2023年12月18日(月)、千葉県立富里特別支援学校・高等部2年生の一部の生徒の皆さんへ、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)と企業教育研究会(以下ACE)とでお届けしている「ゲームでつながる授業と仕事」について、特別支援学校向けアレンジ版の出張授業を実施しました。
通常は小学校中学年~中学生向けに実施している授業プログラムですが、今回は、「ゲームとの付き合い方を考えよう」「ゲーム会社で働く人たち」の2つの授業プログラムから、働く上で具体的に気をつけるとよい点や、ゲームについてインターネットを介して遊ぶ時の注意点(ネットリテラシー)によりフォーカスし、既存プログラムをアレンジしています。
具体的なアレンジについては、特別支援学校(以下学校)の先生に事前に既存プログラムを確認いただき、その中で、生徒の未来を見据え特に伝えたいポイントを絞っていただきました。その視点を大切にしながら、学校の先生、SIEご担当者さま、ACEの3者で連携し、生徒の特性に合わせた指導案にと検討を重ねました。
『社会に開かれた教育課程』が推進され、現在は多様な団体が出張授業を提供するようになりました。しかし、特別支援学校も対象に含めて展開している授業は少なく、特別支援学校の子どもたちにとっての出張授業は、多様なプログラムから選択できる状況ではないようです。 今回の授業は手探りの面もありましたが、私たちが大切にしているワクワクした学びをより多様な子どもたちに届けようと、様々な工夫を凝らしました。このレポート記事では、その授業の様子をお届けします。
■授業時間 100分(50分×2コマ)
■対象 特別支援学校高等部2年生
■関連教科 職業、道徳科
■学習目標
■生徒の活動
当日リラックスして授業を受けてもらうため、生徒の皆さんとは、事前に学校を訪問し顔合わせをしていました。当日は改めて緊張をほぐしながら授業スタート。「ゲーム好きですかー?」と聞くと、たくさんの生徒の手が挙がりました。
まずは働く上で大切なことについて紹介。内容は、報連相、身だしなみ、言葉づかいの大切さに絞りシンプルに。また、プログラミングで数学を使うことなど、日々の学校の勉強は、仕事で使う場面がたくさんあることにも触れました。
これは、生徒の職業体験前に先生が何度も伝えていること。先生が言っていたことと、企業の方が大切に思っていることは同じだ!と、生徒の中で内容が繋がりますようにと期待を込めて。
授業は、文字を減らし漢字は全てルビ打ちしたスライドをメインで進めつつ、アレンジ版ワークシートを作成。拡大版を黒板にも用意しました。
通常はSIEの講師とACEで進める授業ですが、この日は学校の牛島先生にも授業者の一人として参加いただき、ワークシートの答え合わせなど、適宜フォローしていただきました。牛島先生のリードもあり、生徒の皆さんは、リラックスしつつも積極的に授業に参加している様子でした。


次はゲームについて映像視聴と、PlayStation®4用ソフトウェア『Newみんなのゴルフ』の紹介とPlayStation®5のプレイタイム。代表の生徒に試しにプレイしてもらい、その画面をみんなで見守りながら、楽しくゲーム体験とゲーム環境の進化を体験しました。
そして、SIEの内山さんより、最近のゲーム機はインターネットにつながることで、できることが増えていることを紹介。
本授業のアレンジとして、実際にオンラインで繋いだPCを介し、先生がチャットで会話する様子も生徒に見てもらいました。
インターネットにつながったゲーム機のイメージを掴んだところで、「オンラインゲームで気をつけること」について学びます。
アニメ映像を通して個人情報が洩れて高額請求を受けるというトラブル事例を知ってもらい、その解決策や、自分だったら何に気をつけるのかを考えてもらいました。
教材のアニメは、特別支援学校の生徒の皆さんにより分かりやすく伝えるため、所々ビデオをとめながらペープサートを用い、トラブルの内容を丁寧に説明しました。
トラブル事例を踏まえ、解決策を考えるワークシートに一生懸命に取り組んでくれた生徒の皆さん。
「キャラクターの見た目だけで判断しない。」「パスワードを教えない。」「算数という言葉から小学生とバレてしまった。小学生だから騙せると思われた。」などの意見を発表しました。
発表に対してSIEの内山さんより、「(なりすました)キャラクターは素敵な女性を演じていたけれど、裏で操作している人間がどうかは誰もわからない、この人は大丈夫?と考えることが大切。また、パスワードを教えることは家のカギを渡してしまうようなことと同じくらい危険なこと。」と、フィードバックを受けました。
他には、「(そもそも)チャットをやらない。」「相手のことをなるべく聞き出す。」「パスワードを教えるふりをする。」などの意見も生徒から挙がりました。
牛島先生は、「チャットをしないじゃなく、する上で気をつけることを考える授業なんだけど…まあ、それもあるよね!」「自分のことは教えないけど、相手のことをなるべく聞き出すのね(笑)」などと、意見を肯定し明るい雰囲気を保ちつつ、冴えたツッコミを披露し、笑いの絶えない発表時間となりました。


最後、なるほど、なりすましとはこういうことかと具体的に体感してもらうため、授業途中で牛島先生とチャットしたかわいいイメージのお相手が、なんと男性の古谷さんであったとネタ晴らし。古谷さんの登場に教室では、「えーーっ‼」「わー‼騙された‼」と驚くやら笑ってしまうやら、最後まで楽しい雰囲気で授業を締めくくりました。
聞くと、授業を受けた生徒の内、毎日ゲームをしている人が半数以上!オンラインで知り合いと一緒にゲームをしたり、スマートフォンの使用では、SNS発信をしたりしている生徒もいる様子。
実際にオンラインでゲームをしている生徒もいる中で、直接会っていないのであれば、その相手が本当にイメージ通りの人なのかはわからない、個人情報を渡してしまうと危ないという視点に気づく機会になりました。


本校は、知的障害を主な対象とする普通科の特別支援学校です。本校卒業後すぐ、または数年後に障害者雇用での企業就労を目指す生徒が中心に所属する学習グループを作り、特別支援学校独自の教科「職業」の授業として展開しました。
障害の有無など関係なく、高校生活を満喫する生徒たちは、SNSでのチャットや動画投稿などを普段から楽しみ、また思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も抱えています。今回は、彼らにとって身近なテレビゲームの通信機能の利便性と気をつけるべき点を切り口に、その他SNSでのトラブルや対応方法を自ら考えるきっかけとなることを願って、準備をしてきました。
障害特性上、目で見て分かりやすい教材や体験的な活動を取り入れることで生徒の学習の理解度が大幅に増すことから、SIEの内山様やACEの篠崎様、古谷様には、既存のプログラムをどうアレンジするか、多くのアイディアをいただきました。
一斉指導であっても生徒一人ひとりに合わせた支援方法を用意する特別支援学校の授業の特性上、地域人材を活用した「社会に開かれた教育課程」の実現には、まだ多くの課題があると考えます。それでも、今回の取り組みは、「企業と連携した特別支援教育」を進めていくうえで多くの示唆を得ることができました。本校生徒と我々教員にこのようなチャンスをいただき、感謝しています。
今回は弊社の授業にお申込みいただきありがとうございました。弊社は2006年からCSRの一環として教育貢献活動を進めています。ゲームを安心・安全に遊んでいただくために大事なことや気を付けることなどを、PlayStation®の環境や事例とともにお伝えしていますが、特別支援学校の皆さまに授業をお届けするのは今回が初めての試みでした。
はじめは「喜んでいただけるだろうか」や、「私の経験不足から、ご迷惑をお掛けしてしまうようなことがあったらどうしよう」と心配でしたが、牛島先生やACEの篠崎さんと古谷さん、そして何より生徒の皆さまに支えていただき、楽しく授業を進めさせていただく事ができました。
生徒の皆さまには今回の授業でお伝えした内容を日々の生活に活かし、私達に見せてくれた満点の笑顔でこれからも素晴らしい学生生活を送っていただきたいと思います。
個人的にも貴重な体験をさせていただき、多くのことを学ばせていただきました。今回は本当にありがとうございました。
ACEの授業は、一般的に企業のもつリソースと学習指導要領の内容を兼ね合わせながらつくりあげていきます。そのため、学年の発達段階を考えながら授業をつくることになります。
今回の授業は、小学校高学年から中学生に対して実施している授業内容をもとに特別支援学校の高等部の生徒向けにアレンジしたものです。特別支援学校の生徒の場合は各々理解力に幅があります。したがって、授業内容のアレンジについてはどれくらいの理解力があるかを把握した上で、教材の難易度を調整しなければならないというところが一番のポイントだったと思います。そのため、特別支援学校の担任の先生との難易度のすり合わせが必要でした。これにより、ペープサートによる内容把握、なりすましの実際の体験等の工夫を考えて実践することにしました。このあたりがこれまでの出張授業とは大きく異なる点です。
今回のアレンジした授業がうまくいったのも、ACE、SIE、特別支援学校の担任の先生による生徒の実態に合わせた難易度のすり合わせとそれに応じた授業の工夫が適切であったからだと考えます。
千葉県にある千葉市立稲毛中学校の長谷川先生による実践のご紹介です。地域のアントレプレナーシップ教育を推進している「ちばアントレプレナーシップ教育コンソーシアム」の方とコラボレーションし、中学2年生の生徒を対象に総合的な学習の時間に実践していただきました。4つのミッションから1を選び、先生のねらいや生徒の実態に合わせ、発表や振り返りを丁寧に行うようにアレンジしていただきました。
<アレンジのポイント>
・ミッション1を2時間に分けて実施
・1グループ2分間で全グループが事業内容を発表する
・事業内容を比較検討させ、振り返りを行う
・T1に外部協力者、T2に長谷川先生の2名体制で実施
※指導案内のアレンジ部分については黄色でハイライトをつけています。
1時間目は、「アントレプレナーシップ」について確認後にアニメーション教材を視聴。「虹ヶ崎市」に適した新規事業を考え、2時間目に行う発表に向けて準備を進めました。
2時間目は、各班で考えた新規授業について2分間で発表し、その後は他グループと比較しながら振り返りを行いました。
本校では、第2学年で総合的な学習の時間におけるキャリア学習の一環として、他の職業体験学習と関連付けて、本プログラムのミッション1を2時間に分けて実践しました。
1時間目で課題を把握させたのち、グループごとに事業内容を検討させました。
2時間目では、前時に検討した事業内容を課題解決のねらいや事業決定の理由が適切であるか、アイディアに独創性があり魅力的な提案ができたかなどをグループごとに発表させ、比較検討させました。
生徒たちは楽しみながら学習に取り組んでいました。また、事前に社会科の日本地理の学習で、地方の「町おこし」事業を考える取組を実施していたこともあり、グループごとに様々な事業計画を立てることができていました。授業の終末で、自分たちが立てた事業計画について、目的に合った内容であるかフィードバックを行いました。これにより、実際に社会人として職業に従事したときの視点に立って、取組を振り返ることができました。
生徒たちが与えられた課題に対してどのような事業内容を考えてくれるのか私自身楽しみでした。最初は、自分たちがただやりたい事をアイディアとして出す生徒もいましたが、「本当に課題が解決するだろうか」「課題解決までの道筋はどうなっているか」と問い掛け、「誰のためになる仕事なのか」という事を考えてもらう事を意識していました。
また、逆に膨大な資料と睨めっこしながらなかなかアイディアが出せずに苦戦していた生徒もいましたが、自分たちでも出来そうな小さい事をアイディアとしてたくさん出していく中で、最終的にはこちらも全く想像していなかった独自性のある事業内容を提案してくれて驚きました。
中学生にとって、少しでも起業とは何か、仕事をするという事はどういう事なのかを考えてもらう事ができたのではないかと思います。この授業後に、様々な職種の方から話を聞く機会があるという事だったので、少しでもその時間にこの授業で感じた事が活かされていれば嬉しいです。
2021年度より千葉大学大学院教育学研究科の講義において、大学院と企業教育研究会(以下ACE)が連携を取ることになり、今年度も継続して協力しています。今年度から本講義は、教員としての高度な専門的職業能力の習得を目指す専門職大学院(教職大学院)の講義としても認定され、履修生の幅を拡大し実施されています。
このブログでは、本年度に実践された授業の様子(第3報・株式会社メルカリ(以下メルカリ)さま編)をお届けします!
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【講義概要】 『DX関連企業と連携した授業づくり』 |
■授業タイトル
『 メルカリで学ぶ循環型社会 』 (協力企業:株式会社メルカリ)
■授業数 2時間(50分授業×2回)
■対象 中学3年生
■関連教科
社会、家庭科
■学習目標
・メルカリで売られている物について考え、さまざまな物がリユースできることを理解する。
・循環型社会のしくみについて、擬似メルカリ体験活動を通して考える。
・循環型社会において、どのような行動ができるか考えたり、意見をまとめて発表したりする。
■生徒の活動
・実際に売られている物を見て、購入者や売れる物について想像し、店舗とメルカリで買うことの違いについて考える。
・各自持参の使用しなくなった物について、出品用テンプレートにまとめ、参観学生に疑似的に購入してもらう。
メルカリ・齋藤さんより会社紹介。
メルカリという会社は、皆さんがイメージするフリマアプリだけでなく多様なサービスを提供しています。グループ全体のミッションとして「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」を掲げ、スマートフォンアプリを通したいろいろな体験を提供しています。
例えば、メルカリShopsという、農家の方や、ハンドメイドの作家さんがお店を出せるような機能を作り、インターネットや新しい技術をもっと使って地域を活性化させる取り組みをしています。また、QRコード決済やクレジットカードなどの金融サービスに加え、暗号資産を売買できるサービス等もつくっています。
フリマアプリでは、ここ10年で30億品以上出品され毎月数千万人が利用しています。親の承諾があれば未成年でもアプリの使用が可能です。アメリカでもサービスを展開したり、インドに開発拠点を作ったりもしており、物やお金などが循環する社会をつくっていきたいと思っています。
出品され実際に購入もされている意外な物たちについて(トイレットペーパーの芯、玉ねぎの皮など)、使用用途や値段を想像する活動を行いました。
生徒から、「意味の分からない物が売り買いされている」という感想が出るなど、想像もしなかったさまざまな物がリユースでき、人の役に立つ可能性があることに気づきました。
次に、自身では使用しなくなった物について、値段を決め、出品に向け紹介文言を考える活動をしました。それぞれ、使用済み問題集、使いかけのペン、ハーゲンダッツの蓋などを持ち寄りました。
活動に用いるテンプレートについて説明を受け作業開始。齋藤さんから、「ただ安く売るのではなく、どんな人にいくらぐらいで欲しいと言ってもらえるか。要らなくなった物が他の人にはどんな価値を生み出すかを考えてみて」とアドバイスが。
問題集は塾講師に需要があるのでは?使いかけのペンは、まずは少し使ってみたい人や、いろいろな色を使用する授業で用途があるのでは?など、生徒自身で購入者を想定し、テンプレートに入力していました。
作成したテンプレートを基に、それぞれの出品について発表しました。その後、授業参加者の投票を購入行為に見立て、出品から購入されるまでの流れを疑似体験しました。
齋藤さんは、生徒が持ち寄った物と同じ物が売られているページなどを紹介し、これらは実際に購入される可能性が高いこと、生徒が購入者を具体的に想定して活動できたことが良かったと講評しました。
また、ただ売れてよかったというだけではなく、メルカリは物を循環させることで循環型社会の実現に貢献していること、そしてその貢献のため、環境に良いインパクトを与えるための取り組み(プラネット・ポジティブ)についても説明しました。
その説明の中で、最も取引量が多い衣類カテゴリーの算出では、約53万トンのCO2の排出を回避できたことが推計されており、そのCO2排出量は東京ドーム約220杯分の容積に相当すること。また、古着だけのファッションショーをしたり、自治体と連携して不要品を回収する取り組みをしたりなど、多くの人に馴染み、目に触れる企画を進めていることも紹介しました。
講義担当・藤川教授より
既存教材のアレンジではなく、新しく作成することに挑戦し、且つ、とても楽しい授業であったことは良かったと思います。ただ、タイトルに循環型社会という壮大なテーマが掲げられている中、その説明部分を全て齋藤さんに任せてしまうのはどうか。循環型社会についての全体像やストーリーと、今日の活動とのつながりを、まずは授業者が構築する必要があると感じました。例えばCO2削減であれば、世界の削減要求について、洋服がそのうちどれぐらいを占め、どの程度のインパクトがあるのか示すなどして欲しい。そうすれば、生徒もなんとなく良さそうというレベルではなく、数値的納得につながると思います。
ACE明石より(講義全般に渡り学生の指導を担当、及び協力企業窓口を担当)
模擬メルカリというオリジナルの学習活動を考えられた点は、とても面白かったです。今回、模擬メルカリのためのICT教材を作成することに挑戦してくれたのですが、紙のワークシートと違い、ICT教材の場合は、発表時に誰のPCに情報を集約するかなど、詳細を検討しておく必要があります。授業時間が押した原因として、そういう点もあったかと思います。
また、学生から、メルカリで実際に購入する際はテキストベースで判断するなら、口頭発表をさせない方法もあったのではという意見や、折角の授業だから発表をという意見もありました。それに対してですが、授業だから発表させた方がいいとは必ずしも言えないのではないかと考えています。本当に発表が良いのか、発表しないなら授業者としてどういう工夫をしたら効果的か、是非検討して欲しいと思います。
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【メルカリ・齋藤さまより】 担当の大学院生グループの方々のなかには、メルカリのサービスを普段から利用している方もそうでない方もいらっしゃいましたが、メルカリをテーマにどのような授業を組み立てられるだろうかと、打ち合わせを何度も行いながら授業内容を企画しました。 アイデアを話し合う過程で、メルカリが用意している既存の教育教材をそのまま利用するのではなく、授業を通じて「メルカリが目指している循環型社会を中学生が体験しながら学ぶことができないだろうか」という方向性が定まり、フリマアプリ「メルカリ」の出品画面を模したオリジナルのワークシートを作成したり、授業当日に他の大学院生グループに自分では不要になった物を持ってきてもらったりするなど、念入りな準備・仕掛けづくりができていたと思います。 一方で、それらの説明の情報量や使用する資料が増えたことにより、循環型社会についての具体的な解説や、授業を受けたうえでこれからどのような行動に移すとよいのかなどの検討にあてる時間が不足したため、さらに中心テーマの深堀りができると良かったと思います。 全体を通じて学びの大きいチャレンジングな取り組みだったと思いますので、今後の授業開発の参考にさせていただきたいと思います。ご協力、ご助言いただいた皆様ありがとうございました。 |
2021年度より千葉大学大学院教育学研究科の講義において、大学院と企業教育研究会(以下ACE)が連携を取ることになり、今年度も継続して協力しています。今年度から本講義は、教員としての高度な専門的職業能力の習得を目指す専門職大学院(教職大学院)の講義としても認定され、履修生の幅を拡大し実施されています。
このブログでは、本年度に実践された授業の様子(第2報・日鉄ソリューションズ株式会社(以下NSSOL)さま編)をお届けします!
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【講義概要】 『DX関連企業と連携した授業づくり』 |
■授業タイトル 『データをめぐる謎を探れ!』
(協力企業:日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL))
■授業数 2時間(50分授業×2回)
■対象 中学3年生
■関連教科
数学、社会、プログラミング教育
■学習目標
・様々な代表値(最小値、最頻値、中央値、平均値)やヒストグラムに着目し、それらをプログラミングによって算出することを通して、根拠をもって結論を選ぶことができる。
・データ分析は身の回りのさまざまな場面で活用されていることを知り、目的に応じて適切に行うことが重要であることを理解した上で、活用することができる。
・コンピュータを使うことで、効率良くデータ分析をすることができることを理解する。
■生徒の活動
・水泳選手の記録を事例に、K3Tunnelを用いデータ分析の上、代表値について自分なりの根拠をもって採用する値を決める。
・洋食店の事例を用い、どのような視点でデータ分析をするかグループにて話し合い、K3Tunnelを用いたデータ分析の上、理由と共に新メニュー開発のアドバイスを検討する。
NSSOLの今野さんより会社紹介。
NSSOLは日鉄ソリューションズの名の通り製鉄所がルーツ。製鉄所は古くからコンピュータを用い、インターネットが一般的になる90年代後半より30年も前の昭和43年から、24時間365日システムが稼働しています。そして現在は、製鉄だけでなく、いろいろな業界で仕事をしています。
今日の学習で用いるK3Tunnel(ケイサントンネル)はプログラミング学習サイトです。仕事としてITを活用し課題を解決している会社だからこそできる学習コンテンツがあるのではと開発されました。学習コンテンツの提供は、全ての人が創造的にITの力を生かすことを目指し、ITプロフェッショナルと世の中をつなぐぞ!と、大きなビジョンを持ち取り組んでいます。
水泳選手のタイムについて、誰が一番速いのか決める際、最小値、最頻値、中央値、平均値のどれを採用するかにより結果が変わることを学びました。その後、新たなデータを用いて、次回大会の代表選手を選ぶ活動を行いました。
代表選手の選択はさらに大きな大会に出るための上位入賞を目指す設定のため、必ずしも優勝を狙うのではなく様々な判断を取り得ます。
分析にあたってはNSSOLが提供するK3Tunnelを使いました。生徒からデータの時系列(タイムの計測タイミング)について確認する場面もあり、こちらの想定以上の視点で分析を試みている様子でした‼
今野さんより、ベストタイムの頻度が高い(当日もベストタイムを出す確率が高い)選手など、また違った目線での分析ポイントについてフィードバックがありました。
次に、大学院生が独自に用意した設定とデータを用いて、新メニューの開発アドバイスを行いました。こちらもK3Tunnelで分析を行い、その結果を踏まえて新メニューを提案しました。
あるグループは、夜の来客の単価平均とイベント時の売り上げの伸びを根拠に、イベント時であれば来客が見込めるとして、クリスマス向けに温かいビーフシチューを盛り込んだ15,000円のコース料理を提案しました。
活動を通し、膨大なデータを眺めるだけでは難しいものの、コンピュータを上手く使うことで、効率よく状況分析ができることを学びました。
今野さんから、生徒が体験した活動はマーケティングの仕事であること。本当のマーケターは代表値そのもので判断するだけではなく、ある指標について数値を改善するための方策を考えていたりもするので、そういう視点でも目を光らせてもらうとよいのではとアドバイスいただきました。


講義担当・藤川教授より
社会と数学の横断型授業でした。活動時間が少なかったという授業者の反省もありましたが、限られた時間の中で十分な活動時間を確保できないことはあるが、それは必ずしもマイナスではなく、全体として授業が最適にできていればよいと思います。コンピュータによるデータ処理が容易になった結果、我々の教材作りは、架空データを作ることから必要になってくる。場合によっては、データを作る段階から生徒に実施させることもあり得ると思います。データ処理は慣れないと時間がかかるため、授業時間の読みが難しい面も。余力を持って計画する方がよいと考えています。
ACE明石より(講義全般に渡り学生の指導を担当)
今回の授業では、架空のレストランのリアルな資料の作成に挑戦してくれました。店名やメニューはChat GPTを活用したことで、本当にありそうな、妙なリアリティがある資料になったと感じています。データについても、担当グループの学生が頑張って作成してくれました。生徒がかなり自分の生活と照らし合わせて考えていましたが、やはりデータが嘘っぽいとそこまでいかないです。こういうデータを作るのはかなりエネルギーが必要ですが、ChatGPTがかなり役立つことがよく分かる授業だったと思います。一点、発表項目が多い気もしましたので、もう少しデータ分析に時間を使う方法もあったかと思いました。
【NSSOL今野さまより】今回の授業では、K3Tunnelで用意されているデータを使う活動に加え、オリジナルデータを使った活動にも挑戦してくれました。学習効果を考えた意図的なデータを作成するのは大変難しく、私たちもいつも苦労しているところです。 もとになる授業素材の理解から始めた学生のみなさんにとって、短期間での準備は本当に大変だったと思います。架空のレストランのデータは、プログラミングでの分析には使わないものも含めて中学生の意欲をかきたてるものに仕上がっており、とてもよい授業だったと思います。 教材開発者としてもとても勉強になりました。ありがとうございました。
【協力企業担当者・ACE 古谷より】これからの時代、より一層データ活用が重視されるため、小学6年の算数から「データの活用」が登場しました。 「データの活用」に関するNSSOL様の『データの謎を探れ!』という教材は、教員からとても評判がいいのには大きく2つの理由があります。 1つはデータを活用する必然性があること。もう1つは様々な判断ができるように適切なデータが用意されていること。 そのため結論を出すための話し合いがとても盛り上がります。 この授業づくりにおいて大変苦労したのがデータづくりでした。ChatGPTを使ってデータを作成してみましたが、なかなか適切なデータを得ることはできず、結局は課題解決に見合うように人力でデータを作成したとのことでした。 一方、店名やメニュー名はChatGPTを活用してアイデア出しをしてもらったとのことです。 この他の単元の算数の問題でしたら教員が作成することはそれほど難しくはありませんが、この「データの活用」の問題はなかなか作成することができません。 様々な生のデータが一般の教員にも共有してもらえるか、もしくはChatGPTで簡単に適切なデータを作成できるならば、教員による「データの活用」の授業づくりも進むのではないかと思います。 |
『NSSOL、K3Tunnel\ケイサントンネルは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。』
2021年度より千葉大学大学院教育学研究科の講義において、大学院と企業教育研究会(以下ACE)が連携を取ることになり、今年度も継続して協力しています。今年度から本講義は、教員としての高度な専門的職業能力の習得を目指す専門職大学院(教職大学院)の講義としても認定され、履修生の幅を拡大し実施されています。
このブログでは、本年度に実践された授業の様子(第1報・株式会社Intel(以下Intel)さま編)をお届けします!
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【講義概要】 『DX関連企業と連携した授業づくり』 |
■授業タイトル 『 情報社会を支えるIT 』 (協力企業:株式会社Intel)
■授業数 2時間(50分授業×2回)
■対象 中学3年生
■関連教科
社会、音楽、家庭科、 総合的な学習の時間
■学習目標
社会インフラの裏側にはIT(情報技術)が必ず存在している。本授業では、普段は意識しない社会インフラを支えるITについて、株式会社Intelの協力のもと子どもたちが体験的・協働的に学ぶことを目標とする。
■生徒の活動
「MicrosoftMakeCodeformicro:bit」とマイクロビットを用い、プログラミングを用いた作曲・編曲を体験する。
Intel社員の遠藤さんより、会社概要、事業内容について説明。Intelは事業費の3~4割を研究開発に回すなど次の技術に向けてたくさんの投資を行っていること。CPUとはパソコンの中のチップのことで、チップの中には10億個ものトランジスタが組み込まれていること。これらの技術はどんどん高性能化しているものの、チップの値段自体はそれほど変化しておらず、技術面のみならず価格に対する企業の努力も、社会の進歩に大きく貢献していることなどが紹介されました。
『使用教材とマイクロビットについて』
今回の授業においては、Microsoftのプログラム作成支援サイト「MicrosoftMakeCodeformicro:bit」とマイクロビットを用いて実施しました。
マイクロビットとは、様々な機能(センサー)を搭載した超小型のコンピュータ。
マイクロビット用プログラムの作成方法は様々ありますが、今回使用したMicrosoftの教材ページにおいては、マイクロビット用の各機能を動かすプログラムを簡単に作成することができ、ブロック(スクラッチ)、プログラム言語(Java、Python)に対応しています。
従って、スクラッチを用いマイクロビットを動かしたり、そのコードを好きなタイミングで確認したり、また自らコードを打つことも可能です。
| 関連サイト ・「MicrosoftMakeCodeformicro:bit」 ・マイクロビット 搭載機能一覧(BBC micro:bit 紹介サイトより) ・使用イメージ(NHK for schoolより) |
Intelはデジタルラボ構想という教育支援事業の中でSTEAM教育も推進しており、様々な授業コンテンツを提供。その中の1つに、このマイクロビットを使用したプログラムがあります。
今回はマイクロビットを用い、学生が作成した指導案にて授業を実施しました。
作曲は、中学生チームと、大学院生チームに分かれて作業開始。
写真にあるブロックの赤枠は左右に音階、上下に時間が対応しており、対応した箇所をクリックするだけで作曲することができます。中学生チームは、かなり早い段階でコードを直接操作していました‼
1時間目は自身の作曲時間、2時間目にはそれぞれ作曲した作品を合わせ1つの曲にし、さらにアレンジを行いました。
編曲については、音楽専攻の大学院生より、「反復」「変化」「対照」から2つ以上のアレンジをすること。「強弱(音量)」「速度(テンポ)」の変化をさせること。曲の長さとして、コードの行数(ブロックの数)は合計10行以上とのルールが指定されました。
どちらのチームも時間ギリギリまで、意欲的に、また楽しく作業をしていた様子でした。

各チーム作品を発表し、講評をもらいました。
『大学生チーム』
コンセプト 「つなわたり」
作曲について講評
「最初の反復の部分はメロディが印象に残りやすいアレンジになっている。最後の変化部分にゆらゆらとした感じが出ている。」
参加した大学院生より、ブロックを触ってみてからコードに入る方が、即コードを書くよりもハードルが下がるという感想が出ていました。
『中学生チーム』
コンセプト 「突貫工事」
作曲についての講評
「短い時間で、よく長い曲を頑張って作ったと思います。最後終わる感じが出るよう工夫が出来ていました。きれいに自然な変化を盛り込めていました。」
『遠藤さんより』
中学生チームはスタート時からコードをいじっていたので、編曲のスピード感があるように感じました。作曲は大変なイメージがあるかもしれないですが、パソコンを使って、離れた場所でも共同作業したりできる形になっています。
また、音楽とプログラミングはすごく離れたものに感じるかもしれませんが、今この時代では、プログラミングも芸術の世界に入ってきています。
作曲するAIや、動画を作るAIなど、様々な形でテクノロジーが芸術にも新しい世界観をもたらすところもあるので、今日はそんなところも体感いただけたのではないかと思います。
講義担当・藤川教授より
準備時間が短い中、授業としてはきちんと成立していました。その上で、もしもう一回やるのであれば、例えば、チップが音を鳴らすとはどういうことなのか、ChatGPTで歌詞を作り生成AIに作曲させる(実際に教授が即興で生成AIに作曲させた「つなわたり」を皆で聴きました)、生成AIの作曲をベースに編曲させるなど、様々なアレンジの可能性があると感じました。
ACE明石より(講義全般に渡り学生の指導を担当)
生徒はとても関心のあるテーマだったので前のめりに聞いていましたが、情報量が多いので、流れていってしまうのは勿体ないなとも思いました。興味があるからこそ、特にどこに惹かれたのか振り返りをする方法もあったのでは。また、作曲途中で、中学生と大学院生が意見交換する方法もあるかと思いました。
【Intel 遠藤さまより】今回は、インテルのSTEAM教育フレームワーク「Skills for Innovation」の教材をご活用いただき、ありがとうございました。生徒及び学生の皆様が、四苦八苦しながらも楽しさを見出し、積極的にワークに取り組んでいる様子が非常に印象的でした。ICTの授業への導入によって、好奇心を刺激し、学びの楽しさを実感できる瞬間を目の当たりにしたことは、大きな収穫でした。また、学生の皆様が教材をアレンジし、授業を工夫して進められたことで、大人(教員を含む)も共に楽しめる授業を実現されたことにとても感謝しています。 【協力企業担当者・ACE 竹内より】Intelさんとは、かねてより一緒に何か教育活動を実施できないか話し合いをしていました。そのような中、今年度の講義のテーマが、STEAM教育を推進されているIntelさんの取り組みと親和性が高いと思い、授業への協力をお願いしました。 |
2023年11月7日(火)、千葉県のある公立中学校2年の生徒の皆さんへ、総合コンサルティング企業のアクセンチュア株式会社(以下アクセンチュア)と企業教育研究会とでお届けしている「ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー」の出張授業を実施しました。
本プログラムは現実に起こり得る正解がない問いに対し、生徒のみなさんに多様な視点・価値観にて議論を重ねてもらい、意見を集約し、考えを導き、他人に対して説明することを体験してもらうアクティブラーニングのプログラムです。生徒のみなさんは、未来の世界で観光業を営む会社の社員に任命されるという世界観の中、経営課題に対して真剣に考え議論します。
授業は「課題1:ロボット雇用問題」、「課題2:街並み問題」、「課題3:ワークライフバランス」の3つのテーマがあり、この日は「課題1:ロボット雇用問題」についてのプログラムを実施しました。
本blog記事では、授業の様子を紹介します。
早速授業が開始されました。
本授業は、2150年、未来の中学生が部活として経営する企業において、生徒の皆さん自身が一社員となり課題に向き合うという想定で進むプログラムです。プログラムには、設定上の世界観に違和感なく溶け込み、その世界観の中で真剣に学習に取り組めるよう、たくさんの仕掛けを施しています。
生徒の皆さんには、音声付きアニメーションを通して、経営判断に挑戦してもらうことがミッションとして提示されました。
ミッションを理解した後、生徒たちは6つの部署に分かれ、資料を受け取り読み込みます。
音声付きアニメーションとカラー刷りのリアルな資料で、生徒も授業の世界観に入り込み、意欲が掻き立てられている様子です。
これは、正解を導く授業ではありません。
アクセンチュアの社員の方からは、生徒のミッションには決まった正解はないため、課題解決にはみんなの意見をまとめていくことが大切だとアドバイスがありました。


授業中に全ての情報をじっくり読む時間はありませんが、大量のデータから要点を把握し判断していくことも経験の一つ。
実際の会社と同じように、各部署で資料内容は違い、持っている情報は断片的になります。
自分たちの持ち得る情報から、迷いつつも判断をしていきます。
『議論を重ねる』、『意見を集約する』、『他人に対して説明する』など、アクティブラーニングがベースの本プログラム。
部署内での意見集約、部署を超えた意見交換、経営層への提案を具体的に体験することでこれらを経験的に学びます。
生徒の皆さんは、とまどいもあったかもしれませんが、課題に対し意欲的に取り組んでいました。
| ① 1回目の議論(部署内での話し合い) ② メンバー(班員)をミックスし部署を超えた意見交換 ③ 2回目の議論(部署内での話し合い) ④ 各部署より経営企画部に最終的な部署としての意見を発表 ⑤ 経営企画部が各部署の意見を踏まえ最終的な経営判断を決定 |
今回のテーマでは、社員をリストラしロボットを導入するか否かについて判断しました。
アクセンチュアの社員の方からは、どの選択肢もメリットとデメリットがあるのでどちらを選ぶにしてもその判断を論理的に考えること。また、個人の考えではなく、その部署のメンバーとして会社の中でどういう役割をもっているのか資料を確認し、それを意識してくださいと話がありました。
部署ごとの判断における発表では、ロボット導入派からは、機械導入により人間ではできないレベルでミスなく効率化できるメリットが挙げられました。リストラ反対派からは、機械に不具合が起きた場合の高額な修理代を資料から読み取り指摘したり、お客様と接する旅行事業部は臨機応変な対応は人間にしかできないと意見したりしていました。また、地域住民がロボットに反対している雰囲気を慮った意見など、資料から想像を膨らませ判断している様子が印象的でした。
この日の授業では、経営企画部は各部署の意見を踏まえ、地域住民にも配慮し『ロボットは導入せず社員のリストラしない』と最終的に判断をしました。
その後、クラス全体で経営判断に対する社員満足度(生徒の納得感)も確認し、経営には社員の一致団結が決断の後の成功を左右すると説明を受けました。
また、選択肢のリスクの大きさや成功の確率に関わらず、どんな選択肢も決断後の行動が大切であり、成功にも失敗にもなり得ることも学びました。
| 【授業をご担当いただいた教諭より】 今回の授業では、生徒にとってとても貴重な体験だったと思います。 生徒は実際に、1つの会社の部署で働いている感覚でそれぞれの立場、役割で議論を重ねていました。また、生徒が多様な視点を持てるような質問も講師の方々より随所にあり、普段の学校生活では経験できないことが多かったのも非常にありがたかったです。きっと生徒のこれからの生活に役立つと思います。今回忙しい中授業をしてくださった3名の講師の方々には感謝申し上げます。ありがとうございました。 |
授業は、アニメーション教材、ゲーミフィケーションの手法、実際の会社で使用されるようなリアルな資料を活用するなど、生徒のみなさんが真剣な気持ちで課題に向き合えるよう、自然と没入できるような工夫が随所に施されています。
科目の授業や試験に向けた日々の学びも大切ですが、今日の授業を受け、生徒の皆さんには、正解のない問いに皆で向かうという新鮮な体験をしていただけたのではないでしょうか。
『ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー』の授業は引き続きホームページにて募集を受付しています。
千葉県にある佐倉市立佐倉東中学校の酒井先生と磯部先生による実践のご紹介です。中学1年生3クラス88名の生徒を対象に4つのミッションから1と2を選んで実践していただきました。
| 時間 | 教師の指導 |
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10分 |
1.教材のストーリーと自分たちの役割を知ろう |
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35分 |
2.事業内容を考えよう |
| 5分 |
3.本時のまとめ |
| 時間 | 教師の指導 |
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1.現在の天漁社の活動状況について確認しよう |
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2.メールの文面を考えよう |
| 5分 |
3.本時のまとめ |
当日の様子についての詳細はこちらのブログ記事からもご覧いただけます。
https://ace-npo.org/wp/archives/4857
ミッション1は、資料を読み、設定の地域に適した新規事業を考え発表しました。


ミッション2は、立ち上げた事業を始動するため、関係団体の方へ協力を依頼するメールをタブレット端末で作成しました。


活用する資料が多く、「ひな社長の挑戦」単発で授業をするには、生徒の資料を活用する能力が不十分だったように感じました。様々な場面で必要な情報を取捨選択する能力を身につけて行く必要があるように思います。
普段の授業では扱わない題材での授業だったので、生徒も教員も新鮮な気持ちで授業に取り組めました。「ひな社長の挑戦」を通して、起業家精神を高めることはもちろん、子ども達自身も社会の一員なのだという意識を高めることができました。
様々な資料を活用して、子ども達が自ら進んで起業しようと取り組むことがとても新鮮で、有意義な時間だったと思います。
資料にはグラフや表にまとめられたデータだけでなく、町に住む人々の生活や思いについても記載されていたため、ただ自分が思いついた事業を進めるのではなく、様々な視点で情報を整理し、根拠をもって事業計画を立てることができていました。「ひな社長の挑戦」を通して、起業家精神を高めることはもちろん、子ども達自身も社会の一員なのだという意識を高めることができました。
2023年11月7日(火)、千葉県のある公立中学校2年の生徒の皆さんへ、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下SME)と企業教育研究会とでお届けしている「音楽業界の仕事について」の出張授業を実施しました。
この授業は、エンタテインメント分野を多角的に手掛けるSME社員と共にお届けするプログラムです。あるアーティストの楽曲がみなさんの元へ届くまでを、SMEやグループ会社の社員として関わる方のインタビュー映像を交え、各職種のイメージが持てるよう紹介をしています。
子どもたちにとって身近で関心も高い音楽をテーマに、キャリア教育の一貫で活用いただける授業プログラムです。
本blog記事では、授業の様子を紹介します。
※2023年度分の授業受付は終了しました。
総合的な学習の時間を用いたキャリア教育の一環でお招きいただいたこの日は、『働くこと2~色々な職業を知ろう~』という学校企画の一環で実施され、本プログラムを希望した生徒の方々が教室に集まってくれました。

まずは会社説明。ソニーミュージックグループは音楽ビジネスが中心でありつつも、アニメ制作やライブホールを運営する会社があるなど、20社のグループ会社が集まって成り立っていると説明がありました。華やかでインパクトある流石の映像に、みなすっかり惹き込まれてしまいます。
そして、今や配信が中心でスマホ等を用い誰もが簡単に即時に楽しめる音楽ですが、音楽業界のスタート時に扱っていたというレコードに焦点を当て、音楽が広く親しまれていく歴史を振り返ります。
レコードの発明は画期的な出来事で、かつてはコンサートなどリアルで聞くしかなかった音楽が録音可能になり、実際の場所に行かなくても楽しめるようになりました。その後、記録方法はどんどん進化しCDなども出現しましたが、現在一般的になった配信は2000年前後にスタート。これにより、物理的な物を所有しなくてもデータで音楽を楽しめるようになり、定額制ストリーミングなど、音楽の配信形態が変化したと説明を受けました。

授業では、実際にレコードプレーヤーでレコードを聴きながら、振動が音に変換されていることを説明。また、全員に本物のレコードを直接見て触っていただきました。


レコードの説明や音楽配信の振り返りを通して、音楽業界の主たる仕事は音楽を記録し多くの人へ伝えることと、時代とともに音楽の聴き方は変化しても仕事の本質は変わらないことを学びました。
授業後半は、音楽業界の具体的な仕事内容について知る時間です。
ソニーミュージックに所属するアーティストの実際のレコーディングやライブの映像を通して、全体を統括する総監督的存在のアーティスト&レパートリー(A&R)、アーティストに寄り添い全面的にサポートするマネージャー、レコーディングに具体的指示を出すディレクター、マイクや録音環境の調整などをするレコーディングエンジニア、MVに関わる照明、スタイリストやヘアメイクなど多くの撮影スタッフ、これらのサポートにより、アーティストは表現に集中できることが紹介されました。
また、楽曲やMVが完成した後に世の中に広めていくプロモーター、効果的な販売方法を検討する営業販売推進、一つひとつの職業について、活躍している方の仕事中の様子やインタビュー映像と共に、各職業についての具体的なイメージを得たり、その仕事ならではのやりがいについて学びました。
最後は、授業に来てくださったSME・鳥本さんに生徒から質問タイム。
鳥本さんからは、ソニーミュージックはエンタテインメントを届けている会社なので、何でも楽しんでやる気持ちを持っているスタッフが多いというお話がありました。
| 【授業をご担当いただいた教諭より】 キャリア教育の中で生徒たちが自らの体験を通して、働くことを理解し、意欲を高めていくことは大切だと思っています。今回は音楽という生徒の関心の高い職種から、誰しもが見聞きしたことのある企業様に来ていただき、生徒たちは授業へ積極的に参加していました。また講話いただいた内容も仕事の表面的な部分だけでなく、どのような人たちがつながり合って仕事をし、社会をつくり上げているのか分かるものになっており、労働に対するイメージも楽しく充実したものになったと思います。様々な工夫、ご配慮をいただきながら価値の高い授業をありがとうございました。 【SMEご担当 鳥本さまより】 日常的に音楽を聴いている学生さんは多いと思いますが、その裏側のお仕事を知ってもらう機会はあまりないと思うので、今回このような機会をいただけて大変ありがたいです。今回の授業をきっかけに、音楽業界の仕事に興味を持ったり、より音楽を好きになってくれると嬉しいです。 |
流行りの音楽などに目覚めるお年頃でもある中学生。華やかな音楽業界に憧れを抱く生徒さんもいたのではと想像しています。
生徒の皆さんにとって関心の高い業界を通して、なかなか知ることのない具体的な仕事の流れや内容を知り、音楽業界やそれに限らずとも仕事そのもののイメージが膨らむきっかけになれば嬉しく思います。