2024年10月24日(木)、我孫子市立久寺家中学校1年生のみなさんへ、千葉県魅力ある建設事業推進協議会(CCIちば)とNPO法人企業教育研究会(ACE)の連携による出張授業 「千葉県の建設業の仕事」の「建築現場で働く人たち」 を実施しました。

  

小学校高学年・中学校向けのキャリア教育プログラムとして、児童・生徒に一番身近な建物である「学校」が建築されるまでに様々な業種の人が関わっていることについて、クイズを交えて紹介するプログラムです。

この記事では、当日の授業の様子を紹介します。

◆出張授業「千葉県の建設業の仕事」の授業プログラムとは

2013年度から、ACEはCCIちばの事業として千葉県内の小学校・中学校を対象に出張授業を実施しています。建設業は職場見学・職場体験が難しい業種の一つですが、街や暮らしの安全を守り、地域に根差した世の中に欠かせない仕事です。

  

ACEのスタッフが授業を進行して、学校近隣の建設業の企業から参加する、様々な業種のゲスト講師が解説をする形で授業を行っています。この日は、上村建設工業株式会社の上村英生様と会田電業株式会社の浅見元男様が、ゲスト講師として参加しました。

出張授業「千葉県の建設業の仕事」の詳細はコチラ

学校を建設する「私の仕事は何でしょう?」

授業の最初は工事現場で定点撮影された連続写真を見るところからスタート。基礎ができあがればあっというまに建物が立っていきます。建物の建設には設計図があり、学校の校舎も図面のとおりに立っていることを確認。この現場では、1年前後の工期がかかる仕事だとわかっていきます。

  

そして生徒にはワークシートが配布されます。そこには5人の写真と「現場監督」「空調衛生工事」「とび職人」「電気工事」「造園工事」の5つの業種が書かれています。それぞれの人が使っている「道具」と、関わっている「場所」の映像をヒントに、組み合わせを考えるクイズが始まりました。

現場監督は工事の最初から最後までものづくりに関わる仕事

クイズの正解を発表しながら授業は進みます。「現場監督」は様々な業種の方と一緒に仕事をするため、スケジュール管理やコミュニケーションが重要だという解説がなされます。仕事の紹介がされたあとは、学校周辺で上村さんが実際に建築に携わった建物が紹介されました。

市内の小学校や中学校だけでなく、ホテルや公民館や消防署、そして一部の生徒たちが昔通っていたこども園が建築される過程が明らかになります。地域のために働くことができる、ものづくりに携わる仕事の魅力を語る上村様の話に聞き入る生徒たちのまなざしは真剣です。

◆見えないところに電気のケーブルが張り巡らされている!

クイズの答え合わせはさらに進み、今度は「電気工事」の仕事が紹介されます。建物が完成すると、床や壁、天井の裏に張り巡らされている電気ケーブルは見えなくなってしまいます。実はとても長いケーブルを切ったり、つないだりして安全に電気設備が使えるようにする大事な仕事です。

  

ここでもう一人のゲストの浅見さんが登場。学校以外にもスタジアムの電光掲示板など様々な電気設備の設置に関わっていることが紹介されます。

専門の道具を使ってケーブルの絶縁体を切って外す道具の紹介が行われたあと、実際に体験する挑戦者として出てきたのは先生。体育館が一気に盛り上がります。一日に何回も切って繋いでの作業をしますが、道具を使えば軽い力でできることがわかりました。理科の実験で豆電球をつけるときに使った細い銅線よりも、もっと太いケーブルが、私たちの暮らしを支えています。

ものを造り上げる仕事の可能性は無限大

5つの業種以外にも、様々な技術をもった人たちが自分の役割を果たして仕事を行っています。それぞれの仕事のやりがいについて語られた映像を視聴したあと、ゲストへの質問する時間を取りました。ワークシートに熱心にメモをとる生徒が多い時間となりました。

  

近年は、人工知能やロボットを使って行われる作業も増えてきていますが、建設現場でもテクノロジーの力で、より安全に、より正確に作業ができるように変化しています。

  

自分たちの地域や、全国各地に必要なものが建てられ、古くなった建物は修繕される、そこに関わる建設業。未来を担う小学生・中学生の将来の仕事について考えるきっかけになる授業です。


【生徒の感想より】

(アンケートより抜粋紹介)

‣自分の身の周りにも建設業は多くかかわっていて見えないところでも大きく支えて下さってる事が分かってすごいと思った。
‣「力を合わせて一つのものを作る。」と言っていてそれが強く心に残っています。
‣建設業は力仕事、男性の仕事というイメージがあったが女性が建設業で活躍している姿を見てかっこいいなと思えた。
‣自分が作った物が一般の方々に使われてるのを見て嬉しくなる快感を感じてみたい。
‣作った建物が残って沢山の人の役に立つのはすてきだと思いました。並木小学校を含めお世話になった場所が沢山の人に作られているのを知って驚きました。今度、近くを通ったら今回の授業を思い出します。


久寺家中学校 塚副 雄介 教諭より

生徒にとってなじみ深い建物が次々と紹介されて、建設業の仕事を身近に感じることができる時間でした。電気ケーブルの絶縁体を剥くのは驚くほど軽い力でできました。専門的な道具があることがわかって、よかったです。


「千葉県の建設業の仕事」の出張授業プログラムでは、今回ご紹介した「建設現場で働く人たち」に加え、「「川とくらしを守る仕事」も展開しています。

  

【写真:松田康太郎】

2024年11月5日(火)、香取市立小見川東小学校4年生・6年生のみなさんへ、千葉県魅力ある建設事業推進協議会(CCIちば)とNPO法人企業教育研究会(ACE)の連携による出張授業 「千葉県の建設業の仕事」の「川とくらしを守る仕事」 を実施しました。

  

4年生の社会科、5年生の理科の学習に関連した、川の護岸工事の現場や災害復旧活動など建設業の仕事や役割を紹介する授業プログラム。

この記事では、当日の授業の様子を紹介します。

◆出張授業「千葉県の建設業の仕事」の授業プログラムとは

2013年度から、ACEはCCIちばの事業として千葉県内の小学校・中学校を対象に出張授業を実施しています。建設業は職場見学・職場体験が難しい業種の一つですが、街や暮らしの安全を守り、地域に根差した世の中に欠かせない仕事です。

  

出張授業では、ACEのスタッフが進行して、学校近隣の建設業の企業から参加するゲスト講師が解説をする形で授業を行っています。この日は、千葉県建設業協会・香取支部の企業のみなさまが、ゲスト講師として参加しました。

出張授業「千葉県の建設業の仕事」の詳細はコチラ

◆江戸時代から千葉県は建設業をやっていた先人がいた!

現在の千葉県は江戸時代から利根川・印旛沼の度重なる氾濫に悩まされてきた歴史がありました。かつて、治水でなんとかしようとした人物が、千葉県一部の4年生の教科書にも登場します。

  

その名は「染谷源右衛門」さん。染谷源右衛門さんは、利根川の水が氾濫したときに、東京湾に流れるように新川・花見川を掘り進めようと構想していました。江戸時代当時はうまくいかなかったこの工事が、昭和の時代に大和田排水機場として完成し、今は印旛沼の周辺も農地や住宅ができ、安心して人々が住めるようになったことを復習します。

◆現代でも川岸を守る工事をしている人がいる!

そして現在も、新川をはじめ様々な河川で川岸を守る工事が行われています。その様子を、現場の映像や写真を使って紹介していきます。

  

川岸を保護する工事に使われている「鋼矢板」を教室の中に持ってきて長さや重さを体感することで、川の水の力が大きいことを学びます。ゲスト講師から「作業は安全第一なので、作業する人の安全を守るために鋼矢板が使われている」ということに感心する子どもたち。

次に、この川岸では護岸にコンクリートや鉄ではなく、石と金属のカゴで保護する「かごマット」が使われている理由を考えます。そこには、ただ川岸を保護するだけではない、川とともに生きていく私たちの暮らしに関わる、子どもたちの想像を超える理由がありました。ゲスト講師が解説をすると、子どもたちだけでなく、先生方をはじめとする大人からも驚きの声が上がります。

かごマットの模型を見てイメージを膨らませます

ものづくりをしながら地域に貢献する「建設業」

最後に、護岸工事以外にも道路工事や上下水道工事などの現場があることや、働く人のやりがい、そして建設業は男性も女性も働きやすい仕事になってきていることを紹介する映像を視聴しました。

  

そして、ゲスト講師からも学校の近辺で行っている工事の様子や、災害時の復旧活動、普段仕事で使っている道具などを紹介してもらい、仕事のやりがいや魅力が語られます。

  

この授業を受けることで、工事現場を見かけたらどんなことをやっているか、関心をもってほしい。そして、将来の仕事の選択肢の一つにしてほしい。この出張授業は、そんな願いから、10年以上少しずつ内容を変えながら行われています。


【児童の感想より】

(アンケートより抜粋紹介・一部漢字に変換)

‣建設業は僕たちの毎日を支えてることが分かった。
‣建設業は僕たちのために住みやすい環境を作ってくれているんだなと思いました。将来この仕事をやりたいと思いました。
‣崩れいていなくても、いずれ崩れそうな川辺の補強工事をしていることが一番心に残りました。そしていろいろな意味があって川の補強工事の素材を選んでることもすごい、と思いました。
‣人の命や自然を守る大切な仕事が建設業なんだとわかりました。


小見川東小学校 佐藤 ゆう子 先生より

4年生は、社会科香取市の地域につくした人々について学習しています。また、6年生は、キャリア教育で様々な職業について調べたり、体験したりして学習しています。

どちらの学年でもSDGsについて理科の学習で取り上げられており、たくさんの方の支えがあって今の暮らしが成り立っていることが体験を通して学ぶことができました。

児童の中には、建設業の仕事につきたいという女児がいます。身近な建設業の方に来校していただいたことや女性も働きやすい職場としても紹介していただいたので、自信をもって夢に向かって進めると思います。ありがとうございました。


授業の様子は、千葉テレビのニュースでも放映されました。ぜひご覧ください。

「千葉県の建設業の仕事」の出張授業プログラムでは、今回ご紹介した「「川とくらしを守る仕事」に加え、「建設現場で働く人たち」も展開しています。

【写真:松田康太郎】

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