2023年11月23日(木)『授業づくりハッカソン2023』が開催されました!企業の方々、現職の先生、学生など様々な方にご参加いただき、大変濃密な1日となりました。

さて、今回のイベントですが、授業づくりの楽しさや興味深さについて教員を目指す参加者に伝えたいという思いのもと開催が実現しました。企業教育研究会(以下ACE)ではインターンとして学生も活動に参加しており、学生の学びの場でもあります。 その一環で、本イベントはACEに所属する私たち大学生の学生インターンを中心に企画を進めました。これまでACE が培ってきた授業づくりのノウハウを参加者に伝え、体験してもらえるイベントとなりましたので、その様子をお伝えします。

◆◆オープニングの様子◆◆

司会進行はインターンの学生が行いました。当日までの準備も主体となって進めてくれていてさすがの安心感!

◆◆藤川大祐教授より開会ご挨拶◆◆

ハッカソンという言葉とは、『ハック』プラス『マラソン』で出来た造語です。今日は皆さんに短い時間で授業計画を作ってもらいます。このイベントは、千葉県教育委員会と千葉大学が連携をして、高校生の皆さんに教職、教員の仕事に関心を持ってもらおうという企画をいろいろ進めています。大学生と高校生の交流の場になると良いなと思います。

◆◆アイスブレイク◆◆

1日一緒にワークをするグループメンバーと、アイスブレイクをしながら交流している様子。少し緊張気味の参加者の皆さんでしたが打ち解け合っている様子が見られました!

◆◆参加企業発表◆◆

参加者の皆さんには、コラボする企業を当日までのお楽しみにしてもらいました。企業の方の説明を皆さん熱心に聞いています。

インテル株式会社 遠藤さん

会社紹介のテレビCMを見せていただき、そのカッコよさに会場は大いに盛り上がりました。CPU半導体製品やSociety5.0についても大変分かりやすく説明していただきました。小中高生に向けて高性能なPCや3Dプリンター等を使ったSTEAM教育推進事業を展開されているとの話では、そのレベルの高さに会場から驚きの声が上がりました。

◆株式会社メルカリ 齋藤さん

参加者にもなじみがある人が多いメルカリですが、フリマアプリ以外にも『あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる』という理念のもと、様々なサービスを展開されている事をご説明いただきました。メルカリが大切にされている『大胆さ』というキーワードが参加者に非常に響いていました。

◆303BOOKS株式会社 常松さん

実際に出版されている絵本を見せてくださり、参加者も絵本の内容に大注目でした。面白い楽しいことはもちろん、「どこか学びがあるようなポイントを作ることを大切にしている」とお話しいただきました。楽しさと学びが共存しているところは、これから考え る授業づくりと共通するポイントですね。

コラボ企業決定!!!

授業づくりでコラボする企業をくじ引きで決定しました!

どこの企業が当たるのかドキドキ…


◆◆ハッカソン◆◆

いよいよハッカソン開始!

企業の方が配布してくださった資料を読んで企業理解を深めたり、教科書を参照しながら扱う内容を検討したりしています。

高校生の参加者もジャムボードをうまく使いこなし、グループメンバー全員で授業案を練っていきます。

「子どもたちに何を伝えたいのか」「どうしたら楽しい授業になるのか」「活動内容はこれで妥当なのか」「企業と連携する意味を見いだせているのか」等、様々な観点から話し合いを重ねていきます。

学生たちの意欲ある質問に、企業のお三方は常に引っ張りだこ。的確なアドバイスで学生たちの議論をより深めてくださいました。

 


◆◆審査・表彰◆◆

イベントでは、作成した指導案について各グループが発表し、さらに審査員による評価も行いました。

6グループが提出した指導案と発表をもとに、審査員の皆さんが審査を行い入賞グループには表彰を行いました。

こちらは厳正な審査を行っている様子です。

◆現職教員賞

現職で教員をされている上園さんには、学校現場の視点で授業を評価いただき『現職教員賞』の審査を担当していただきました。子どもたちの生活に引きつけて授業を作っていく視点が評価され、インテルとコラボし「お掃除ロボット」を教材にしたCグループの皆さんが見事受賞しました!おめでとうございます!

◆ACE賞

ACE職員であり、企業とコラボした授業開発を担当している古谷さんが『ACE賞』の審査を担当されました。企業と授業をする意義が見出されているかという視点で評価を行いメルカリとコラボし、フリマアプリを体感しながら学びが得られる授業案を考えたAグループが見事受賞しました!企業のシステムを踏まえて、ネットリテラシーという目に見えないものを扱えている点が評価ポイントでした。おめでとうございます!

◆学部長賞

千葉大学教育学部長である藤川大祐教授には「学部長賞」の審査を担当いただきました。303BOOKSとコラボをし、企業の方から聞いた話をうまく授業案に生かしており、実際に絵本を作ってほしいと思えると評価されたFグループが見事受賞しました!おめでとうございます!

◆参加者賞

参加した高校生・大学生の投票によって決定する「参加者賞」はFグループが受賞しました!

参加者からは、

「体感型ワークにすることによって、子どもたちがわくわくしながら学ぶことができると思いました。本が出版されるまでの過程を一気通貫で教えていただけるのは303BOOKSならではの強みだなと思います。」

「ターゲットが明確に決まっていて目的のはっきりした授業で良かったと思います。」

等の評価の声がありました。

おめでとうございます!

◆◆アンケートより◆◆
 
実際に教育実習に行ったおふた方が、学習指導要領の面でたくさんのサポートをしていただいたおかげで楽しい時間を過ごせました。私が教員を志す理由として、授業案の自由度、自分の思いを反映させることが出来る点があります。それを、体験出来て本当に良かったです。以前のインターンシップ後では、東京の教師になろうかな〜なんて考えていましたが、ここで出会った人たちとの繋がりを維持したいので千葉県の教員になりたい気持ちが強まりました。(高校生参加者より)
 
普段、あまり交流のない高校生や異なる所属の千葉大生と多くの話をする機会を得ることが出来たことで、新たな考え方を得られたりACEの活動を通した知り合いと改めて話すことが出来たりした。また、普段なかなかおこなわないハッカソンというスタイルで意見を出し合うことで、大変ではあったものの大学生活の中で考えてきた授業案の中で最も良いといっても過言では無い授業案を考えることが出来た。(大学生参加者より)

惜しくも受賞とはならなかったグループの皆さんが考えてくれた授業案も本当に素晴らしいものばかりでした!参加してくれた皆さんが、これからも教育の場で活躍されることを祈っています!

今回のイベントは、企業の方々や審査員の皆さんのご協力のもと開催する事が出来ました。また、意欲のある高校生にも参加してもらえて、大学生のインターン生も運営を通して多くの学びを得られました。ACEをより多くの人に知ってもらい、授業づくりの面白さを改めて感じられる有意義なイベントになったのではないでしょうか。今後もこのようなイベントが開催できるよう、企画をすすめていきたいです!

【記事担当:学生インターン・水坂優希】

10月25日、「船橋市特別活動部会」の研修会にて「キャリア教育からアントレプレナーシップ教育へ」というテーマで職員の古谷が講師を務めました。

当日は、約20名の現役の先生方にご参加いただき、従来のキャリア教育を一歩進め、児童生徒が主体的に活動するアントレプレナーシップ教育の実践についてお話しさせていただきました。

【参加された先生方の感想(一部抜粋)】

  • 子供達が主になり、子供達のために、子供達自身で!というところが大切だと感じました。普段から、子供たちに選ばせたり考えさせたりして決定させて、自分で決めたのだからという責任感を持って欲しいと思っています。子供達が自分達でルールをつくると、守る度合いが高いというお話は確かにそうだと思いました。お話を聞き、うちの学校や地域ではどんなことができるかな?と楽しみになりました。
  • 総合的な学習の時間を主体的に進めたいと思っていながら、こちらの主導になってしまうところがあり、悩んでいました。先生のお話を聞いて、決めるのは子供たち、ということを忘れてはいけないと思いました。トラブルが起きた時のルール決めも、自分たちで考えさせる、決めさせることの大切さを改めて感じました。少しずつでも積み重ねて、主体的な行動が増えるようにサポートしていきたいと感じました。
  • 初任校の研究が総合的な学習で、個人テーマでした。その時に、外部講師を招くために、自ら企業やお店に連絡して開拓するという作業ができず小さな活動になってしまいまったのを思い出しました。学習のプランを立てる所も難しかったです。企業と連携した授業を作られていることに、とても興味があります。自分たちがやっていることが世の中と繋がっているという感覚がワクワクするだろうなと思いました。
  • 子どもが社会に貢献できるようにする授業づくりをというお話がありました。子どもが、学びが社会に繋がっていると実感できる、人の役に立つ喜びを学んではじめて、社会に貢献できる人に育つのだと改めて思いました。また、自分たちで創り出す経験が新たな発想をうむというお話も、それこそが課題解決に繋がることを改めて実感しました。
  • キャリア教育だけでなく、自校の総合的な学習の時間の取り組み方を考える機会となりました。ついつい、調べてまとめて、発表して・・・と学習を進めがちですが、子供たちだけでなく地域の方も充実するようなマネジメントをしてみたいと思います。

等の感想を頂きました。(感想アンケートより一部抜粋)

【職員・古谷より】

企業等外部と連携する授業をつくり実践する等、授業観を変える必要性を中心にお話させていただきました。感想を拝見いたしますと好意的に受け取っていただいたようで、大変うれしく思っております。

今後、各学校において、総合的な学習の時間を中心に児童生徒が主体的に活動する授業プログラムが実践されることを期待するとともに、弊会として微力ながらお手伝いをさせていただければと思っております。

 


企業と連携した授業については弊会において様々なプログラムを提供しております。ご関心のある先生方は、実践中の活動より各授業プログラムをご確認ください。

 

 

―日本の教育をアップデートする!! ―

11月18日(土)、SESSION6「食育とウェルビーイング」が開催されました。

ウェルビーイングは「身体が健康であること、心が豊かで幸せであること、そして社会的に良好な状態であること」ですが、これらに健康的な食事は欠かせません。

しかし、第4次食育推進基本計画によると、若い世代は食生活について他世代よりも課題が多いとされています。また、ひとり親世帯や高齢者の一人暮らしが増え、家族との共食も減っている現状があります。

空腹を満たすだけでなく「ウェルビーイングを意識した食事」をするためには、「食育」を通して学ぶ必要があるのではないでしょうか。

そこで今回は「食育とウェルビーイング」をテーマに、食育の現状や問題点を見つめ、学校教育がどのように対応すべきか、産官学それぞれのスペシャリストにプレゼンしていただきました。

また、プレゼンに引き続いて行われたパネルディスカッションでは、参加者からの質問に白熱した議論が飛び交う場面もあり、大いに盛り上がりました。

以下、当日の様子を詳しくレポートしていきます。

【登壇者】

堂脇 義音(どうわき あきと)さん

農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課 課長補佐

稲 由吏子(いな ゆりこ)さん

日本マクドナルド株式会社 コミュニケーション&CR本部

サステナビリティ&ESG部 コンサルタント

佐藤 翔(さとう かける)さん

千葉市立作新小学校教諭

古谷 成司(ふるたに せいじ)さん

NPO法人企業教育研究会 授業開発研究員

千葉大学教育学部、日本大学生産工学部、敬愛大学教育学部 非常勤講師

【コーディネーター】

藤川 大祐(ふじかわ だいすけ)教授

千葉大学教育学部 学部長

NPO法人企業教育 理事長

※各登壇者のプロフィールはコチラ

食育に関する現状と課題、ウェルビーイングとの関連性について

藤川大祐教授

 

2005年に食育基本法が制定されて以降、学校や企業に食育への取り組みが求められてきました。今回登壇いただくマクドナルドさんのように、企業も食育教材や事業を通じて食育に貢献できるよう努めています。

 

一方で、コロナ禍や物価高の影響は見逃せません。コロナ禍を経て、子どもの朝食欠食率が上昇し、家族での共食機会が減少するなど、子どもの食生活を取り巻く環境が厳しさを増しています。

また、物価の上昇により、一部自治体では「給食事業者が撤退し困っている」という声も上がっています。子どもたちの食生活の基本を支えるはずの給食の提供も危うくなっているのです。子どもの貧困問題を食をベースに考えよう、という社会運動が各地で進み、子ども食堂の活動も広がっています。

 

そんな中、日本、特に教育界では「ウェルビーイング」という言葉が聞かれるようになってきました。食をはじめ、健康・安全を確保することは、ウェルビーイングの基礎になるはずです。しかし、前述のように、本来基礎となるはずの「食」が特に厳しくなっている現状もありますので、このタイミングでぜひ食育とウェルビーイングについて議論したいというふうに考え、企画をさせていただいきました。

我が国における食育の推進施策について

堂脇 義音さん

農林水産省で食育を担当している堂脇さんは「健康への不安があってはウェルビーイングな生き方、持続可能な社会は達成できない」とし、健康のみならず心の豊かさも育む食育の重要性と、日本における食育の推進施策についてお話いただきました。

近年の「食」をとりまく現状と食育の重要性

食育基本法制定から約20年が経過しようとしている今、新たな課題も生まれています。特に近年ではコロナ禍の影響もあって、朝食欠食など食生活の乱れ、孤食の割合の増加など、「食への関心」の低い方々が増えています。

食育基本法においては、食育は、生きる上での基本であり、知育・徳育・体育の基礎となるべきものと位置づけられています。家庭だけでなく、国、地方公共団体、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者などの連携・協働によって国民運動として取り組んでいくべき問題です。

政府の取り組みの例

産官学一丸となって食育を推進していくために、政府では以下のような取り組みを行っています。

 ① 食育推進基本計画の策定

食育基本法に基づき、食育の推進についての基本的な方針・目標について定めています。令和3年度から令和7年度までの概ね5年間を対象とする「第4次食育推進基本計画」では、生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進及び持続可能な食を支える食育の推進に加えて、新たな日常やデジタル化に対応した食育の推進が重点事項として示されています。

※第4次食育推進基本計画の概要:農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/attach/pdf/kannrennhou-2.pdf

 ② 食育に関する意識調査の実施

毎年、食育に対する国民の意識を把握し、今後の推進施策の参考とすることを目的として、全国20歳以上の方5,000人を対象に調査を行っています。

※食育に関する意識調査:農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/ishiki.html

 ③ 食育推進全国大会の開催

食育推進基本計画に基づき、毎年6月(食育月間)、地方公共団体との共催により「食育推進全国大会」を開催しています。2024年度の「第19回食育推進全国大会」は大阪府等との共催により開催予定です。民間団体等による関連する取組の普及啓発を通じて、食育の知識や関心を深めていただく機会になっています。

※第19回食育推進全国大会:農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/taikai/19th/index.html

地域での食育の実践例

地域において取り組まれている食育活動の実践についてご紹介します。

 ① 共食の推進

近年、家族がそろって食事をする「共食」の機会が減っていますが、誰かと一緒に食事をすることは単に食事がおいしく感じられるだけではありません。例えば、共食が多い人や孤食が少ない人はそうでない人と比べ、

・健康に関する自己評価が高い

・主食・主菜・副菜をそろえてバランスよく食べている

・朝食欠食が少ない

・起床時間や就寝時間が早い

といった研究結果があります。

こうしたことから、農林水産省においては子ども食堂等共食の場の提供に係る取り組みを支援しています。

※共食をするとどんないいことがあるの?(「食育」ってどんないいことがあるの?~エビデンス(根拠)に基づいて分かったこと~統合版):農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/togo/html/part4-1.html

 ② 地産地消の推進

地域で生産された農林水産物を地域で消費しようとする取組(地産地消)が広がっています。地場産物の消費拡大・生産者の応援につながるのみならず、消費者と生産者との距離を縮めることで「農家さんへの感謝の気持ち」「食への興味・関心」を育むことになります。

近年では、学校給食における地場産物の活用の取り組みも進んでいます。

 ③ 日本型食生活の実践・食文化の継承の推進

ごはんを中心に主食・主菜・副菜をそろえて食べる「日本型食生活」が、栄養バランスに優れた食事であるとして注目を集めています。ごはん食のメリットや中食・外食の有効活用を含め、「日本型食生活」を分かりやすく周知し、誰もが気軽に取り組めるよう推進しています。

また、平成25年には、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。和食文化や地域の食文化を次世代に伝えていくための取り組みも進めています。

※「日本型食生活」のススメ:農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/nihon_gata.html

食育を通じたウェルビーイングの実現に向けて

食育を通じたウェルビーイングを実現するためには、政府による取り組みはもちろん、それぞれの家庭や地域においてみなさん一人ひとりが食育に関心を持つことが重要です。ぜひ「食育とは?」「自分になにができるか?」を考え、できることから始めてみてください。

マクドナルドの食育とウェルビーイング

稲 由吏子さん

日本マクドナルド株式会社にて食育を担当する稲さんからは、「マクドナルドがどのように社会貢献と食育を含む教育支援に取り組んでいるか」をご紹介いただきました。

マクドナルドの社会的責任・社会貢献

 マクドナルドでは「おいしさと笑顔を地域にお届けする」ことを存在意義として掲げています。これは、単に商品を提供するだけでなく、持続可能な社会の実現のために地域社会と一緒に成長していくことを意味しています。

マクドナルドでは世界が抱える社会・環境の課題解決を目指して、社会的責任を4つの観点にフォーカスして、社会的責任を果たすさまざまな取り組みを行っております。

・Food:食の安全・安心、おいしさ

・Community:子どもたちの健全な成長、コミュニティとの共生(社会貢献)

・Planet:環境対応

・People:ピープルビジネス・従業員の育成

食育支援は、子どもたちの成長やコミュニティの共生を重視した社会貢献活動に含まれる取り組みです。「世界で一番子どもたちを笑顔にするブランド」を目指して、社会貢献活動に取り組んでいます。

小学校のための教材「食育の時間+(プラス)」

マクドナルドの食育支援の主軸になるのが、小学校向けのデジタル教材「食育の時間+」です。子どもたちが食を選択する力を育むことを目的として開発した教材で、アニメーションや動画を通じて楽しく食に関する正しい知識と生活習慣を身につけることができる内容としています。現場の先生方の利便性を考え、指導案や板書用素材なども完備していますので、簡単に安心して授業にお使いいただけます。

デジタル教材「食育の時間」の第1弾をリリースしてから20年弱。地道に食育支援を続けてきました。当初は「マクドナルドが食育なんて」と言われることもありましたが、教材の活用が全国に広まるにつれ、学校現場で食育を広く進めていきたいという思いに賛同してくださる方や教材へのポジティブなお声は増えていると実感しています。時代がデジタルに追いつき、手元のデバイスで学んでもらえる環境も整った今、より多くの子どもたちに「食育の時間+」で学んでもらえたら嬉しいです。

※「食育の時間+」はこちらから

https://www.chantotaberu.jp/jikan/

※食育支援 | マクドナルド公式

https://www.mcdonalds.co.jp/sustainability/local/food_education_support/

お客様にむけた「食育」

マクドナルドでは、ウェブサイト上で商品の栄養情報やアレルギー情報を公開しています。単にお知らせするだけでなく、栄養情報をお客様の健康的な毎日に役立てていただくための「栄養バランスチェック」という食育コンテンツをご提供しています。メニューの栄養バランスが視覚的に分かりやすくチェックでき、管理栄養士からのアドバイスや栄養素の説明といった食育情報も、スマホで簡単にご覧いただけます。

また、食品ロスへの配慮として以下のような取り組みも行っています。

・メニュー:残さない仕組み作り。

さまざまなサイズの商品を用意し、食べ切れる量をお客様が選んで注文することが可能。

・厨房:オーダーメイドシステム「メイド・フォー・ユー」。

注文を受けてから商品をすばやく作るオリジナルの設備で、作り置きをしていない。

・カウンター:お客様との協力。

カトラリーやミルク・砂糖などは、必要とされる方に渡す。苦手なものを事前に取り除く「グリルオーダー」ができ、食べきれなかった分はお持ち帰りいただける。

このように、マクドナルドの店舗では「お客様と一緒に取り組んでいく」という姿勢で、新たな食の課題である食品ロス削減に取り組んでいます。

マクドナルドが提供する生きる力

成長期にある子どもたちがきちんと食べること、自分で食を選ぶことは、生涯にわたる生きる力です。ですので、私たちはこれからも子どもたち、そしてお客様のために、よりよい食育の機会をご提供できるように取り組んでまいります。

エビデンスを大切にした食育

古谷 成司さん

NPO法人企業教育研究会・授業開発研究員である古谷さんは「エビデンスを大切にした食育」として、現代の教育現場での食育の重要性についてお話いただきました。古谷さんは「健康寿命を伸ばす」という点からエビデンスの重要性を示唆しています。

健康寿命の伸長と食育

平均寿命が伸びる中で、重要になっているのは「健康寿命をどう伸ばすか」という問題です。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを指します。

子どもたちが健康で活動的な生活を送るためには、早い段階からの適切な食育が必要です。今の高校2年生のうちの半数が、107歳まで生きると言われています。しかし、子どもたちにそんなに先のことを話したところで、想像がつきません。そこで重要なのがエビデンスです。なぜ食が大切なのか理由がわかれば、子どもたちも「自分事」として理解しやすいと考えたのです。

実践的な食育のアプローチ

食生活の問題に対して「エビデンスに基づく授業の実施」を提案します。

 【エビデンスに基づく授業実践の例】

 どうしてお腹が減るのかな?カロリー計算の授業

消費カロリー、摂取カロリーのバランスが崩れたらどうなるか、エビデンスや体の仕組みをもとに説明します。

・基礎代謝計を用い、一人ひとりの基礎カロリーを割り出す

・行動を全て記録し、消費カロリーを割り出す

・食べたものを記録し、摂取カロリーを割り出す

割り出したデータをもとに、自分自身の摂取カロリーと消費カロリーのバランスを確認します。理想は「摂取カロリー=消費カロリー」になることです。しかし、多くの子どもたちがどちらかに偏った結果になっていたため、ショックを受けたようでした。

授業以降、肥満体形だった男の子は自分から野菜を食べるようになり、普通体形に近づきました。また、ダイエット志向だった子の給食完食率もあがり、クラス全体の完食率が上がりました。エビデンスを伝えることが、結果的に給食指導にも繋がったと思います。

このような授業では、期間をおいて実施された確認テストでの正答率も高いという結果が出ています。エビデンスを伝え、実際に体験してみることで、学んだ内容を定着させることができるのです。学級担任だけでは、ここまでの準備はなかなかできません。栄養士さんや外部の講師と連携したからこその授業にできたと思います。

教育現場での食育の実施

一方で、「食育は教材だけでは十分ではない」とも考えます。教材・教員・栄養士が連携することで、より効果的な食育を実現できるのです。

私は9年間教育委員会にいました。そのときに食育担当として、市内の学校に「食育推進プラン」を導入しました。センター栄養士が担当する学校に出向き、年間1時間の食育指導給食指導を実施するというものです。4時間目に授業をしてもらい、給食を実際に食べ、巡回しながら声かけをしてもらっています。

実際に成果として、副菜の残菜率が年々減っていき27.2%から15.8%まで下がった、という数字も出ました。1回の授業で食育を終わらせずに、担任も給食指導に力を入れた成果だと思います。やはり、学校現場での食育は教材・教員・栄養士、この三者の連携は必要不可欠です。

学校が食育を担う責任

身体が成長するのは主に20歳までです。運動も大事。同じように、食事も大事です。いつまでも健康で長生きできる体を作る、という点において、学校の担う責任は大きいと思っています。知識を伝えるだけでなく、エビデンスに基づいたアプローチを取り入れることで、子どもたちがよりよい食生活に向かうきっかけとなるのです。

選ぶ力をつける食育

佐藤 翔さん

千葉市立作新小学校教諭・佐藤さんは、子どもたちが食に関して自分で選択できる力を育てることの重要性に焦点を当てています。実際の給食指導や食育の具体的な実践を通して、そのようにウェルビーイングを高めていくのかをお話いただきました。

食育におけるウェルビーイング

給食に楽しいイメージをもつ人は多くいらっしゃいます。例えば、友達との会話、おかわりじゃんけん、たまにあるバイキング給食など、時代や地域によって思い浮かぶ思い出はさまざまでしょう。ですが、その「楽しいイメージ」をそのまま膨らませていくのは、給食指導では難しい場合もあります。その理由は以下の通りです。

 ① いろいろな家庭がある

家庭での食事が限定的だと、給食で知らないメニューが出てきたときに不安を感じる。不安が強い子は、なかなか食べない。

 ② 会話が楽しくない、できない

コロナ禍で広まった「黙食」を、今も続けている学校・学級がある。

 ③ 禁止事項が多い

混乱を防ぐために、ルールで固める。自由がない。

このような状況のなかで、どのように食育を進めていけばいいのか。その1つの方法として「自己決定力の育成」があります。知識があるからこそ、子どもたちは自分の行動を選べるようになります。食べる喜びを知り、自分の行動を選べるようになることが、ウェルビーイングの基礎を作るステップです。

食育におけるウェルビーイング

私は、給食のルールの根底は「みんなが楽しい、幸せ」だと思っています。私が大事にしているのは主に4つです。

【すべての土台】基礎基本としての知識

・自己決定

・食を楽しむこと

・雰囲気を楽しむこと

この4つの観点を踏まえた上で、私は給食指導では「将来デートでスマートに食を楽しめるようにしよう」と伝えています。好き嫌いの多い人や、食事のマナーができていない人と食事をしたいでしょうか?将来大事な人との食事を楽しむために、給食で学んでおこうと話すことで、子どもたちにも目標意識が出ます。

また「自分で食をコントロールする」という点についても強調しています。「残していいですか?」と許可を求めてくる子には「自分はどうなりたいの?」と問いかけます。残すにしても、「嫌いだから残してもいい」ということではなく「食べられる量は人によって違うよね」という部分は大事です。「卒業までには規定量食べられるようになろう」というように、自分の中の基準を作れるように指導しています。

ウェルビーイングな食育実践の例

「自分で食をコントロールできる体験」の例をご紹介します。

茹でほうれん草作り

ほうれん草を10分茹でたもの、30秒茹でたものを比較します。「なぜこの茹で時間なのか?」「なぜ茹でたあとに水で冷やすのか?」を実際に見て、感じて、味わう時間です。人によって味の感じ方が違うということも学ぶことができます。

また、味付けのためにいろいろな調味料をおいておき、選ばせる場面も作ります。これにより、「自分はどの味付けにしようかな?」という食に対する積極的な姿勢が出ます。

こういった実践を続けていると、子どもたちの食事に対する「目」が変わっていき、結果的に残菜も減るのです。

食育の実践的なアプローチ

自然と給食を食べたくなる環境設定も大切です。子どもたちのお腹が空くような工夫をすることで、食事への興味・意欲を引き出すことができます。例えば、友達とたくさん話す、自分たちで考えて動く学習を取り入れて「授業中の活動量を増やす」というのも1つの方法です。「食べなさい」というネガティブな指導ではなく、「食べたい」と思えるような指導をしていきたいと思います。

 

大切なのは自己決定力

子どもたちが食に関する自己決定の能力を育てることで、ウェルビーイングが高まります。教職員は、子どもたちが食べることの楽しさを体験し、自分で選択できる力を育てるためのさまざまなアプローチを取り入れることが重要だと言えるでしょう。

参加者も交えたパネルディスカッション

登壇者の方々によるプレゼンのあとには、参加者から質問や意見を募るパネルディスカッションが行われました。

また、オンライン上で質問ができるサービス「Slido」を使用して参加者の感想や意見にも触れました。パネルディスカッションの様子を一部抜粋要約してご紹介します。(敬称略)

Q1.

自分が小学校のころは「残さず食べる」ように言われていた印象があります。現在ではそのような指導はされていないのでしょうか?食育の変化をみなさんから伺いたいです。

 

(佐藤)

こう指導しなさい、というものはありません。

自分自身が小学生の頃は強制力がかなり強かったが、それが暴力と言われるようになりました。一定の歯止めを管理職からかけられるので、だいぶゆるくなったと思います。

ゆるくするぶんにはクレームは出ないですよね。だから、そちらに傾く教員も多いのではないかと思います。

 

(古谷)

だんだん強制力はゆるみましたね。

「一口食べよう」という声かけする人はまだいいですが、最近はそれすらもしない人が増えた。黙食があり、声を出すこともしなくなってしまったと感じます。コロナが明けてどう変わっていくか、どう変わらなくてはならないのかを議論すべきだと感じます。

 

(稲)

第4次食育推進計画から、環境面への配慮と地産地消という概念が増した、という点が大きな変化だと感じています。新しい食に関する課題が増えていると思います。

(堂脇)

食育推進基本計画は社会情勢に応じて概ね5年ごとに見直しを行っています。例えば、第4次食育推進基本計画では、「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進といった観点が横断的な重点事項として追加されました。また、目標・具体的な目標値として、「産地や生産者を意識して農林水産物・食品を選ぶ国民の割合」や「環境に配慮した農林水産物・食品を選ぶ国民の割合」、「1日当たりの食塩摂取量の平均値」、「1日当たりの野菜摂取量の平均値」などが新たに追加されました。

 

Q2.

センター方式なので、学校1人の栄養教諭が2800~3000人近い児童生徒を持っている状況です。アレルギーの問題等もあるなかで、県の食育推進も頑張るとなると厳しい場面もあります。システムが導入されたり、佐藤先生のような方が増えたりすると嬉しいです。もっと現場の先生方の力を借りるなど、給食と教科等を活用してやっていく未来はあるのでしょうか?

 

(堂脇)

栄養教諭一人だけでは難しいところがあると感じます。栄養教諭以外の先生・保護者にも、食育への理解・関心を持っていただく必要があると思います。例えば、栄養教諭以外の先生も含め、教員養成課程などを通してしっかりと「食育」について学ぶ機会があるとよいのではないかと考えています。

 

(藤川)

食育をどこで学ぶのかはかなり曖昧では?「食育」とは言っていないので、教科と関連させるしかない「食育」という語があると、教員養成課程でも触れやすいかもしれません。

 

(堂脇)

学習指導要領上は「総論」にあります。具体的には、家庭科や社会科などの教科と関連した形での指導ができるのではないかと思います。

 

(古谷)

学習指導要領で示されていない以上は「食育」という名前の授業はできません。

だから私は、学校のシステムに位置づけるために、教育委員会のときに「協力してね!」という感じで「食育推進プラン」を導入しました。でもそれくらい食育は大事なモノだと思っています。「みんなで食育をやっていこう!」をどう作っていくか。そして、仕組みを作るなら教育委員会が作ることが大事です。学校だと校長が変わると変わってしまうからです。

 

(佐藤)

食に関する指導や食育を「やりたい」という人がやればいい。そしてその結果、国としての平均値が上がればいいと思っています。

みんなが同じように指導できることを目指すと、プロフェッショナルが求められるもの、しんどいものになってしまうのではないでしょうか。「私、食育に興味あるからやってみたいな」とPTAが動くなど、そういうふうにみんなで一丸になって進められたらいいのかなと思います。

最後に、登壇者のみなさんから一言

(佐藤)

家庭科を専門にする教員は少ないこともあり、食育や家庭科の指導が難しくなってきています。

人を増やせばいいという意見もありますが、じゃあ誰が?という点が問題点としても上がっています。食育に興味のある方にどんどん関わっていただきつつ、家庭からも広げていければいいなとも考えています。

(古谷)

食育を行うことによって子どもが劇的に変わった。それが私の原点です。これからどんどん平均寿命が上がる中で、体を作って、いつまでも健康でいられる体作りが大事。そのためにも食育をみんなで意識して、全員が取り組んでいくべきことだと思います。

(稲)

マクドナルドの担当者として食育を重視しており、今後も続けていくつもりです。一方で、私たちがいくらサポートしようと思っても、社会や学校現場のみなさんに関心や意識がなかったら推進は難しいとも感じています。食育推進は協働して取り組むことが大切だと思います。

(堂脇)

食育の推進は国だけではできず、ご家庭、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者など様々な関係者がそれぞれ取り組んでいくことが重要です。そうした取り組みを通じて、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てていく必要があります。それが、結果的にウェルビーイングな社会を実現することにつながると思っています。

当日は、学生インターン、高校生インターンの皆さんにもたくさん活躍いただきました

【ライター:教育ライター・猪狩はな】

―日本の教育をアップデートする!! ―

20周年記念特別イベント 日本の教育をアップデートする!! 7回連続トークセッション!!

10月21日(土)SESSION5 デジタル時代の金融教育が開催されました。学校の先生、学生、企業にご勤務の方など様々な方にご参加いただきました。

 

2022年4月から成人年齢が18歳になったことで、高校生でもクレジットカードの作成ができるようになりました。これに伴って金融に関する学びの需要は高まっているものの、まだ学校教育では十分に金融教育が実施できていない課題があります。大人でも難しく感じるテーマでもありますよね。

 

今回は、「デジタル時代の金融教育」をテーマに、金融教育の現状や学校現場での授業の進め方などを、産官学それぞれのスペシャリストの登壇者にプレゼンしていただきました。

 

続いて行われたパネルディスカッションでは、学校現場の声を聞くことができる場面もありました。興味深い質問が続き、大盛況となりました。

 

以下、当日の様子を詳しくレポートしていきます。

※各登壇者のプロフィールはコチラ

金融教育でのやるべきことと、学校現場とのギャップが課題。

藤川大祐教授

 

本日のテーマは金融教育です。

 

高校の公民科では投資を扱うことになっているのですが、学校現場では金融教育はまだ盛り上がっていないように感じます。やらなくてはならないことと学校現場の状況とのギャップが大きいのかな、と考えております。

 

他方で、18歳成年制度によって、消費者教育はホットな話題です。消費者教育の枠組みの中で金融などを扱う例がありますし、消費者教育との関連で注目されているように感じられます。

 

そして、私たちのNPO法人企業教育研究会では、これまで色々な企業の方々と金融関係の授業づくりを行ってきました。例えば、キャッシュレス経済を取り上げた授業プログラムなどを実施しました。

 

それでも、「これだけでよいのか」という思いがあるのですよね。今日を機に、新たに金融教育の充実のためにできることを考えていきたいです。

 

本日は、このような問題意識の中で、産官学の各立場での意見や参加者の声を取り入れながら、金融教育への理解を深めていきたいです。

メルカリの金融教育の取り組みと今後のFintechにおける展望

齋藤 良和さん

メルカリの事業紹介

メルカリグループでは、フリマアプリで売り買いを楽しめるサービスやFintech、ビットコインの取引など、様々なサービスを提供しています。今回は、Fintech領域のキャッシュレス決済など身近なお金に関するところについて事例を交えながらお話をしていきます。

 

メルカリでは色々なサービスを立ち上げていますが、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」ことをミッションにしています。

 

例えば、フリマアプリで循環型社会を作ろうとするところに、金融が組み込まれているという位置付けです。

 

そのために取り組む課題として「安心安全な環境を作る」ことが必要です。その一環として、教育活動を行っています。

 

また、Fintech関係の領域については、決済、与信、資産運用の3本柱で取り組んでいます。特に、与信の部分についてはメルカリのサービスを問題なく使えば信用が貯まるという風に、独自の与信を活用したサービスを提供しています。

 

 

教育に関する取り組み

 

フリマアプリを安心安全に使うプログラムを数年前に作成し、以降改良を重ねています。最近では、高校の金融教育の範囲拡充に伴い、若年層の利用者向けの啓発が必要だと考えています。

 

関連して、教育に関する取り組みを主に2つ行っています。

 

1つ目は教材のポータルサイト「mercari education」」を開設しました。そこで、教育プログラム(授業教材)を無料公開しております。このサイトでは、誰でも無料で教育プログラムをダウンロードできます。出前授業だと自社のリソース面で継続的な取り組みが難しいところがあるので、企業の立場からの情報をオープンにして教育現場で使っていただけるようにしています。

 

2つ目は、教育機関と連携をして出前授業や授業づくりの支援を行っています。将来フリマアプリを利用するかもしれない中学生や高校生に向けて、フリマアプリやキャッシュレス決済のサービスを題材として学べる授業づくりを行っています。金融教育としては「メルペイと考える安心安全なキャッシュレス社会」として、インプットだけの教材とならないように、実際に起きそうなトラブル事例を踏まえて、グループワークやディスカッションができるストーリー性のある教材を作成しています。    

 

今後のFinTechサービスの展望

プロダクト・サービス面における金融リテラシー向上のための取り組みも重要だと考えており、プロダクトを利用する体験や教育施策を通じて、金融リテラシー向上を目指します。

これからの金融リテラシーとは

瀧 俊雄さん

「正解」がない時代

私たちはお金をテーマに掲げてはいるのですが、皆さんにお金について四六時中考えてほしいわけではありません。お金よりもっと大切な悩みが皆さんにもあるはずです。この週末どう楽しく過ごすとか、家族との過ごし方とか。

 

私たちの置かれている現状は、「正解」がなく自分で答えを出す時代だと思います。どの会社に勤めれば良いかわからない、親の言うことをそのまま聞いて良いのだろうか、という状況は結構あると思っています。

 

また、学校の先生ですと、お金の問いについて「自分ができていないのに学生に教えて良いのか」と考えて行動しづらい場合もあります。

 

60点を取れれば十分というマインドセット

Fintech関係の話をすると、15年くらい前から家計簿ソフトがたくさんあります。むしろ、家計簿って日本にしかないものです。海外のほとんどの国では、家計を自動化するツールはあるけれど、そのうえでクレジットカードや保険をオススメする商品が付随するサービスが多いんですよね。

 

ただ、スマートフォンの台頭で家計簿サービスが出たものの、使いこなせている人はまだ少ないと思います。その辺のハードルをどう乗り越えるべきかが会社として悩んでるポイントでもあります。

 

正直、Fintechは「『絶対によいもの』が存在しない時代に、 60点を取れれば十分」くらいの期待値で扱うべきで、魔法のような期待をしてはいけないと考えています。

 

例えば、夫婦で家計についての 「会話」ができれば、それで満点だと思います。

 

これからの金融教育で大切にしたいこと

お金が「家庭科」で教えられるのは、家庭ごとの差異があるからだと思います。そして、親ができていないことは子どもも見習うことはできません。ですので、当社の金融教育の中では、親のリテラシーを上げることを大切にしています。

 

そのうえで、重要なのは「自立」することです。これは、自分で生きていくのではなく、誰に相談すれば良いか把握しているなど、本当に困った時に頼ることのできる能力です。

 

最後に、ほとんどの人にとっての重要な資産は働ける能力だと考えています。

 

例えば、72歳の健康寿命ギリギリまで働きたいと思える状況って、仕事が好きだからですよね。なので、まずは「仕事って何」「好きなことって何」というのを、子どもたちと一緒に考えていくことが金融教育では大切だと考えています。

金融庁から見るフィンテックと金融経済教育

串田 有さん

(注)本講演における意見に亘る部分は、登壇者の個人的見解であり、所属組織の見解ではありません。

 

技術は中立なので、良く使うことも悪く使うこともできる

 

フィンテックと金融経済教育というテーマを見たときに、キャッシュレスや金融トラブル、SNS・マッチングアプリ、投資体験アプリ、暗号資産など様々なものが浮かびましたが、いずれにせよ「技術の進展」×「金融リテラシー」がキーワードになると思います。

技術は中立的なので、良く使うことも悪く使うこともできます。

 

悪い方向に働く例としては、悪意のある者が技術の進展を悪用する例があります。

 

例えば、「高額なサーバ型プリペイドカードの番号を悪意のある第三者に教えてしまう」「口座情報を不正取得され、悪用されてしまう」「マッチングアプリなどで知り合った人に『絶対儲かる』と言われてトラブルに巻き込まれてしまう」「先払い買取現金化を利用したトラブルに巻き込まれてしまう」などが挙げられます。

 

こうした事案から利用者を保護するため、金融庁としては、利用者への注意喚起や金融経済教育の推進に取り組んでいます。

 

他方、良い方向に働く例もあります。技術の進展により金融サービスの利便性が向上し、そのサービスを利用する利用者の金融リテラシー向上につながる例が考えられます。

 

具体的には「アプリを使うことで支払履歴の管理をする」「株式投資をシミュレーションするアプリで、投資の知識が身につく」「家計簿アプリで支払いや保有資産を一元的に管理する」といった例が挙げられます。

 

こうした金融サービスの普及・活用を促進するため、金融庁としては、適切な制度整備や事業者支援に取り組んでいます。

 

資産所得倍増プランの推進

「資産所得倍増プラン」を政府として進めています。家計に眠る現預金を投資につなげることで、ライフプランやライフステージに応じた安定的な資産形成を支援しています。

 

具体的には、消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設や安定的な資産形成の重要性を浸透させていくための金融経済教育の充実などが挙げられます。

 

2024年春には、関連法案の成立・施行を前提に、新たな認可法人として「金融経済教育推進機構」を設立予定です。その後、夏に本格稼働できるように可能な範囲で準備を進めています。

 

最後に、私としては「お金はあくまで手段に過ぎず、その先の人生をどうしたいのかが大事」だと考えています。そこに向けて、みなさんがお金の面で安心できる環境作りを目指しています。

消費者教育の観点からみる金融教育と デジタル時代の金融リテラシー

鈴木 真由子さん

消費者教育の観点から見た金融教育

まず、消費者教育では、消費者市民としての人間形成を目指していきます。社会の構成員として、消費を通じて社会を良くすることを考えていきます。

 

かつては消費者は保護の対象でしたが、2012年に成立した消費者教育推進法では自立した消費者市民であることがキーワードとなります。

 

では、消費者教育の観点から見た金融教育となりますと、「クリティカルに意思決定できる消費者市民の育成」が必要になっていきます。生活主体者としての経済的な生活実践力を得ることが必要だと考えています。

 

消費者教育が重視される社会的背景

1つ目には、成年年齢18歳への引き下げがあると思います。成年になるということは、契約の主体者となる場合に保護の対象にはなりません。ですから、自分の意思決定に責任を持たなくてはなりません。そのため、18歳になるまでの間に消費者教育関連のことを学ぶ必要があります。

 

もう1つ、高度情報社会への移行が考えられます。デジタル化、キャッシュレス化、消費者トラブルの低年齢化が起きるようになりました。

 

以前、大学生を対象に1週間分の買い物を分析する課題を出したことがあります。35人の受講生のうち、全て現金払いは0人、全てキャッシュレスが3人もいました。また、8割型キャッシュレス支払いを利用している受講生が半数以上いました。前提として、これがZ世代のお金の使い方の現実なのです。

 

そうなると、金融リテラシーとともに、デジタルリテラシーも不可欠になってくると思います。

 

学校消費者教育の展開における課題

外部講師による出前授業や教材資料の提供にはニーズがありますし、様々な取り組みが実施されています。

 

しかし、学校の窓口や消費者教育コーディネーターにつながることができていません。

 

意識の高い教育現場の方は自ら情報を探しに行きます。ただ、消費者教育を普及させるならば、そうではない方にどのようにアクセスしてもらうかが鍵となります。

ディスカッション

プレゼンの後には、参加者による挙手制でパネルディスカッションを行いました。また、オンライン上で質問ができるサービス「Slido」を使用して参加者の感想や意見にも触れました。パネルディスカッションの様子を一部抜粋要約してご紹介します。(敬称略)

 

Q.家庭の経済環境が大きく違う子が集まる教室での金融教育について

(藤川)学校教育の中では色々な経済状況のお子さんがいるわけで、どう対応していくかが大事です。民間企業ですとターゲットを絞ってサービス提供することが多いと思うので、ぜひ議論したいところです。

(齋藤)提案ですが、メルカリで売りに出す体験をしてみるのも金融教育の一環のように思えます。自分で稼いでお小遣いを得る体験をしてみるのも1つの方法として良いのではないでしょうか。バランスが難しいところですが、実際にサービスを触る体験をしてみるのはいかがでしょうか。

 

(瀧)生徒たちが卒業後就職し、収入を得ることをイメージするために、卒業後の先輩の話を聞く場を作るのがオススメです。学生のうちは、まだ世の中にどのような仕事があるのかを知らない子が多いですよね。まずは、仕事の種類の多さに触れて、どこかに自分の居場所があることを知ってもらうことを先に行うと良いと考えます。

 

(串田)私も卒業生の方などに「いろんな選択肢があるんだよ」と伝えてもらうのが良いかなと思います。自分の人生をどうしようか考えるきっかけになりますし、そして、お金と向き合う機会になるのではないでしょうか。

 

(鈴木)貧困は虐待とセットになることが多いので子どもたちのプライバシーに配慮しなくてはなりません。ただ、平均値で話しても伝わりません。「主たる生計者が失業してしまった。この家はその後何をしたらいいんだろうか」のように、自分ごととして考えられる例を提示して問題解決をさせる必要があります。クラスの中で経済環境の格差がある場合は、「しんどい」状況の子がリアルを持ち込まなくても済むようなロールモデルやモデルケースを提示するのであれば、経済環境が違う子もグループ活動などができるのではないでしょうか。

 

Q元教員です。学校現場との関わり方をどう考えているのかを知りたいです。

 

(齋藤)学校現場ではどういうニーズがあるのかを企業側からわかりにくい部分があると感じます。出前授業を1コマやってほしいのか、別のことをしてほしいのか、などの温度感がつかみにくい状態です。学校と企業がお互いに何が必要なのかが把握できておらず、今後は情報のやりとりの敷居を低くしていかないとならないと思います。

 

(鈴木)現場の先生方には、今のZ世代の生活実感に近づいてほしいです。何を買っているのか、どんなお金の使い方をしているのか、この子たちはここで困っているんだ、などの実態を知ってください。出前授業を行う場合、リアリティと切実感がないところに問題解決はないと思います。出前授業をイベントで終わらせないでください。

 

(藤川)子どもたちのニーズを捉えた上で、対応した授業を提供するのは教員として本来重要な仕事ですよね。しかし、優先順位が下がってしまって、他のことに仕事の時間を奪われてしまっております。なかなか学校現場がニーズを捉えられる状況になく、私たちにとっても大きな課題です。

最後に藤川教授より

本日は大変興味深いお話をどうもありがとうございました。色々な論点が出て、これからあと2、3時間議論するともっと深まるのではないかとも感じますね。

 

それぞれ宿題を持ち帰り、金融教育について考え深めて実行できる機会があれば、と考えております。

 

こういう形で今後も色々な方とお話をしながら、教育実践につなげていきたいです。

【ライター:藤川研究室2018年修了生 遠藤茜】

連携授業にご協力いただいているパートナー企業さまへの訪問企画。

学生インターンはまだ夏休みの9月20日は、

株式会社セールスフォース・ジャパン (以下Salesforce)さまへ訪問してきました。

「オハナ」(ハワイの言葉で、選ばれた大家族の意)の精神で満たされた温かな社員の方々。

高級ホテルのように洗練され、ポリシーに基づき徹底された空間は圧倒されるばかり。

社会経験が(それなりに)長い職員たちも度肝を抜かれた一日でした。

学生もきっと憧れを抱いたSalesforce。そんな会社訪問の様子をお届けします。

◆◆ まずは名刺交換から ◆◆

学生一人一人名刺交換。名刺交換後、少し会話をすることで場が和みますね。

Salesforce社会貢献部門の丸野さん、アジェイさんが優しく会話を引き出してくださいました。


◆◆ オンライン開催の社内イベントに参加!

事務局長・竹内が登壇しました ◆◆

実はこの日はSalesforce社内での助成先報告会。

助成先の1団体として事務局長竹内が登壇し、活動内容を紹介しました。

活動報告会の後半はパネルトーク。活動内容だけでなく、企業教育研究会の働き方なども話題に。

(ちなみに、私たちの組織はフルリモートも可能な体制で、沖縄在住の職員もいます)

和やかに進行するパネルトークでは、企業教育研究会の立ち上げに関わった職員の古谷も飛び入り参加。古谷曰く、学校の通常授業ではなく企業教育研究会が授業を届ける醍醐味は、誰か一人でもいい、内容に刺さる子どもがいて、「こんなに変わる子もいるんだ!」という奇跡を目の当たりにする一期一会の喜びとのこと。

竹内も、自分たちの周りだけでなく、これからは、活動を通して日本の世の中を変えていきたい!と意気込みを伝えました。


◆◆  学生とボランティア社員さんとの交流会  ◆◆

◆会社説明より◆

Salesforceが会社として大切にしている価値観(コアバリュー)が5つ(信頼、カスタマーサクセス、イノベーション、平等、サステナビリティ)があり、ビジネスは社会を変えるための最良のプラットフォームであるという考え方があるとアジェイさん。会社として利益を上げる部分と、社会貢献と両方あり、会社は成長していくと説明がありました。

今回、学生インターンのために社員の方4名が社員ボランティアとして参加くださいましたが、こういう時間や助成プログラムも、全て社会貢献の取り組みの一つとして行っていただいています。

Salesforceさまは社会貢献理念の『誰もが平等に質の高い教育にアクセスでき、将来の選択肢を広げられるような、豊かで平等な社会の実現』を目指し、就業時間の1%・株式の1%・製品の1%を社会に還元する「1-1-1(ワンワンワン)モデル」を実践しています。         
Salesforce社会貢献について▷ https://www.salesforce.com/jp/company/philanthropy/overview/

◆学生からの質問タイム◆

それぞれのボランティア社員の方の自己紹介の後、学生から質問タイム。

様々なキャリアをお持ちの社員さんから、貴重な経験を聞かせて頂きました。社員の方々からのアドバイスを少し紹介します。

質問1

今までの失敗と、そこからその失敗をどう次に繋げていったのか

【回答】

  • まず絶対は、原因を探ること‼
  • 相手(対象)のメリットになることを考え、しっかり事前準備を。
  • 失敗を楽しむことも必要。

とのこと。ドキドキの失敗も暴露いただいた⁉具体的な内容はオフレコです。

 

質問2

趣味と仕事が繋がっていると思う瞬間はありますか?今、学びと趣味と両方でき楽しいと思っていますが…

【回答】

  • 趣味と仕事は別と割り切った方がよいのか。一致できるかはとても難しい。正解はなく、自分がどういう状態が一番活き活きしているのかを自問自答することかと思います。(それで生きていけるかは別として)好きなものは生涯好きだと思います。
  • 趣味のつながりで他の部門の方と知り合うとか、コミュニケーションのツールとして使える気がしています。
  • 趣味と仕事は完全に割り切って、切り分けています。

考え方は、人それぞれでした。趣味も年齢と共に変化しますし、いつ何をしていても人生の糧にはなる気がしますね!


◆◆  素敵な社内も案内をいただきました  ◆◆

世界のSalesforceの各拠点にはSalesforceTowerと呼ぶオフィスがあり、必ず自然の緑が見える場所に会社を構え、外の景色と中の景色を融合させるデザインになっているというオフィススペース。写真にある素敵な空間は、お客様をお迎えするオハナフロア。オハナフロアは、どのSalesforceTowerでも一番景色のよいエリア(最上階)に設けられ、来ていただいたお客様に還元することもコンセプトの一つとのことです。ちなみに、東京オフィスは和のテイストを意識したデザイン&インテリアになっています。

フロア内の植物は全て本物です。心安らぐ雰囲気は、フラワーショップの華やかなお花というよりも、何種類もの野の植物が集まっているから?植栽の周りには、小川のような水景設備や、空を意識した優しいライティングが。

執務空間は、高さを変えられるデスクや、マインドフルネス(瞑想)室があり、ユニバーサルデザインの表記が随所に見られました。執務フロアにも多くの緑が配置され、デスクなどにも、なるべく自然素材を取り入れているとの説明があり、デジタルの最先端企業が、自然や緑をとても大切にされていることは新鮮で驚きでした。

なんと、お客様と社員のためにバリスタが常駐‼バリスタは複数階にいらっしゃるそう。

設備の一つ一つが上質で高級ホテルのようでした。


◆◆ 学生インターンの感想アンケートより 

一部抜粋してご紹介します ◆

【オフィスについて】

●オフィスに専属のバリスタやパティシエがいたりマインドフルネスルームが設けられていたりと、社員が快適に過ごすことのできるオフィス作りがされていてすごいと思いました。

●お手洗いを使用した際に、ジェンダーニュートラルの表記があったり、扉が押すだけで自動で開閉していたりして、ユニバーサルデザインにこだわっているという印象を受けました。

●社員同士がコミュニケーションを取れるように、カフェといった様々なブースが用意されていたこと(に驚きました)。

●私は企業のイメージが、広大なオフィスにたくさんのデスクとパソコンが並べられ、時間に追われながらたくさんの社員が仕事をしているというものでした。実際は、社員の働きやすさを優先した設備や制度が設けられており、社内の雰囲気はとてもリラックスし過ごしやすそうでした。

【仕事やキャリアについて】

●会社の資金や時間、製品の1%を社会貢献にまわしていたことを初めて知りました。

●お話を聞かせてくださった方々のキャリアや転職の多さ、IT企業と言ってもこれほど沢山の専門分野が別れていることに驚きました。

●それぞれが与えられたタスクをこなせるように計画を立て仕事をしていることを知りました。

●外資系は激務で休みもあまりないと思っていたが、人間工学に基づいて作られた椅子を取り入れていたり机の高さが変えられたりと、生産効率を上げてフレキシブルな働き方ができる職場だと思うようになった。

●外資系の企業と聞くと英語が得意な人ばかりが集まるというイメージがあったが、オフィス内の業務は多岐にわたり必ずしも全員が英語を得意としているわけではないことを初めて知った。

●BtoBの企業とは普段生活する中で関わる機会がないため、会社についてはもちろん、社員さんの実際の声を近くで聞けたことが良かった。様々なバックグラウンドを持つ社員さんの話を聞いて、今までやってきたことがどこかで繋がって予想外の道が拓ける可能性もあるなと勇気づけられた。


この度の学生インターンの企業訪問につきましては、お忙しい中、株式会社セールスフォース・ジャパンの丸野さん、アジェイさん、水野さん、ボランティア社員の川島さん、植田さん、鈴木さん、吉岡さんに多大なるご協力をいただきました。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

会社として大切にしている考えを設備面でも制度面でも徹底することは費用面も含めなかなか難しさもあると思いますが、それを諦めず本気でやり続けていらっしゃるという印象を受けました。私たちも自分たちの思いを改めて振り返る機会になりました。

学生たちにとっても、刺激に満ちた有意義な時間となりました。本当にありがとうございました。

オハナフロア。一番景色の良いスポットにて。

SESSION 4 #STEAM教育 編


NPO法人企業教育研究会(ACE)は、20周年特別企画「日本の教育をアップデートする」を開催中です。7月15日に行われたSESSION 4 のテーマは「STEAM教育」でした。「STEAM教育のアップデート」について、学生たちは何を思ったのでしょうか? こちらの記事では、日頃からACEの活動を支えてくれている学生インターンによる「楽屋裏トーク」をお届けします。(聞き手:山田恵李/ACE職員)

※ SESSION 1 #起業家教育 編 はこちら

※ SESSION 2 #主権者教育 編 はこちら

※ SESSION 3 #いじめ 編 はこちら


今日はオンラインでの開催です。よろしくお願いします。ケントさんとミクさんは、前回に引き続きご参加いただいています。アヤネさんは #起業家教育 編#主権者教育 編にもご参加いただいています。ありがとうございます。

よろしくお願いします。全回参加の皆勤賞です。

ケントさんに続く参加率です。

SESSION3では司会を務めました。よろしくお願いします。


「STEAM教育」はコラボレーション!?

早速ですが、SESSION4のテーマは「STEAM教育」でした。イベント前はどのようなイメージがありましたか?

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―日本の教育をアップデートする!! ―

20周年記念特別イベント 日本の教育をアップデートする!! 7回連続トークセッション!!

7月15日(土)SESSION4 STEAM教育が開催され、学校の先生、学生、企業や官庁、自治体にご勤務の方など57名の方々にご参加いただき盛況のうちに終了いたしました。

 

STEAM教育とは、日常の中に課題を見出し、楽しく学ぶこと。

授業の中で、教科の枠を超えた時間を部分的に取り入れることでもSTEAM教育は実践可能との紹介が。

トークセッションでは、学校へ広く展開するための糸口がつかめたのではないでしょうか。

以下、当日の様子を詳しくレポートしています。

※各登壇者のプロフィールはコチラ

左より、藤川教授、三好特任教授、森さん、浅野さん

 STEAM教育の概念は周知された。

科学の急速な進化に、教育内容も対応させていきたい。

藤川大祐教授

第4回目は、STEAM教育をテーマにしました。STEAM教育自体は比較的新しい言葉ですが、企業教育研究会では、かなり以前よりソニーさんをはじめ、IT系の企業の方々とも、その時点その時点の新しいテーマに基づいた教材を作成し、出前授業等を実施してきました。

 

現在は、高校で探究的な内容が入り、科学教育も充実してきています。またSTEAM教育という概念もよく知られるようになりました。教科領域横断の学習が大事だということも、浸透してきていると考えています。
しかし、科学がどんどん進んでいく中で、教育が少しずつ変わるだけでは全然追いつかないとも思っております。従って、改めて民間企業の方などの力もいただきながら、教育をどう変えていくかを考えなければと感じています。

経済産業省が推進するSTEAM教育 

~未来を創る子どもたちへ、学びを通して創り出す楽しさを~

浅野大介さん

GIGAスクール構想と『未来の教室』プロジェクト

政府は「GIGAスクール構想」を中心に、関係省庁を挙げて学校現場のデジタル環境を整備しています。

経済産業省(以下経産省)の「未来の教室」※1プロジェクトは2018年から始めたものです。GIGAスクール構想が始まったのが2019年の12月です。

STEAM教育の背景は、2020年代の学習指導要領の中に全て入っています。この構想を実現化するため、経産省が参入しデジタル環境を揃えようと、文部科学省(以下文科省)と一緒に予算取りをし、連携してきました。

1人1台端末を持つことは、個別最適化として効果があり、また、国境を越えたコミュニケーションや効率的な調査なども可能となります。ネット上の情報収集に制約がなくなり、その地域の蔵書量に左右されない学習環境も整備できます。

これからのGIGAスクール時代、学校での学び方は、対面、オンライン、オンデマンド、ライブの4つに分けられると考えています。子どもたちが、一斉に授業を受けテストされるサイクルではなく、ほとんどの知識の注入プロセスは、オンデマンドの(オンラインの)スクリーン越しの話で済むようになる。

ですが、GIGAスクールはそれだけではなく、先生との個別の時間や、学校の枠を超えたプロジェクトなど、様々な時間の使い方を目指しています。

その目的の一環で行っているSTEAMライブラリでは、最新のテクノロジーの話題や、その入口として簡単な指導案のヒント等、企業や研究機関等の連携を通じて200以上のコンテンツを提供しています。

こちらは、今年から活用いただく学校を募集し実証事業を進めています。コンテンツは完成形ではないので、先生に授業でどう活かすのかを考えていただく予定です。これらは教科横断的なコンテンツなので、このまま授業で使えないところがみそでもあり、難しいところでもあります。

※1 未来の教室:新しい学習指導要領のもとで、1人1台端末と様々なEdTech(エドテック)を活用した新しい学び方を実証する経産省の事業。ポータルサイトでは、事業の取組状況・成果、EdTechやSTEAM等、学びの最新動向についての情報を提供。STEAMライブラリもこのポータルサイト内にある。(未来の教室ポータルサイトより)

https://www.learning-innovation.go.jp/

主要5教科以外も主役の時代

今日のテーマの中でこういう話をしたいのですが、技術家庭と保健体育と情報と公共と特別活動、基本的に主要5教科から外れたものが、これから主役になると私は思っています。これらは大学に進学すると、学部や学科の名前になるものばかりです。

 

例えば部活も、適正な子どもへのレギュレーション(ルール)や労働環境のもとでやられるべきですが、教育課程に入れてもいいぐらい価値のあるものだと思っています。

 

例えば、一日90分という時間の制限を設けて、90分の部活でも全国大会に行く高校のラグビー部の話ですが、彼らは日々のトレーニングをしっかり科学的な根拠で詰めています。何のためにこの練習をするのか。自分の強みは何か。いつまでにどのぐらいパフォーマンスを上げたいか。そのためにどういう栄養を取り、何をトレーニングするか。また、試合中のコミュニケーションが有効に取れているか、その国語力を鍛えるために録音し、無駄がないか、もっと効果的にできるだろうと検討しています。

 

もうそうすると、立派な仕事できる人たちが育ってくる国語の授業になります。

また、プレーを完成させるため、パスをどの速さで回す必要があるか数値化し、そこを超えられるように練習をする。こういうことを、高校生たちが自分の言葉で語り、考えるようになります。

 

あとは、料理が好きとか、将来の食の仕事に就きたい人もいると思います。天ぷらであれば、どのぐらいの厚さの衣をつけて、何秒間油に入れるか。それは全て科学で説明ができます。一流の料理人は、365日どんな気候条件でも、同じパフォーマンスを出す。つまり方程式の中の変数を毎日毎日変え、最後同じ状態に持っていく。そういう科学だということです。

 

そうやって組みだしたら、めちゃくちゃ面白いわけです。

では、家庭科の授業がそのように組み込まれているか。理科の先生と家庭科の先生が一緒に授業を作っている風景って、少なくとも私は見たことがないです。

STEAM教育は、主要5教科やそれ以外の学びなど、こういうものが掛け算される状態かと思います。

 

STEAM教育とは何か

ただ私は、小難しい先端技術の話題だけがSTEAM教育とは思っておりません。もっと身近だと思います。

STEAMって結局スポーツが好きとか、料理が好きとか、何でもいいわけです。

 

私も様々な場で仕事をしてきましたが、仕事の対象になるものについて、歴史も考えなきゃいけない、地理も考えなきゃいけない、数字的にものを考えなきゃいけない。あと人と効果的にコミュニケーションを取らなきゃいけない。全部一環で繋げないと理解できない。私の中でのSTEAMってそういうものだと理解しています。

 

要するにその仕事をするための学び、仕事を生み出すための学びと捉えています。

世の中にはこの通り、たくさんの面白い課題があり、私達が日々感じているこの興奮を、学校の現場でどう子どもたちに経験してもらうか。子どものときに経験することで、大人になっても勉強し続け、大人になっても、課題に対し、この場面で縦糸と横糸は編み込めるんだと気づける面白さや感動を、幼い頃から染み込ませてあげたい。

そんな思いを私達も持ちながら、STEAMというキーワードで、文科省とも一緒になって教育改革を進めています。

ソニーによるSTEAM教育の取組み -For the Next Generation-

森悠介さん

Purpose経営に基づく社会貢献活動

ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」をPurpose(存在意義)として掲げています。このPurposeを実現するためには、前提条件として社会や地球環境があり、それらがないとソニーの活動自体ができないという考えの下、社会貢献活動を行っています。

ソニーのSTEAM教育

ソニーは創業者の時代から、次世代を担う子どもたちに向けた理科教育支援を始めていました。現在は、For the Next Generationをスローガンに掲げ、世界各地で様々な活動を実施しています。

 

 CurioStep with Sony

名前の通り好奇心を育むプログラムとして、科学にとどまらないエンタテインメント等、ソニーのそれぞれのグループ会社が持つ強みを活かしながらワークショップを提供しています。こちらはグローバルで同じ名称を使い、様々な活動をしています。

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/csr/ForTheNextGeneration/curiostep/

 

 感動体験プログラム

こちらは、日本国内限定で実施しています。教育の体験格差を課題に掲げ、その解消を目指しスタートしたプログラムです。

例えばアニメーションのワークショップや、ミュージカルのワークショップ、プログラミングの機材を使ったワークショップ、自律型エンタテインメントロボット「aibo」を使ったワークショップ等、様々な形で提供しています。学校の放課後の体験機会の拡充を目的とした取組みもしています。

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/csr/ForTheNextGeneration/kando/

 

プログラムの効果と今後の展望

感動体験プログラムは「単発プログラム」と「長期プログラム」の2つのタイプがあります。

 

長期プログラムは、約半年間に、複数回の違う種類のワークショップを提供します。さらにはスタッフの方々向けに、対話会を実施して体験活動を継続的に実施するための体制強化を支援しています。長期プログラムではロジックモデルを整理し、半年後の理想とする子どもの状態を踏まえ15個のコンピテンシー(行動特性)を設定。伸ばしたい能力に対し効果があったか評価をしています。

その結果では、やはり1回ではなく継続的に体験機会を提供することは重要で、子どもにとってインパクトがあることが示されています。

 

活動は、 ソニーだけで実施するのでなく様々なプレイヤーと一緒に組むことも重視しており、自治体の方や、他企業の方とも進めようとしています。社内でも悩みながら進めているところですが、コレクティブインパクト※2と呼ばれるようなものを出し、モデル化していきたいと思っています。

 

※2 コレクティブインパクト:社会課題解決に取り組むためにさまざまなプレイヤー(自治体、企業、NPO、政府、財団など)が共同して効果を最大化すること。(森さんご講演より)

文理融合型人材と総合知によるイノベーションの創出

三好荘介特任教授

これから求められる人材とは

アステラス製薬退職後に勤務した筑波大学では、私が企業出身なことから、就職支援キャリアセミナーや、ビジネスリーダーズセミナー、大学発ベンチャーの起業家教育等、企業が絡むような教育の授業も担当しました。

未来が描きにくいVUCAの時代、こういう時代を生きていく次世代の若者にとって何が必要かというと、自ら人が行わなければいけない仕事を見いだし、遂行できる能力を鍛えていくことと考えます。気象変動問題や人権問題を含む世界的な課題、世界様式、テクノロジーの進展、将来の社会のあり方など様々な観点から、本当に今やらなければいけない研究課題を見極めることができる人材。大学院の教育として、こういう社会の持続的発展に向けたイノベーションの創出に貢献できる次世代グローバルリーダーリーダーを育てようとしています。

学生に、イノベーションについて何をすべきか問われた時は、研究成果を社会の価値に変えていくために、何をしたらいいのかを考え実行することと説明しています。

しかしながら、研究成果や技術の積み上げだけによる理論では、多くの人を納得させることは難しいです。そういった意味では、文理融合型の実務教育というのをしっかり行っていくということが大切だと考えています。

STEAM教育とは、特別な事を新たに始めるというのではなく、教員が働き方に5%ルールを意識して、その中で自分プロジェクトに挑戦したり、遊び心のある自由闊達な教員間の連携等を行うことにより生まれてくるものなのかもしれない。

能力に応じた多様な学びへ

授業についていけない子どもに補習授業があるように、特殊な才能を持つ子どもにはその能力に対応した教育が与えられるべきと思います。子どもの生育には個人差があり、年齢という枠だけで同じ授業を受けるのは、生育の早い子どもにとっても遅い子どもにとっても不幸なことではないかと。

 

能力の違いを率直に認め、ふさわしい教育を与えることが教育の機会の均等だと思います。年齢、性別、人種、学歴に基づかない、個人の能力の評価こそが、アメリカの大学がここまで大きな飛躍を遂げてきた理由の一つだと私は考えています。

スタンフォード大学には12歳で大学に入学し、16歳で大学に入り、18歳で教授になった同僚もいました。彼は能力的に抜群で、年上の大学院生を指導しながらたくさんの研究費を獲得している。

 

少子高齢化がものすごい勢いで進む日本には、年齢という差別がもたらす学問的社会的な損失について認識し、真剣に対応することが急務ではないかと思います。千葉大学は、学部先進科学プログラムがあり、飛び級入試をやっている大学です。日本全国で、8つの大学が実施し、千葉大学は1998年に先陣をきって始めました。また現在、私の方で、大学院でも最短3年、通常4年で博士課程を早期修了する大学院先進科学プログラムを進めています。

 

学問に対して特殊な能力を持っている彼らは、きっと好きこそものの上手なれに基づいてスキルを磨いていると思います。そういう特別な能力を切磋琢磨して欲しいと思う一方で、さらに、STEAM教育を受け、多様性や創造性を獲得したら、我が国の将来を担う素晴らしい人材になってくれるのではないかと期待しています。

ディスカッション

slidoを使用して参加者の感想や意見も拾いながら、質問については参加者の挙手制でパネルディスカッションを実施しました。一部抜粋要約してご紹介します。(敬称略)

 

〇これからの教員の立ち位置や役割の変化について

(浅野)知識のインプットは自分でやるものという前提で考えています。大人になっても勉強し続けるにはその方法になると思います。そう割り切った後で、縦糸と横糸の繋がりや、違う見方等をつまびらかにし驚かせてあげる。そういう存在として先生はとても重要と思いますし、また、励ますということもとても大切と思います。

(森)子どもによって何に関心があるかは全く違うので、いろいろなものに挑戦できる環境を整えるのが大切と思います。実は、今日は紹介していないのですが、小学校向けに年間通して実施するシネコポータル・ワークショップ※3というプログラムを実施しています。プログラムの講師は、子どもの質問に対し、敢えて答えを出さず、「自分でやってみて、どうなったか調べてごらん」と伝えています。子どものころから、そういう経験をすることが大切と感じます。

(三好)小学生とはいえ、今は分からないことはネットで調べたりできるので、こうすればわかるというプロセス(調べ方)を小学生でも知ることが大切と感じる。また、ChatGPTでもそこそこのコミュニケーションはできる時代なので、(子どもに対して先生の役割としては)感情を伴う、寄り添うコミュニケーションが必要と思います。

※3 シネコポータル:https://www.sonycsl.co.jp/tokyo/12113/

   シネコポータル・ワークショップ

 

〇STEMからSTEAMへ。Aが入るということについて

(藤川)Aがアートなのか、リベラルアーツなのかということがあると思います。

(浅野)私の方はリベラルアーツと感じています。社会の人文的なことと技術が掛け合わされ仕事が成り立つということで考えると、(Aは)学校生活そのものという気がします。

(森)STEAM教育のワークショップを提供していますが、これはS、これはTという分類はしていませんし、分類できないと思います。ソニーは過去には科学教育、理数科教育の取組みを進めていましたが、STEAM教育への支援ではソニーの強みであるテクノロジーとクリエイティビティを活用しています。単に工作をするのではなく、自分なりの作品を創りましょうとか、クリエイティビティを使って新たに創り出す面が強い(Aを意識している)と思います。

(三好)これだけデジタルな時代なので、感性に訴える、そういう芸術的な要素は必要と思います。

 

〇企業同士が協力して課題に対応する

(森)企業もいろいろな支援を実施していますので、是非活用して欲しいです。一方で、企業の取組みは一社一社それぞれが支援を行っています。より大きなインパクトが生み出すため、企業がまとまって大きな課題に対応するような取組みは企業にとっても良いのではと思いますので、ぜひ進めていきたいなと考えています。

最後に藤川教授より

総合的な学習の時間ができたことに非常に意味があると思っています。それまで、教科の中ではやるべきことが学習指導要領で基本的に決まっていて、自由に使える時間はなかなか作れなかったわけです。ですが学校の裁量で、課題研究的な学習をしようと思えばできる時間ができたということです。2002年度に新設されてから20年。この時間をどう活用するかが問われています。

 

教員が例えば週に20時間授業を持っているならば、そのうち1時間2時間でも面白そうな課題を持ってきて授業ができるみたいな形になれば、かなり見えてくるのかなと思います。全ての授業を変える必要はないと思います。5%くらいで十分ではないかと感じます。

 

学校教育では、やはり各教員の方々は、たまに今までと違ったアプローチの授業を考えてみたらいかがでしょうかということが一つのポイントと思います。学校運営をされている方であれば、決まったことやっているところが多いという話もありましたが、本来は学校の裁量でやれるはずです。

 

例えば、千葉大学教育学部附属中学校では、総合的な学習の時間は基本的に全てゼミ制です。

学年関係なく、希望するゼミに入って半年ぐらい。先生もガチガチに学問的なことをやる先生もいれば、趣味のこと、アイドルゼミなどをする人もいます。そういうゼミを自分の担当教科とは関係ないけどやってみようという、そういうことだとうまく全体が遊びになります。

 

そういうような教育課程の編成も今の制度であればできるわけです。ですので、個々の教員レベルでできることもあれば、学校レベルでできることもある、地域レベルでできることもある。けれども、今学校現場は忙しくて負担が大きすぎることもあるので、教材やアイディア、誰かの助けとか、いろいろな人と協力して回しているということが現状かと思います。

その中で企業とかNPO等とのコラボも一つの選択肢になってくると思います。

そんなふうに、できそうなことからちょっとやってみるというように受け止めていただければと思います。

参加者からの感想

(たくさんのご意見、ご感想をいただきました。一部抜粋でご紹介します。)

【イベント中slidoより】

  • 教科連携(総合や探求を含めた領域横断)の中で、STEAM教育「的な」ことは自ずと実践されているのだろうなぁ、と感じました(STEAM教育だと自覚していないだけで)。その意味でも、浅野さんが話されていた「追加で何かを取り入れるというよりも、今あるもので料理しよう、というイメージ」はとてもクリティカルだと考えます!
  • 高校で探究学習がうまくいっているところは、先生は生徒と一緒に「なんでだろうね」と悩みながら進めています。先生は生徒が学んでいるテーマに詳しくなくてもよくて、どうやって探究するかという探究の手法を理解していればいいのだと思います。
  • 小学校は大きな変革が無くとも、担任次第で縦糸と横糸を結びつけるヒントを子どもに与えやすいかもしれないなと思いました。
  • STEAM教育が言われるのも、世の中がテクノロジーを中心に発展しているからこそだと思っています。文⇒理というより、文でも理でもテクノロジーには触れるべき、というのが正しいかもしれないと思います。その意味では、科学技術の知見が全く無いという人はどうしてもSTEAM教育の流れに乗りづらくなる感覚があります…。
  • 感動体験プログラム、面白いと思いました。全国的にコミュニティスクール化や地域学校協働本部事業が動いている中で、放課後にターゲットというのはありだと思いました。STEAM教育は学校教育の中ではなく生涯学習の領域での展開の方が広がりができて面白そうですね。
  • 教科書や授業で学ぶ内容と現実世界に距離があると思います。浅野さんのお話からもあるように、実生活の中で活用(STEAM)できるまでに落とし込むまでの架け橋が必要だと思います。
  • 森さんがおっしゃることとても理解できます。民間教育の側面でももっと一致団結すべきだと思いますし、(営利企業的に悩ましいですが)お金だけじゃなくまとめてシステム化できると、学校現場でももっと使っていただきやすくなると思います。

【アンケートより】

  • STEAM教育に難しさを感じていたのですが、今あるもののひと工夫で取り入れられていくものだと感じることができました。
  • STEAM教育に関心がある人が集まった中でも、実施に対して課題を感じている現状を知れたことが良かった。
  • 自分自身が学習した時代と、最近では、理科の単位系や学習内容が変わっているので、学び直しの必要を感じている。STEAM教育の視点を取り入れるためにも、教員自身がまずは学びなおしたい。また、探究的な学習展開をできるような授業についての学びをしていきたい。
  • 三好先生の「イノベーションとは自分の研究を社会の価値にすること」というのは納得感がありました。浅野さんがおっしゃっていた「STEAM教育に楽しい」という文脈も共感できる一方で、教育の本流とするためには、「正解を求める」という姿勢がなくなっていくことが大切に感じます。

SESSION 3 #いじめ 編


NPO法人企業教育研究会(ACE)は、20周年特別企画「日本の教育をアップデートする」を開催中です。6月17日に行われたSESSION 3 のテーマは「いじめ」でした。いじめ対策のアップデートのために私たちにできることは何か? こちらの記事では、日頃からACEの活動を支えてくれている学生インターンによる「楽屋裏トーク」をお届けします。(聞き手:阿部学/ACE副理事長)

※ SESSION 1 #起業家教育 編 はこちら

※ SESSION 2 #主権者教育 編 はこちら


お集まりいただき、ありがとうございます。今日は、どうぞよろしくお願いします。はじめに、簡単に自己紹介をお願いいたします。

よろしくお願いします。大学院の博士課程で、いじめ予防教育として授業の開発をしたり、いじめのメカニズムを研究したりしています。

修士課程にいます。いじめに関する教材開発が研究テーマです。「楽屋裏トーク」への参加は3回目で、皆勤です(笑)

学部4年です。いじめが専門ではないのですが、ACEでは学生で新しい授業の企画を立てて活動しています。「翻訳」をテーマにした授業を構想中です(※1)。


いじめ防止の教材づくりは、難しい?

それでは、早速お話をうかがいます。「いじめ」という問題が重要であることは疑いようもなく、みなさんもこれまで様々なことを学んできたことと思います。一方で、当日はゲストの方々から新鮮なお話も聞けたように思っています。みなさんは、どのように感じましたか?

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