第1回千葉県青少年を取り巻く有害環境対策推進協議会(ちば地域コンソーシアム)議事録
議事録
市野 敬介氏(青少年関係団体)特定非営利活動法人企業教育研究会 事務局長
今年度からは私たちのNPO法人企業教育研究会に引き継ぎをさせていただきました。私たちのNPOの理事長は藤川先生で、副理事長はこちらの塩田先生です。千葉大学教育学部の学生を中心に、他の大学の学生もいますが、学校の授業づくりをする、ということをさせていただいております。私たちも情報モラルに関する講座、指導内容や啓発の内容もやらせていただいてはおります。
昨年度までは、例えば、後ほどご紹介させていただきますが、ケータイ・インターネット安全教室などで各地にお邪魔させていただいて、啓発活動などをさせていただいたというご縁もありまして、引き続いて今年度は事務局として担当させていただきました。文部科学省に今年もこの「ちば地域コンソーシアム」については、千葉で実行させていただきたい、と申請を出してそれが承認されたということでございますので、今年度もこのように委員会を開催させていただくなど、色々な啓発の取り組みをさせていただこう、ということでございます。
今年の活動内容について主に考えている事を、箇条書きで6つの事をまとめさせていただきました。
1つ目は、こういった今日のような実行委員会の開催です。
2つ目は、ケータイ・インターネット安全教室です。これについては、昨年度からやっていたものを引き続き今年度も募集して、各地でやっていこうということでございます。
3つ目は、メディアリテラシーの指導者養成講座ということで、これも昨年度に青少年協会さんが事務局のときに取り組まれていたものですが、今年度も引き続き開催させていただきたいです。この活動の内容については、変更させていただきたいと思うので、後ほどご説明させていただきます。
4つ目は、インターネット啓発見本市という仮の題をつけさせていただきますけれども、色々なプログラムがありますので、それについてイベントのような形で地域の方々に参加していただきつつ、私たちの色々なプログラムをやっていますし、県内で活動されている方々の情報交換をする場を作ろうと考えております。これも後ほど別の資料がありますので、ご説明させていただきます。
5つ目は、啓発講座紹介ということで、受付窓口を置いて、色々な人たちが地域で啓発講座をやりたいという時にご紹介させていただくことを考えております。
6つ目は、ホームページの作成ということで、ウェブサイトを開設して、県内の方々から私たちのコンソーシアムにアクセスしていただく窓口を作りたいと考えております。 1個1個順番にご説明させていただきたいと思います。
1つ目の実行委員会の開催については、今日のようにこのような形でお集まりいただいて、情報交換させていただくという会議を持ちたいと思っております。今日は第一回なんですけれども、予定では2回となっていまして、次回は平成24年の2月ごろにまた活動できればと思っておりますので、その時にはまたぜひお集まりいただいて、色々なご意見の交換をさせていただきたいと思っておりますし、千葉県内ではどうなっているかということで色々な情報交換をさせていただければと思っております。
2つ目のケータイ・インターネット安全教室ですが、昨年度も県内30箇所位で開催されていました。これは青少年協会さんが窓口になって、各地でPTAや学校、自治体、様々な地域の保護者の団体などで、要請を受けて安全教室や啓発教室を行ってまいりました。これについては、今年度も受け付けを継続させていただいて、20回位開催できればと思っております。実際に青少年協会さんに今年も一部申込みが来ているのもありますので、それを私たちの方で実際に講師を派遣させていただいて、既に今年は4件話が決まっていて、夏までに実施させていただき、秋や冬にもこういった啓発講座を各地で取り組みませていただきます。この委員会が終わり皆様にご承諾いただけましたら、私たちのインターネットサイトの方でも窓口を開設させていただいて、各地の要請を受けて安全教室を実施するということをさせていただきます。この内容についてですが、昨年度までも一貫していたのですが、これは是非インターネットや携帯電話が使うと危険だということを教えるだけではなく、これから上手く使っていくためにはどうしたら良いのか、メディアリテラシーの観点から話をするような講座を作ってやっていくということを考えております。主に、地域の保護者を対象にした講座を受け付けるということで、今年度も引き続きやっていきたいと思っております。これについては、私たちの方で体験型のプログラムということで、実際にインターネットに携帯電話でアクセスしてみて、どういうことを子どもたちがやっているか等を体験していただくような内容を講座としては作らせていただいておりますので、引き続き先ほど申し上げた、上手く活用していくということ、メディアリテラシー、上手く付き合っていくということの観点から啓発をさせていただくことと、「インターネットに触れたことがない」とか「携帯電話でインターネットをしたことがない」という方々にも、ご要望があればそうした少し体験の機会を持っていただくような場を作れればと考えております。
3つ目の「メディアリテラシー指導者養成講座」ですが、この啓発講座も、私たちNPOで講師を派遣することもありますが、是非県内の各地にそういった講座の講師が出来る方をどんどん増やしていかないと、なかなか要望に追い付かないだろう、ということもありまして、メディアリテラシーの指導者養成講座というものを、昨年は塩田先生が講師としていただいて青少年協会さんの場所でやらせていただいたものです。目的としては、こういったケータイ・インターネット安全教室で講師として自らご説明をされるような方ですとか、そういったアシスタントを行っていただき、もしくは地域の中でそういったご相談があった時に自ら「こうした方がいいですよ」などが言えるアドバイザーや指導者になれるような方々を増やしたい、ということで行っております。昨年度までは20名程度の受講者がいらっしゃったということで、今年度もメディアリテラシーの指導者養成講座というのを秋位に開催できればと思っておりますが、新規に養成して、せっかく養成したので養成して終わりではなく、何かその後に情報交換をしたりですとか、講座を受けられた人同士で研究会をしたりしたいな、というのが今年の取り組みではと思っております。昨年度も、指導者養成講座は何回かに分けて実施されましたが、今年もこういった指導者になった方々が最新の情報を常に得られるようにですとか、今日のようにこうした会議に参加いただくとか、実際に最新の業界の方々に意見交換をさせていただくとか、情報交換させていただくとかのような場を積極的に作りたいと今年は思っておりますので、また皆様にそういったご要請をさせていただくことがあるかと思いますので、その時には御協力をお願いしたいと思っております。
4点目に移りたいと思います。インターネット啓発見本市という資料の裏側に移りたいと思います。お手元の資料4番のこの企画案というものを本日はお持ちいたしました。こちらも併せてご説明させていただきたいと思います。この啓発見本市というのはまだ仮の名前なのですが、実際に県内に私たち以外にも、もしくはここにお集まりいただいている皆様以外にも、いろいろな地域でインターネットの安全教室ですとか、啓発プログラムをされている方々がいらっしゃると思っていますし、また各地で私たちの青少年協会さんを通じて、いろいろな地域で啓発講座をやってくださいというニーズは頂くのですけれども、お話を伺うと結構地域によってですとか、リーダーをされている方々の経験によって、どういった講座を希望するかというのはバラバラになっているな、ということを感じております。中には、本当に進んだ最新の情報はどのようで最新の子どもたちが何をやっているのか、どういう危険性があるかを知りたいという場合もあります。そもそもインターネットがどういう仕組みがわからないのでそこから教えてほしい、というところもあります。あとは保護者の方がよく知っていらっしゃるので、子どもたちにどう接したらいいのか、という観点でお話してほしいとか、バラバラになっているなという風に思っております。今年に関しましては、昨年度までは青少年協会さんの方でシンポジウムを企画されていたと思うのですが、そのやり方を少し変えたいと思いまして、この安全教室の見本市というものを企画させていただいております。内容については、企画案の資料の(1)から(3)の所で申しましたが、いろいろな企業の方ですとか、講座を各地で啓発活動をされている団体の方々がどういうことをされているかというのを、資料を置いて頂いたり展示したりして頂くブースを使ったり、後は実際にその場でこの啓発講座をやって頂いて、皆さんで学び合うような形を取りたいなと思っております。後は最新のインターネット事情について、簡単な講演会をどこかでやらせていただこうと思っております。目的は、私たちのような普段から啓発活動をされている方々については、お互いに学び合い、どこが何をやっているのかを勉強させていただく場になるのですけれども、地域で啓発活動をしたいと考えている保護者の方々ですとか学校の先生方にもお越し頂いて、どういったものが自分たちの地域に合っているのかを選んで頂くような場を作っていった方がいいなという風に思っております。来年24年の1月に半日位の日程で、この辺の千葉駅に近い辺りのどこかの会館、第一候補は「きぼーる」で第二候補はこういった文化会館ですとかいろいろな千葉市の文化会館や千葉県の文化会館さんを考えております。無料でどなたでも参加できるような場にしたいという風に思っておりますので、これについては秋にどんどん企画を進めていってその時にご出展頂いたりですとか資料の御提供を頂いたりですとか、その場で啓発活動の講座を実際に開いて頂くとか、そういった御要請をこちらからさせていただければと思っておりますので、御協力の程よろしくお願いしたいと思っております。これがインターネット安全教室見本市の企画でございました。これが今年になって新しい企画と言う風にお考えいただければと思います。
最後に、啓発活動の紹介ということで、これはウェブサイトを開設して、URLを今取りました。こちらの方に、今はまだ簡単な状態ではあるのですけれども、ウェブサイトを開設しておりますので、県内で実際に啓発したいという方々や子どもたちを守るような活動をしたいというご相談もこちらで受けられればという風に思っております。
最後の「その他」という所ですが、私たちも今年から事務局をさせていただくということになりまして、やはり県内でどういった活動をされているのかということをもっと情報収集をさせていただきたいと思っておりますし、それを広く周知していくことがこのコンソーシアムの役割だと思っておりますので、こういった情報を頂ければと思いますし、こちらからも色々と御質問させていただくことがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。あとは、見本市の参加もどんどん呼びかけていこうと思います。私たちは安全教室をさせていただいていろいろな啓発をさせていただくのですけれども、どういった講座をやっているのかということを、このインターネットのウェブサイトなどで情報発信をしていければと思っております。
今年については、こういった事業の形で進めていきたいと思いますし、こういったコンソーシアムを運営するということは初めてなものですから、色々と不慣れな部分もありますので、どうぞ温かく御指導頂ければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
高橋 邦夫氏(学識経験者)学校法人高橋学園 千葉学芸高等学校 校長
1995年にインターネットの教育利用を始めてすぐに、情報モラルの問題があると気付きまして、それ以来ずっと情報モラルの教育研究、カリキュラム開発や教材開発に関わっております。平成22年度は主に5点の事業が行われています。
1点目は、文部科学省作成の『教育の情報化に関する手引き』です。実際に情報モラル教育をどうやってやるのか、学校の中でやること、それから地域や関係機関と連携してやることということがここに記載されています。
2点目は、『教育の情報化に関する手引き』を受けて、各教科の教科調査官を集めて十分に検討し、国立教育政策研究所が集約した『情報モラル教育実践ガイダンス』。小中学校での具体的な情報モラル指導方法が記載されています。
3点目は、文化庁と著作権情報センターとが作成したパンフレット『5分でできる著作権』です。小学校段階では「著作権を尊重する態度を養う」ことから始め、著作権法で取り上げられているルールとか引用とか、そういったことを高校段階までに身につけさせて社会に送り出していく必要がある、等の「段階的指導のモデル」が記載されています。著作権教育に関する初めてのナショナルカリキュラムです。
4点目は、『ネット社会の歩き方』。経済産業省の特定商取引法などを担当する消費者政策担当の発案で始められたプロジェクトですが、情報教育の一翼を担う情報モラル教材として全国の学校で使われています。アニメによる世界最初の情報モラル教材で、昨年3度目の改訂を行いました。子ども向けに作っているのですが、地域の高齢者向けの情報安全教室などでも多く使われています。
5点目は、日本科学技術振興機構(JST)とのプロジェクトである、『犯罪からの子どもの安全』です。ネット上の子どもの行動を見守り、犯罪被害を防止するための研究開発が行われています。
藤川 大祐氏(学識経験者)国立大学法人千葉大学 教育学部 教授
私ども企業教育研究会が事務局を仰せつかり、皆様には温かくご協力を頂き、このコンソーシアムの事業を継続できたということを、感謝しております。私は研究者の立場としてここに参加させていただいておりますので、その立場からいくつか申し上げたいと思います。大きく3点申します。
1点目は、国の会議等出ておりますが、今年度に入りまして様々な状況の変化があるのかな、ということを感じておりまして、その状況の変化を踏まえた取り組みを千葉でも行っていく必要があると考えております。具体的に申しますと、大震災が3月にございまして、非常時にどう情報を活用するかということを始め、新たな課題をつきつけられました。また一方でOECDが『デジタル読解力』の調査というものを始めておりまして、先日も報じられておりましたが、学力の中にデジタル的な情報を扱う力というものが、本格的に位置づけられるようになりつつある、ということでございます。
2点目は、小さい問題に関わる具体的な応対を申し上げます。一つは、学校ネットパトロールという課題がございまして、昨年度から文部科学省で学校ネットパトロールに関する研究会が始まりました。各地で教育委員会や学校がどのようにネットパトロールをしているのか、どのように成果を挙げているのか、という情報を交換しております。学校がどういう風にネットパトロールをして、生徒指導等に活かしているのか、という辺りの情報をまた共有できる場面があれば良いな、ということを期待しております。そういったものを文部科学省の会議に出していければいいだろうと考えております。
3点目でございますが、『九都県市』という枠組みで首都圏の都・県あるいは政令市が連携して様々な取り組みを従来進めて来て頂いているのですが、東京都が昨年度から条例改正に伴って、『推奨端末等の制度』というものを始めました。千葉県でどういう風になっていくかということを、大変注目しています。実態に合った取り組みがどうやって出来るかというものを考えていかなくてはいけないと思っておりますので、こういった点についてもまた情報交換できれば、という風に思っております。
色々新たな課題等々ございますけれども、この協議会が上手く機能して、千葉県では良い形で情報共有あるいは様々な連携が進められれば良いなという風に思っております。どうかよろしくお願いいたします。
木名瀬 訓光氏(青少年関係団体)千葉県青少年相談員連絡協議会 会長
私たち青少年相談員は、知事から職を受けた約4300名が全市町村の各地域でスポーツやレクレーション活動を通して、青少年の健全育成に努めています。おおむね1小学校区で5名になっております。学校区での活動を中心として、市町村の事業や県の事業等にも協力しております。青少年の健全育成のための唯一の全県的組織であり、私たちはボランティアで活動しております。
私たちの任務の一つに、社会環境浄化の促進というものがあります。昨年度は何か県内一斉で取り組むことは出来ないか、ということでコンビニ店舗における社会環境実態調査を実施しました。これは、青少年健全育成条例によって有害図書、いわゆる成人向け図書を販売する場合には、区分して陳列すること、青少年の閲覧や販売を禁止する旨の表示をしなければならない、となっています。
子どものインターネット問題についても、これまで研修会等で取り上げています。子どものインターネット利用をめぐっては、被害者にも加害者にも成り得るし、年々問題が複雑化しております。私たちは地域社会で活動しており、学校とも密接につながりを持っております。この協議会で取り上げられたことについて、私たちにできることがあれば是非協力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
鈴木 善幸氏(青少年関係団体)財団法人千葉県青少年協会 事業グループリーダー
昨年度まで事務局をさせて頂きました。御協力ありがとうございます。私共青少年協会は事務局から離れたのですが、このケータイ・インターネットの問題については引き続き取り組みをさせて頂いております。平成19年度から保護者を対象に活動をしていきました。今年度も引き続き3件ほど事業を予定しています。
1件目は、ケータイの安全教室のコーディネートです。課題や問合せ事項として、保護者とか行政とか企画する側が、何が問題なのか自分自身がわかっていない、というケースが非常に多くありました。私たちが何を紹介できるのかを、「企業・行政・NPO等がこういったプログラムができますよ」、というものを何件かまとめて学校側・行政側に提供できるようにすることが、1つの考えです。
2件目は、人材養成です。昨年度は23名の地域の大人の方々が参加をして頂きました。その方々が、昨年度10月以降、自分たちの中で出来ることを活動として安全教室を開いています。そういう成果が徐々に出てきました。ただここにも課題がございまして、受講される方々のレベルというのは一定ではありません。そういったものを継続的にしていきまして、このケータイ・インターネットの諸問題について、地域に根差した取り組みをしていくことが大事だと思っております。今年もできれば引き続きそういった形でコンソーシアムと連携しながら、保護者が講師となり得る人材の育成を引き続き行っていきたいと考えております。
最後は、情報の配信ということで、このケータイ・インターネットの問題をより多くの方々に配信できるように、ホームページや機関紙を活用して、引き続き呼びかけていくというような形で、当協会としては連携をしていきたいと考えております。
園田 敦子氏(子育て支援関係)特定非営利活動法人 ちば子ども学研究会
私たちは、地域みんなで子育てをする環境作りに取り組んでいる団体で、2003年から任意団体として活動していたのですが、今年の3月にNPO法人となりました。会員のほとんどが子育て中の保護者です。私たちもPTAをやってきたのですが、本当に子どもと大人との知識の差がケータイに関しては、子どもの方が進んでいて、親の方が全然知識が無いのです。それで買い与えるとか貸し与えるとか仰っていましたが、子どもに『皆が持っているから買わないといじめられる』とか言うと、親は本当に考えないで買い与えてしまう…それが現状かなと思っています。それは親の方が『アドレス交換しよう』と言われても『赤外線通信使ったことありません』とか、色んな情報が無くて子どもの言いなりになっている部分があって、非常時にメールが使えなかった時も、ツイッターがなぜできたのかということが全然わからなくて、その説明を受けて『サーバーが…』と言われても、『サーバーってなんですか?』みたいな感じで、本当に知識が全くないのに、子どもに与えているという状況です。私たちはケータイの問題というのは、コミュニケーションの問題ではないかと思っています。親と子がちゃんと話の出来る環境とか、何か困った時に誰かに相談できる環境とか、そういう風に親も他の親と情報交換出来る、そういう場が本当に必要だと思っているので、そちらの立場から何かケータイ問題について考えていけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
川津 光雄氏(メディア関係企業関係者)千葉県インターネット防犯連絡協議会 会長
県内のインターネット機関、技術関係をやっている会員さんと、会議に入って取り組んでいます。9月に県警さんと連携してネット上の防犯というものにも取り組んでいます。私たちの委員という部分では、先ほど言ったようなネットに上がっているサーバーとか、ホームページとか、そういうサービスの提言とか管理とかやっていますので、そういう部分で合法的で問題にならないように、勉強を行って県警さんと色々な研修会に取り組んでいます。今日は会議で委員間の情報交換の部分では、私たちは情報とは発信だな、ということになっていますので、そういった部分で合法的な面で問題にならないように、と会員さんと県警さんとで取り組んでいる、という近況です。
宮嶋 睦雄氏(メディア関係企業関係者)株式会社NTTドコモ 千葉支店 企画総務部長
私たち通信事業者の大きな責務の一つとして、災害に強い通信ネットワークの構築を図ることと考えております。
今年3月11日に発生した東日本大震災では、東北地方において甚大な被害に見舞われ、千葉においても多大な被害を受けました。その災害の中においても通信を途絶えさせないということが通信事業者に課せられている一番の使命と考えております。
また、本日の「青少年を取り巻く有害環境対策推進協議会」の趣旨を踏まえますと、ドコモとしましては、青少年の方々に対して、携帯電話での適正なインターネット利用に向け、アクセス制限サービスとしてのフィルタリングの徹底に取り組んでおります。当社は、千葉県下に69店舗のドコモショップがございますが、未成年の方が携帯電話を使用される時には、店頭窓口において必ずフィルタリングを実施して頂きたい旨のご説明をさせて頂き、徹底した取り組みとして一つずつ進めさせて頂いております。
それともう1つ、一昨年までは、ドコモでは携帯電話の使い勝手をメインとした電話教室を実施しておりましたが、昨年から今年にかけましては、有害サイト対策としてのフィルタリングサービスを重要視した電話教室を実施しております。今現在の活動としましては、県内の小中高学校あるいは教育機関から要請を頂ければ、携帯電話を安心・安全にご利用いただくために、携帯電話のマナーやトラブルへの対処方法を啓発する「ケータイ安全教室」を実施しております。ドコモのホームページに、『安心・安全への取組み:子どもの安全を守るための取組み』という項目がございますので、そこをご確認頂ければ、「ケータイ安全教室」のご紹介や申し込みが可能になっております。あるいは、私にお声掛け頂ければ、「ケータイ安全教室」の取組みをご紹介させて頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
福井 享氏(メディア関係企業関係者)ソフトバンクモバイル株式会社 総務本部CSR推進部 部長
お客様がいらっしゃったら、まず利用者とその生年月日を申告いただいて年齢を確認します。その際、20歳未満と判明したら、その保護者の方とそのお子様に、必ず、店頭に配置してある『保護者説明書』でネットの危険性や、犯罪被害者の98.5%はフィルタリングに加入していなかったという、警察のデータ等をお示しして、お子様の携帯電話インターネット利用のリスクを低減するために、フィルタリングの加入を強くお薦めしております。さらに、昨今話題になっているスマートフォンについて、私共ではスマートフォンというカテゴリの中にiPhoneとAndroid系のSoftBankスマートフォンと2つあって話がややこしいのですが、SoftBankスマートフォンについてはいわゆるフィーチャーフォンと同様のフィルタリングがかかるのですが、iPhoneにおきましては、フィーチャーフォンと同様のフィルタリングは、今現在はかかりません。そのため『Yahoo!あんしんねっと』というフィルタリングを可能とするウェブ閲覧ブラウザをインストールして頂いて、ホワイトリストモード、ブラックリストモードは小学生モード、中学生モード、また2種類の高校生モードなど学齢別の5つのモードから利用されるお子様に応じたものを選択して頂いています。携帯電話会社のフィルタリングは無線LAN(Wi-Fi)ご利用時には適用されませんが、この『Yahoo!あんしんねっと』は端末にインストールするものですので、3G接続時はもとより、無線LAN(Wi-Fi)接続時でも有効に機能します。またいわゆるスマホのアプリについて、審査の厳しいiPhoneはともかく、Android系での問題がいずれ俎上に上ってくるものと考えておりますので、当社ではSoftBankスマートフォンについては、フィルタリングに加えて『あんしん設定アプリ』をご利用頂き、保護者の方がお子様のアプリのインストールの制限や利用の制限を実施されることをお勧めしています。『保護者説明書(フィルタリングに関する重要なお知らせ)』に加えて『ケータイあんしんBOOK』と題するパンフレットで、このあたりは詳しくご案内しております。動きが速いのでこれらは、半年に一回程度の頻度での改訂・更新が必要になります。
*この会議は2011年7月に行いましたので、フィルタリングの現状が変わってきております。2011年12月1日以降 iPhoneでもフィーチャーフォンと同様のフィルタリングが適用されます。 Wi-Fi接続には『Yahoo!あんしんねっとfor SoftBank』がご利用になれます。
吉野 充信氏(メディア関係企業関係者)株式会社ウィルコム 経営企画部 部長
弊社につきましては、今あるサービス、運用を徹底していくように現場で進めており、フィルタリングにつきましては、全販売店での周知及びお客様への勧奨を徹底しております。ただ、至らない点や、お気づきの点などございましたら、ご指導いただければと思っております。
私どものサービスにつきましては、音声中心でインターネットコンテンツへの接続についてはそれほどお客様のご利用はされていない状況です。出会い系サイトにつきましても、公式コンテンツでは無い状況ですので、比較的そういった所のリスクは低いとは思いますが、端末につきまして高校生など若年層でお使いのお客様への対策と安全につきましては、強力なペアレントコントロール・ホワイトリスト的な発着信のメール、ウェブサイトで完全にコントロールできるような機能を持たせております。この端末の機能とネットワークと販売店での勧奨との3点セットで出来る限り安全にお使い出来るように進めております。
矢橋 康雄氏(メディア関係企業関係者)社団法人電気通信事業者協会(TCA)業務部 部長
通信というのは社会的なインフラであり、あらゆる場面ですべての人々にとって非常に重要なものであります。東日本大震災でも問題になりましたが、通信の安定的な供給というのが必須であり、併せまして適正な使い方または有害情報の排除ということ、あるいはそのため工夫とリテラシーの向上や啓発ということなど、そういう取り組みは事業者にとっても非常に重要な社会的責任であると認識しております。特に携帯電話についてはパーソナル通信という側面がございますので、より一層の取り組みが必要であるというところです。
各事業者も個別にいろいろと取り組んでいますが、私どもの業界団体としましても、それらを取りまとめるあるいは代表するという立場でございますので、ぜひこういった場で皆さんのご意見をいただきまして、さらに取り組みを強化していきたいと思います。
吉岡 良平氏(メディア関係企業関係者)一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構 事務長
私たちの団体では、主にサイトの審査認定と啓発を行っております。サイトの審査認定についてですが、認定基準の大幅な改定を主に4点しております。
まずは認定対象については2点ありまして、1点目は昨今のスマートフォンやゲーム機などの新しい通信デバイスの定義に基づいて運営されるサイトについては、今までの携帯電話の時と同じような管理体制を敷かなければいけないという基準に改正しました。
2点目は自主的改善のための運用化のプロセスについてです。これは大きな改定でありまして、この規定を入れることによりまして、私たちの団体の方から認定サイトに対して、改善プログラムの改修計画というものを提出させることができるようになります。いろいろな問題を発見したり関係省庁や関係団体などから情報がたくさん入ったりしますが、これらの情報を総合的に判断する中で疑問が発生した際にこちらからも改善をお願いし、その際にどういった改善をいつまでにどういう計画でやっていくかということをお約束していただけるようになります。基準についても大きな改定が2点ほどありまして、1点目はコミュニティサイトについてです。コミュニティサイトではネット上で知り合った人と直接会うことによって生じるリスクが議論されてきましたが、一方では性的刺激の強いものや暴力的刺激の強いコンテンツもあり、そういった部分に対してもきちんと対応していかなければいけません。特にコミュニティサイトについては、今までコミュニケーションを取ることが主たるものでしたが、昨年くらいから事業者が利用者に情報提供するものが非常に増えてきています。その中には首をかしげてしまうものも出てきておりますので、それぞれの認定事業者が自分たちでサイトの中で提供するコンテンツの表現のレベルを決め、子どもたちにコンテンツをどのようなレベルで提供するかという約束をきちんとしてほしいという内容の規定を「自社表現基準」と言う形で入れさせていただきました。
3点目は広告についてです。広告に関しては各サイトについて収益の大半を担っている部分がありますので踏み込みづらいのですが、先ほどのコンテンツと同様に考えまして、青少年に提供する際に適切なコンテンツとしての広告がどのようなものであるかということを判断する基準を作り、こちらの方で審査させていただきます。例えば、医薬品を保護者の確認なしに摂取したりコンタクトレンズを購入したりといった青少年が単独で使うことについてリスクがあるような商品の広告については一部制限を掛けながら提供してもらいたいということを基準として入れさせていただきました。
啓発についてもいろいろ活動しておりまして、直近のものでは7月16日に大阪私学教育情報化研究会が共催で「高校生熟議」というものの1回目を実施させていただいております。高校生が自分たちでケータイ問題について考えてみようというということで、全部で3回開催する予定です。1回目がケータイやネットの問題点について、2回目が自分たちにとってケータイやネットがどういうものかについて、3回目がこれからのケータイやネットについて熟議をしていただく、という取り組みをします。それぞれの熟議の間にも文部科学省の「熟議カケアイ」というサイトに「ネット熟議」というコーナーを設け、そこでネット上での熟議をしていただきます。こちらは高校生も大人も入って議論を戦わせていただくということになっております。このような形で啓発を現在進めております。
池田 正人氏(行政(県))千葉県環境生活部県民生活課 主幹
この問題は特に保護者への啓発が必要だということで、これまでは中学1年生の保護者全員にパンフレットをお配りして啓発を行ってきましたが、今年の7月に県内すべての小・中・高・特別支援学校に対して、生徒を通じて保護者に「青少年を被害から守るために」というパンフレットをお配りしております。このパンフレットでは携帯電話やインターネットの安全安心な利用についてということでこれまでコンソーシアム等で指摘を受けていたり話し合ったりしたことをまとめて保護者にわかりやすく見ていただくという形で79万部作成してすでに配布しております。
次に、今年度からネットパトロールを県民生活課でやることにしました。専門の職員を2名採用しまして、専従でやっていただいています。その結果驚くことに、今非常にものすごいことになっているということが県としても把握できました。結果につきましては毎月、県教委または市町村教委を通じて各学校へ指導の参考にしてくださいということで通知させていただいております。ちなみに4月から6月の間の3か月の実績では問題の書き込みを627件抽出しました。これらのうち100件以上は各市町村教委または県教委を通じて直接学校に情報提供をして生徒指導または保護者の方に指導をお願いするということで対応しています。内訳を上げると個人情報についての書き込みは386件、誹謗中傷については14件、暴力や問題行動については77件、彼氏との写真を掲載しているものは1件、抽出しております。学年別で見てみますと、中学3年生と高校1年生が全体で68%を抽出しており、非常にこの年代が多いということがわかります。しかも性別から見ると女子が83%になっているという実態です。サイト管理者や違法有害情報相談センターにお願いして、県としても削除依頼をお願いしているという実態があります。今年の5月に千葉市若葉区で起きた傷害事件の際、2ちゃんねるに犯人ではない生徒が犯人扱いされて顔写真を掲載されたことがあり、すぐに違法有害情報相談センターに通報して削除していただきました。しかし、一旦ネット上に載ったものはいろいろなところに出回っていて、県の方にも通報があり、ネットの怖さというものを十分感じました。その他にもプロフィールサイトにおける書き込みから生じた問題や、リストカットをして病院に運ばれた少女が、病院で自分の写真を取ってネット上に載せた問題、ネット上に載せられた盗撮写真によって誹謗中傷が起きた問題があり、このような問題はすべて学校に通報して、特別指導にあたっていただいたり、今後の生徒指導に役立たせていただいたりしております。
最後に九都県市についてですが、東京都の条例で青少年の健全育成に配慮されている携帯電話の機種またはその機能についてその基準をクリアしていれば東京都として推奨していくというものですが、これを東京都だけで推奨するのはもったいないということで、首都圏として千葉・埼玉・神奈川も東京都が推奨した携帯電話端末またはその機能についてはそれぞれの県内の販売店で九都県市として推奨していこうということで現在取り組みを進めております。
秋田氏(行政(警察))千葉県警察本部生活安全部少年課 企画係
6月までの上半期での県警の取り締りの内、出会い系サイトや非出会い系サイト(コミュニティサイト)においての検挙状況は29件になっており、前年の同時期に比べるとマイナス1件でほぼ同数になっています。その内、非出会い系サイトが増えており、出会い系サイトは減っているという状況です。警察庁から携帯電話販売店に対するフィルタリング推奨の調査の2回目を今後やっていくという発表があったのですが、県警の方でも計画を立てまして、携帯電話販売店のご協力をいただきながら近く進めていきたいと思います。
やり方としては、去年の12月に行われた1回目の調査と同じで、警察職員が一般人として「子どもの携帯を買いたい」という形で販売店の方にフィルタリングを推奨する熱意がどれくらいあるかを調査します。1回目の調査の結果、全国ではおよそ60%の販売店の方が熱意持って推奨していましたが、千葉県ではおよそ50%と、全国に比べて熱意が低いという結果になりました。しかし1回目の調査は37店舗でしか実施していない結果で規模が小さく一概に言えないので、2回目の調査を近くしていきたいです。また調査の精度を高めるために同じような調査員が出向いて調査していきたいと思います。
石渡 基晴氏(行政(警察))千葉県警察本部生活安全部生活経済課 対策第二係長
青少年のインターネット利用に関わるサイバー犯罪対策に対する取り組み状況としては、ネット安全教室の開催による広報啓発活動やインターネット上の違法・有害情報の排除対策に取り組んでいます。
ネット安全教室に関しましては、学校関係者や教育委員会との連絡・調整を図りまして、児童や保護者または先生方を対象に、子どもたちが関わりやすいサイバー犯罪の状況や対応策などについて講話を実施しており、昨年中は302回実施し、約75000人を対象に行いました。
また、去年までは本部員が県内各地に赴いて実施していましたが、学校数も多く、人員的に限りがあるため、本年からは各警察署の犯罪抑止担当者などの積極的な取り組みを促し、各学校を回って実施することで広く浸透するよう努めています。
インターネット上の違法・有害情報の排除対策につきましては、サイバー犯罪対策部門のみでなく各捜査部門などが連携し組織的な推進を図っています。
具体的な取り組み事項としましては、民間ボランティアの方に協力をいただき官民一体となった違法・有害情報発見活動(サイバーパトロール)に努め、発見した情報の取り締まりやプロバイダ、サイト管理者などへの削除要請を積極的に推進してまいります。
古谷 成司氏(行政(市教委))富里教育委員会学校教育課 指導主事
ネットのトラブルが起きないよう啓発することの中でやっていることは,市教委独自で市の消費生活センターとタイアップしてリーフレットを作成して保護者や市内近隣の直売店・量販店に配布して,子どもが携帯を契約した時に一緒に保護者の方に渡していただくという形でやっています。去年までは年1回リーフレットを持って回っていたのですが,今年からは子どもたちの携帯電話の契約が増える夏と卒業前の年2回行うこととしています。
また,啓発ということで市教委の指導主事の方では出前講座を行っています。できるだけ多くの方に聞いていただくために,2月ごろに小学6年生単独で行われる保護者会の機会を利用して「親子ケータイ教室」という出前講座を開き,小学6年生の親子でルールづくりに関する同じものを見て親子で話し合わせています。この講座は非常に好評で,できれば市内全部の小学校で実施していきたいと考えています。
ネットパトロールについてですが,県でやっていただいている青少年ネット被害防止対策事業のおかげで,富里市内の子どもがした書き込みなどの情報が市教委へ来るため,生徒指導主事が出席する毎週1回中学校で行われる生徒指導会議の際にそのような情報を持って会議ができるので,非常に助かっています。また,市独自でも問題行動を起こしている生徒のプロフを見て,今どういう状況にあるのかをチェックし,その情報を学校に流すということをしています。市役所の中にも中学校の子どもをもっている職員がいるので「こういう書き込みがあった。」と我々指導主事の方に連絡を入れてくださる職員もいます。市教委としてはそのような形で取り組んでいます。