企業教育研究会(ACE)には、学生スタッフが多く所属しています。そうした学生スタッフと共に社会を学ぶ機会として、ACEでは企業の方にご協力いただき、定期的に企業訪問を企画しています。卒業後は教員となる学生スタッフも多いため、本企画は、教員を目指す学生スタッフが企業の方と接する貴重な機会にもなっています。
11月11日。この日は、世界的タイヤメーカー、そしてグローバル企業である株式会社ブリヂストンさま(以下ブリヂストン・敬称略)へ訪問してきました。
社是に『最高の品質で社会に貢献』を創業時から掲げ、ブリヂズトンには社会貢献の精神がDNAに組み込まれているとお話しされる社員の皆さん。その言葉通り、創業の地である久留米工場から現在の小平市にある東京へ工場を移転する際に、移転先に病院や学校ごと寄付した事例もあるとのこと。
そんな社会貢献への想いが熱いブリヂストンとACEは、学校への出張授業活動も10年以上のお付き合いです。
今回の訪問では、身近ではあるものの意外と知らないことも多いゴム・タイヤのことのみならず、未来に向けた研究の紹介、社員の皆さんとのざっくばらんな座談会と盛りだくさんの一日になりました。
このblog記事では、そんな企業訪問の様子についてお届けします。
企業訪問前半は、一般にも開放されている Bridgestone Innovation Gallery を、解説付きでご案内いただきました。
詳しくは、ブリヂストンのホームページに記載があるため割愛しますが、「最高の品質で社会に貢献する」ということを本当に大切にされ、社会課題の解決に向けさまざまなソリューションを提供していただいていることを知ることができます。ゴムと言えばゴムの木を想像しがちですが、未来や環境のためにタイヤの原料になる植物の多様性についても研究がなされていること、レース出場はタイヤに過酷な環境を与える実験の場としても貴重なことなどなど、実際に費用も人材も投入して活動を進めていることをとても分かりやすく解説いただきました。
小学校の社会見学でもよく使用されている施設とのことでしたが、大人の私たちも興味を惹かれる話や展示ばかり!
一通り解説をいただいたのですが、再度詳しく見学したい‼‼とワガママを言ってGalleryに舞い戻った私たちなのでした。
レーサーのサインや実際にレースで使用された装具など華やかな展示もあり、見応えのある学び時間になりました。
後半は、社員の方々と交流タイムを設けていただきました。
就職活動も気になる学生スタッフのために、現在のブリヂズトンでのお仕事内容のみならず、学生時代のことから前職のことまで、ざっくばらんにお話をいただきました。
社員の皆さんの素敵なお人柄に加え、明るくオープンな雰囲気で接していただき、学生たちもリラックスして質問している様子でした。
【学生スタッフ 菅谷美玖さん】
原料の選定やタイヤのリユース、使用したタイヤに熱分解等を加え原料に戻すなど環境にやさしい製品を届けるためにたくさんの工夫をされていることに驚きの連続の見学でした。
また、社是に社会貢献という言葉を組み込まれているブリヂストンさんだからこそ、多岐にわたる社会貢献活動を通して、未来の社会をより良いものに、また未来の子どもたちのために何ができるかを大切にしているというお話が特に心に残りました。
今回の企業訪問で学んだことを授業にどう活かしていくかという視点で振り返ってみた時に、ブリヂストンさんなどのその企業さんだからこそもてるリソースについて理解を深めつつ、子どもと一緒にこれからの持続可能な社会の創出にどのように関わっていくかを一緒に考えるような、社会とつながるきっかけを子どもに提供することがとても大切であると改めて感じました。
今回お話させていただいた小平様・中井様はじめ、社員の方からでないときけない現在の部署に移った経緯や想い、社会貢献活動を実施するに至るまでの流れなどについてお聞きできたことで、より社会や企業について学ぶことができ、とても勉強になりました。この度はとても貴重な機会をありがとうございました。
【学生スタッフ 岡田雪寧さん】
社会貢献への考えと探索事業が特に印象に残りました。創業者である石橋正二郎氏の社会貢献への意識が今も受け継がれ、会社全体に浸透していることを教えていただきました。近年、企業には環境への配慮が求められるようになり、「グリーンウォッシュ」や「SDGsウォッシュ」などが横行している実態がある中、ブリヂストンがはるか前から「最高の品質で社会に貢献」という社是を掲げて企業活動を行っている先見の明には驚きました。また、「地球は未来の子どもたちからの預かり物」という考えが広く共有されれば、多くの問題が解決に向かいやすくなるのではないかとも感じました。
月面探査機に使用する金属製のタイヤ、ゴム人工筋肉を搭載したソフトロボットハンド、電気自動車の充電・駆動に必要な装置を内蔵したタイヤ、空気を使わないタイヤなど、探索事業に関する話も伺いました。タイヤ作りのコア技術はゴム製タイヤにあると考えますが、時代やニーズの変化に応じてゴム以外の素材を使ったタイヤに展開する可能性や、ゴムを別の用途に活かしてロボットハンドに応用する可能性も開かれていることに驚かされました。私自身も、磨きたいコアの強みが何か、そしてそこからどのように発展する可能性があるのかを考えると、非常にワクワクします。
この度の企業訪問につきましては、お忙しい中、ブリヂストンの小平さん、中井さんに多大なるご協力をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。大変貴重な機会をいただき、ありがとうございました。