「自分の将来を本気で考えるキャリア教育」を形にしたい。

  

 -そんな想いから、2人の学生が立ち上がりました。社会の変化がますます加速するいま、子どもたちには「与えられた課題を解く力」だけでなく、「自分ごととして未来を描き、行動する力」が求められています。こうした力を育む教育として注目されているのが、アントレプレナーシップ教育です。ACE所属の学生スタッフの大学生と高校生が協働し、“聴覚障がい”をテーマにアントレプレナーシップ教育の授業づくりに挑戦しました。

 

学校でのキャリア教育への疑問

当時、高校1年生のTさんは、学校のキャリア教育に疑問を感じ始めました。例えば、職場体験学習であったり、職業講話であったりと、キャリア教育の授業は生徒たちが本気で取り組むよう設計されていないと。そんな中、Tさんは、キャリア教育に関する様々な授業を開発しているNPO法人企業教育研究会の存在を知り、高校生としてNPO活動に関われないかという申し出があり、高校2年生から高校生インターンとして新たなスタートを切りました。

高砂さんとの出会い〜授業テーマの試行錯誤

Tさんと同じ疑問を抱いていたのが、当時大学4年生の高砂さんでした。二人は千葉授業づくり研究会の20周年企画「アントレプレナーシップ教育(起業家教育)」で顔を合わせ、二人はすぐに意気投合し、アントレプレナーシップ教育の授業づくりに取り組むことを決意しました。二人のミーティングは、Tさんが高校から帰宅後の毎週木曜日、午後5時から6時までのわずかな時間。しかし、その短い時間が二人にとって非常に価値のあるものとなりました。

 

とはいえ、スムーズに授業づくりが進んだわけではありません。

最初に直面したのは、授業のテーマ選びです。誰かの困り感を解決するような授業にしたいという方向性は決まったのですが、「誰」の困りごとに焦点を当てるかについて、Tさんと高砂さんは数多くの討論を重ねました。その中で「障がい者」というテーマにまで行きついたのですが、「障がい者」といっても様々な障害があり、どの障害にターゲットを絞るのか、それとも絞らないのか、そのあたりで議論が煮詰まってしまいました。

 

そこで二人は、障がい者雇用に関わる方や特別支援教育の専門家から話をうかがうことにしました。

 

ターゲットを「聴覚障がい者」に

2人が話を伺ったのは、特別支援学校で教員として勤務した経験のある大学教授でした。その教授から障がい者が日常で遭遇する困りごとをテーマにするには「聴覚障がい者」がいいのでないかとお話をいただきました。

というのも、「聴覚障がい者」は補聴器を付けていない限り、一見すると何の障害もあるようには見えない。しかしながら、耳が聞こえないことによる困り感は相当あることを教えていただきました。そのため、実際に「聴覚障がい者」の方にお目にかかり、日常生活での困り感についてお話をうかがうことにしました。

そこで、千葉県聴覚障害者協会に連絡を取り、実際に聴覚障害とはどのような障害か、どのように日常生活を送っているのか等、基本的なお話をうかがってきました。

授業づくりが本格化

このお話をもとに、授業づくりが本格的にスタートしました。まず、二人は4コマ漫画を用いて、聴覚障がい者の日常での困りごとを表現することにしました。宅配便が来た際の通知や、電車内での事故発生時の対応、スマホを使った音声を文字に変換するアプリ使用に関する場面を取り上げ、こうした困り感に対してどのように解決に導けばよいかを考えるような授業を構想しました。

この構想を千葉県聴覚障害者協会で聴覚障がいがあるお二人にぶつけてみました。

 

すると、宅配便と電車の場面については「実際にはこうした場面で困り感は無い」とのフィードバックがありました。自分たちが思い描いたものと異なっていることにがっかり…。しかし、ここで気持ちを切り替え、いただいた新たな2つの場面のアイデアを参考に授業を練り直しました。

おおぞら高校での授業実施

ついに迎えた授業の日。千葉市のおおぞら高校の教室には、期待と緊張で満ちた30名の生徒が集まっていました。大学生の高砂さんとともに、千葉県聴覚障害者協会から招かれた聴覚障がい者のお二人も参加し、それぞれに手話通訳者が付き添いました。

授業は、聴覚障がい者の方々の自己紹介から始まりました。

   

そして、聴覚障がい者の日常生活の困り感に関する4コマ漫画を2つ提示しました。

  

1つ目は、駅でのアナウンスが聞き取れずに混乱する聴覚障がい者の姿。もう一つは、病院の待合室で呼び出しのアナウンスが聞こえないことによる困惑です。生徒たちは、これらの困りごとに対する解決策をグループごとに考えました。

その後、千葉県聴覚障害者協会の聴覚障がい者の方々が、実際に遭遇した場面を交えながら生徒たちの提案にコメントしてくださいました。このフィードバックは、「聴覚障がい者の方はこういう思いで生活をしているのか」という生徒たちにとって貴重な学びとなりました。

   

授業のクライマックスは、UDトークというアプリを使った体験です。このアプリは会話の音声を文字に変換して表示するものでしたが、会話が盛り上がるとついていけなくなることが明らかになりました。つまり、複数の人間が話し始めるとアプリで変換することが難しくなり、画面上に表示される文章が意味不明なものになってしまうのです。こうした体験を踏まえ、生徒たちは、健常者と聴覚障がい者がスムーズに会話するための解決策をグループで考えることになりました。そして、先程と同じようにグループを回りながら、「みんなが手話ができるようになってもらえると会話ができていいんだけど」と率直な思いを伝えながらグループのアイデアにコメントしてくださいました。

   

そのコメントをしてくださっている方を見る高校生の表情がとても素直で、目がまっすぐに向けられていました。

   

授業後に、聴覚障がい者の方々から、今までの授業と異なり、生徒との会話を通して聴覚障がいに関する理解が深まっていることを実感でき、とても感動したというお話をいただきました。

授業の締めくくり〜伝えたかったこと

最後に、高砂さんが「アントレプレナーシップ」という言葉を生徒たちに伝えました。「アントレプレナーシップ」とは「社会の課題を発見し、解決策を考え、変えていく精神のこと」という言葉で説明しました。そして、今日学んだことを生かして、これからも社会の課題解決に取り組んでほしいというメッセージを投げかけました。

高校生たちはこのメッセージにうなずきながら耳を傾けていました。

この日の授業は、Tさんと高砂さんにとって、そして参加した生徒たちにとっても、忘れられない経験となりました。

授業を振り返って

授業後のアンケートでは、障がいに対する理解が深まり、社会で活躍する障がい者への支援意欲が高まったことが明らかになりました。しかし、授業の展開方法やアントレプレナーシップをさらに発揮する方法については、まだ改善の余地があることもわかりました。

とはいえ、高砂さんが大学を卒業し就職することやTさんが受験を迎えることから、この授業づくりを終わりにするか、続けるかという選択をしなければなりません。

Tさんは「一人でも続けていきます!」との力強い言葉が。

4月に入り、この授業をブラッシュアップする活動が始まりました。この授業が完成して、改めて実践するのはTさんが大学生になってから。

その時が訪れることが楽しみで仕方ありません。

 

授業の感想(アンケートより抜粋)

  • 実際に聴覚障がいを持った方々と関わるのはとても貴重な時間だった。社会の問題を知って私に出来る範囲で解決していきたい。
  • 障害をもっている方も快適に生活できるような世の中になればいいなと思いました。
  • 実際に耳が聞こえない状態でコミュニケーションをする経験が初めてだったのですが、最低限の意思疎通ができても、ちょっとしたニュアンスの疎通が難しく大変だったので、もっと聴覚障がいのある人に優しい世界になればいいなと思いました。
  • 聴覚障がい者の方とお会いする機会がなかったので、貴重な機会になりました。手話も1つの素晴らしい言語であると思うので、時間がなかなか取れないけれど身につけられたら素敵だと思いました。
  • やはり、自分自身が障害を持っているわけではないので、直接話を聞くと、自分では思いつかないことで困っていることというのはあるのだなと改めて感じました。話を聞いて、これからはなるべく周りを気にかけて、困っている人には声をかけるようにしようと思いました。
  • 視覚を利用して物事に注視した場合、その他の事に意識を割きにくいことに気付かされました。
  • 今日の話を聞いて、聴覚障がいがある人は、私たちが目で見て分からない事に困っている事を知りました。もしも困っていたら、一緒に協力をして助けて、共に社会を作りたいと思いました
  • 実際にお話を聞いてみて、私達や世界に出来ることがまだまだあるんだと感じました。
  • すごくためになる授業でした。このような授業が増えると良いと思います

 

参加学生の感想

大学生高砂さん

 

大学での学びをきっかけに、「日常の中でもアントレプレナーシップを発揮できる授業をつくってみたい」と思い、聴覚障害をテーマに授業を企画しました。高校生のTさんと一緒に考えたことで、今までにない視点を取り入れられたのがすごくおもしろかったです。UDトークを使ったり、紙芝居で課題を見つけてもらったりと、体験を大事にした授業にこだわりました。

   

当事者の方とのコミュニケーションや、課題解決のステップ設計には正直かなり悩みましたが、生徒たちが真剣に話を聞いたり、自分から質問してくれる姿を見て「やってよかった」と心から思いました。「一緒に考える」ことで、生徒の気持ちが動く瞬間を見られたのが何より嬉しかったです。これからも、当事者とコラボした授業づくりに挑戦していきたいです。

 

高校生Tさん

 

学校のキャリア教育に課題を感じ、「もっと自由に考えられる授業をつくってみたい」と思ったことがきっかけで、授業づくりに挑戦しました。大学生や先生方と一緒に、0から授業をつくる経験はとても新鮮で、想像と違う課題が見えてきたヒアリングの時間も刺激的でした。学校が終わってすぐZoomで参加する日々も、楽しくて苦になりませんでした。

 

一方で、「障がい者=助ける対象」という偏ったイメージを与えないようにするバランスにはかなり悩みました。でも、実際の授業では生徒が真剣に話を聞き、楽しそうに体験してくれて、本当にうれしかったです。「一緒に解決する」という姿勢を伝えられたことが、一番の達成感でした。

東京都にある文教大学付属中学校・高等学校の進路指導をご担当している井口先生による実践のご紹介です。

本実践は「ひな社長の挑戦」の実施と、出張授業「ゆら社長のジレンマ※」を組み合わせたアレンジが特徴となっています。

中学3年生を対象に4クラスの担任教諭と井口先生が連携し、各クラスの担任教諭がそれぞれのクラスの生徒に向けて「ひな社長の挑戦」の授業を実施いただきました。
学習の進度に合わせて3つのミッションを6時間で実施し、最後に「ゆら社長のジレンマ」の出張授業で学習を締めくくっていただきました。

※出張授業「ゆら社長のジレンマ」についてはこちらをご参照ください。

  2023年度の実施スケジュール

<アレンジのポイント>

・年度末に新年度の導入に向け、実施する目的や時期を検討
・起業の「体験」ということを重視した無理のない進行
・教員ガイドをもとにクラス担任教諭へデータ格納場所などを事前に共有
・Googleスプレッドシートは使用せずExcelで作成
・「ゆら社長のジレンマ」を実施することで起業後の経営とつなげたまとめ


※下記よりクラス担任教諭間で共有したプリントをダウンロードいただけます。

「ゆら社長のジレンマ」授業の様子

「ひな社長の挑戦」を実施していたので、その25年後を舞台とした授業の設定にも慣れた様子で授業に参加していました。

<導入の動画を見ている様子> 
 <弊会講師による進行の様子>

6つの部署に分かれて議論する際には、ゲスト講師がサポートに入り経営判断に必要な情報の見方や意見を集約する際のアドバイスをしました。

<ゲスト講師が議論をサポート> 
 <各選択肢について議論>

企画をした井口陽子先生より

 中学2年生までの「総合的な学習・探究の時間」の取り組みに新たな視点を加える教材を探していた2023年3月初旬、東京新聞の「教室で起業を疑似体験」という記事を見つけたことが、「ひな社長の挑戦」と「ゆら社長のジレンマ」を企画したきっかけでした。企業教育研究会のホームページより教材をダウンロードし、年間計画の中でどの時期に実施するのが良いか考えをまとめた上で進路指導部で案を出し、学年の状況を見ながら夏休みに入る前の学年会で大まかな計画を示しました。

 職業人講演会などを間にはさみながら、修学旅行後の11月から1月の間に「ひな社長の挑戦」に各クラス6時間取り組み、2月に「ゆら社長のジレンマ」の出前授業を2時間受けました。私は学年の副担任を務めていたので、実際の授業を展開するクラス担任へ授業ごとの進め方を伝え、資料の印刷や準備を行いました。実施するにあたって重視したことは、ひな社長の世界観・ストーリーを理解してタスクに取り組むこと、全てのタスクをガイダンス通り終わらせることよりもタスクを通して起業を体験することを優先したことでした。

「ひな社長の挑戦」での活動があったからこそ「ゆら社長のジレンマ」で部署ごとの話し合いができたように思います。中学生にとって「ゆら社長のジレンマ」のテーマとなった「ワークライフバランス」は身近な言葉ではなかったようですが、議論していく中で実感を伴った理解につながったように思います。生徒たちの反応の中でも「心身ともに健康で働くことがとても大切だ」という感想が印象的でした。
 計8時間の活動の中で、生徒たちは起業を体験し、働くことは様々な人々とのつながりで成立していることに気づけたのではないでしょうか。

「ひな社長の挑戦」を実施し
「ゆら社長のジレンマ」を参観した先生方より

「ゆら社長のジレンマ」の出張授業では、生徒たちが部署(グループ)に分かれて責任感を持ち、活発に取り組む姿が見られました。一見難しそうな資料にも真剣に向き合い、各部署内外での話し合いが活発に行われ、それぞれの意見を尊重しながら討論が進められました。意思決定の場面では、各部署が意見をまとめ、メリットとデメリットを整理するなど、本格的なビジネス体験をした様子が伺えました。中学生でも自分の知識や発想を活かせる内容であり、学びの幅が広がったと感じられる一方で、コンサルティングの本質的な一部を取り扱った内容であることから、偏った理解を防ぐ工夫が必要な場合があると感じました。全体を通して生徒たちが主体的に取り組める貴重な学びの場となりました。

学校・企業・大学とを結び、誰もが教育に関わり、貢献することができる社会をめざすNPO法人企業教育研究会(理事長:藤川大祐教授(千葉大学教育学部長))は、このたび、千葉大学学術研究・イノベーション推進機構(IMO)(機構長:藤江幸一(千葉大学研究担当理事)、千葉市稲毛区)と、アントレプレナーシップ教育の発展に寄与することを目的とし、相互協力の覚書を締結しました。

【プレスリリースはこちら】

(敬称略)竹内正樹(企業教育研究会事務局長)、片桐大輔(IMOスタートアップ・ラボ責任者、教授)、小牧瞳(URA、IMOイノベーション・マネジメント研究員)

覚書締結の概要

締結日:令和6年4月12日

目的: アントレプレナーシップ教育の分野において連携を図ることにより、起業家教育に貢献する

内容: 

・アントレプレナーシップ教育教材の開発に関する研究活動

・学校へのアントレプレナーシップ教育の展開活動及び授業実施

・学校の教職員等へのアントレプレナーシップ教育の普及活動 等

具体的には、企業教育研究会が中学生を対象に開発したアントレプレナーシップ教育プログラム「ひな社長の挑戦」を用いて、幅広く学校現場で活用されるよう学校における教員研修等の授業支援をIMOとともに進めます。今回の覚書締結により連携を強化し、千葉県を中心に、アントレプレナーシップ教育の幅広い機会提供や機運醸成に貢献します。

千葉大学学術研究・イノベーション推進機構(IMO) について

学術研究・イノベーション推進機構(Academic Research & Innovation Management Organization: IMO)は、研究支援・産学連携機能の強化とイノベーション創出を加速する目的で千葉大学により設置されました。

IMOでは研究推進部とリサーチアドミニストレーター(URA)が連携して最先端研究の推進を支援するとともに、企業等とのコーディネート活動等の一層の強化によって、社会価値創出のための様々な取り組みを実施する体制の整備と強化を実現して参ります。多様なステークホルダーと連携しながら小中高校生向けのアントレプレナーシップ教育を進めていきます。

学術研究・イノベーション推進機構(IMO)|国立大学法人 千葉大学

【本件についてのIMOからのお知らせ】

NPO法人企業教育研究会とアントレ教育の連携に向けて協力体制を築いてまいります

10月25日、「船橋市特別活動部会」の研修会にて「キャリア教育からアントレプレナーシップ教育へ」というテーマで職員の古谷が講師を務めました。

当日は、約20名の現役の先生方にご参加いただき、従来のキャリア教育を一歩進め、児童生徒が主体的に活動するアントレプレナーシップ教育の実践についてお話しさせていただきました。

【参加された先生方の感想(一部抜粋)】

  • 子供達が主になり、子供達のために、子供達自身で!というところが大切だと感じました。普段から、子供たちに選ばせたり考えさせたりして決定させて、自分で決めたのだからという責任感を持って欲しいと思っています。子供達が自分達でルールをつくると、守る度合いが高いというお話は確かにそうだと思いました。お話を聞き、うちの学校や地域ではどんなことができるかな?と楽しみになりました。
  • 総合的な学習の時間を主体的に進めたいと思っていながら、こちらの主導になってしまうところがあり、悩んでいました。先生のお話を聞いて、決めるのは子供たち、ということを忘れてはいけないと思いました。トラブルが起きた時のルール決めも、自分たちで考えさせる、決めさせることの大切さを改めて感じました。少しずつでも積み重ねて、主体的な行動が増えるようにサポートしていきたいと感じました。
  • 初任校の研究が総合的な学習で、個人テーマでした。その時に、外部講師を招くために、自ら企業やお店に連絡して開拓するという作業ができず小さな活動になってしまいまったのを思い出しました。学習のプランを立てる所も難しかったです。企業と連携した授業を作られていることに、とても興味があります。自分たちがやっていることが世の中と繋がっているという感覚がワクワクするだろうなと思いました。
  • 子どもが社会に貢献できるようにする授業づくりをというお話がありました。子どもが、学びが社会に繋がっていると実感できる、人の役に立つ喜びを学んではじめて、社会に貢献できる人に育つのだと改めて思いました。また、自分たちで創り出す経験が新たな発想をうむというお話も、それこそが課題解決に繋がることを改めて実感しました。
  • キャリア教育だけでなく、自校の総合的な学習の時間の取り組み方を考える機会となりました。ついつい、調べてまとめて、発表して・・・と学習を進めがちですが、子供たちだけでなく地域の方も充実するようなマネジメントをしてみたいと思います。

等の感想を頂きました。(感想アンケートより一部抜粋)

【職員・古谷より】

企業等外部と連携する授業をつくり実践する等、授業観を変える必要性を中心にお話させていただきました。感想を拝見いたしますと好意的に受け取っていただいたようで、大変うれしく思っております。

今後、各学校において、総合的な学習の時間を中心に児童生徒が主体的に活動する授業プログラムが実践されることを期待するとともに、弊会として微力ながらお手伝いをさせていただければと思っております。

 


企業と連携した授業については弊会において様々なプログラムを提供しております。ご関心のある先生方は、実践中の活動より各授業プログラムをご確認ください。

 

 

―日本の教育をアップデートする!!―

4月22日(土)20周年記念特別イベント 日本の教育をアップデートする!! 7回連続トークセッション!!

SESSION1 起業家教育 が開催され、当日は70名を超える方々にご参加いただき盛況のうちに終了することができました。

 

神谷千葉市長の特別スピーチや、各登壇者からの先進事例発表より、起業家教育(アントレプレナーシップ教育)が必要な背景分析や、事例としての教育内容の充実は既になされており、日本の教育全体にこれらを拡張していくことが課題のフェーズに入っているという認識を持ちました。

 

その具体的な教育の展開については、学校現場の負担感をいかに減らすかが課題に挙げられていましたが、それについても解決する動きが見えてきていると思われ、教師が手を加えることなく使用できる教材開発や、実施にあたり困難を乗り越えたノウハウについて地域を超え横展開する連携、対象を大学生から小中高校生に拡大しつつある状況が紹介されました。

 

パネルディスカッションでは、アントレプレナーシップの意識が根付くためには、日本における『許容度』がキーワードとしてあげられることや、そもそも、アントレプレナーシップを日本人は持ち合わせており、日本の起業家教育(アントレプレナーシップ教育)とは、その開放を促すことでもあるのかもしれないという議論が出ました。

今後、学校教育に起業家教育(アントレプレナーシップ教育)が広く普及していくよう、弊会としても活動していきます。

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以下、当日の様子を詳しくご紹介しています。ご興味のある方はぜひご一読ください。

左より 藤川、片桐様、加藤様、神谷様、藤井様、宮本様

 

◆理事長・藤川 開会あいさつより抜粋◆

企業教育研究会は、2003年に発足した千葉大学発のベンチャーNPOであり、企業と学校を繋ぐ活動を行っています。その活動の一環として、毎月「千葉授業づくり研究会」と称する、外部の方を招いてお話を聞き、教育に活かすという公開勉強会を行ってまいりました。この勉強会は、150回以上続けられ、本イベントもその枠組みの中で実施されるものです。


企業教育研究会は、多くの企業と協力して学校に多くの授業を提供してきましたが、教育に革新をもたらすことができたかという点では、まだまだ改善の余地があると感じています。そこで、20周年を機に、学校教育を改善する原動力となるために、より多くの人々とコミュニケーションを取りたいと考えています。一年を通し、様々なテーマを産官学の立場から多面的に考えることで、新たな視点が得られることを期待しています。

 

◆千葉市長 神谷さまより(特別スピーチより一部要約)◆

  不確かな時代に自分の道を拓く。 

  ~自ら考え、共感を広げ、解決策を見い出す~ 

 

ちばアントレプレナーシップ教育コンソーシアム「Seedlings of Chiba」会長の千葉市長神谷さまより、千葉市の取り組みについて特別スピーチをいただきました。スピーチの中では、先進的事例と共に、アントレプレナーシップに対する思いや、課題についてお話しいただきました。

 

神谷市長は、アントレプレナーシップ推進に対し、「不確実性の時代」に生きる子どもたちには、世界を取り巻く諸問題の解決策を見いだす力を身につける必要性を感じていらっしゃり、事業を起こす際に必要な力や考え方を若いうちから実体験を通して学ぶ機会を得て欲しい。自分の意見を持って共感を拡げ、グループで解決していく力を育んで欲しいという思いがあるとお話しくださいました。

 

体験プログラムは市内の企業の方々にもご協力いただき魅力的な活動になっているものの、参加人数が限られているため、対象人数を拡大していきたいと考えていること。今後、どう千葉市の教育に組み込んでいくのかが課題と言及されました。

 

とは言え、学校現場は多忙のため、必要だからと学校側にプログラムを作成し実施することを課すのは難しいと感じていらっしゃるとのこと。普及にあたっては、学校とのすり合わせや、保護者の理解も必要だと感じているとお話しされました。


今後ますます活動を拡げるにあたり、複数のアントレプレナーシップに関するプログラムを持ち、様々なアプローチができるようご検討いただいているとのことでした。

◆Seedlings of Chibaの活動内容や、神谷市長のスピーチ詳細につきましては
Seedlings of Chiba公式ホームページもご参照ください。▷ https://seedlings.jp/

 

◆アクセンチュア藤井さまより◆
  アントレプレナーシップ教育が求められる背景とアクセンチュアが参画した背景

 

アクセンチュア藤井さまよりは、日本でアントレプレナーシップ教育が求められる背景とアクセンチュアの社会貢献活動についてお話しいただきました。

 

藤井さまは、日本の国際競争力や企業価値の現況を示した上で、企業価値はCV(Current Value短期的な利益向上による価値)とFV(Future Value 将来見込まれる価値)で構成され、世界の中で企業価値を伸ばした企業は将来的な価値(FV)が高い傾向にあり、対して現在の日本企業はFVが低い傾向にあることを説明されました。

また、日本のGDP規模であれば世界平均に照らせば183社程度ユニコーン企業が誕生しうる状況の中、6社しかないことを例に挙げ、日本においてイノベーションが起きる素地が低い現状にあると示されました。

 

このような状況下の日本において、デジタル化が進み仕事の在り方も変化していく中、アントレプレナーシップ教育は起業家的精神や資質の育成のみならず、デジタル化、グローバル化が加速するなかで必要な次世代人材の能力を培うものとして重要である旨が紹介されました。

 

アクセンチュアとしては、その背景に鑑み2010年より“Skills to Succeed”という世界共通のテーマを掲げ支援活動を実施し、日本においては32万人以上もの方に就業や起業のためのスキル構築の機会を提供しているとのこと。
また、提供プログラムにおいては、必要な姿勢やスキルを定義し評価指標を作成の上、それに基づきどれだけ実際に成長したのか検証しながら、ACEを含むNPOとの連携等で、様々なプログラムを提供しているとの紹介もありました。

 

◆文部科学省 加藤さまより◆

  文部科学省におけるアントレプレナーシップ教育の現状と今後の方向性

  ~大学生から高校生等への拡大へ~ 

 

加藤さまからは、文部科学省として大学生向けを中心にスタートしたアントレプレナーシップ教育を、より若年層へ展開しようとしている動きや、その具体的な取組みの内容等についてご紹介いただきました。

 

加藤さま自身が大学生や教員等と対話する中で感じられている、『社会の役に立ちたいと考えている若者がとても多い』という印象に触れた上で、アントレプレナーシップ教育については、まずは、正解が分かってから行動することに対する”とらわれ”から解放することが重要と感じていると言及。

というのも、アントレプレナーシップ教育においては、世の中には正解の分からない不確実性の高い状況というものがあり、そうした状況下においては、学校教育においてよく出題される正解のある与えられた問題を早く正確に解く能力というよりは、許容できるリスクの範囲でまずは行動を起こして試行錯誤する能力を身につけて発揮してもらうことが大切だとお話しくださいました。

 

そして、アントレプレナーシップの基本姿勢について下記3点を挙げられました。

  ① 己を知り、やりたいことが分かったら、行動を起こし、試行錯誤する
  ② 仮説検証し、ときには失敗しつつ、より多くのことを学ぶこと
  ③ 失敗を克服し、軌道修正し、改善し続けること

 

アントレプレナーシップ教育では、上記マインドセット及び手法等を学ぶことが必要で、これらが、個としての自立を促し、真の強さと信念を持ってさまざまな問題を乗り越えて生き抜いていく力、新しくより良い世界を創っていく力の獲得につながると話されました。

 

文部科学省は、2014年から大学生向けにアントレプレナーシップ教育をスタートし、推進する大学をコンソーシアム化し支援をしてきたとのこと。また、それらノウハウを限られた範囲に留めるのではなく、拠点都市間(スタートアップ・エコシステム拠点都市)で連携し横展開することで、アントレプレナーシップ教育の受講者が、令和元年度では約3万人(全国の大学生等の1.0%)であったところ、令和3年度においてはその約3倍にあたる約10万人(全国の大学生等の3.2%)に増えていると紹介くださいました。

 

そして、大学生のみならず、小・中・高生等に対する機会を拡大すべく、現在は省庁横断でアントレプレナーシップ教育を推進し、拠点都市を中心とした面的展開(先述のスタートアップ・エコシステム拠点都市)、各地での先進的取組の展開(グローバルサイエンスキャンパスジュニアドクター育成塾、スーパーサイエンスハイスクール支援事業)、各学校へのアントレ教育支援(起業家教育事業(中小企業庁))等を進めているとのお話でした。

 

◆中小企業庁 宮本さまより◆

  創業をとりまく環境と起業家教育について

 

宮本さまよりは、創業をとりまく日本の環境と中小企業庁で実施されている起業家教育についてお話しいただきました。

 

まずは日本の創業について全般的なお話をしてくださり、日本の開業率はだいたい4~5%程度であることに対し、先進諸外国はだいたい10%程度であることを示されました。その要因として、①創業希望者 ②創業準備者 ③創業実施者 の数値で見てみると、日本は、①創業希望者に対する③創業実施者の割合は、諸外国に比してむしろ少し高い状況にあるそうですが、しかしなぜ開業率が低くなるかというと、そもそもの①創業希望者が少ない状況であるというご説明でした。

 

実際、創業無関心者の割合をみると、日本は諸外国に比べてと高い状況。従って、創業すること自体に関心が低いため、創業を増やしていくにはいかに関心を持ってもらうかが必要であると話されました。

 

また、『はじめの職業選択時に起業が選択の1つになるためには何が必要か』の問いに対し、30歳未満の方の回答では、「起業家と交流する機会」や、「学校教育で就職以外の選択肢が提示されること」、「起業家教育の授業を受ける機会」が特に高い割合で挙げられていると紹介されました。

 

それを踏まえ、中小企業庁としては起業家教育の取組として、起業家の講演等による出前授業支援、起業家教育プログラムの実施支援、ビジネスプランをアウトプットする機会を提供しているとのこと。

 

また、創業に関する機運醸成のみならず創業自体も支援されており、意欲のある人が創業を形にするツールも用意していると紹介いただきました。

 

◆IMO 片桐さまより◆

  千葉大学IMOのご紹介とアントレプレナーシップ教育

 

片桐さまよりは、まず千葉大学学術研究・イノベーション推進機構(IMO)が、千葉大学全体のイノベーション創出のヘッドクウォーターであることが紹介され、かつて大学とは教育と研究が求められていたが、現在は、研究成果を使って社会にイノベーションを起こすことを期待され、その使命があるとのお話がありました。

 

千葉大学ではその達成に向け、4つのビジョンを掲げ、中でも特徴的なビジョンである『社会に大きく貢献する千葉大学』があること。そしてこのビジョンに沿った社会貢献として、IMOがイノベーションの創出、具体的には研究者や学生の起業支援、また、アントレプレナーシップ教育の提供をしているとのことでした。

 

ホームページも敷居の低いものに作り替え、組織も『スタートアップ・ラボ』と称する、スタートアップ支援・アントレプレナーシップ教育に特化した組織として特徴づけ、一線級の起業家と学生が会う機会の提供や、新しく大学院生向けに起業家教育を学ぶプログラムを提供している支援内容などが紹介されました。

 

スタートアップ・ラボでは、上記のような学内向けの支援だけではなく、広く地域における若年層向けのアントレプレナーシップ教育についても検討されています。文部科学省の加藤さんが言及された拠点都市のひとつGTIE(※1)にも所属
し、このプロジェクトの中で高校の通常のキャリア教育の中でひと手間加えることなく無理なく使用できるアントレプレナーシップに関する授業の展開を計画されているとのこと。興味のある先生がいたらぜひアクセスいただきたいと呼びかけました。

 

お話の中では、片桐さま自身が会社を興し、その後イグジットしたり、その後、投資もされたりしていた自身のお話も盛り込みながら、起業については学生を流行に乗って煽ることなく現状を認識させつつ支援したいというお話や、まずはしっかりと学校の授業を受け、教養を身に付けることの重要性も指摘し、学生へ温かい眼差しを持って支援されている様子がうかがえました。

※1 『Greater Tokyo Innovation Ecosystem(GTIE:ジータイ)』は、東京大学・東京工業大学・早稲田大学を主幹機関とした『世界を変える大学発スタートアップを育てる』プラットフォーム。東京都等が幹事自治体となり、14の大学・スタートアップ支援機関から構成される共同機関と、大学や自治体等が協力機関として参画している。(GTIE ホームページより)

 

◆ディスカッション◆
slidoを使用して参加者の意見も拾いながらパネルディスカッション。

一部抜粋要約してご紹介します。(敬称略)

 

〇アントレプレナーシップとは、子どもはもともと持ち合わせているものなのか、後天的に教育するものなのか。

 

藤井:もともと持ち合わせていると考えている。過去の歴史をみても、明治維新などが起きている。我々は一定程度合理的に生きているので、起業した方が儲かるしリスクもないと感じるようになればきっと起業する。それだけの話かと感じている。

片桐:P.F.ドラッカーは後天的に学習可能と仰っている。一方ドラッカーは、日本はかつてない明治維新を起こした数少ない国と言及されているので、ベースは持っているかと考えている。しかし、後天的に学ぶ部分により重みがあると感じている。

藤川:アントレプレナーシップが先天的に持ち合わせているか、後天的に育てるものなのかによって、学校現場の動きが変わってくると考えている。アントレプレナーシップとともに、最近OECDで主体性という意味のエージェンシーという言葉があり、日本では主体性は身につけるものという意識が強いと感じているが、そもそも持ち合わせているものであるのなら開放すればよいだけなのではという意見もある。

 

〇千葉市(市町村レベルの自治体)や過疎地域などでもアントレプレナーシップ教育を推進する意義やメリットがあるか。また、過疎市域では実施が難しいが、どう実施すればよいか。

 

藤井:会津大学と地域の起業家を育てる活動もしている。地域を変えたい人にとっての選択肢が、今は地域の自治体に所属するか、地元の企業に勤めるかということになっているが、自ら起業するような人が出てくるのが望ましい。多くは都会に出てしまう可能性はあるが、残って起業する方も出てくることにはメリットがあるはず。

また、昨今オンラインでかなりのことができると判明したと思われ、過疎地域でも起業も起業家教育も可能と考える。そういうことよりも、過疎地域においては、新しいことを興すことが許容されるかの方が重要と感じている。

片桐:(自身が通った学校は)いわゆるまじめできちんとした生徒ではない人も、学校の先生が人間として温かく認めるという雰囲気があった。現在、その同期はアントレプレナーシップな活動をしており、当時のそういう雰囲気がアントレプレナーシップを育くむ気がしている。

藤川:アントレプレナーシップについては、許容ということがキーワードではないかという気がします。

 

〇国や自治体としてのアントレプレナーシップの推進について

加藤:学校内での活動や教育課程内の対応の場合は、教育委員会等自治体と連携し、スタートアップを起業するまでの研究成果の社会実装に向けたプロジェクトを育てるプロセスにおいては文部科学省が担当し、起業後の支援は経済産業省等が担当している。

起業に至るプロセスで直面する様々な課題を克服した事例と起業マニュアル等をストックし、地域を超えて誰でも学べるように横展開することが大切と考える。

宮本:立場にとらわれず、自分達ができる領域で、まずは垣根を気にせず取り組むことではないか。

 

〇失敗の許容、日本での起業について

藤井:会社を興すことをそんなに大げさに考えなくてよい社会になればと思う。また、アクセンチュアの支援するプログラムでは、どこまで失敗を体験として許容させるのかについても、事前に議論している。許容範囲について教育の場でも議論されることが重要と考える。

藤川:アントレプレナーシップは、それを発揮する環境が大切だと思う。(ストレス耐性が弱くなっているという参加者の意見より)社会の許容度が低く、ストレス耐性も低いと環境として難しい。

片桐:起業と若手後継者(事業継承)の当事者を交流させる場もある。こういう場所も、とてもアントレプレナーシップな場であると感じている。

宮本: デジタル技術の利活用等が進むと、今まで事業化が難しかったことが可能になり、マーケットではなかったことがマーケットになる。

加藤:日本では、個人で成功する(狭義の)アメリカンドリームではなく、みんなで成功するジャパニーズドリームを追求するのが向いているのではと思う。

◆参加者からの感想◆

(たくさんのご意見、ご感想をいただきました。一部抜粋でご紹介します。)

◆最後に 藤川より◆ 

本日は、起業家教育に対する、熱いノリを感じていただけたのではないでしょうか。グルーブというのでしょうか、身体感覚で伝わっていく熱いノリを共有しないと、こういうことは広がっていかないのではないかという仮説を持って本日臨みました。今日は、熱いノリを皆さんと共有できたのではないかと感じています。こういう場を作っていくことが重要だと考えております。

本日はありがとうございました。

次回は 5月20日(土) テーマは『主権者教育』です!!

皆様のご参加お待ちしております。

▷特設サイト https://ace-npo.org/achievements/20th/#study

▷チケットお申込み https://cjk155.peatix.com/view

登壇者のみなさま、準備を手伝ってくれた学生インターンのみなさんと
2023年3月3日 東京新聞

同日、東京新聞Webニュースにも取り上げられました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234290

2023年2月27日 毎日新聞

同日、毎日新聞Webニュースにも取り上げられました。

https://mainichi.jp/articles/20230227/ddl/k12/100/035000c

アントレプレナーシップ教育の新教材 『ひな社長の挑戦』 が、2月8日(水)佐倉市立佐倉東中学校にて教材として活用され、報道機関の方にも公開されました。現場の先生が実際に授業実践された事例をぜひ見ていただき、アントレプレナーシップ教育に関心のある学校が一歩を踏み出すきっかけとなれば嬉しく思います。

◆教材の詳細、ダウンロードはこちら https://ace-npo.org/wp/archives/project/hina
※ 4月中に教材の一部をアップデート予定です。それ以前に教材をダウンロードいただいた方には、アップデートした旨を別途ご案内いたします。

◆◆公開授業概要◆◆

◆◆5時間目 ミッション1 実践の様子◆◆

ミッション1では、2125年の中学2年生からの依頼を受け、架空の街『虹が崎市』を舞台に、生徒たちは準備された資料を読み込み、設定の地域に適した新規事業を考え提案します。

音声付きアニメーションスライドと先生の発する上手い掴みの言葉に導かれ、笑い声も起きる中、生徒たちは教材の世界観にすんなりと入り込みました。

   

資料の読み込みと新規事業検討(ワークシートの記入)の場面では『20分』の時間を取り、先生は机間巡視でサポート。教材の世界観では、宇宙にも人が住む時代設定のため、「宇宙の人にとっては魅力が・・・」などの言葉が飛び交い、生徒たちは、資料を見ながらもすぐに話し合いを開始している印象でした。

最終的には、自分たちが資料から読み取った根拠を基に考えた新規事業について、理由と共にしっかりと発表できました。

同じ教材でも、授業を進める先生ごとに板書を使用するか、生徒への声の掛け方等の違いがみられることも印象的でした。担当の先生はそれぞれのお考えで工夫され、どのクラスの生徒も集中して取り組んでいました。

◆◆6時間目 ミッション2実践の様子◆◆

ミッション2では、ミッション1にて立ち上げた事業を始動するため、関係団体の方へ協力を依頼するメールを作成します。本教材は、ギガスクール構想で各生徒が持つようになった一人一台端末を活用し、スプレッドシート内にメール文章を作成できるように、ダウンロード教材が準備されています。

今回の授業では、2人1組で1台の端末を使用し、相談しながら活動していました。端末から該当のスプレッドシートを見つけることやタイピングについては、慣れない手つきの生徒も多く、少し時間を要している様子でした。

メール文章作成については、紙の資料を参考にしながら、一人が文章を声に出し、もう一人が打ち込む姿も多く見られました。時間内にメールを書ききれた生徒は少なかったかもしれませんが、文中の言葉遣い等に悩みながらも活動を進めていました。

スプレッドシートでは、下記の例のように、メールの書き出しはプルダウンで選択でき、続きの文章もキーとなる言葉を盛り込めばチェック欄に〇が出たり、交渉に必要な触れるべき内容が一目で分かるチェックボックスがあったりと、初めてメールを書く生徒にも取り組みやすくなっています。

 

◆◆取材、インタビューより◆◆

今回の公開授業では、報道機関の方々が取材にお越しくださいました。

授業後には生徒や先生、校長先生にお話を伺いました。

その内容の一部を紹介します。

【生徒のインタビューより】

難しさを感じつつも内容を理解し、起業を自分事と捉えて活動できたことが伺えるインタビューでした。

   

【指導された 酒井陽允先生 より(一部抜粋)】

スライドのアニメーションを巧みに活用して笑いを誘うなど、生徒たちを惹きつけて授業をしてくださった酒井先生。生徒には難しいのではと予想した部分も、実際は思った以上にできるという嬉しい誤算もあったのではと感じます。授業準備も、起業について別途調べ上げる等の大きなご負担はなく実施いただけたのではと思います。

【加藤康男校長先生のインタビューより(一部抜粋)】

大変な状況の中、子ども達のためにという熱い温かい思いが溢れる校長先生のお話を伺い、胸が熱くなりました。

大きな声でさわやかに挨拶をしてくれる生徒の皆さんが印象的な、気持ちの良い素敵な学校でした。

今回の公開授業に際し、校長先生を始め先生方には多大なご協力をいただきました。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

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