのではとのアドバイスが。

  

子どもたちはそのアドバイスを受け、街へ出てインタビューを実施することに。

質問の作成や、いつどんな写真を撮るのかなどの準備をし、この日はいよいよ実際に街へ繰り出しました。

  

しかし、いざインタビューに出向いてもなかなか声を掛けられない子どもたち…。

「10人聞いて1人答えてくれればよい方だから数打ちゃ当たるで頑張れ!」

「前に回り込んでから、目を見て声をかけること。後ろから声をかけても気づかれないよ!」

と、同行したACEの古谷が具体的にアドバイスし激励しつつも、大人が直接手助けするのではなく、子どもたちが自らインタビューを完結できるよう見守りました。

  

私たちが付き添った班では、作成した台本に沿い、「ポイ捨て」について3名の方へのインタビューに成功しました。

みんな、よく頑張ったね‼

いよいよ記事作成開始!

~支援中間報告その2~

この日、記事作成班の子どもたちは、いよいよ記事作成に取り組み始めました。

  

子どもたちは、アウモからインタビュー内容をExcelシートで一覧にするという作業の説明を受け、各自で図や表を用いながらまとめました。インタビューをもとに新たな疑問を発見した班もあり、インターネットでさらに調べたり、どうすれば分かりやすく伝わるかを考えたりしながら、12月の発表を視野に入れつつ活動を進めました。

  

アウモからは、記事の構成について「インタビュー内容と自分たちが伝えたいことを分けて書くと読みやすい」「記事には必ず見出しをつけること」などのアドバイスがあり、最終的には検索(SEO・検索エンジン最適化)で1位を狙えるようなショート記事になる展望も話され、子どもたちも期待が膨らんでいる様子でした。

  

子どもたちは、実際に活動する中でたくさんの大人に許可をとる必要がある事や、アンケートの回答数がなかなか集まらない事など、思い通りにいかない難しさを感じている様子でした。それらについてどうすればよいのか自分達で考えたり、先生に聞いたりしながら着々と準備を進める姿が印象的でした。

集大成の発表会

課題解決のため、自分たちのWeb記事を作成したいと希望した13班の子どもたち。

約2カ月間の学習を経て記事を完成させるとともに、発表用のプレゼンテーションを作成し、いよいよ12月23日の発表会に臨みました。

  

発表会では、学年全体で約20の班が3つのグループに分かれ、決められた時間内で聞き手を変えながら3回発表するという「屋台方式」で実施されました。1回目は緊張した面持ちで発表していた子どもたちも、回を重ねるごとに慣れていき、次第に表情がほころんでいきます。

  

発表では、記事作成の中で実施したインタビューや全校児童へのアンケート、町内会の方々への聞き取り調査などを含めながら、自分たちの取り組みとその成果をわかりやすく説明することができました。

  

例えば、「町の落書きをなくしたい」と考えた子どもたちは、調査を進める中で、自分たちで勝手に落書きを消してはいけないというルールがあることを知りました。しかし、この思いを渋谷区に伝えたところ、担当の職員が協力し、落書きを消す取り組みを一緒に実施してくださることが決まりました。このエピソードを発表で共有すると、聞いていた他の子どもたちから「私も手伝うよ」「私もやりたい」という声が上がりました。

  

このように、少人数で始めた探究活動が仲間に共有されることで、次第に大きな広がりを見せていきそうです。

2カ月という短い時間では、思ったような実践にまでは至らなかったグループもありましたが、本日の発表会は探究学習の締めくくりではなく、新たな始まりを予感させる場となりました。

▼子どもたちが作成した記事の一覧はこちらからご覧いただけます

https://aumo.jp/users/3150ca6a8a/articles

◆さいごに

今回の一連の支援においては、私たちが何を支援し得るのかについては試行錯誤の面もあり、私たちも議論を重ねつつ実施しました。具体的にはホームページの親記事(タイトル記事)以外の子記事(タイトル記事にリンクされる関連記事)を担当した12チームの相談相手および進行管理、その12班の子どもたちの様子について担当学校教員と情報連携、記事をベースにした発表準備などの支援を行いました。

  

この活動支援が、ACEのミッションでもある「誰もが教育に関わり、貢献することができる社会」を実現する一歩として、子どもたちの活動の充実に寄与できたのであれば嬉しく思います。このような機会をいただきました渋谷区教育委員会、シブヤ未来科、中幡小学校、また一緒に支援活動を実施してくださったアウモの皆さま、全ての関係者の皆さまへ、この場をお借りして御礼申し上げます。


◆探究「シブヤ未来科」について

令和6年4月から渋谷区の公立小中学校では、探究「シブヤ未来科」をスタートしました。午前中は通常の授業を行い、主に午後を中心に子供主体の探究の学びが展開されます。文部科学省の「授業時数特例校制度」を活用し、総合的な学習の時間を全区立小・中学校で拡充させています。

先生が教える授業から、子どもたちが学びを創る授業へ

幼児期に経験した、遊びに没頭したときに抱くワクワク感や好奇心、一人一人に備わった、自ら学ぶ力や感受性を発揮し、学んだ知識を生かして新たな知見を創造していく探究「シブヤ未来科」が本格稼働しました。地域や様々な企業・団体とコラボした魅力ある体験を通して、子どもたちの感動・発見を創っていきます。

探究シブヤ未来科 | 教育DX | 渋谷区ポータル (city.shibuya.tokyo.jp)

◆アウモ株式会社について

国内最大級のおでかけメディア「aumo」や店舗向けマーケティングSaaS「aumoマイビジネス」、デジタルギフトを活用した企業支援サービス「aumoギフトエクスチェンジ」、自治体・地域団体の課題解決サービス「aumoローカルプラットフォーム」を展開するグリーホールディングス株式会社100%子会社です。

https://aumo.co.jp

【支援担当・記事分担執筆】

職員 古谷成司

学生スタッフ 岡田雪寧・瓦家千華子・黒田夢奈・水坂優希

2024年12月14日(土)、神奈川大学附属中・高等学校の中学3年生の皆さんへ、『STEAM✕探究』 実践教室 ~遊園地を救え!チームで挑むデータサイエンス~の出張授業を実施しました。

  

通常、高校1・2年生が対象の授業ですが、今回は中高一貫校・中学3年生へ。

本授業はアクセンチュア株式会社(以下アクセンチュア)と企業教育研究会(以下ACE)が一緒に授業プログラムを開発し、授業実施はアクセンチュア社員が講師、ファシリテータを担当します。授業実施規模に応じ、ACEもファシリテータを一部担当しています。

6クラス同時実施のこの日は、アクセンチュア社員講師に加え、ファシリテータとして、アクセンチュア、ACE職員及び学生スタッフ、そしてNPO法人STEM Leadersの大学生と総勢26名での訪問となりました。

 

ACEとしても珍しい4コマ授業‼このblog記事にて、授業の様子をレポートします‼

『STEAM✕探究』実践教室 ~遊園地を救え!チームで挑むデータサイエンス~ の授業プログラムとは

STEAM教育・データサイエンスをテーマにした実践型の特別講義です。​

生徒は、仮想の「遊園地」における売上アップを目標に、3つの部門のデータ分析スタッフとなり、課題に対してグループで協力しより良い解決策を実践的に考えます。授業では、データの分析や、探究のプロセス(仮説立案→情報収集→仮説検証→考察→発表)に基づいた活動を取り入れています。

  

学校の授業においては、総合的な探究の時間、数学科、公民科、キャリア教育、情報に関連し活用いただけます。

『STEAM✕探究』実践教室 ~遊園地を救え!チームで挑むデータサイエンス~ の詳細はコチラ

◆1時間目 ~売上UPに向け、深堀したい施策を絞り込む(仮説立案)~

まずは、データサイエンスやAIといった授業で出てくる用語の確認から。各教室をオンラインで繋ぎ、1名のアクセンチュア講師が4つの教室に向けて講義しました。

講義の中で、実際のデータサイエンスでは、絶対の正解はない中で問題を定義し、仮説を立て、分析手法を選択してからデータ分析をすること。その分析結果をもとに課題解決の施策を決め、実行した上で効果検証をしていくことが説明されました。

内容的に難しいかな?と思い生徒のみなさんを見ていましたが、英語のテスト対策を事例にした説明を聞き、データサイエンスと今日の活動の流れについて、イメージを掴んでいる様子です。

  

続いて、個人ワークを行いながらデータサイエンスへの理解を深めていきます。環境に配慮しながら遊園地の売り上げを上げるための課題と、その要因が仮説として書かれたワークシートから、直感的に重要と思うものや、分析の難易度について記入します。この活動は、生徒自身が深堀したいと考える優先度が高い課題と、その要因(要因仮説)を3つに絞り込むという活動です。

ファシリテータの細やかなフォローもあり、活動中完全に手が止まっている生徒は見られず、みな自分なりの考えをワークシートに書き込んでいました。

  

その後のグループ活動では、個人で絞り込んだ課題・要因仮説を共有しつつ、各班人数分の優先したい課題と、その課題の要因(仮説)について絞り込みます。

各班の課題・要因仮説については、多数決で決めようとする班、個人ワークで選んだ選択肢を説明し話し合う班、仮説決定後の分析方法をイメージした上で絞り込もうとする班など、いろいろな考えで優先課題を確定しているようでした。 ある班を支援していたファシリテータは、生徒たちはすでに直感ではなく、論理的に考えた上で課題と仮説を検討していると話し、その班ではスムーズに人数分の課題・要因仮説が決定しているようでした。ファシリテータは、少数派の意見についても選択肢から外すのではなく選んだ理由を聞いてみようなど、生徒に向け視点を広げる声掛けをしていました。

◆2時間目 ~仮説の検証方法を決定する(グラフ選択)~

2時間目は、選んだ課題・要因仮説に対し、仮説の検証方法を考えます。

まずは、同じデータを用い作成した様々なグラフが示され、分析に適したグラフを選択する必要性について解説を受けました。

そして、生徒はPC端末を用い、いくつかのグラフから、どのグラフを選択するのがよいのか考えました。

グラフ選択では、こっちかな?と感じても、生徒たちは、それを言語化して他の生徒に説明することに対し苦戦する様子も見られました。しかし、班活動になり、みんなの意見を聞く中で、多くの生徒が理解を深めているようでした。

  

生徒の何名かに授業の印象について聞くと、「今まで一度も、グラフを見比べてどっちがいいとか考えたことが無かったから難しかった。やってみると、難しいながらにも分かってきた。」などの感想がありました。

◆3時間目 ~データの読み取り&考察~

3時間目は、自分たちが分析に適していると考えて選んだグラフを用い、読み取れた内容をどう考察に活かしていくのか検討します。

アクセンチュア講師は、例えば今すでに訪問が多い客層向けに施策を行うのか、それとも来客が少ない層に向けて呼び込みを考えた方がいいのかなど、データから読み取った考察結果を組み合わせて活かすなど、さまざまな視点で話し合って欲しいとアドバイスしました。

  

生徒からは、「19-21時台の学生訪問が少ないね。」「でも、そこに施策を考えても、そもそもこの時間帯に学生は遊園地に来られるのかな?」など、グラフから読み取ったことを活かし、具体的に施策についてイメージできている会話が聞こえてきます。

  

当日は、生徒はパークA~Nまで14の遊園地に分かれ、さらに各遊園地内はフード・商品・イベントと、3つの本部(班)に分かれているという設定で活動しています。生徒の中には、同遊園地の他本部が実施する施策と客層を合わせた方が効果は高いかもしれないと他本部へ確認に行く姿や、自分たちの選択した施策が他本部の方針とも合致していると確認し、自分たちの選択に確信を深めている班も見られ、ファシリテータのアドバイスも受けながら考察を深めました。

4時間目 ~施策の決定と説明準備・まとめ~

4時間目は、3時間目で検討した考察をもとに、パークA~Nの遊園地ごと本部を超えて全員で集まり、遊園地全体としての戦略を練ります。

すでに3時間目の時点で、4時間目で求められる視点を持って話し合いができている班も多くありましたが、この時間ではさらに自分たちが考えた施策を、上司である本部長に説明し説得するという前提で具体的な説明を考えました。

  

そして、最後には各遊園地の施策がどれだけ“売り上げ”と“二酸化炭素排出量の削減”を達成したのか順位が発表されました‼

  

アクセンチュア講師より、仮説が違えば、同じグラフをもとに検討しても抽出する分析結果が違うこともある。ただデータだけがあっても何もできない。戦略があってはじめてデータが活きることや、売り上げとコストのバランスを考えること、今の時代は利益だけでなく、社会的責任を果たす視点での施策決定が重要なことなど講評がありました。

◆生徒との交流会

最後に場所を変え、アクセンチュア社員と希望する生徒たちとの交流会が催されました。

授業を受講した中学3年生だけでなく、中学1年生~高校3年生の生徒のみなさんが来てくれました。

  

生徒のみなさんは、アクセンチュア社員の親しみやすい雰囲気に促され、コンサルについての仕事内容や、留学について興味があること、具体的なプログラミングに関しての相談など、会話が弾んでいました。


【生徒の感想より】

(アンケートより抜粋紹介。)

‣今回、自分たちで課題を設定し、データを分析していく過程で、なぜその解決方法を取るのかという根拠を考えることがすごく大切だと思った。
‣今まで2つや3つほどのデータを読み取ることはあったが、いくつものデータから課題に対してどのデータを読み取り、そこから分かるものを他のグループとも共有して、課題を解決していくという活動は初めてだった。
‣みんなで意見を出し合いながら一つの物事について考え、解決するというのがとても楽しかったです。
‣プレゼンをするときに、自分たちでは分かっていても相手には伝わり切らないことがあると感じたので、次回からはもっと細かく丁寧に話すようにしたい。
‣今回は改善案を選択肢から選んだけれど、自分たちでどのようにすればよいか考えてみたいと思いました。
‣スタッフの皆さんがわかりやすく教えていただいたおかげですんなり理解することができました。
‣今後の学習には自分の考査や模試を受けて自分がどのように勉強すべきか考えるうえで活かせると感じました。また、文化祭でお客さんがどうしたらより楽しんでもらえるかなど企画を考える際にも活かせると感じました。


【 神奈川大学附属中・高等学校 大場愛美 教諭より 】

探究的な学習の一貫として、通常の授業では扱えないデータサイエンスの特別講義をお願いしました。

事前に丁寧な打合せがあったことで、初めての取り組みもスムーズに進めることができました。取り扱うテーマが「遊園地」だったので、生徒にとっても身近なもので取りかかりやすく、イメージしやすかったと思います。

当日は研究会や企業の方など多くの方にご参加いただき、2~3班に一人のファシリテーターがつき、手厚いサポートをしていただいたおかげで、生徒は4時間のワークショップを集中して取り組むことができました。講義後は中2から高3の希望者向けに懇談会を開催し、仕事内容や大学で学んだこと、受験勉強など生徒の質問に丁寧に対応していただきました。

生徒にとっても、教員にとっても実りの多い時間になりました。熱心に指導していただき、大変感謝しております。ありがとうございました。

 

アクセンチュアご担当者さまより

ACNとして中学生向けにこのような大規模な出張授業を実施するのは初めての試みでしたが、中学生の皆さんが一生懸命取り組んでくださったおかげで、無事に授業を実施できたことに感謝しています。

私自身も授業で講師を務め、中学生の柔軟な思考力に刺激を受け、有意義で刺激的な時間を過ごすことができました。

授業実施後のアンケート(n=72)では、5段階評価中「授業が楽しい」と感じた生徒が4.28という高評価をいただき、多くの生徒さんに喜んでいただけたことをありがたく思います。

また、「課題解決においてデータサイエンスは有効だと思いましたか?」という質問に対しても4.43という評価をいただき、我々が最も伝えたかった「データサイエンスと実社会のつながり」について理解していただけたことも大変嬉しく思います。

学生の皆さんが答えのない問いへのチャレンジを、日々の生活で実践していただきたいと思います。 今回の授業を通じて、学生たちがデータサイエンスの重要性を理解し、将来の学びやキャリアに活かしてくれることを期待しています。


今回ご紹介した 『STEAM✕探究』実践教室 ~遊園地を救え!チームで挑むデータサイエンス~ に加え、アクセンチュアさまとは、授業プログラム「 ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー 」「 ひな社長の挑戦 ―起業シミュレーション教材―  」も展開しています。

2024年10月29日(火)、栄町立栄中学校2年生の生徒のみなさんへ、株式会社マイナビ(以下マイナビ)と企業教育研究会(以下ACE)でお届けしている「カードゲームで学ぶキャリア図鑑 -未来を拓く仕事と社会!自分の可能性を探究しよう-」の出張授業を実施しました。

 

キャリア教育でよく行われる「職業調べ」では、子どもたちは見聞きしたことのある職業について調べがちです。しかし、「もっと幅広い職業に、子どもたちが目を向ける機会が得られないだろうか。」と、スタートしたこのプログラム。

 

この授業プログラムは主に中学2年生を対象にしており、総合的な学習の時間、キャリア教育として、授業2コマ(50分×2)にて活用いただける設定です。授業展開は、1時間目はオリジナルカードゲームを用い様々な職業があることを知る授業を。2時間目は多様な業種・職種の人々が、連携して社会を支えていることを学びます。そして、生徒自身が、自分の将来、仕事を通じてどのように社会と関わりたいか、職業についてのイメージを膨らませます。

 

本年度7月より全国へお届けしている新しい授業プログラム。このblog記事では、授業の様子を紹介します。

「カードゲームで学ぶキャリア図鑑 未来を拓く仕事と社会!自分の可能性を探究しよう」 指導案等の詳細はコチラ

◆キャリアとは?職業とは?社会参加とは?

早速スタートした出張授業。

生徒たちに、今日の授業では職業について注目していくことを案内した後、マイナビ社員講師は、「将来の仕事に対して、既にイメージを持っている人は?」と問いかけました。しかし、ほとんどの生徒は手を挙げず、「逆にイメージが無い人は?」と聞くと、たくさんの手が挙がりました。まだ、将来の仕事に対して具体的なイメージを持つ生徒は少ないようです。

 

そこで、学校では、委員会活動を通じて生徒たちが学校生活に参加しているように、大人も仕事を通じて社会に関わっていることを説明。また、世の中には17,000以上もの職業があることなどが紹介されました。

生徒たちは、職業の数が17,000もあるということに驚きの表情を見せていました。

◆オリジナルカードゲームを通し、多様な職業があることを知ろう‼

オリジナルカードゲームの舞台は、鉱山閉山後、少子高齢化と人口減少が進んだ“まいひな市”という架空の市。”まいひな市”の4人の市民は地域を盛り上げるため、それぞれ企画したプロジェクトを進めています。しかしながら、それらのプロジェクトは思うように進んでいません。そんなゲームの設定背景を、生徒たちはアニメーション映像を通して理解します。

 

ゲームは4人1組のグループで活動します。1人の生徒が1人の市民を担当し、それぞれのプロジェクトの課題解決に必要な業種カードを集めます。グループ4人で協力して業種カードを集め、さまざまな業種・職種を連携させながら、“まいひな市”地域活性化の肝であるバーチャル鉱山を充実させていくことが最終目標です。

 

初めは恐る恐るゲームを進めていた生徒達も、タームを重ねるごとにスピードアップし盛り上がっている様子。

 

自分が使わない業種カードはグループ内で譲れるシステムがあるため、自然とカードに記された業種や職種について声に出す姿も見られました。イレギュラーなサポートカードでの動きも含めると、目標の12タームが終わる頃には50枚以上のカードをめくり、そこに書かれている業種や職業について目にしている生徒たち。体感的にも、世の中には多くの仕事があることを知っていただけたのではないでしょうか。

◆様々な業種の人たちが連携し、社会を支えていることを考えよう‼

2時間目。次は、先ほどのゲームで同じ市民を担当した生徒毎に集まり、課題解決に必要とされた業種の人たちが、具体的にどういう仕事をし、互いに連携したのかを考えます。

生徒たちはワークシートに向かいながらも、すぐには、それぞれの業種において具体的に何をしたのか考えるのは難しく感じている様子もありました。しかし活動が進む中で、机間巡視する講師たち(マイナビ社員・ACE職員)や先生方からアドバイスをもらい、業種連携についての解説を聞く中で、少しずつ様々な仕事を持つ人々が連携して課題を解決し、社会を支え充実させていることについてイメージを持てているように見えました。

◆「何を大切に働くのか」は人によって多様なことを知り、自分の将来についても考えてみよう‼

最後に解説タイム。ゲームで題材になった4人の市民が、それぞれ何を大切にして働いているのかを紹介しました。その中で、仕事に対する「やりがい」などは人それぞれであり、様々な勤労観があることを伝えました。また、副業などの新しい働き方、産官学の連携なども紹介しました。

 

マイナビの講師からは、これからは複数の仕事を掛け持ちすることも可能で、やりたいことを一つに絞らなくても良い時代になってきたという説明がありました。中学生にとって、新しい働き方の情報を得、将来に対しイメージを膨らませる機会になりました。

 

また、ACE講師からは、もうすぐ向かう職場体験では、自分がお世話になる先の業種職種だけではなく、他にどのような仕事が関わっているのか、その職場の人たちがどういう思いを持って働いているのか、ぜひ気にして体験してきて欲しいと伝えました。

熱意をもってお話くださったマイナビ社員講師の松本さん。
生徒たちもしっかり耳を傾けていました。

【生徒の感想より】

(アンケートより抜粋紹介。)

‣ゲームのルールを理解するには少し時間がかかったけれど、このゲームをして色々な職業や業種を知ることができた。
‣カードゲームの説明がものすごくわかりやすくて、楽しく学ぶ事が出来ました!
‣どういう仕事があるのかを前より知ることができました。
‣一つの概念にとらわれずに、いろいろな業種について、調べたいです。
‣自分の力だけでなく、身近な人に聞いたり、インターネットを使うことが大切だと思いました。
‣様々な仕事の人が協力しているとわかってよかった
‣「働く」ことの意味を考えながら、社会への参加を考えていきたいです。
‣給料だけでなく自分の向き不向きも考えようと思いました。
‣自分がやりたいと思う気持ちを大切にしたい。
‣将来のために勉強したいと思った。
‣将来に対しての関心が高まった。


【 栄町立栄中学校 2学年担当 黒田雄一 教諭より 】

今回初めて応募させていただき、進路学習の一環として、総合的な学習の時間の中で授業を行っていただきました。

多様な人と関わる中でのコミュニケーションの大切さや、相手の気持ちを考えながら自分の考えを伝える力を、実践的に学ぶことができたと思います。用意された教材が、とても細かく理解しやすいもので、生徒の興味を引く内容で作られており、1回目のロールプレイングからスムーズに話し合い活動に入ることができました。事後のアンケートからも「話し合い活動がとても楽しかった」などの意見が多く見られ、楽しみながら意欲的に授業に取り組む姿が見られました。

今後予定している職業体験授業や、2年次に行う職場体験にもつながる大変貴重な経験をさせていただいたと思います。ぜひ来年も経験させたい内容だと感じました。ありがとうございました。

【 株式会社マイナビ 就職情報事業本部 松本勢以 さまより】

生徒のみなさんは職業のイメージがつかない中でも、カードの内容を確認しながら、チームで職業を想像する姿がありました。

世の中にはたくさんの職業や仕事があることを少しでも知って、学んでいただけたかな。と感じております。今回の授業ですぐに「これだ!」というものが見つからないかもしれませんが、広い視野を持って、自分の可能性に挑戦してほしいと思います。

私自身も生徒のみなさんの取り組む姿を見て、刺激をいただきました。


パートナー企業:株式会社マイナビについて

「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」をパーパスに掲げ、人々の人生に寄り添い、サポートする多様な事業を展開しています。主力事業である人材ビジネス領域においては、就職、転職、アルバイト等を中心とした情報サービスや人材紹介サービスを展開。また、進学、ウエディング、ニュース、農業など、多数の生活情報メディアを運営しています。ユーザー一人ひとりに向き合い、その人の可能性を広げ、今までの生き方にとらわれない新しい未来が見えるようなサービスを提供いたします。

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