2025年1月22日(水)、千葉県立幕張総合高等学校・看護科3年生の皆さんへ、「数学がわかると未来が見える!」 の出張授業を実施しました。
こちらの出張授業は、IBMが全世界の高校生向けに提供しているWeb学習コンテンツ「IBM SkillsBuild」を活用頂いている高校の方へ、「IBM SkillsBuild」と組み合わせて活用いただく授業プログラムです。
「IBM SkillsBuild」には、STEAM技能の育成にも活用できる「人工知能(AI)の利活用」「データサイエンス(データと分析)」「ブロックチェーン」「モノのインターネット(IoT)」などの解説や、それらの世の中での活用、関連する職業人のインタビュー映像などが掲載されています。


NPO法人企業教育研究会(ACE)はIBMとパートナーシップを結び、希望される高校へ「IBM SkillsBuild」の活用サポートをしています。
「IBM SkillsBuild」に登録しeラーニングの形で学びを進めていただきながら、この組み合わせ授業プログラムは出張授業形式で、生徒はワークシートの演習問題を通してデータの活用や分析を体験します。総合的な探究の時間で扱う、データの収集や分析を実施する際の、きっかけの授業としても活用いただける内容です。
具体的には、アニメーション教材を活用しながら、とある架空の学園における生徒会会長選挙を舞台に、無理なくステップを踏みながら調査データを分析して選挙動向を予測します。
製品の開発や街づくり、選挙結果や気象変動の予測など、社会・経済の問題解決において情報(データ)が活用されていることを知り、ビッグデータが社会でどのように活用されているか理解するとともに、日常の学習との結びつきについて実感することを目的としています。
「数学がわかると未来が見える!」 の詳細はコチラ
講師と生徒のみなさんは、別の授業で既に顔合わせをしていた関係もあってか、和やかに授業がスタートしました。
まず講師を務めた職員の市野より、世の中には情報が溢れているが、さまざまな場所で示されているデータには根拠があることや、その情報の根拠はデータサイエンティストが担っていることなどを説明。
世の中のデータが日常生活の中で活用されていることに対し、生徒たちに理解を促します。
その後、今日の授業では、グローバル化がさらに進んだ西暦2200年、未来のとある学園の新聞部部員になるという設定で授業を進めること。具体的には、その学園の生徒会会長選挙を舞台に、調査データを分析し選挙動向を予測してもらうことを伝えました。
その世界観へはアニメーション教材の視聴を通して誘います。
生徒たちはアニメーションを見ながら、登場する3名の立候補者を見て、「かっこいいー♪」とつぶやいたり、ちょっと笑ったり…
また、舞台となる学園で導入されている成績階級システム(ATシステムといい、成績応じ学園生活でさまざまな優遇が受けられる制度)について周りと話すなど、その世界観に違和感なく入り込み、活動の課題となっている生徒会会長選挙について思考をめぐらせている様子でした。

アニメーションの設定を振り返りながら、さっそくワークシートを用いてMISSION1に取り組みます。
MISSION1は、グラフを参考に今年の選挙結果を予想することです。
配布するワークシートには、今年の支持者数調査のグラフと、過去3年間における支持者数調査結果を示しています。
生徒たちは、グラフを見、周りとも相談しながら、立候補者の誰が選挙に当選するかについて理由とともに予測します。
ちなみに立候補者は、3度目出馬で知名度抜群 『エリ―・ベネット』、タレント活動により校内ファンクラブ乱立の人気者 『戸田隼人』、誠実な性格でATシステム撤廃を公約とする『リカルド・太郎』の3名。
生徒同士の話し合いでは、知名度が関わるんじゃない?支持層はどう?気持ちとしてはリカルドに頑張って欲しいけど…など、議論が盛り上がっている様子です。
手を挙げてもらいみんなの予想を確認すると、この段階では『戸田隼人』が選挙に勝つと予想した生徒が多そうです。
講師より、過去の傾向を読み解くと、投票者未定の割合が多いと最後にどんでん返しが起こり得るという予測ができることや、複数回の出馬は当選しやすいことが予測されることなど、いくつか考えられる予測の根拠について説明しました。
MISSION2へ続きます。


学園内における投票日約1か月半前から投票日までの動きを、生徒たち自身も新聞部部員として共に追っているという想定で進むこの授業。生徒たちの予想から1週間後、新聞部部長から「事件が起きた」との知らせが!?!?


それは、成績による優遇制度ATシステムの不平等な状況を暴露した動画が公開されたというニュース。
そのニュースを踏まえ、新聞部部員として各候補者のATシステムへの考え方について演説を聞き(アニメーション視聴)、さらに成績レベル別の支持数データも活用しながら、さらに予測に変化があるか再検討します。
MISSION2では、データを読み取り、支持者の傾向の説明として正しい記述を選び、投票者未定の人が今後誰を支持しそうか予測します。
ワークの後には、今回提示したデータより予測できることについて、講師よりいくつか解説を行いました。
その後も、時間の経過とともに支持者層の変動を追う生徒たち。
各候補者支持数の増減を見て、「アー!」、「おぉー!」など反応があり、没入感をもって授業の進行を楽しんでいる様子です。
最後、MISSION3では、投票日1週間前にとった投票者未定の生徒への緊急アンケートのデータを分析。生徒たちが固唾をのんで見守った選挙結果はいかに?
講師は投票結果が判明したあと、「計算上と実際の結果が一致しない理由として考えられることは?」と問いかけます。それに対し、直前の調査のサンプル数が少なかった可能性や、1週間前のデータからさらに何か予測しきれな状況の変化があった可能性など、データを用いる際に留意するポイントについて紹介しました。


最後にまとめとして、「授業では少ないデータで手計算を行って分析していましたが、今は大量のデータを機械で処理できるようになっています。また、実社会のあらゆる判断の裏に、データを分析している仕事をしている人たちがいます。日ごろからデータをもとに自分の意見を考えることを、この授業をきっかけに意識してみてください。」と伝えました。
幕張総合高等学校看護科の生徒のみなさんは、高校卒業後の2年間、引き続き看護専攻科として同じ学び舎に通います。
『IBM SkillsBuild』 については、大学生向けの学習内容へ進み引き続きご活用いただく予定です。