2024年10月29日(火)、栄町立栄中学校2年生の生徒のみなさんへ、株式会社マイナビ(以下マイナビ)と企業教育研究会(以下ACE)でお届けしている「カードゲームで学ぶキャリア図鑑 -未来を拓く仕事と社会!自分の可能性を探究しよう-」の出張授業を実施しました。

 

キャリア教育でよく行われる「職業調べ」では、子どもたちは見聞きしたことのある職業について調べがちです。しかし、「もっと幅広い職業に、子どもたちが目を向ける機会が得られないだろうか。」と、スタートしたこのプログラム。

 

この授業プログラムは主に中学2年生を対象にしており、総合的な学習の時間、キャリア教育として、授業2コマ(50分×2)にて活用いただける設定です。授業展開は、1時間目はオリジナルカードゲームを用い様々な職業があることを知る授業を。2時間目は多様な業種・職種の人々が、連携して社会を支えていることを学びます。そして、生徒自身が、自分の将来、仕事を通じてどのように社会と関わりたいか、職業についてのイメージを膨らませます。

 

本年度7月より全国へお届けしている新しい授業プログラム。このblog記事では、授業の様子を紹介します。

「カードゲームで学ぶキャリア図鑑 未来を拓く仕事と社会!自分の可能性を探究しよう」 指導案等の詳細はコチラ

キャリアとは?職業とは?社会参加とは?

早速スタートした出張授業。

生徒たちに、今日の授業では職業について注目していくことを案内した後、マイナビ社員講師は、「将来の仕事に対して、既にイメージを持っている人は?」と問いかけました。しかし、ほとんどの生徒は手を挙げず、「逆にイメージが無い人は?」と聞くと、たくさんの手が挙がりました。まだ、将来の仕事に対して具体的なイメージを持つ生徒は少ないようです。

 

そこで、学校では、委員会活動を通じて生徒たちが学校生活に参加しているように、大人も仕事を通じて社会に関わっていることを説明。また、世の中には17,000以上もの職業があることなどが紹介されました。

生徒たちは、職業の数が17,000もあるということに驚きの表情を見せていました。

オリジナルカードゲームを通し、多様な職業があることを知ろう‼

オリジナルカードゲームの舞台は、鉱山閉山後、少子高齢化と人口減少が進んだ“まいひな市”という架空の市。”まいひな市”の4人の市民は地域を盛り上げるため、それぞれ企画したプロジェクトを進めています。しかしながら、それらのプロジェクトは思うように進んでいません。そんなゲームの設定背景を、生徒たちはアニメーション映像を通して理解します。

 

ゲームは4人1組のグループで活動します。1人の生徒が1人の市民を担当し、それぞれのプロジェクトの課題解決に必要な業種カードを集めます。グループ4人で協力して業種カードを集め、さまざまな業種・職種を連携させながら、“まいひな市”地域活性化の肝であるバーチャル鉱山を充実させていくことが最終目標です。

 

初めは恐る恐るゲームを進めていた生徒達も、タームを重ねるごとにスピードアップし盛り上がっている様子。

 

自分が使わない業種カードはグループ内で譲れるシステムがあるため、自然とカードに記された業種や職種について声に出す姿も見られました。イレギュラーなサポートカードでの動きも含めると、目標の12タームが終わる頃には50枚以上のカードをめくり、そこに書かれている業種や職業について目にしている生徒たち。体感的にも、世の中には多くの仕事があることを知っていただけたのではないでしょうか。

様々な業種の人たちが連携し、社会を支えていることを考えよう‼

2時間目。次は、先ほどのゲームで同じ市民を担当した生徒毎に集まり、課題解決に必要とされた業種の人たちが、具体的にどういう仕事をし、互いに連携したのかを考えます。

生徒たちはワークシートに向かいながらも、すぐには、それぞれの業種において具体的に何をしたのか考えるのは難しく感じている様子もありました。しかし活動が進む中で、机間巡視する講師たち(マイナビ社員・ACE職員)や先生方からアドバイスをもらい、業種連携についての解説を聞く中で、少しずつ様々な仕事を持つ人々が連携して課題を解決し、社会を支え充実させていることについてイメージを持てているように見えました。

「何を大切に働くのか」は人によって多様なことを知り、自分の将来についても考えてみよう‼

最後に解説タイム。ゲームで題材になった4人の市民が、それぞれ何を大切にして働いているのかを紹介しました。その中で、仕事に対する「やりがい」などは人それぞれであり、様々な勤労観があることを伝えました。また、副業などの新しい働き方、産官学の連携なども紹介しました。

 

マイナビの講師からは、これからは複数の仕事を掛け持ちすることも可能で、やりたいことを一つに絞らなくても良い時代になってきたという説明がありました。中学生にとって、新しい働き方の情報を得、将来に対しイメージを膨らませる機会になりました。

 

また、ACE講師からは、もうすぐ向かう職場体験では、自分がお世話になる先の業種職種だけではなく、他にどのような仕事が関わっているのか、その職場の人たちがどういう思いを持って働いているのか、ぜひ気にして体験してきて欲しいと伝えました。

熱意をもってお話くださったマイナビ社員講師の松本さん。
生徒たちもしっかり耳を傾けていました。

【生徒の感想より】

(アンケートより抜粋紹介。)

‣ゲームのルールを理解するには少し時間がかかったけれど、このゲームをして色々な職業や業種を知ることができた。
‣カードゲームの説明がものすごくわかりやすくて、楽しく学ぶ事が出来ました!
‣どういう仕事があるのかを前より知ることができました。
‣一つの概念にとらわれずに、いろいろな業種について、調べたいです。
‣自分の力だけでなく、身近な人に聞いたり、インターネットを使うことが大切だと思いました。
‣様々な仕事の人が協力しているとわかってよかった
‣「働く」ことの意味を考えながら、社会への参加を考えていきたいです。
‣給料だけでなく自分の向き不向きも考えようと思いました。
‣自分がやりたいと思う気持ちを大切にしたい。
‣将来のために勉強したいと思った。
‣将来に対しての関心が高まった。


【 栄町立栄中学校 2学年担当 黒田雄一 教諭より 】

今回初めて応募させていただき、進路学習の一環として、総合的な学習の時間の中で授業を行っていただきました。

多様な人と関わる中でのコミュニケーションの大切さや、相手の気持ちを考えながら自分の考えを伝える力を、実践的に学ぶことができたと思います。用意された教材が、とても細かく理解しやすいもので、生徒の興味を引く内容で作られており、1回目のロールプレイングからスムーズに話し合い活動に入ることができました。事後のアンケートからも「話し合い活動がとても楽しかった」などの意見が多く見られ、楽しみながら意欲的に授業に取り組む姿が見られました。

今後予定している職業体験授業や、2年次に行う職場体験にもつながる大変貴重な経験をさせていただいたと思います。ぜひ来年も経験させたい内容だと感じました。ありがとうございました。

【 株式会社マイナビ 就職情報事業本部 松本勢以 さまより】

生徒のみなさんは職業のイメージがつかない中でも、カードの内容を確認しながら、チームで職業を想像する姿がありました。

世の中にはたくさんの職業や仕事があることを少しでも知って、学んでいただけたかな。と感じております。今回の授業ですぐに「これだ!」というものが見つからないかもしれませんが、広い視野を持って、自分の可能性に挑戦してほしいと思います。

私自身も生徒のみなさんの取り組む姿を見て、刺激をいただきました。


パートナー企業:株式会社マイナビについて

「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」をパーパスに掲げ、人々の人生に寄り添い、サポートする多様な事業を展開しています。主力事業である人材ビジネス領域においては、就職、転職、アルバイト等を中心とした情報サービスや人材紹介サービスを展開。また、進学、ウエディング、ニュース、農業など、多数の生活情報メディアを運営しています。ユーザー一人ひとりに向き合い、その人の可能性を広げ、今までの生き方にとらわれない新しい未来が見えるようなサービスを提供いたします。

URL:https://www.mynavi.jp/

6月15日(土)に開催された、163回目を迎える「千葉授業づくり研究会」。

テーマは『「リスキリング」から、これからのキャリア教育を考える』です。

人生100年時代とも言われ、定年制度もなくなるかもしれない昨今、「リスキリング」への関心はどんどん高まっています。リスキリングと聞くと、社会人向けのような印象もあります。しかし、学校で実施するキャリア教育において、育成を目指す項目のひとつに「キャリアプランニング能力」があるように、今の子どもたちには生涯にわたり自分のキャリアを考えていく力が求められています。となると、学校でのキャリア教育に「リスキリング」の考え方を入れることも重要ではないでしょうか。

今回の研究会では、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を手掛けるアデコ株式会社(以下アデコ)の武井森さまを講師にお招きし、自分たちが望むキャリアを継続して実現していくスキルを身につけるため、アデコさまが取り組む事例武井さま自身の経験についてお話しいただきました。

アデコ株式会社・武井森さまによる講演

「リスキリング」から、これからのキャリア教育を考える』

『「人財躍動化」を通じて世界を変える』をビジョンに掲げるアデコは、ただ人と仕事をマッチングさせるだけでなく、働く人の思いや企業のビジョンとのマッチング、さらには社会で求められているスキルと個人のスキルをマッチングさせスキルアップを支援するなど、人財が躍動するような「ビジョンマッチング」を推進しています。

 

その中で武井さまは、リスキリングを中心とするさまざまなキャリア支援や研修事業をご担当。一般的に「リスキリング」とは、技術革新や社会の変化に対応するために新しい知識やスキルを学ぶこと、という意味をもつ言葉です。しかしアデコでは、「人財躍動化」というビジョンに基づき、スキルを身につける人の内面にもアプローチをしながら「リスキリング」を推進していくことを大事にされています。

今回の研究会では、そんなアデコの「リスキリング」について、3つのトピックに分けてお話しいただきました。


リスキリングとは何か

まず、今回のキーワードである「リスキリング」の定義を改めて整理するところから研究会がスタート。

2020年の定義(経済産業省HPより)によると、リスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する・させること」であるとご紹介いただきました。

 

すると、武井さまから「2024年の今、この定義に最も重要な言葉を足すとしたら何を追加しますか」と問いが投げかけられました。参加者同士で話し合いながら、「誰もがよりよい社会にしていく」「人材を確保する」「古いスキルを捨てて」など意見を交わしました。

 

参加者の意見を確認した後、武井さまは、「デジタルリテラシー、持続可能性(持続可能なビジネス実践・持続力)、柔軟な思考力」の3つ、特に持続力が重要ではないかと指摘されました。一度リスキリングをすればいいわけではなく、新しい技術や社会の変化に応じて、自分の技術を何度も何度も磨き続ける力が必要と感じていると話されました。

 

では、現代社会で必要とされる、もしくは今後必要とされるスキルを身につけ、そのスキルを磨き続けるためのリスキリングの持続力はどのようにすれば維持できるのでしょうか。

 

アデコでのリスキリングにおいて武井さまが常々大切にされていることは、「まずは自分のビジョンを考えること」だそうです。はじめにもお話があった通り、リスキリングをしていく上での大事な要素のひとつに持続力があります。持続力を担保するために重要な要素となるのがモチベーションです。そして、そのモチベーションを維持していくためには、「自分のビジョン」を明確にすることが重要であると武井さま。

 

そこで、自分自身のことや社会とのつながりに目を向けながら、ビジョンを明確にするためのツールのひとつとして「IKIGAI」をご紹介いただきました。

 

自分を発見するために考えるべき4つのステップ(IKIGAI)

「IKIGAI」はアデコが提供するフレームワークの一種です。このワークでは、好きなこと、得意なこと、やりたいことをまず考え、その上で社会が求めていることを考えます。そして下図のように、それらの重なりから、自分なりの仕事へのビジョンを見出します。ワークの中心「IKIGAI」に位置できれば、モチベーションを維持し得る、楽しく生きがいが伴った仕事になります。

 

武井さまが仰るには、このワークで大事なこともやはり、持続力。このワークでは、必ずしも、常にIKIGAIの真ん中に自分が位置していなくてもよく、社会や自分自身の変化に応じ、何度でも見直し、自分のIKIGAIを考え続けることが重要とのご紹介でした。

https://www.adeccogroup.jp/pressroom/story/005 (アデコ株式会社HPより)
和気あいあいと活発に意見を交わす参加者たち

組織と個人はどうすればリスキリングができるか

3つ目のトピックは、どのように上記IKIGAIを意識し、組織として、もしくは個人としてリスキリングを実際におこなっていくのかです。武井さまからは5つのポイントをお話しいただきました。

 

【リスキリングをおこなうための5つのポイント】

1.ビジョンを掲げる

組織として何を目指していくのか、その中で個人としてどこを目指していくのかゴールを決める。

 

2.具体性のあるプランを示す

リスキリングにどれくらいの期間をかけ、何を、どのように進めていくのか具体的に決める。

 

3.(リスキリングに)投資を続ける

すぐに結果が見えなくても、スキルアップなど目標達成に必要な投資は継続する。

 

4.わかりやすい目標にチャレンジする

こんな資格を取るとよいなど、目指す方向性が具体化されることでモチベーションの向上にもつながる。

 

5.言葉だけでなく仕組みと紐づける

資格取得をした人への報酬などはよく見られる例ですが、それだけではなく、得たスキルや資格を活かす実践の場の提供までをセットにすることがスキリング及びリスキリングで重要なノウハウ。

 

 

武井さま自身も、エンジニアからコンサルタントになられたという経験をお持ちであり、当時のリスキリング体験も交えながらお話しいただきました。研究会に参加していた方々も自分自身を振り返りながら、リスキリングとどのように向き合っていくのかを考える時間になりました。

 

この5つのポイントを伺いながら、大きな目標を立て、その目標を達成するためにスモールステップの目標を立てるという手立ては、学校でもよく行われていることだなと、リスキリングと学校教育の共通点を感じました。

研究会参加者とディスカッション ー「リスキリング」を学校教育で活かすにはー

武井さまからお話をいただいた後、参加者とのディスカッションを行いました。

ディスカッションの内容を一部ご紹介します。

 

Q:生涯学習とリスキリングの違いは何でしょうか?リスキリングは既有のスキルと対極のものを身につけていくという認識でよいのでしょうか?

武井さま:基本的には共通のもので、変化に応じたスキルを身につけていくというニュアンスが、リスキリングには強いという捉え方がよいのではないかと思います。組織に個人を捧げるのではなく、社会の変化に対応し世の中を生き抜くために必要なスキルを身につけていくことが求められています。

 

Q:リスキリングはこれからの世の中を生き抜くためにとても重要なことだということを感じましたので、(自身が受け持つ)生徒に伝えていきたいと思います。世の中を生き抜くとはどういうことかを生徒にわかりすく伝える言葉を考えると、「生き抜くこと=稼ぐこと」と感じましたが武井さまはどのようにお考えでしょうか?

武井さま:世の中を生き抜くことをよりわかりやすく伝えるとするならば、「稼ぐ」よりは「柔軟性」に重きを置いて伝えることが大事ではないかと思っています。高校生に世の中を生き抜くということを考えてもらうには、「柔軟性」という言葉だけではイメージがわかないと思うので、具体例を挙げて考えてもらうしかないのではと感じます。

 

Q:実践の場を与える重要性の話があったが、失敗が続く不安定さ・悩みへの対応は何ができますか?

武井さま:失敗の過程がとても重要で、次どうしたら良いと思う?とサポートをしていくことで混沌が良い学びの場になるのではないか。それと同じくらい、成功体験を積むことも重要です。

 

Q:リスキリングを考えるキーワードの中に、「持続力」があったと思うが、手間をかけないと良いものができないのに、手間をかけたくない子ども・教員も多いと感じています。

武井さま:今まで解決していない問題を解決しようとしているので、初めから上手くいくわけがないと思うことがまず大事です。一時的に負荷がかかるのは当たり前ですが、教員の負担が大きくなりすぎるのは良くないので、何か業務を捨てるか、デルタル化のリスキリングを先生が進めて効率化していく必要があると思います。先生の役割を再定義すると、教師がどのようなスキルを身につけるべきかが見えてくるのではないかと思います。

 

1時間半があっという間に感じるディスカッションとなりました。 結びになりますが、ご講演いただきました武井さま、ご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。

 2024年7月20日(土)「授業づくりハッカソン2024」が、企業教育研究会(以下ACE)と千葉大学教育学部藤川研究室との共同で開催されました。企業と連携して授業をつくる楽しさや教育の面白さを、教員を目指す高校生・大学生・大学院生と味わいたい!と開催された本イベント。昨年度に引き続き2回目となる今回は、株式会社ZOZO、株式会社千葉銀行、株式会社ディレクションズ、LINEヤフー株式会社の4社にご協力いただき、学生参加者も合わせ総勢53名が千葉大学に集まりました。短期間で集中的に開発を行うハッカソン形式で、グループで協力しながら、企業と連携する授業プランを考えました。

 また、ACEでは、学生スタッフも活動に参加しており、本イベントは私たち学生スタッフが中心となって企画・運営を行いました。その様子も含め、本blogでは、イベントの模様を学生スタッフ・木村がお届けします!

授業づくりハッカソン2024 開幕!

司会進行ももちろん学生スタッフです!
暑さに負けず、明るく元気に、「授業づくりハッカソン2024」 開幕です!

コラボレーション企業の発表!

今年も、ご協力いただく企業はサプライズで当日に発表しました。

各グループがコラボレーションする企業は、くじ引きで決定します!
どこの企業と連携した授業づくりをするのか、ドキドキです!

いよいよ授業づくり開始!

 コラボレーションする企業が決まり、早速授業づくりの始まりです。まずはヒアリングタイム。自分たちがコラボレーションする企業にどんな特色があるのかを知るため、企業の方から説明を聞いたり、いただいた資料の気になるポイントを質問したりしながら理解を深めました。

 次に、ヒアリングの内容を活かし、授業アイデアを考えます。ACE学生スタッフ が特別仕様で用意した授業づくりシート を活用して、「企業との連携の意義」や「企業の特性を活かせているか」を意識しながら、子どもたちに何を伝える授業にするかを考えます。

昨年度の反省を活かし、敢えてA3紙と付箋のアナログ式にブラッシュアップした授業づくりシート

湧き出るアイデアを付箋で貼り付け、チームで共有&整理!

高校生の参加者も積極的に議論に参加し、チーム全員で授業をつくり上げていきます!

審査員である藤川教授やACE職員による中間フィードバックでは、「今風で新しい視点だ」「活動が面白そう!」とポジティブなコメントが。一方で、「楽しさと学びは別物」「その企業と連携することの良さは?」といった鋭い指摘をいただくこともありました。

審査員からのフィードバックを受け、授業を練り直すために再度企業の方にヒアリングを開始!

ハッカソンタイム前半は企業の方々とのコミュニケーションに緊張していた参加者たちも、後半では積極的に質問している姿が多く見られました。チームメンバーのみならず企業の方も交えながら活発な議論が繰り広げられ、時間ギリギリまで、チームの思いを指導案に反映させるにはどうすればよいかを考えていました。

いざ!授業案を発表!

完成した指 導案をもとに、 グループごとの授業案を発表。
各チームより、日頃の教科学習との関連も意識した上で、連携する企業のよさを引き出す素敵な授業がたくさん誕生しました!以下に、ハッカソンで生まれた8つの授業案をご紹介します!

<株式会社ZOZO と連携した授業>
「将来の想像を創造しよう!〜デザイナーになるの巻〜」
・ZOZOのロゴコンセプトである「Be unique. Be equal.」が伝わるような採用ページをWebデザイナーとして考える。多様性についての理解を深めることができる授業。
(関連キーワード:総合的な学習の時間・キャリア教育・多様性)

「ファッションショーで自己を知る、他者を知る、世界を知る」
・ZOZO GLASSやZOZO MATでの計測を生徒自身も体験しながら、自分の「似合うと好き」について考える。 ファッションを通して、自己理解を深める学習。
(関連キーワード:総合的な学習の時間・キャリア教育・自己理解)

<株式会社千葉銀行 と連携した授業>
「銀行のヒミツ 〜お金の世界を探検しにいこう〜」
・身近だが意外と知らない銀行業について知ることができるロールプレイングゲームを取り入れた学習。
銀行の役割を地域貢献の視点もふまえて理解することができる授業アイデア。
(関連キーワード:社会科(公民)・金融教育・地域貢献)

「千葉銀行と地域おこし大使で作る住みよい街づくり」
・地域おこし大使として、4人の市民の立場を考えながら、千葉県が抱える地域課題の解決プランを作成する。企業と連携するからこそ、リアルな探究につながる学習。
(関連キーワード:総合的な学習の時間・探究学習・アントレプレナーシップ教育)

 

<株式会社ディレクションズ と連携した授業>
「映像制作を通して、地域のSDGsの取組を知ろう」
・職場体験先の企業が実践しているSDGsに関する活動を取材し、映像にまとめる。プロの取材方法を学んだ上で職場体験先を取材するという、主体的な体験学習につながるアイデア!
(関連キーワード:社会科・総合的な学習の時間・キャリア教・職場体験・SDGs)

「CGやARで理想の公園を作ろう!」
・普段利用している公園の課題を見つけ、CGでアイデアをかたちにしながらよりよい公園を考える活動。イラストや言葉にCGが加わることでリアルな課題解決ができる授業アイデア。
(関連キーワード:社会科、総合的な時間の学習、アントレプレナーシップ教育)

 

<LINEヤフー株式会社 と連携した授業>
「企業と連携してLINEの回答自動 生成AIを作ろう!」
・SNSでのコミュニケーションの問題点を考え、回答自動生成AIに学習させる条件を考える学習。トラブルを自身のリテラシーのみで防ぐのではなく、新サービスを考えるという新しい視点 でSNSトラブルの学習ができる授業アイデアでした!
(関連キーワード:国語、総合的な学習の時間、生成AI、SNS)

「賢くモノを買おう」
・学級に必要なものを考え、オンラインショッピングで購入する学習。オンラインショッピングの普及に目をつけ、利点と注意点を学びながら消費者として適切に買い物をする体験ができる授業アイデアでした!
(関連キーワード:家庭科、社会科、学級活動、消費者教育)

連携した企業の特色や思いを生かし、現代社会の教育課題と向き合った授業案ばかりで、「この授業受けてみたい!」とワクワクするものばかりでした!

そして今回、発表される授業案に対して4つの賞を準備していました。

その賞とは、授業を受ける立場でもある参加者の投票による「学び手賞」、企業と連携した授業づくりを専門とするACE事務局長・竹内さんが選ぶ 「企業賞」、教員として学校現場に長年携わってきたACE授業開発担当・古谷さんが選ぶ「学校ニーズ賞」、現代の教育課題の解決策になっているか、授業に新規性はあるか等を総合的な観点で藤川教授が選出する「ハッカソン大賞」 です。

 

これらの4つの受賞授業案は以下の通り。

 

「学び手賞」を受賞したのは…
「銀行のヒミツ 〜お金の世界を探検しにいこう〜」でした!
お金とアイデアの「価値」に共通点を見出し、お金をアイデアに置き換えたロールプレイの独創性には、コラボレーションした千葉銀行さまも驚かれていました!

「企業賞」を受賞したのは…
「映像制作を通して、地域のSDGsの取組を知ろう」でした!
ディレクションズの映像制作のノウハウを生徒たちが体験できるようにしているところが評価ポイントでした!

「学校ニーズ賞」を受賞したのは…
「CGやARで理想の公園を作ろう!」でした!
公園の活用という子どもたちが考えやすい内容、かつ、ゲーム感覚で楽しむことのできるCGをつかった方法で地域貢献を体験できる授業は、子どもの身近なものから学習に入ることができる素敵なアイデアでした!

そして、見事「ハッカソン大賞」を受賞したのは…
「企業と連携してLINEの回答自動生成AIを作ろう!」でした!

生成AIによるLINE回答の自動生成機能を考えるというアイデアは、LINEヤフーの特性と教育課題を絡めた見事な授業案でした!

 今回のイベントを通し、限られた時間ではありましたが、企業の方々と協力して授業をつくり上げました。これらの体験を通して、教育の魅力とその可能性を再発見することができたのではないかと思います。

主催者・千葉大学教育学部 藤川教授より

 社会が変化していく中で、授業研究をして新しい授業を作っていくことはとても大事なのではないかと思っています。そのためには、普段からどんな新しいことをしようかと意識をもつことができるかどうかが非常に重要です。企業の方とたくさんコミュニケーションをとれるようになると、どんどんアイデアが出てくるようになったと思います。ぜひ、今日の経験を生かして欲しいと思います。
 限られた時間内で、完成度の高い授業案を仕上げることができたことは、自信に繋げて欲しいと思います。

参加者の声

アンケート内容から一部抜粋・要約したものをご紹介します。

・企業と連携することで、普段とは違った授業づくりが体験でき、貴重な経験になりました。企業の特性を子どもたちに伝えるのは難しかったですが、その分深い学びになったと思います。
・初めての経験が多く楽しかったです。また、授業をつくるには多くの試行錯誤が必要であり、先生方の苦労や授業に込めた思いを少しばかりだが知ることが出来たのではないかと思います。
・色々な立場の人と同じ目的で熱く授業づくりをできて楽しかったです!
・授業を受ける立場では見つけられない大切なポイントや大学生の先輩達が授業作りで大事にしている点を知ることができ、他の企業と協力して授業を作る事が楽しかったです。
・企業の方とコミュニケーションを取りつつ、他学年、高校生も含めて色々な人と協力しながら授業をつくることができ、非常に有意義な時間が過ごせました。

ご協力いただいた企業の方より

いただいたご感想から一部抜粋・要約したものをご紹介します。

・アイデアが煮詰まった時にお互い模索する感じや、軌道に乗ってコミュニケーションが盛んになる時など仕事も同じだよなと思いながら心の中で応援していました。
・学生さん同士でアイデアを形にしていく姿を間近で見ることができて刺激をもらいました。
・本気でディスカッションできて、とても心地の良い疲労感でした。
 

昨年度同様、本イベントは企業の皆様や審査員の方々の多大なご協力のもと実現しました。また、教育に関心の高い学生たちが積極的に参加してくれたことを大変嬉しく思います。学生スタッフとして私たちは、昨年度以上のものを創り上げようとイベントの企画から運営までのプロセスに尽力し、それを通じて、実践的な経験と貴重な学びを得ることができました。
イベントに関わっていただいた皆様にとっても、このイベントが特別なものになったと信じています!


結びになりますが、ご協力いただいた株式会社ZOZO、株式会社千葉銀行、株式会社ディレクションズ、LINEヤフー株式会社をはじめとする、本イベントにご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

記事担当:学生スタッフ 木村優太

2023年11月7日(火)、千葉県のある公立中学校2年の生徒の皆さんへ、総合コンサルティング企業のアクセンチュア株式会社(以下アクセンチュア)と企業教育研究会とでお届けしている「ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー」の出張授業を実施しました。

 

本プログラムは現実に起こり得る正解がない問いに対し、生徒のみなさんに多様な視点・価値観にて議論を重ねてもらい、意見を集約し、考えを導き、他人に対して説明することを体験してもらうアクティブラーニングのプログラムです。生徒のみなさんは、未来の世界で観光業を営む会社の社員に任命されるという世界観の中、経営課題に対して真剣に考え議論します。

 

授業は「課題1:ロボット雇用問題」、「課題2:街並み問題」、「課題3:ワークライフバランス」の3つのテーマがあり、この日は「課題1:ロボット雇用問題」についてのプログラムを実施しました。

本blog記事では、授業の様子を紹介します。

「ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー」の指導案、授業応募はコチラ


 

早速授業が開始されました。

 

本授業は、2150年、未来の中学生が部活として経営する企業において、生徒の皆さん自身が一社員となり課題に向き合うという想定で進むプログラムです。プログラムには、設定上の世界観に違和感なく溶け込み、その世界観の中で真剣に学習に取り組めるよう、たくさんの仕掛けを施しています。

 

生徒の皆さんには、音声付きアニメーションを通して、経営判断に挑戦してもらうことがミッションとして提示されました。

 

アニメーション教材画面

 

ミッションを理解した後、生徒たちは6つの部署に分かれ、資料を受け取り読み込みます。

音声付きアニメーションとカラー刷りのリアルな資料で、生徒も授業の世界観に入り込み、意欲が掻き立てられている様子です。

 

これは、正解を導く授業ではありません。

アクセンチュアの社員の方からは、生徒のミッションには決まった正解はないため、課題解決にはみんなの意見をまとめていくことが大切だとアドバイスがありました。

 

各班1つの部署を担当する設定です

上質紙でカラー刷りのリアルな資料

授業中に全ての情報をじっくり読む時間はありませんが、大量のデータから要点を把握し判断していくことも経験の一つ。

 

実際の会社と同じように、各部署で資料内容は違い、持っている情報は断片的になります。

自分たちの持ち得る情報から、迷いつつも判断をしていきます。

 


【生徒の活動内容について】

 各部署(班)の進捗を確認し、議論を促す声掛けをします

『議論を重ねる』、『意見を集約する』、『他人に対して説明する』など、アクティブラーニングがベースの本プログラム。

部署内での意見集約、部署を超えた意見交換、経営層への提案を具体的に体験することでこれらを経験的に学びます。

生徒の皆さんは、とまどいもあったかもしれませんが、課題に対し意欲的に取り組んでいました。

 

話し合いの流れ

 ① 1回目の議論(部署内での話し合い)
 ② メンバー(班員)をミックスし部署を超えた意見交換
 ③ 2回目の議論(部署内での話し合い)
 ④ 各部署より経営企画部に最終的な部署としての意見を発表
 ⑤ 経営企画部が各部署の意見を踏まえ最終的な経営判断を決定

今回のテーマでは、社員をリストラしロボットを導入するか否かについて判断しました。

 

アクセンチュアの社員の方からは、どの選択肢もメリットとデメリットがあるのでどちらを選ぶにしてもその判断を論理的に考えること。また、個人の考えではなく、その部署のメンバーとして会社の中でどういう役割をもっているのか資料を確認し、それを意識してくださいと話がありました。

 

部署ごとの判断における発表では、ロボット導入派からは、機械導入により人間ではできないレベルでミスなく効率化できるメリットが挙げられました。リストラ反対派からは、機械に不具合が起きた場合の高額な修理代を資料から読み取り指摘したり、お客様と接する旅行事業部は臨機応変な対応は人間にしかできないと意見したりしていました。また、地域住民がロボットに反対している雰囲気を慮った意見など、資料から想像を膨らませ判断している様子が印象的でした。

 

この日の授業では、経営企画部は各部署の意見を踏まえ、地域住民にも配慮し『ロボットは導入せず社員のリストラしない』と最終的に判断をしました。

その後、クラス全体で経営判断に対する社員満足度(生徒の納得感)も確認し、経営には社員の一致団結が決断の後の成功を左右すると説明を受けました。

また、選択肢のリスクの大きさや成功の確率に関わらず、どんな選択肢も決断後の行動が大切であり、成功にも失敗にもなり得ることも学びました。

 

各部署(班)が下した判断とその理由について黒板に整理

 


【授業をご担当いただいた教諭より】
今回の授業では、生徒にとってとても貴重な体験だったと思います。
生徒は実際に、1つの会社の部署で働いている感覚でそれぞれの立場、役割で議論を重ねていました。また、生徒が多様な視点を持てるような質問も講師の方々より随所にあり、普段の学校生活では経験できないことが多かったのも非常にありがたかったです。きっと生徒のこれからの生活に役立つと思います。今回忙しい中授業をしてくださった3名の講師の方々には感謝申し上げます。ありがとうございました。

授業は、アニメーション教材、ゲーミフィケーションの手法、実際の会社で使用されるようなリアルな資料を活用するなど、生徒のみなさんが真剣な気持ちで課題に向き合えるよう、自然と没入できるような工夫が随所に施されています。

  

科目の授業や試験に向けた日々の学びも大切ですが、今日の授業を受け、生徒の皆さんには、正解のない問いに皆で向かうという新鮮な体験をしていただけたのではないでしょうか。

  

『ゆら社長のジレンマ ー考え、議論する道徳・キャリア教育ー』の授業は引き続きホームページにて募集を受付しています。

 企業教育研究会(以下、ACE)では、アクセンチュア株式会社と連携し、配布型教材「ひな社長の挑戦」を新たに開発しています。この教材は、ACEとアクセンチュア株式会社が提供している既存の出張授業「考え、議論する道徳・キャリア教育」の世界観に沿った内容になっています。既存の出張授業では、生徒がアニメーション教材のストーリーの中で架空の会社「天漁社」の社員となり、会社の経営課題の解決策を考え、議論します。新教材では「天漁社」が起業される時のストーリーに沿って、生徒が社会課題の発見、諸資料を活用した探究活動、解決策の考案までの一連の過程を体験し、今後の社会において求められる「現実的な課題を設定し、自ら思考して実行に移すことが出来る姿勢と能力・技能」を学びます。

 体験セミナーでは、「ひな社長の挑戦」を多くの学校で活用していただくため、まず最新の社会状況と、今後の社会で求められる能力・技能について先生方に講演を行い、その後、実際に教材の一部を体験していただく機会を設けました。

セミナー前半では、アクセンチュア株式会社の藤田学さまより、デジタル技術の発展や働き方の多様化、インクルージョン&ダイバーシティの促進といった日本の社会の変化と、それに伴い必要とされる次世代型人材についてのお話がありました。参加者の先生方からは、学校の中からでは気づきづらい実社会の最新状況を知ることができたという感想が寄せられました。その後、ACEの講師が教材の一部を用いた模擬授業を行い、先生方に授業を体験していただきました。模擬授業後のディスカッションでは、実際に先生方が教材を用いて授業を行う場面を想定した改善点や、より生徒が学びやすくなるための様々な立てが提案されました。

 今後は、セミナーで得た知見を活かして教材を改修し、学校への普及に向けて取り組んで参ります。

 ご講演いただいた藤田さま、参加者の皆さま、ありがとうございました。

2021年12月18日(土)に第147回千葉授業づくり研究会「子どもの自立的な職業観形成を促す、新しいキャリア教育のあり方とは!?」を開催しました。前回同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、オンライン会議ツールZoomを用いて実施しました。

今回の研究会では、アクセンチュア株式会社のコーポレートシチズンシップ(企業市民)活動にて次世代の人材育成プログラムを推進する藤井篤之さまにご講演いただきました。

研究会前半は、デジタルテクノロジーの発展や、社会で求められる人材の変化について藤井さまにご講演いただきました。講演ではデザインシンキングによる実社会の課題解決事例や、サービスデザインのプロセスを学ぶ教育プログラムの事例をもとに、次世代に必要なスキルとキャリア形成について説明いただきました。後半は、「多様な働き方・生き方の中から自立的に自らのキャリアを形成していく力を育む」キャリア教育のあり方について、参加者の皆様と議論しました。

 

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【講演概要】

 

・アクセンチュア株式会社の概要

「テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現する」という企業コンセプトや、変革を起こすための道筋の描き方、プロジェクトに携わる様々な業種、国内外にまたがる幅広い取り組み等についてお話いただきました。学校では触れることが難しい企業の最先端の取り組みを知り、参加者は新鮮な衝撃を受けていました。

 

・ビジネス環境の変化と日本の位置

昨今のビジネスでは「将来創出されるであろう価値(FV)」の重要性が高まっていることや、世界では持続可能性による新しい競争ルールができていること。一方で、日本企業ではFVの伸び悩みによる企業価値の伸び悩みの問題などについてお話しいただきました。日本で起業が少ない原因として「失敗に対する危惧」や「身近に起業家がいない」こと、「学校教育」などが指摘されているデータから、キャリア教育の問題にも言及されました。

 

・デジタルテクノロジーの発展

AIや、オンライン上のバーチャル空間の活用について、JALにおけるAIコンシェルジュや、TIKTOKのAI技術、ライブコマース市場の成長、バーチャル空間におけるコンサートなど、幅広いジャンルにおけるデジタルテクノロジーの活用事例をご提示いただきました。参加者はビジネス界で活用される事例から、情報化社会の最前線に触れることができました。

・求める・求められる人材の変化

AIの進化に伴う求められる人材の変化や、近年の価値観の変化に応じた働き方の多様化についてお話いただきました。藤井さまによれば、今後の社会では定型的な仕事はAIに代替され、AIの活用者が不足すると推定され、AIに代替可能な仕事とそうでない仕事の間の賃金格差が拡大する可能性があるそうです。このような社会では人間とAIの役割分担を意識した業務再設計が重要になると藤井さまはおっしゃっていました。また、NETFLIXの自由なカルチャーの事例から、参加者は働き方の多様化について具体的に知ることができました。

 

・次世代に必要なスキルとキャリア形成とは

今後の社会変化の中では「現実的な課題を設定し、自ら思考して実行に移すことが出来る姿勢と能力・技能」を持った次世代型人材が求められることを指摘した上で、課題解決の際の具体的な思考プロセスとしてサービスデザインアプローチについて事例を交えて紹介していただきました。また、中高生を対象とした教育プログラムの事例についても提示していただき、今後のキャリア教育へのヒントをいただきました。

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【質疑応答、意見交換】

 

 ビジネス環境の変化と日本の位置については、参加者から日本では「「失敗しないこと」を前提に動く人が多い」のはなぜかという質問が挙げられました。藤井さまからは、日本では「失敗しないこと」が重視される傾向があることや、「自分の考えを否定されることをネガティブに捉えがち」で「空気を読むことが重視される」文化であることが理由として示されました。また、藤井さまによると、グローバルコミュニケーションにおいて、空気を読むことに代表される日本人の特徴は否定的な見方をされるのではなく、尊重されるようになってきているそうです。学校ではグローバル社会で働くことを想定し、自分の意見をはっきり表現する力を育成することが重視されてきました。一方で、ビジネス界では様々な国の文化を互いに意識し合う動きが見られるということについて、参加者は新しい気づきを得ることができました。また、「どのような手段で日本は稼ぐ国を目指すべきか」という質問に対しては、藤井さまから「製造業は日本の強みであり続ける必要がある。また、日本はタブーが少なく色々なコンテンツを作ることができる。日本で生まれたコンテンツを世界に発信するプラットフォームができれば、コンテンツも産業の強みに出来る」というご意見をいただきました。また、藤井さまは、リアルとデジタルの組み合わせによって価値を生むチャンスも、重視していく必要があると指摘していました。

 デジタルテクノロジーの発展については、学校の先生方からAI活用の具体事例が知れて良かったという意見が挙がり、関心の高さが伺えました。

 求める・求められる人材の変化については、企業における社員育成のプロセスや、自己肯定感を高める工夫についての質問が挙がり、企業の教育プログラムから学校のキャリア教育へのヒントを得ることができました。また、「失敗を恐れない姿勢を育成することと、成功体験の機会をつくることの兼ね合いをどのように取れば良いか」という質問に対しては、藤井さまから「大人のサポートの枠組みを決め、子どもに成功させる部分と、失敗しても良いから子どもに任せる部分をつくる」という方法が提案されました。他にも「論理的思考を養うためにはどんな取り組みが良いと思いますか」という質問に対しては、「数学だけでなく、社会科や国語の時間で問いを分解していく活動が重要だと考えている。社会科や国語の裏にあるロジック、例えば社会の現象を数字に落としていくことでロジカルに分析することを学ぶ方法ができるのではないか」というアドバイスをいただくことができました。

 次世代に必要なスキルとキャリア教育については、次世代に求められるスキルと文部科学省が掲げる「基礎的・汎用的能力」との関連について議論を行いました。

 

今回の参加者は学校の教員が多く、社会の最新状況への関心の高さが窺えました。今回の研究会が先生方にとって企業の最先端の取り組みを知り、今後のキャリア教育の方向性を考えるきっかけとなれば幸いです。

ご講演いただきました藤井さま、ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。

 

文責・企業教育研究会 明石萌子

NPO法人企業教育研究会が、経済産業省第5回キャリア教育アワードでコーディネーター部門の奨励賞を受賞することとなりました。私たちの活動を支えてくださる皆様に、感謝申し上げます。

下記リンク「別紙2」の事例集に企業教育研究会の事例が掲載されています。
http://www.meti.go.jp/press/2014/12/20141215004/20141215004.html

これからも授業づくりを基盤とした「誰もが教育に貢献する社会」づくりに励んでまいります。

 

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