2021年度より千葉大学大学院教育学研究科の講義において、大学院と企業教育研究会(以下ACE)が連携を取ることになり、今年度も継続して協力しています。今年度から本講義は、教員としての高度な専門的職業能力の習得を目指す専門職大学院(教職大学院)の講義としても認定され、履修生の幅を拡大し実施されています。
このブログでは、本年度に実践された授業の様子(第2報・日鉄ソリューションズ株式会社(以下NSSOL)さま編)をお届けします!
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【講義概要】 『DX関連企業と連携した授業づくり』 |
■授業タイトル 『データをめぐる謎を探れ!』
(協力企業:日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL))
■授業数 2時間(50分授業×2回)
■対象 中学3年生
■関連教科
数学、社会、プログラミング教育
■学習目標
・様々な代表値(最小値、最頻値、中央値、平均値)やヒストグラムに着目し、それらをプログラミングによって算出することを通して、根拠をもって結論を選ぶことができる。
・データ分析は身の回りのさまざまな場面で活用されていることを知り、目的に応じて適切に行うことが重要であることを理解した上で、活用することができる。
・コンピュータを使うことで、効率良くデータ分析をすることができることを理解する。
■生徒の活動
・水泳選手の記録を事例に、K3Tunnelを用いデータ分析の上、代表値について自分なりの根拠をもって採用する値を決める。
・洋食店の事例を用い、どのような視点でデータ分析をするかグループにて話し合い、K3Tunnelを用いたデータ分析の上、理由と共に新メニュー開発のアドバイスを検討する。
NSSOLの今野さんより会社紹介。
NSSOLは日鉄ソリューションズの名の通り製鉄所がルーツ。製鉄所は古くからコンピュータを用い、インターネットが一般的になる90年代後半より30年も前の昭和43年から、24時間365日システムが稼働しています。そして現在は、製鉄だけでなく、いろいろな業界で仕事をしています。
今日の学習で用いるK3Tunnel(ケイサントンネル)はプログラミング学習サイトです。仕事としてITを活用し課題を解決している会社だからこそできる学習コンテンツがあるのではと開発されました。学習コンテンツの提供は、全ての人が創造的にITの力を生かすことを目指し、ITプロフェッショナルと世の中をつなぐぞ!と、大きなビジョンを持ち取り組んでいます。
水泳選手のタイムについて、誰が一番速いのか決める際、最小値、最頻値、中央値、平均値のどれを採用するかにより結果が変わることを学びました。その後、新たなデータを用いて、次回大会の代表選手を選ぶ活動を行いました。
代表選手の選択はさらに大きな大会に出るための上位入賞を目指す設定のため、必ずしも優勝を狙うのではなく様々な判断を取り得ます。
分析にあたってはNSSOLが提供するK3Tunnelを使いました。生徒からデータの時系列(タイムの計測タイミング)について確認する場面もあり、こちらの想定以上の視点で分析を試みている様子でした‼
今野さんより、ベストタイムの頻度が高い(当日もベストタイムを出す確率が高い)選手など、また違った目線での分析ポイントについてフィードバックがありました。
次に、大学院生が独自に用意した設定とデータを用いて、新メニューの開発アドバイスを行いました。こちらもK3Tunnelで分析を行い、その結果を踏まえて新メニューを提案しました。
あるグループは、夜の来客の単価平均とイベント時の売り上げの伸びを根拠に、イベント時であれば来客が見込めるとして、クリスマス向けに温かいビーフシチューを盛り込んだ15,000円のコース料理を提案しました。
活動を通し、膨大なデータを眺めるだけでは難しいものの、コンピュータを上手く使うことで、効率よく状況分析ができることを学びました。
今野さんから、生徒が体験した活動はマーケティングの仕事であること。本当のマーケターは代表値そのもので判断するだけではなく、ある指標について数値を改善するための方策を考えていたりもするので、そういう視点でも目を光らせてもらうとよいのではとアドバイスいただきました。


講義担当・藤川教授より
社会と数学の横断型授業でした。活動時間が少なかったという授業者の反省もありましたが、限られた時間の中で十分な活動時間を確保できないことはあるが、それは必ずしもマイナスではなく、全体として授業が最適にできていればよいと思います。コンピュータによるデータ処理が容易になった結果、我々の教材作りは、架空データを作ることから必要になってくる。場合によっては、データを作る段階から生徒に実施させることもあり得ると思います。データ処理は慣れないと時間がかかるため、授業時間の読みが難しい面も。余力を持って計画する方がよいと考えています。
ACE明石より(講義全般に渡り学生の指導を担当)
今回の授業では、架空のレストランのリアルな資料の作成に挑戦してくれました。店名やメニューはChat GPTを活用したことで、本当にありそうな、妙なリアリティがある資料になったと感じています。データについても、担当グループの学生が頑張って作成してくれました。生徒がかなり自分の生活と照らし合わせて考えていましたが、やはりデータが嘘っぽいとそこまでいかないです。こういうデータを作るのはかなりエネルギーが必要ですが、ChatGPTがかなり役立つことがよく分かる授業だったと思います。一点、発表項目が多い気もしましたので、もう少しデータ分析に時間を使う方法もあったかと思いました。
【NSSOL今野さまより】今回の授業では、K3Tunnelで用意されているデータを使う活動に加え、オリジナルデータを使った活動にも挑戦してくれました。学習効果を考えた意図的なデータを作成するのは大変難しく、私たちもいつも苦労しているところです。 もとになる授業素材の理解から始めた学生のみなさんにとって、短期間での準備は本当に大変だったと思います。架空のレストランのデータは、プログラミングでの分析には使わないものも含めて中学生の意欲をかきたてるものに仕上がっており、とてもよい授業だったと思います。 教材開発者としてもとても勉強になりました。ありがとうございました。
【協力企業担当者・ACE 古谷より】これからの時代、より一層データ活用が重視されるため、小学6年の算数から「データの活用」が登場しました。 「データの活用」に関するNSSOL様の『データの謎を探れ!』という教材は、教員からとても評判がいいのには大きく2つの理由があります。 1つはデータを活用する必然性があること。もう1つは様々な判断ができるように適切なデータが用意されていること。 そのため結論を出すための話し合いがとても盛り上がります。 この授業づくりにおいて大変苦労したのがデータづくりでした。ChatGPTを使ってデータを作成してみましたが、なかなか適切なデータを得ることはできず、結局は課題解決に見合うように人力でデータを作成したとのことでした。 一方、店名やメニュー名はChatGPTを活用してアイデア出しをしてもらったとのことです。 この他の単元の算数の問題でしたら教員が作成することはそれほど難しくはありませんが、この「データの活用」の問題はなかなか作成することができません。 様々な生のデータが一般の教員にも共有してもらえるか、もしくはChatGPTで簡単に適切なデータを作成できるならば、教員による「データの活用」の授業づくりも進むのではないかと思います。 |
『NSSOL、K3Tunnel\ケイサントンネルは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。』
2021年度より千葉大学大学院教育学研究科の講義において、大学院と企業教育研究会(以下ACE)が連携を取ることになり、今年度も継続して協力しています。今年度から本講義は、教員としての高度な専門的職業能力の習得を目指す専門職大学院(教職大学院)の講義としても認定され、履修生の幅を拡大し実施されています。
このブログでは、本年度に実践された授業の様子(第1報・株式会社Intel(以下Intel)さま編)をお届けします!
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【講義概要】 『DX関連企業と連携した授業づくり』 |
■授業タイトル 『 情報社会を支えるIT 』 (協力企業:株式会社Intel)
■授業数 2時間(50分授業×2回)
■対象 中学3年生
■関連教科
社会、音楽、家庭科、 総合的な学習の時間
■学習目標
社会インフラの裏側にはIT(情報技術)が必ず存在している。本授業では、普段は意識しない社会インフラを支えるITについて、株式会社Intelの協力のもと子どもたちが体験的・協働的に学ぶことを目標とする。
■生徒の活動
「MicrosoftMakeCodeformicro:bit」とマイクロビットを用い、プログラミングを用いた作曲・編曲を体験する。
Intel社員の遠藤さんより、会社概要、事業内容について説明。Intelは事業費の3~4割を研究開発に回すなど次の技術に向けてたくさんの投資を行っていること。CPUとはパソコンの中のチップのことで、チップの中には10億個ものトランジスタが組み込まれていること。これらの技術はどんどん高性能化しているものの、チップの値段自体はそれほど変化しておらず、技術面のみならず価格に対する企業の努力も、社会の進歩に大きく貢献していることなどが紹介されました。
『使用教材とマイクロビットについて』
今回の授業においては、Microsoftのプログラム作成支援サイト「MicrosoftMakeCodeformicro:bit」とマイクロビットを用いて実施しました。
マイクロビットとは、様々な機能(センサー)を搭載した超小型のコンピュータ。
マイクロビット用プログラムの作成方法は様々ありますが、今回使用したMicrosoftの教材ページにおいては、マイクロビット用の各機能を動かすプログラムを簡単に作成することができ、ブロック(スクラッチ)、プログラム言語(Java、Python)に対応しています。
従って、スクラッチを用いマイクロビットを動かしたり、そのコードを好きなタイミングで確認したり、また自らコードを打つことも可能です。
| 関連サイト ・「MicrosoftMakeCodeformicro:bit」 ・マイクロビット 搭載機能一覧(BBC micro:bit 紹介サイトより) ・使用イメージ(NHK for schoolより) |
Intelはデジタルラボ構想という教育支援事業の中でSTEAM教育も推進しており、様々な授業コンテンツを提供。その中の1つに、このマイクロビットを使用したプログラムがあります。
今回はマイクロビットを用い、学生が作成した指導案にて授業を実施しました。
作曲は、中学生チームと、大学院生チームに分かれて作業開始。
写真にあるブロックの赤枠は左右に音階、上下に時間が対応しており、対応した箇所をクリックするだけで作曲することができます。中学生チームは、かなり早い段階でコードを直接操作していました‼
1時間目は自身の作曲時間、2時間目にはそれぞれ作曲した作品を合わせ1つの曲にし、さらにアレンジを行いました。
編曲については、音楽専攻の大学院生より、「反復」「変化」「対照」から2つ以上のアレンジをすること。「強弱(音量)」「速度(テンポ)」の変化をさせること。曲の長さとして、コードの行数(ブロックの数)は合計10行以上とのルールが指定されました。
どちらのチームも時間ギリギリまで、意欲的に、また楽しく作業をしていた様子でした。

各チーム作品を発表し、講評をもらいました。
『大学生チーム』
コンセプト 「つなわたり」
作曲について講評
「最初の反復の部分はメロディが印象に残りやすいアレンジになっている。最後の変化部分にゆらゆらとした感じが出ている。」
参加した大学院生より、ブロックを触ってみてからコードに入る方が、即コードを書くよりもハードルが下がるという感想が出ていました。
『中学生チーム』
コンセプト 「突貫工事」
作曲についての講評
「短い時間で、よく長い曲を頑張って作ったと思います。最後終わる感じが出るよう工夫が出来ていました。きれいに自然な変化を盛り込めていました。」
『遠藤さんより』
中学生チームはスタート時からコードをいじっていたので、編曲のスピード感があるように感じました。作曲は大変なイメージがあるかもしれないですが、パソコンを使って、離れた場所でも共同作業したりできる形になっています。
また、音楽とプログラミングはすごく離れたものに感じるかもしれませんが、今この時代では、プログラミングも芸術の世界に入ってきています。
作曲するAIや、動画を作るAIなど、様々な形でテクノロジーが芸術にも新しい世界観をもたらすところもあるので、今日はそんなところも体感いただけたのではないかと思います。
講義担当・藤川教授より
準備時間が短い中、授業としてはきちんと成立していました。その上で、もしもう一回やるのであれば、例えば、チップが音を鳴らすとはどういうことなのか、ChatGPTで歌詞を作り生成AIに作曲させる(実際に教授が即興で生成AIに作曲させた「つなわたり」を皆で聴きました)、生成AIの作曲をベースに編曲させるなど、様々なアレンジの可能性があると感じました。
ACE明石より(講義全般に渡り学生の指導を担当)
生徒はとても関心のあるテーマだったので前のめりに聞いていましたが、情報量が多いので、流れていってしまうのは勿体ないなとも思いました。興味があるからこそ、特にどこに惹かれたのか振り返りをする方法もあったのでは。また、作曲途中で、中学生と大学院生が意見交換する方法もあるかと思いました。
【Intel 遠藤さまより】今回は、インテルのSTEAM教育フレームワーク「Skills for Innovation」の教材をご活用いただき、ありがとうございました。生徒及び学生の皆様が、四苦八苦しながらも楽しさを見出し、積極的にワークに取り組んでいる様子が非常に印象的でした。ICTの授業への導入によって、好奇心を刺激し、学びの楽しさを実感できる瞬間を目の当たりにしたことは、大きな収穫でした。また、学生の皆様が教材をアレンジし、授業を工夫して進められたことで、大人(教員を含む)も共に楽しめる授業を実現されたことにとても感謝しています。 【協力企業担当者・ACE 竹内より】Intelさんとは、かねてより一緒に何か教育活動を実施できないか話し合いをしていました。そのような中、今年度の講義のテーマが、STEAM教育を推進されているIntelさんの取り組みと親和性が高いと思い、授業への協力をお願いしました。 |
2023年11月7日(火)、千葉県のある公立中学校2年の生徒の皆さんへ、総合コンサルティング企業のアクセンチュア株式会社(以下アクセンチュア)と企業教育研究会とでお届けしている「ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー」の出張授業を実施しました。
本プログラムは現実に起こり得る正解がない問いに対し、生徒のみなさんに多様な視点・価値観にて議論を重ねてもらい、意見を集約し、考えを導き、他人に対して説明することを体験してもらうアクティブラーニングのプログラムです。生徒のみなさんは、未来の世界で観光業を営む会社の社員に任命されるという世界観の中、経営課題に対して真剣に考え議論します。
授業は「課題1:ロボット雇用問題」、「課題2:街並み問題」、「課題3:ワークライフバランス」の3つのテーマがあり、この日は「課題1:ロボット雇用問題」についてのプログラムを実施しました。
本blog記事では、授業の様子を紹介します。
早速授業が開始されました。
本授業は、2150年、未来の中学生が部活として経営する企業において、生徒の皆さん自身が一社員となり課題に向き合うという想定で進むプログラムです。プログラムには、設定上の世界観に違和感なく溶け込み、その世界観の中で真剣に学習に取り組めるよう、たくさんの仕掛けを施しています。
生徒の皆さんには、音声付きアニメーションを通して、経営判断に挑戦してもらうことがミッションとして提示されました。
ミッションを理解した後、生徒たちは6つの部署に分かれ、資料を受け取り読み込みます。
音声付きアニメーションとカラー刷りのリアルな資料で、生徒も授業の世界観に入り込み、意欲が掻き立てられている様子です。
これは、正解を導く授業ではありません。
アクセンチュアの社員の方からは、生徒のミッションには決まった正解はないため、課題解決にはみんなの意見をまとめていくことが大切だとアドバイスがありました。


授業中に全ての情報をじっくり読む時間はありませんが、大量のデータから要点を把握し判断していくことも経験の一つ。
実際の会社と同じように、各部署で資料内容は違い、持っている情報は断片的になります。
自分たちの持ち得る情報から、迷いつつも判断をしていきます。
『議論を重ねる』、『意見を集約する』、『他人に対して説明する』など、アクティブラーニングがベースの本プログラム。
部署内での意見集約、部署を超えた意見交換、経営層への提案を具体的に体験することでこれらを経験的に学びます。
生徒の皆さんは、とまどいもあったかもしれませんが、課題に対し意欲的に取り組んでいました。
| ① 1回目の議論(部署内での話し合い) ② メンバー(班員)をミックスし部署を超えた意見交換 ③ 2回目の議論(部署内での話し合い) ④ 各部署より経営企画部に最終的な部署としての意見を発表 ⑤ 経営企画部が各部署の意見を踏まえ最終的な経営判断を決定 |
今回のテーマでは、社員をリストラしロボットを導入するか否かについて判断しました。
アクセンチュアの社員の方からは、どの選択肢もメリットとデメリットがあるのでどちらを選ぶにしてもその判断を論理的に考えること。また、個人の考えではなく、その部署のメンバーとして会社の中でどういう役割をもっているのか資料を確認し、それを意識してくださいと話がありました。
部署ごとの判断における発表では、ロボット導入派からは、機械導入により人間ではできないレベルでミスなく効率化できるメリットが挙げられました。リストラ反対派からは、機械に不具合が起きた場合の高額な修理代を資料から読み取り指摘したり、お客様と接する旅行事業部は臨機応変な対応は人間にしかできないと意見したりしていました。また、地域住民がロボットに反対している雰囲気を慮った意見など、資料から想像を膨らませ判断している様子が印象的でした。
この日の授業では、経営企画部は各部署の意見を踏まえ、地域住民にも配慮し『ロボットは導入せず社員のリストラしない』と最終的に判断をしました。
その後、クラス全体で経営判断に対する社員満足度(生徒の納得感)も確認し、経営には社員の一致団結が決断の後の成功を左右すると説明を受けました。
また、選択肢のリスクの大きさや成功の確率に関わらず、どんな選択肢も決断後の行動が大切であり、成功にも失敗にもなり得ることも学びました。
| 【授業をご担当いただいた教諭より】 今回の授業では、生徒にとってとても貴重な体験だったと思います。 生徒は実際に、1つの会社の部署で働いている感覚でそれぞれの立場、役割で議論を重ねていました。また、生徒が多様な視点を持てるような質問も講師の方々より随所にあり、普段の学校生活では経験できないことが多かったのも非常にありがたかったです。きっと生徒のこれからの生活に役立つと思います。今回忙しい中授業をしてくださった3名の講師の方々には感謝申し上げます。ありがとうございました。 |
授業は、アニメーション教材、ゲーミフィケーションの手法、実際の会社で使用されるようなリアルな資料を活用するなど、生徒のみなさんが真剣な気持ちで課題に向き合えるよう、自然と没入できるような工夫が随所に施されています。
科目の授業や試験に向けた日々の学びも大切ですが、今日の授業を受け、生徒の皆さんには、正解のない問いに皆で向かうという新鮮な体験をしていただけたのではないでしょうか。
『ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー』の授業は引き続きホームページにて募集を受付しています。
千葉県にある佐倉市立佐倉東中学校の酒井先生と磯部先生による実践のご紹介です。中学1年生3クラス88名の生徒を対象に4つのミッションから1と2を選んで実践していただきました。
| 時間 | 教師の指導 |
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10分 |
1.教材のストーリーと自分たちの役割を知ろう |
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35分 |
2.事業内容を考えよう |
| 5分 |
3.本時のまとめ |
| 時間 | 教師の指導 |
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1.現在の天漁社の活動状況について確認しよう |
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2.メールの文面を考えよう |
| 5分 |
3.本時のまとめ |
当日の様子についての詳細はこちらのブログ記事からもご覧いただけます。
https://ace-npo.org/wp/archives/4857
ミッション1は、資料を読み、設定の地域に適した新規事業を考え発表しました。


ミッション2は、立ち上げた事業を始動するため、関係団体の方へ協力を依頼するメールをタブレット端末で作成しました。


活用する資料が多く、「ひな社長の挑戦」単発で授業をするには、生徒の資料を活用する能力が不十分だったように感じました。様々な場面で必要な情報を取捨選択する能力を身につけて行く必要があるように思います。
普段の授業では扱わない題材での授業だったので、生徒も教員も新鮮な気持ちで授業に取り組めました。「ひな社長の挑戦」を通して、起業家精神を高めることはもちろん、子ども達自身も社会の一員なのだという意識を高めることができました。
様々な資料を活用して、子ども達が自ら進んで起業しようと取り組むことがとても新鮮で、有意義な時間だったと思います。
資料にはグラフや表にまとめられたデータだけでなく、町に住む人々の生活や思いについても記載されていたため、ただ自分が思いついた事業を進めるのではなく、様々な視点で情報を整理し、根拠をもって事業計画を立てることができていました。「ひな社長の挑戦」を通して、起業家精神を高めることはもちろん、子ども達自身も社会の一員なのだという意識を高めることができました。
2023年11月7日(火)、千葉県のある公立中学校2年の生徒の皆さんへ、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下SME)と企業教育研究会とでお届けしている「音楽業界の仕事について」の出張授業を実施しました。
この授業は、エンタテインメント分野を多角的に手掛けるSME社員と共にお届けするプログラムです。あるアーティストの楽曲がみなさんの元へ届くまでを、SMEやグループ会社の社員として関わる方のインタビュー映像を交え、各職種のイメージが持てるよう紹介をしています。
子どもたちにとって身近で関心も高い音楽をテーマに、キャリア教育の一貫で活用いただける授業プログラムです。
本blog記事では、授業の様子を紹介します。
※2023年度分の授業受付は終了しました。
総合的な学習の時間を用いたキャリア教育の一環でお招きいただいたこの日は、『働くこと2~色々な職業を知ろう~』という学校企画の一環で実施され、本プログラムを希望した生徒の方々が教室に集まってくれました。

まずは会社説明。ソニーミュージックグループは音楽ビジネスが中心でありつつも、アニメ制作やライブホールを運営する会社があるなど、20社のグループ会社が集まって成り立っていると説明がありました。華やかでインパクトある流石の映像に、みなすっかり惹き込まれてしまいます。
そして、今や配信が中心でスマホ等を用い誰もが簡単に即時に楽しめる音楽ですが、音楽業界のスタート時に扱っていたというレコードに焦点を当て、音楽が広く親しまれていく歴史を振り返ります。
レコードの発明は画期的な出来事で、かつてはコンサートなどリアルで聞くしかなかった音楽が録音可能になり、実際の場所に行かなくても楽しめるようになりました。その後、記録方法はどんどん進化しCDなども出現しましたが、現在一般的になった配信は2000年前後にスタート。これにより、物理的な物を所有しなくてもデータで音楽を楽しめるようになり、定額制ストリーミングなど、音楽の配信形態が変化したと説明を受けました。

授業では、実際にレコードプレーヤーでレコードを聴きながら、振動が音に変換されていることを説明。また、全員に本物のレコードを直接見て触っていただきました。


レコードの説明や音楽配信の振り返りを通して、音楽業界の主たる仕事は音楽を記録し多くの人へ伝えることと、時代とともに音楽の聴き方は変化しても仕事の本質は変わらないことを学びました。
授業後半は、音楽業界の具体的な仕事内容について知る時間です。
ソニーミュージックに所属するアーティストの実際のレコーディングやライブの映像を通して、全体を統括する総監督的存在のアーティスト&レパートリー(A&R)、アーティストに寄り添い全面的にサポートするマネージャー、レコーディングに具体的指示を出すディレクター、マイクや録音環境の調整などをするレコーディングエンジニア、MVに関わる照明、スタイリストやヘアメイクなど多くの撮影スタッフ、これらのサポートにより、アーティストは表現に集中できることが紹介されました。
また、楽曲やMVが完成した後に世の中に広めていくプロモーター、効果的な販売方法を検討する営業販売推進、一つひとつの職業について、活躍している方の仕事中の様子やインタビュー映像と共に、各職業についての具体的なイメージを得たり、その仕事ならではのやりがいについて学びました。
最後は、授業に来てくださったSME・鳥本さんに生徒から質問タイム。
鳥本さんからは、ソニーミュージックはエンタテインメントを届けている会社なので、何でも楽しんでやる気持ちを持っているスタッフが多いというお話がありました。
| 【授業をご担当いただいた教諭より】 キャリア教育の中で生徒たちが自らの体験を通して、働くことを理解し、意欲を高めていくことは大切だと思っています。今回は音楽という生徒の関心の高い職種から、誰しもが見聞きしたことのある企業様に来ていただき、生徒たちは授業へ積極的に参加していました。また講話いただいた内容も仕事の表面的な部分だけでなく、どのような人たちがつながり合って仕事をし、社会をつくり上げているのか分かるものになっており、労働に対するイメージも楽しく充実したものになったと思います。様々な工夫、ご配慮をいただきながら価値の高い授業をありがとうございました。 【SMEご担当 鳥本さまより】 日常的に音楽を聴いている学生さんは多いと思いますが、その裏側のお仕事を知ってもらう機会はあまりないと思うので、今回このような機会をいただけて大変ありがたいです。今回の授業をきっかけに、音楽業界の仕事に興味を持ったり、より音楽を好きになってくれると嬉しいです。 |
流行りの音楽などに目覚めるお年頃でもある中学生。華やかな音楽業界に憧れを抱く生徒さんもいたのではと想像しています。
生徒の皆さんにとって関心の高い業界を通して、なかなか知ることのない具体的な仕事の流れや内容を知り、音楽業界やそれに限らずとも仕事そのもののイメージが膨らむきっかけになれば嬉しく思います。
2023年11月7日(火)、千葉県のある公立中学校2年の生徒の皆さんへ、「体感して考えよう!環境とエネルギー」の出張授業が実施されました。
本プログラムは、シナネンホールディングスが実施するプログラムです。授業プログラム作成時には企業教育研究会もアドバイザーとして参加させていただき、現在は事務局として募集窓口を担当しています。
今回は、シナネンホールディングスの社員の方々が進行する授業を取材してきましたので、その様子をお届けします!
「体感して考えよう!環境とエネルギー」の授業。
まずは、授業者のシナネンホールディングス広報チームの小栗さんより、シナネンホールディングスが扱うエネルギー(石油、太陽光発電、LPガスなど)や、エネルギーとは何か、地球温暖化とは何か、脱炭素化とは何かなど、エネルギーのイロハについて分かりやすく解説がありました。
光も熱もエネルギーの一種、エネルギーとは「ものを動かすもとになる力のこと」と紹介があり、小栗さんは生徒に皆さんに、「今日の給食は?ピラフ?それも、皆さんのエネルギーになっていますよね。」と話しかけ、和やかな雰囲気で授業がスタートしました。


シナネンホールディングス・小栗さん
生徒の皆さんがエネルギーに関わる概要を掴んだところで、地球温暖化対策のためには脱炭素化に向けた行動が必要と説明があり、「今すぐ自分ができること」について、考える時間を持ちました。
生徒の皆さんからは、「移動には自転車を使う」「買い物にはエコバックを使う」「節水節電」などの発表がありました。
小栗さんは生徒の皆さんの発表の一つ一つに対し、その行動によりなぜ二酸化炭素を削減できるのかについてフィードバックされ、買い物においては、なるべく地元ものを買うことで輸送に関わるエネルギーが削減できるなど、買い物の工夫でも二酸化炭素の削減につながることなどを解説しました。


次は、脱炭素化の有効手段である再生可能エネルギーについての紹介です。
再生可能エネルギーは地球資源の一部として自然界に常に存在するエネルギーのため、化石燃料の使用を減らすために有効と注目されていること、その各種の再生可能エネルギー(風力、地熱等)について、具体的なメリットデメリットを解説しました。
地球に優しいのであれば、全て「再生可能エネルギー」にしてしまえばよいと考えてしまうかもしれません。
しかし再生可能エネルギーは、安定性や費用面の問題もあり、いくら環境のために有効であっても、まだ現時点では再生可能エネルギーのみで電力を賄うことは困難であることが紹介されました。
そして、必要とされるエネルギーを賄うためには、各々のリスクや弱みを知りながら複数のエネルギーを組み合わせて使用することが大切だとして、「エネルギーミックス」という考え方があることを紹介しました。
授業前半では、エネルギーの概要、なぜ脱炭素化が必要なのか、脱炭素化の日本や外国の対策目標、再生可能エネルギーの可能性等、広くエネルギーに関わる問題について学ぶ時間になりました。
授業後半は、いよいよお楽しみのゲーム体験です。
「エネルギーミックスで攻略せよ!街づくりシミュレーション」と題し、生徒の皆さんは、電力需要を満たす(ゲーム上はポイントを稼ぐ)という視点で、街の生き残りをかけたゲームを体験します。
具体的には、グループ毎にどの割合でエネルギーを調達するか(エネルギーミックス)検討し、スタート時は決められた範囲内のポイント数になるようエネルギーを決定します。その後、春夏秋冬を想定した季節ごとの出来事について、「ハプニングカード」を、クラス全体に周知する方法で4回引きます。
「ハプニングカード」には、自然現象や社会情勢の変化がGOODカード、BADカードと両方含まれており、想定外の出来事や世の中の動きにより、選択したエネルギーのポイント数が増減する仕組み。各グループは、ハプニングにより増減したエネルギーポイントを、季節ごとに合計して勝敗を競います。
合計値が大きいグループが、より安定した電力需要に対応し得るエネルギーミックスを選択したグループとして勝ちになります。


この日は、「ほどよい風が吹き続け、風力発電はポイントアップ」、「雨の日が続き、太陽光発電はポイントダウン」」などのハプニングが起こり、カードが引かれるたび、各グループから悲鳴や歓声が上がるなど、大いに盛り上がっていました。
各グループ、自分たちが選択したエネルギーについてポイントが倍になったり、ゼロになったりする経験を通じて、エネルギーミックスのイメージを掴み、見通せない困難さなども体感しました。
最後は、どのエネルギーを選択するのが良いのかについては、立場によって変化することや、エネルギー選択のポイントには「安全性」「安定供給」「経済効率性」「環境適合」があり、自分たちの街に合うエネルギーを選択する重要性について学びました。
| 【授業をご担当いただいた教諭より】 お忙しい中、本校に来ていただきありがとうございました。職業学習発表会では、出張授業で学んだことを活用しながら発表することができました。再生可能エネルギーの利点だけでなく、弱点もあり、補っていきながら生活していくという考え方が子どもたちにとって1番印象に残ったフレーズだと思います。今後も環境保全に向けて自分たちは「何ができるか」を常に考えながら過ごしてもらいたいです。 【シナネンホールディングスご担当 小栗さまより】 エネルギーの話は少し難しく感じるかもしれませんが、私たちの生活には無くてはならないものです。様々なエネルギーを扱ってきた当社グループだからこそお伝えできるプログラムを考えました。生徒の皆さんに興味を持っていただけるよう、クイズやゲームを取り入れ、自ら参加し「体感」することで理解し、環境問題やエネルギー利用について将来にわたって考え続ける素地を作ることを目的としています。当社ではこれからも出張授業を通じて、次世代を担う人材の育成を支援してまいります。 |
中学生の皆さんにとって、地球温暖化や環境問題という言葉自体は耳にすることもあり、知識もある程度あると思います。しかしながら、環境に優しい活動を知るという学びだけでなく、環境に配慮した生活の実現には困難が伴うこと、なぜ環境問題が簡単に解決しないのかという一面を、この授業を通して少し感じていただけたのではないでしょうか。
本プログラムの詳細は、「体感して考えよう!環境とエネルギー」に掲載しています。
様々な企業や団体が独自に出張授業を実施するようになり、出張授業自体は珍しいことではなくなりました。
しかし、実際に授業を担当する企業の方々は、教壇に立った経験がなく、授業は盛り上がるのかと不安を感じたり、もっと効果の高い授業にできないかと悩まれたりしている担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
パートナー企業の方々と企業の知見を活かした授業を開発し、学校へお届けしている私たちですが、既存の授業についてコンサルティングも行っています。
本blogでは、弊会授業開発者と教員を目指す学生インターンが共に取り組んだ、公益財団法人古紙再生促進センターさまの『紙のリサイクル』(小学生向け)の出張授業のコンサルティング例について紹介します。

当初、別件でお問い合わせをいただいていた古紙再生促進センターで出張授業を担当している濱野さん。濱野さんと授業開発者の会話の中で、既に展開中の授業についても、授業の質や盛り上がりをもっと高めたいという思いを秘めていらっしゃることがわかりました。
展開中の授業は、しっかりとした授業用コンテンツがあり、内容は小学4年生の社会科に合致した内容でニーズも高そうです。ただ、授業者が授業をする際、使用する指導案や学習目標はない様子。教員経験のない方が授業を実施するのは、少し難しさがあるのかもしれません。
濱野さんの中には、言葉にはならないけれど何か引っかかる問題意識があるのかもしれない。また、センター全体で毎年60回ほども実施しているこの授業について、会員誰でも授業をできる体制としたいという思いもあるご様子でした。
そこで実際に授業の様子を拝見し、お手伝いできることがあるか検討することに。
提案へ向け、濱野さんが実施する授業を実際に見学させていただきました。
すると、アニメの内容と講師の話が重複してしまっている部分や、クイズの流れや発問が、子どもの知識レベルや授業目標に到達するまでの道筋に沿っていないなど、子どもの集中力や、授業の一体感、盛り上がりについて、確かにもっとできることがありそうな様子が見て取れました。
その中で、私たちが課題に挙げたのは…
| ◆ 児童の理解に沿った問いかけ、声掛け ◆ 児童を飽きさせない、惹きつける働きかけについて ◆ 盛り上がるクイズへの仕掛け ◆ 児童の混乱ポイントの整理 ◆ 授業目標に到達するための流れ |
これらを整理しながら、濱野さんだけでなく、今後誰が担当しても質を担保した授業とするため、指導案と共に、一歩踏み込んだ授業用台本も作成することになりました。
具体的提案へ向け動き出した私たちですが、本件では職員の開発担当だけでなく、学生インターン(※1)も関わり、学生が指導案作成に挑戦しました。職員は提案内容に見通しを持ちつつもファシリテーターとして学生に寄り添い、提案内容をまとめました。
【具体的提案内容】
| (1) クイズがより盛り上がるようにする (2) アニメ視聴における子どもの気づきを 紙リサイクルの説明につなげる (3) 子どもの知識を活かして「雑がみ」の理解を促す (4) クイズで学んだ思考の枠組みを子どもが生かせるようにする (1問目の考えを使用し2問目を考えるような繋がりを 持たせる視点) (5) 年間紙消費量を子どもがイメージしやすくする (6) 子どもが目的意識を持って学習できるようにする (7) 作業が効率よくいくための細かな支援 (8) 早く終わった班に発展的に学習を用意する |
上記8つの提案を行うにあたり、
| ● 具体的発問(問いかけ)文言の提案 ● 正解へ向けた児童の気持ちの盛り上げ方 ● 発問後の児童の回答を活かした返答例提示 ● より理解を促す教材の提示順 ● 子どもがイメージしやすい例への変更 ● 子どもが手間取る作業について詳細検討 (紙をちぎる大きさや加える水の量、ミキサーをかける時間)等 |
を検討しました。
作成した指導案には指導上の留意点がまとめられ、子どもが理解する過程などもイメージできるようになっています。また講師用には台本と、充実した配慮事項があることで、授業経験が浅い担当者でも無理なく効果の高い問いかけなどが可能になります。
提案を盛り込んだ授業を改めて実施する機会があり、授業後に子どもたちへアンケートも行いました。当日の授業は、子どもたちの興奮が収まらないほど、クイズも大盛り上がり。楽しく、学習目標も達成した授業となりました。
【学習効果について(児童アンケートより)】
楽しく授業を受けられたか、理解ができたと思うかについて9割以上の児童が肯定的な回答をし、理解を確認する質問項目でも9割以上が正解を選びました。
記述回答では、これからは紙を無駄に使わず種類ごとに分別したい、こんなに簡単に葉書が作れると気づいた、コピー用紙があんなにきれいな葉書みたいになることに気づいた等、授業を通して紙リサイクルについて関心が高まり、葉書を作る活動においても時間内で失敗が少なく活動ができた様子が伺えました。
この度は既存授業の見直しにご協力いただき、ありがとうございました。私どもは教育が専門ではないため、実際に学校にとって役に立っているのか、児童に楽しんでもらえているのかとの不安がありました。
今回の見直しにおいて、この内容であれば学習指導要領の内容に即しているためニーズがあるとお墨付きをいただいたことは、これまでのモヤモヤが晴れた気がしました。
また、授業の進め方や発問の仕方についていくつかアドバイスをいただきましたが、学校の先生方はこのような工夫で子供たちの集中力を維持させているんだとわかり、とても勉強になりました。
これからは自信を持って広い地域で展開していくことができそうです。ありがとうございました。
【菅谷美玖さん】
古紙再生促進センターさんの授業改修は私にとって、授業実施以外の業務を行う初めての経験でした。古紙再生促進センターさんからいただいた【誰でも盛り上がる授業がしたい!】というご依頼に対し、児童の反応を予想し、活動や発問の改善点を考えました。また、台本や指導案を作成する際に、教師の視点ではなく「子どもの視点」に立って発問を考えることを意識して、3人で分担し台本作成を進めました。この経験を通して、実際にACEで授業を実施する際や教育実習でも、子どもの思考に合わせた発問を心掛けるようになりました。また、私は実際の授業を参観することはできませんでしたが、職員の方や他のお二人の話を聴き、私たちが工夫した点がきちんと授業者と子どものかかわりに活かされている様子を聞き、嬉しく思いました。また、今回の改修で重視されていた 「誰でも」という部分を意識し、職員の方から助言をいただきつつ、セリフや反応例を考えることで、私自身の発問を見直すきっかけになりました。課題を見つけ、その課題を乗り越える工夫を台本や指導案に落とし込んでいく経験は初めてでしたが、この経験が後の授業実施やACEでの活動に活きています。貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。
【髙砂文音さん】
私は台本作成の中でクイズの出し方の部分を担当しました。何をクイズにするかはもちろん、クイズの順番も子どもたちがどのように学ぶかに関わってくる大切な要素であるということを学びました。
改善した授業の見学もさせていただいたところ、学生で考えた学ばせたいポイントを楽しく学んでいる様子を見ることができ、とても嬉しかったです。
私自身も学ばせたい事を意識した授業を考えることにつながるとてもいい経験になりました。
【根本美香さん】
私はすでにある指導案をもとに授業の流れを意識して台本を作りました。授業づくりにおいて、指示出しや発問の仕方などの工夫や留意点だけではなく、学んでほしいことをどのように伝えるのか、学びの場をどのようにデザインするのか等、教師や子どもの視点から授業の流れを考えることの大切さを改めて実感しました。実際の授業をイメージして台本を作る際、自分だけでは気付けない部分について、学生同士の意見交換の場を設定したり、職員の方からのアドバイスをいただいたりしたことで、多様な視点から授業づくりについて考えることができました。大変勉強になりました。今回学んだことを、今後の授業づくりに活かしていきたいと思います。
授業改善のご依頼をいただいた後、古紙再生促進センターで作成された指導案をもとに小学4年生の授業を拝見させていただきました。
確かに、濱野様がおっしゃるように子どもたちの授業への集中力やクイズの盛り上がり等々、授業の中からいくつかの課題を把握することができました。
とはいえ、木材パルプや古紙パルプ等の実物、紙リサイクルの重要なポイントをわかりやすくまとめたアニメーション、どのような紙が紙リサイクルできるのかというクイズ等々、授業で扱う一つ一つの素材は素晴らしいと思いました。
この授業参観により、発問やアニメ視聴の前後の問いかけ、クイズの出し方を変えることで、子どもたちが楽しみながらも授業に集中して取り組み、かつ知識も定着できるような授業に改変できる見通しができました。
その後、弊会の学生インターンとともに授業プランを練り直し、併せて授業台本も作成しました。
おかげさまで、これらをもとに古紙再生促進センターの濱野様に授業をしていただき、想定していた成果を上げることができました。
これも濱野様を始め古紙再生促進センターの方々の授業をよりよくしたいという真摯な姿勢のおかげだと感謝しております。
企業や団体の方々がお持ちの教材や出張授業には、より一層子どもたちの学習意欲を高めたり、理解や思考力の向上を促したりする可能性がたくさんあると考えています。
弊会としては、今後ともこうした教材や授業をよりよいものに作り変えるお手伝いをさせていただければと思っております。
濱野さんは、今回の取り組みを通して、〇×クイズが3問目までの回答をふまえ4問目につながることや、子どもを落ち着かせるアドバイスなど、専門の方に聞いたことが効いていて、授業がよりよくなっていると感じているとお話しくださいました。
私たちの組織は、教師だけが子どもたちの教育に関わるのではなく、企業で働く人や大学生も教育に関わり、将来的には誰もが教育に関われる社会の実現を目指しています。
本記事を通して、学校の先生が様々な工夫を凝らした上で授業が成立していることの一端を知っていただけたのではと思います。もし出張授業で悩みを抱えている企業担当者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度私たちへコンタクトを取ってみてください。
また、これから指導案作成や授業アレンジを経験する教育系の学生さん等にも、内容について参考にしていただけたら嬉しいです。
2023年9月29日(金)、取手市立取手東小学校6年の児童の皆さんへ、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)と企業教育研究会とでお届けしている「ゲームでつながる授業と仕事 ~ゲーム会社で働く人たち~」の出張授業を実施しました。
先日公開した ~ゲーム制作と算数・数学の意外な関係~ の記事に続いて、授業の様子をお届けします。
子どもにも大人にも人気の高いゲームを題材に、家庭用ゲーム機「プレイステーション」を手掛けるSIEの社員と共にお届けするこの授業。
~ゲーム会社で働く人たち~ については、キャリア教育の一環で多く活用いただいているプログラムです。

爽やかな気持ちのよいお天気になったこの日。
多目的室に集まってくれた児童の皆さん。
元気いっぱいに授業が始まりました。
前半は、数学(算数)編と同じく、SIEの社内ツアーと称し、社内の様子について写真を交え紹介します。

その後は、本日の題材となるプレイステーション®4用ソフトウェア『Newみんなのゴルフ』を実際に体験します。
体験者は代表一人なので、今回も熱いじゃんけんが繰り広げられました。

じゃんけんの後は、早速、権利を勝ち得た児童さんがゲーム体験‼
初めてゲームを体験する場合も心配いりません。
講師が補助に付き、簡単な操作で1ホールのゴルフゲームを楽しく体験されたようです。

ゲーム体験では、SIE社員の方の解説を聞きながら、体験者の一挙手一投足に他の児童の皆さんも大注目です。
いいプレイが出て、先生も両手をあげて大喜びしていました!

そして、本プログラムに申込み下さった望月先生。
先生の私物である、貴重なプレイステーション®2と、当時のゲームソフトを持ってきてくださっていました。
急遽児童の皆さんにも紹介し、ゲーム機自体も時代と共に進化していることを実感いただきました。

実際のプレイを通して、題材となるゲームがどのような物か理解した後は、いよいよ『働く人たち』にフォーカスして授業が展開されます。
『Newみんなのゴルフ』のゲームソフト制作に関わった人数や、ゲームソフト制作以外の仕事に関わる人達がいることなどを、児童の皆さんに問いかけながら進めます。
上記説明で、ゲーム会社にはゲームソフトを作っている人ばかりではないと気づいてもらったところで…
5人のSIE社員に登場してもらい、それぞれどんな仕事(プログラマー、プロデューサー、営業、お客様相談、宣伝)をしているかについて、ワークシート等を用いながら、クイズ形式で学びます。

クイズ形式で進める授業の目的は楽しく学んでもらうためです。
もちろん、周りの人との相談もOK。
講師も児童の皆さんの様子をみながら、ヒントを出して進めます。

児童の皆さんがワークシートに答えの予想を書き終えたら、5人の仕事についての答え合わせです。
それぞれの仕事の解説の中では、プログラマーがキャラクターを動かすために算数や数学の数式をプログラムに盛り込んでいることを、写真のように、実際に数式が動いているイメージと共にお伝えしました。

また、営業担当の社員が、服装や言葉遣いに気をつけて、お客様にゲームを知ってもらうためにゲームショップの皆さんに売り場の飾りつけをご提案することや、
お客様相談担当の社員が、お客様からかかってくる電話内容について、その内容を社内の関係者に伝えることで、次回の製品開発に活かすことなど、
なかなか子どもの調べ学習だけでは学ぶことが出来ないさまざまな仕事内容について紹介します。


最後に、SIEの講師より、
●ゲーム会社には、ゲームを作っている人以外に色々な仕事をしている人がたくさんいること
●いま勉強していることが、将来の仕事にもつながっていること
を、具体例も交え『まとめ』として話しました。
会社内の様子や仕事内容について、クイズ形式で進めていただいたので、子どもたちも飽きることなく学習に取り組むことができていました。質問にも一つ一つ丁寧に答えていただいたので有意義な時間となりました。
今回はSIEの授業にお申込みいただいてありがとうございました。先生も生徒の皆さんもとても仲が良く、明るい雰囲気で迎えてくださり、私も楽しく貴重な時間を過ごさせていただく事ができました。ゲームという身近な題材を使って、「作る仕事」「売る仕事」「プレイステーション®を買ってくれた人のサポートをする仕事」など、たくさんの仕事があることを伝えることで、学校の外の世界や働くということについて何か新たな気づきがあればとても嬉しいです。弊社は今後も企業教育研究会の皆さまと協力し教育貢献活動を続けてまいりますので、ぜひまたお声がけください。
通常は遠隔授業を中心にお届けしている本プログラム。記事公開にて紹介したキャリア、数学(算数)に関連した授業の他、保護者の方も気になる「ゲームとの付き合い方を考えよう」の計3つのプログラムにて展開しています。